有川浩のおすすめ本6選【小説から映画原作まで】

「有川浩の作品って本屋さんでよく見かけるけれど、どれから読んだらいいのかな?」
「有川浩の書いた、恋愛小説以外の本でおすすめは何かな?」

有川浩の小説はメディアミックスが多いので、読んだことはなくても名前は聞いたことあるという人が多いのではないでしょうか?筆者も最初はあまりにあちこちで見かけるため、逆に読む機会はいくらでもあるだろうと手を出しそびれていました。

色々なことに疲れ、フィクションの世界だけでも楽しい気分に浸りたいと思って手に取った有川浩の著作で、筆者は救われた経験があります。それ以来、気分を変える妙薬として日々有川浩の作品を読み続け、新作が出ると必ず手に取るようになりました。

そんな筆者が、もっともおすすめする有川浩の小説6冊を、「自衛隊の印象を変えた本」「爽やかな映画原作本」「読み出したら止まらない小説」の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

自衛隊の印象を変えた本

空飛ぶ広報室

読んでみて

有川浩は一般的な自衛隊に対する捉え方や感情を言葉にし、そこに偏見があることを、小説という柔らかい媒体を使って教えてくれている作家だと思います。自衛隊をモチーフにした作品はいくつも発表されていますが、これらを通して自衛隊に対する印象が変わった人はきっと多いことでしょう。

中でもこの作品は、仕事と恋人どちらを優先するか、まさに究極の選択に悩むという恋愛小説の王道を描いた点で、自衛隊に対する敬慕の情が強く感じられました。東日本大震災後に加えられた「あの日の松島」という最終章は、切ないラストなのにとても前向きな印象で、涙なくしては読めません。

みんなのレビュー

最後の松島の話に思わず泣く。 誇り、愛情持っていることに対して理解されない、軽んじられる事に怒って切り捨てるんじゃ無くて、ちょっとでも分かってもらえるように。広報って大変だけど、すごい仕事だな。 そんなことより何より一生懸命な魅力的な人達がいる可愛いお話でした。

読書メーター

図書館戦争

読んでみて

作者曰く “ベタ甘” な展開も含まれる恋愛小説です。特に別冊は、読んでいるこっちが恥ずかしくなりつつも、ページをめくる手を止められませんでした。しかし単なる恋愛小説ではありません。

本を守る図書隊という架空の組織の話で、その設定に馴染めず手が出ない人もいるかもしれませんが、常に危険と隣り合わせにいる人たちと捉えると、自衛隊に共通する信条を感じます。

また、図書隊は多くの人に本の魅力を伝え、行き過ぎた検閲を阻止するために活動し、時には戦闘へと発展します。図書館内で銃弾が飛び交うというのは小説ならではの展開ですが、今も検閲は行われていて、表現の自由を守るというのは私たちの考えるべきテーマでもあると思いました。

みんなのレビュー

再読。 読めば読むほどハマる…。 図書委員をしているので、もしこの世界が現実になったら、と思うとめちゃくちゃ怖いです。 規模は小さいけど、一応図書に関わってる人間として、こんな世の中には絶対になってほしくない。 と、切実に願う一方で、郁と教官に、 「なんだよこいつら!じれったい!」 とも。
別冊の最後まで読んでからの1巻は、じれったい。ものすごく。 シリアスなところと面白いところと、この絶妙なバランスはさすが有川さんで、表紙をめくったら最後まで読み手の心をわしづかみにしてしまうところもさすが有川さん。

読書メーター

爽やかな映画原作本

阪急電車

読んでみて

阪急電車に乗り合わせた人たちの物語で、短編ではありますがそれぞれの話が繋がっていて、とても読みやすいです。作品の中で小さな奇跡を見つける登場人物たちに、読んでいる私たちまで幸せな気分になります。2011年に映画化され、こちらも心温まる作品と評価する人が多いです。

電車の中でこんな偶然の素敵な出会いや出来事に遭遇するわけはないと思いつつも、この作品の清々しさにどこかあり得ると信じてみたい気持ちになり、この本を読んだ後は電車に乗るとつい周りを見渡してしまう自分がいました。

みんなのレビュー

再読。有川浩さんの本を読むと恋っていいなと思う。 登場する人がみんな素敵。解説にほっこり胸キュンと書いてあるけど、まさにそうです! 本を読むとこの人どうなったのかなぁって思うことがよくあるけど、この本は折り返しで先を見せてくれるところも好き。
電車の中の、よくある日常から素敵な出会いに発展する。どんなところに出会いがあるかもわからないし、ちょっとした勇気とか親切で、誰かの人生に関わることができる。日常を大切にしようと前向きな気持ちになりました。

読書メーター

旅猫リポート

読んでみて

有川浩の作品は、ハッピーエンドで元気をもらえるものもある一方で、胸に染みわたる切ない物語も多いです。この本は後者の代表作と言っていいでしょう。有川浩の作品の中でも特に、小学生ぐらいの年代にもおすすめできるストーリー展開だと思いました。

読んでいくと、結末に辛い現実が待っていると気づいてしまうのですが、それでもサトルと猫のナナの最後の旅を見守りたいと、涙をこらえながら読み続けてしまいます。2018年に映画化されましたが、この作品でこんなに泣くとは思わなかったと、良い意味で予想を裏切られた人が多かったようです。

みんなのレビュー

昔飼ってた愛猫をずっと思い浮かべながら読みました。猫好きは必ず夢中になって読んでしまう本ですね!ナナがとにかくかっこよくて凛としてなんて男前な性格!見習いたい。最初の一行目から心をがっしり捕まれ、ナナの言葉を読むのが楽しくて楽しくて楽しくて仕方なかった。
そしてナナの語る「サトルと一緒に見たもの」がとてもとても印象的で。。。 後半は大泣きでした。 悟と周りの人達との関わりも、厳しい現実がある中でとても暖かく優しく描かれていて、本当にまれにみる素晴らしい本、心から大好きだと思える本に出会えました。

読書メーター

読み出したら止まらない小説

三匹のおっさん

読んでみて

この本は、読み終えた後の爽快さが有川浩作品の中でもピカイチだと思いました。主人公が還暦のおっさんという異色のお話ですが、おじさんたちの活躍はもちろん、孫たちの恋愛も絡んできて、とても重層的なストーリーになっている点も面白かったです。

有川浩の作品は、主に若い人が多く読んでいるのかもしれませんが、この本だけは主人公たちと同じ、歳を重ねた男性にも好評を博しているようです。真面目な話をしていると思いきや、おちゃらけた話も適度に入れることで、全体的にバランスがいいところも、幅広い世代に楽しまれる理由かもしれません。

みんなのレビュー

おじさんがかっこよすぎる作品。頑固おやじって、結構敬遠しがちなワードだと思うんだけど、こうして彼らの目線に立ってみると、生き様がとってもまっすぐで綺麗。はっきりと叱るし、多分、身近にいたらちょっとうっとうしい。でも、彼らのようなまっすぐな人がいたなら、とても幸運だと思う。
彼らは間違った道を歩くことを許しはしないし、きっと、間違った道へ歩もうとする人を見捨てない。そして、巻き込まれそうな弱者を助けることを知っている。相手のことを思いやる全ての行動が、とても輝いて見える作品です。

ブクログ

キケン

読んでみて

理系男子大学生が全力で謳歌した部活生活を描いた物語です。読み始めたら笑いが止まらなず、一気に読み終えてしまいました。しかし最後にきて胸に切なさがこみ上げてきます。読後感が爽やかな物語です。

学生時代がどれほど眩しくて貴重な時間であったことか、当事者たちはまず気づかないことでしょう。しかし歳を重ねてみると、その戻れない時間がどれほど幸せであったか痛切に感じます。だからこそ、こうした学生時代の青春小説を読むと、どこか切なさを抱くのかもしれません。

みんなのレビュー

漫画のようにテンポよくトントン読めた「キケン」。自分の学生の頃を思い浮かべながら、解説にもあったようにまさに「羨ましい!」という気持ちで読んだ。「全力無意味、全力無謀、全力本気」、こうやって過ごす時間は、自分の人生の中でどれだけあったのだろうか、あるのだろうか。
年齢を重ねるごとに、過去にしがみついてしまう自分を感じるけど、前に進みなさい、進むしかないと、そっと背中を押された感じ。基本的にコメディチックなのに、最終的には、生きていくことを肯定されるという、素敵な本。

読書メーター

まとめ

読みたい本が見つかりましたか?

今や脚本家として有名な野木亜紀子は、有川浩作品の脚色も担当しています。2013年にドラマ化された「空飛ぶ広報室」もその一つです。実はドラマと原作ではエンディングが違うのですが、役者陣の熱演も相まって、どちらもそれぞれ納得のいく、素敵な終わり方でした。

「図書館戦争」は漫画もアニメも作られ、全てがヒットしたことでも知られています。このように有川浩の作品は漫画化、映画化、ドラマ化されたものが多いです。気になる作品があれば、そういったものから手を出してみるのも良いですね。

有川浩の作品は読みやすく、前向きな気持ちになれるものが多いです。これらの本をきっかけに、幸せな読書タイムを満喫できる人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。

コメントを残す