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池井戸潤のおすすめ小説・本12選【代表作から映画やドラマの原作まで】

「池井戸潤の作品ってどんなのがあるんだろう」
「ドラマや映画になったあの作品の原作を読んでみたい!」

2013年に日曜劇場にてドラマ化された「半沢直樹」など、数々の代表作を生み出している作家・池井戸潤。2020年にその続編となる「半沢直樹 season2」が放送される予定となっております。

しかし、書店では「企業小説」や「ビジネス関連書」といった、少し手の出しにくい場所に並んでいることがあります。「ドラマは見たことあるけど、原作はちょっと難しそうだな」という印象を受けたことがあるのではないでしょうか。

そこで今回は、「下町ロケット」から池井戸潤作品の魅力にハマった筆者が、ドラマ・映画の原作となった池井戸潤作品を12選ご紹介いたします。原作を読んでから、ドラマ・映画をご視聴すると、より面白さが深まると思います。

代表作の半沢直樹シリーズ

オレたちバブル入行組

読んでみて

文芸雑誌「別冊文芸春秋」にて2003年から2004年にかけて連載された「半沢直樹」シリーズの第1作。バブル期に東京中央銀行へ入行した半沢直樹が、大阪西支店へ出向し「西大阪スチール」の粉飾と計画倒産、そして銀行の闇の部分を暴いていく物語。

本作は、2013年の「半沢直樹」の前半部分にあたるストーリーで、ドラマよりも登場人物は若干少なめとなっております。ですが、元銀行員という経歴を生かし、用語などもわかりやすく解説されている、痛快エンターテイメント作品です。

みんなのレビュー

あの大ブームを巻き起こした『半沢直樹』の原作。私もドラマを毎週楽しみにしていたクチだ。たまたま近所のリサイクルショップでこの本を格安で手に入れたのはラッキーだった。この作品はドラマ前半の大阪の支店で融資した会社の計画倒産を暴くストーリー。文句なく面白く、細かい部分をいい感じに忘れているので、続編も続けて読んでみようと思う。

読書メーター


オレたち花のバブル組

読んでみて

文芸雑誌「別冊文芸春秋」にて2006年から2007年まで連載されていた半沢直樹シリーズの第2作目。東京中央銀行営業第二部次長に栄転した半沢直樹が、老舗ホテル「伊勢島ホテル」の再建の裏に隠された闇を暴くため、金融庁の黒崎駿一などと対立する物語。

本作は、2013年の「半沢直樹」の後半部分にあたるストーリーで、半沢直樹の宿敵である大和田常務や、オネエ言葉で半沢たちを追い詰めようとする黒崎など、ドラマではお馴染みの人物が登場します。また、半沢の同期である近藤や渡真利の活躍にも注目の作品です。

みんなのレビュー

ドラマ『半沢直樹』後半の原作。原作はドラマよりも、背景である銀行内の合併による派閥争いの印象が強い。私も新卒で入社した会社が数年後に系列会社と対等合併した経験がある。まだまだ若手だった私は、相手会社の社員に対して特に敵意を感じることもなかったが、それなりの年齢の人たちはその状況に馴染むのに大変だったり、馴染めず辞めていったりした人たちも少なくなかった。同じ目的で一緒に仕事をしている仲間なはずなのに足を引っ張り合う姿は、極端ではあるが見覚えのある光景だ。

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ロスジェネの逆襲

読んでみて

経済専門雑誌「週刊ダイヤモンド」にて2010年から2011年まで連載された「半沢直樹シリーズ」の第3作目。東京中央銀行から子会社である東京セントラル証券への出向を言い渡された半沢。ロスジェネ世代の森山と共に、IT企業の買収合戦の裏側に立ち向かって行く物語。

2020年の「半沢直樹 season2」の前半部分で描かれることが決定している部分で、前2作とは違い、半沢の家族描写は少し減っております。また、証券用語など少々理解するには時間のかかる作品かもしれませんが、ドラマが始まる前に読むのもおススメです。

みんなのレビュー

「どんな場所でも、大銀行の看板失っても、輝く人材こそ本物だ」半沢さんと一緒に働けた森山さんは幸せだ。顧客を優先し、自らの地位を顧みない肝のすわった仕事ぶり。知恵と努力で相手を上回る。大切なことです。「批判だけでなく、誰もが納得する答えがいる」「まず、解くべき問題を探してくる」今の教育に求められているところですね。電脳の出向にこの人を指名するか。なるほどね。すっきり‼️

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銀翼のイカロス

読んでみて

経済専門雑誌「週刊ダイヤモンド」にて2013年から2014年まで連載された「半沢直樹シリーズ」の第4作目。証券会社から東京中央銀行へと復帰した半沢へ、破綻寸前の「帝国航空」の再建の話が舞い込み、この話は半沢のみならず政府をも巻き込む巨大な陰謀が渦巻いていく物語。

2020年の「半沢直樹 season2」の後半部分で描かれることが決定している部分で、2作目に登場した金融庁の黒崎と再び対峙する場面などがあります。1作目と比べ、半沢の成長した部分も見受けられ、国という強大な相手にも屈しない半沢や協力者たちが頼もしく見える作品です。

みんなのレビュー

半沢直樹シリーズ最終章。今回の敵は政府。シリーズごとにスケールが大きくなっていく中、またもや大きな倍返しを成し遂げてくれた半沢さん。珍しく、先輩上司と仕事する一面が描かれていたり、半沢の範疇を超える出来事が起こったりと、着地点はどこになるのか最終章まで全く予想できない展開に捲るページが止まりませんでした。はやくドラマがみたいな〜。

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映画の原作となった小説・本

七つの会議

読んでみて

「日本経済新聞電子版」にて2011年から2012年まで連載されていた短編作品集。中堅電機メーカー・東京建電のトップセールスマン・坂戸宣彦が年上の部下・八角民夫の内部告発により更迭されたことを機に、会社内部の様々な人間関係を描いた群像劇。

2013年には東山紀之さん、2019年には野村萬斎さん主演で映像化された作品です。主要人物が多く、さらにその家族まで登場し、人間関係が複雑に絡み合うのですが、不正を暴くために奮闘する様々な社員達の奮闘に、共感するのではないでしょうか。

みんなのレビュー

映画を見る前に原作を読了。僕もメーカーの社員なので共感して身につまされ、続きが気になって最後はスカッとする素晴らしいストーリーでした。 著者も言ってたようですが、野村萬斎さんは八角さんのイメージとは違いますよね。いつもうだつの上がらないおじさんが実は・・・という意外性があるのが八角さんだけど、萬斎さんじゃ最初から切れ者イメージ強くて鋭い牙を隠しきれてない。まあ、僕も萬斎さんの映画予告を見て本を手に取ったから営業的には正解です(笑)

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空飛ぶタイヤ

読んでみて

「月刊J-novel」にて、2005年から2006年まで連載された社会派経済小説。父の跡を継ぎ、運送会社を営む赤松徳郎が、自社で起きたタイヤ脱輪事故と大手自動車会社の整備不良の闇を暴き無実を証明しようと奮闘する物語。

これは、2002年に起きた三菱製大型トラックの脱輪事故と三菱自動車のリコール隠し事件をモチーフにしております。自社を守るべく、圧倒的不利な状況から一歩筒解決の糸口を見つけるために奮闘する赤松の姿に思わず肩入れしてしまいます。

みんなのレビュー

「そんなにタイヤってのは外れるものかな。お宅のタイヤは空でも飛ぶのか」タイヤ脱落事故と大手自動車メーカーのリコール隠しをテーマにした作品。主人公の運送会社社長を中心に、自動車会社、銀行など様々な立場の人の心情や思惑がリアルに描き出されており、主人公が逼迫する環境に懊悩・焦燥しつつも事故の真相究明に邁進し、断崖絶壁から懸命に糸口を掴んでいく過程が主軸となる。強烈なまでの悪役の演出には、唾棄すべき大企業の官僚的体質・隠蔽体質への怒りが滲み出ている。「このままでは終わらせない」中小企業を、ユーザーを舐めるな!

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ドラマ原作となった小説・本

下町ロケット

読んでみて

総合週刊誌「週刊ポスト」にて2008年から2009年まで連載された小説。精密機械製造の中小企業・佃製作所が、帝国重工のロケット部品の特許を巡り、社長の佃航平と製作所の社員たちによる大企業との攻防を描いた物語。

2015年には阿部寛さん主演で、「日曜劇場」内でドラマ化され、大きな話題を呼びました。続編には人工心臓の部品を巡る攻防を描いた「ガウディ計画」、経営難を乗り切るために新たな事業・農業参入を計画する「ゴースト」などがあります。

みんなのレビュー

常に危機に陥り、ギリギリで切り抜けて行く展開にドキドキワクワクが続く面白い作品でした。巨大企業で働く身としては、財前や浅木のように、どんな相手であろうと、いい物をしっかり判断できて、周りに流されずに行動出来るように努めようと思いました。そして夢を諦めずに、社員と衝突しながらも進んでいく佃航平の生き方も見習いたいです。

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ルーズヴェルトゲーム

読んでみて

2009年から2010年にかけて、「熊本日日新聞」など地方紙で連載された作品。昨今の不況のあおりを受け、青島製作所の社会人野球部が廃部の危機に陥ります。そこで、野球部再建を目指し、社長の細川充が社員たちを守るために奮闘する物語。

タイトルになっている「ルーズヴェルト・ゲーム」は「点を取られたら取り返す試合」という意味で、内容もまさに取った取られたといった緊迫したゲームのようなお話となっています。また、この作品は2014年に唐沢寿明さん主演でドラマ化されております。

みんなのレビュー

世界的な不況で業績不振になり存続の危機に立たされている企業青島製作所と青島製作所の業績不振で廃部の危機に立たされた社会人野球チーム青島製作所野球部の二つの戦いを描いた経済小説。 経営統合をたくらむライバル企業や株主たちに翻弄されながらも生き残るための正しい道を必死に模索する青島製作所幹部や社内でも不要論が出る中でも野球で青島製作所を盛り上げようとする野球部の姿を通して経営者とは何かや実業団スポーツの存在意義を考えさせられました 企業サイドも野球サイドも手に汗握る展開で最後はとても感動させられる小説でした。

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不祥事

読んでみて

2004年に実業之日本社から刊行された書き下ろし作品。トラブルが多発する東京第一銀行自由が丘支店へ、本部からやって来た事務管理グループの相馬健と花咲舞が、各支店内のトラブルや、本部の派閥・真藤一派との抗争を描いた物語。

池井戸作品では珍しい女性が主人公の作品で、サバサバした言動の花咲舞が魅力的な作品です。続編である「花咲舞が黙ってない」では、銀行内の隠蔽工作・行内政治といったドロドロした問題へ切り込んでいく姿が痛快な作品です。

みんなのレビュー

ついに池井戸潤作品をちゃんと読む。 いやあ面白いじゃないですか。 なんで食わず嫌いだったんだろう。 しかし面白いのだが、銀行という仕事になじみがないのでなかなか読んでいて難しいところはあったな。 仕事の内容が想像できない部分とかあって。 それでもまあ面白いのだからやはりかなり面白いのであろう。 こうなってくると倍返しのヤツとかロケットのヤツとかその辺の流行ったヤツも読んでみるべきかな。 花咲舞シリーズは他にはないのかな。 とりあえず次ぎ読むのを探さねばである。

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民王

読んでみて

2010年にポプラ社から刊行された書き下ろし作品。ある事がきっかけで、総理大臣である武藤泰山とその息子である翔の人格が入れ替わってしまい、首相と就活生という異なる立場でありながら、お互いに悪戦苦闘する姿を描いた作品。

池井戸作品にしてはファンタジー要素の強い内容ですが、政治家とマスコミの関係、政治家と癒着した企業など、風刺している場面が登場し、それに対し、池井戸節で糾弾する場面はスカッとします。コメディ要素の強い作品なので、初心者の方にはおススメです。

みんなのレビュー

ドラマ化されたあとに読んだな。 こんなファンタジー(?)な話も書く人だったんだと驚き。

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陸王

読んでみて

月刊小説誌「小説すばる」で2013年から2015年に渡り連載された小説。埼玉県行田市の老舗足袋製造会社「こはぜ屋」が、足袋の技術を生かし、ランニングシューズ開発へ参入し、試行錯誤を繰り返しながら新製品「陸王」の開発に挑む物語。

下町ロケットと同じく「モノづくり」に焦点を当てた作品ですが、違う角度からのモノづくりに対する職人たちの熱量などを感じられる作品となっております。2017年には役所広司さん主演でドラマ化されており、劇中には池井戸作品の企業の名前がいくつか登場したりします。

みんなのレビュー

【集英社文庫ナツイチ2019】池井戸潤さんの作品は久し振り。ドラマ化された際にチラッと観てから、読みたいと思いつつ文庫化を待ち漸く。期待を裏切らない面白さ。それなりの分量なので2、3日かけて読もうかと思っていたが結局一気読みしてしまったほどに。中小零細の足袋製造業者が一念発起の新規事業でランニングシューズ作り。様々な困難こそあれど、社員が熱意(と危機感)を持って取り組む様は事業会社の醍醐味。小説ならではの予定調和なんて言わない。熱意と誠意が人を惹きつけるのは事実だ。

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ノーサイド・ゲーム

読んでみて

2019年にダイヤモンド社から刊行された書き下ろし小説。トキワ自動車経営戦略次長・君嶋隼人が、横浜工場総務部長として左遷され、さらには社会人ラグビーチーム・アストロズに就任。アストロズ再建と共に、社会人リーグ・プラチナリーグ優勝を目指す物語。

2019ラグビーワールドカップが日本で開催されることを受けてから描かれた作品で、社会人ラグビーの不条理さなどを社会人である君嶋が糾弾していく姿がかっこいいです。また、最後の試合シーンでの、アストロズと君嶋達の絆には思わず感動してしまいます。

みんなのレビュー

約1年ぶりの再読です。発売当初に読んでドラマ。そして、ワールドカップを経て、ドラマ総集編を観て今の再読となりました。やっぱり、面白い。ドラマもよかったけれど、やっぱり本作もいいですね。にわかラグビーファンだったけれども、ワールドカップを通して、ラグビーを理解していたのが分かりました。前に読んだ時よりも、本作のラグビーシーンを楽しめました。池井戸さん、流石ですね。君嶋がラグビー協会のどのようにして運営していくのか、興味のあるところです。

読書メーター

まとめ

池井戸作品に共通するテーマとして、「弱者が強者に立ち向かう」というのがあります。これは、「水戸黄門」や「遠山の金さん」などの時代劇によくみられる構図で、自然と読者は弱者を応援します。

どの作品も、主人公やその企業が一度は窮地に立たされます。ですが、そこからの逆転劇はとても爽快で、読み終えた後にはスカッとした気持ちで、また仕事を頑張ろうという気持ちが湧いてくるかもしれません。

この記事をきっかけに池井戸潤作品の魅力にハマっていただければ、幸いです。

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