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【保存版】日本の文学史に関するおすすめ本5選

学校では教えてくれない日本文学史

読んでみて

受験勉強で無理やり覚えさせられた文学史のイメージが激変するでしょう。古くは「古事記」、現代の時代小説やSF小説まで、日本文学の系譜を説明する軽妙な語りは、稀に見る「楽しい文学史」です。

短歌はメールで、随筆は自己顕示のSNS。「白樺派は名門お坊ちゃまのヘンな文学」。高尚だからと敬遠されがちな日本文学がぐっと身近に感じられると思います!

こんな人におすすめ

  • 受験国語で文学史が嫌いになった人
  • 短時間で楽しみながら日本文学史を把握したい人

レビュー

冒頭で著者自身が断っている通り、一冊の文庫本で「日本文学史」を語るというのは無茶な話なのだが、その無茶を敢行し、結果として、読む者に満足感を与えてくれるのが著者の力量(勉強量)・持ち味だと今回改めて感じた。読んでいて、非常に楽しめた。著者は現代に至る”流れ”を重視して、本書を纏めているのである。「古事記」の紹介・解説から始まるのだが、「古事記」のある種の雑多性が「日本文学」の多様性の原点となっている事、「源氏物語」、「枕草子」が如何にエポックメイキングであって、その本質が現代の小説・エッセイへと受け継がれている事、「平家物語」が「能」の宝庫であり、「太平記」が「歌舞伎」の宝庫である事、西鶴が初めて大衆文学を産んだ事等、各時代の中で転換点となる作家・作品を巧みに取り上げている。

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日本文学史序説

読んでみて

日本文学史のスタンダードとして、ぜひ読んでおきたい1冊です。
「古事記」から戦後文学までの通史を、凄まじい情報量と鋭い批評眼で描き出す筆者の歴史観に圧倒されます。

著者は、「知の巨人」と呼ばれた評論家加藤周一。その文学史観は壮大です。

江戸・明治といった時代区分ではなく、18世紀・19世紀という「世紀」の動向の中に日本文学を捉えているので、「文学」の歴史・「日本」の歴史という枠を越えた世界史の大きなうねりとともに日本文学の歴史を捉え直すことができます。日本文化史・日本人の精神史としても必読です!

こんな人におすすめ

  • 日本文学史の正統派を読みたい人
  • 日本の政治史や文化史・思想史と文学の関わりを知りたい人

レビュー

文学史というには余りにももったいない壮大な世界がこの本にはある。時代背景から、個人が執筆した書物の話に移り、書物の集まりがまたその時代と人の思想を語る。本書を読むと、文章というものがその人の考えを反映するだけでなく、その時代の思考形態、文化を映し、また思想や文化に映されることがわかる。著者の知識量と論理展開の広がりと深みに、ただただ驚きながら読み進めるのみである。本書を読みながら、出てくる書物を読めば、文学を読むということが、時代を読むというにつながるということが、楽しめるに違いない。私が加藤周一を知ったのは、晩年に死去する前のNHKのインタビューだった。彼自身の思いを酌みながら、本書を読むとまた行間からにじみ出る我々へのメッセージが見えてくるかもしれない。名著である。

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日本近代文学の起源

読んでみて

日本の近代文学が誕生した、歴史的な転換期に着目した1冊です。
日本史を語る上で、「前近代から近代へ」という転換点を見逃すことはできませんね。近代国家として出発した明治時代の日本は、国の仕組みをはじめ、様々なものが生まれ変わりしました。文学も例外ではありません。文体が変化し、文章による表現技法はそれまでの日本文学と大きく異なるものになりました。

伝統との断絶の上に誕生した近代文学のあり方と、その背景に潜む「制度」を浮き彫りにしたこの作品は、いまを生きる私たちの思考も、もしかすると様々な制度に縛られているのでは?ということを突きつけてきます。

こんな人におすすめ

  • 明治文学が好きな人
  • 日本の近代化についてもっと知りたい人

レビュー

久しぶりに再読。(再再読か)
今現在(2012年)がパラダイムシフトの時代であることは多くの識者が述べている。
ただ、古い体制から新しい視座へ、という論調がほとんど。
しかし、こうした時代というのは一筋縄ではいかないということは、本書を読めばわかる。
旧いものが新しいものにとって代わる時の、転倒・ねじれ。
それはかなり意図的なものであり、しかも新たなるイデオロギーが現出するとき、
私たちは無反省にそれを自明のこととして受け止める…。
渦中にいるときは見えにくいものを、
頭を冷やし目を凝らして見つめる知性が、私たちに求められている。
この本は古びない。

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近代小説の言語空間

読んでみて

高校国語でおなじみの「源氏物語」も「こころ」も日本文学の名著です。とは言え、いわゆる古典文学と現代文学では、文体がまるで違います。それにしても、いつ・どのように・なぜ文体がここまで様変わりしたのか、そんな疑問を持ったことはありませんか?

今、私たちが当然のように読み書きしている「書き言葉」は、近代に入り新しく作り出されました。「近代小説の言語空間」を読むと、新しい「書き言葉」を産み出すために試行錯誤した近代作家たちの軌跡を知ることができ、小説を読む楽しみの幅が広がります!

こんな人におすすめ

  • 古典文学と近代文学の違いを知りたい人
  • 私たちがいま使っている書き言葉の起源を知りたい人

レビュー

なし

近代読者の成立

読んでみて

文学を創作する側ではなく、受容する「読者」に焦点を合わせた異色の文学史です。
作品を読者に届けるには、本というメディアが必要です。本を印刷する技術が、木版から活版へと進化することで、多くの人にスピーディに作品を届けることができるようになりました。そうした出版メディアの歴史的変化が、文学をいかに変えたかということを紐解く「近代読者の成立」は、メディア史という視点でも必読です!

近年、出版事情はインターネットや電子書籍の普及で大きく様変わりしましたが、そんな現代を、1987年に故人となった作者ならどう分析するか聞いて見たいと思わせる作品です。

こんな人におすすめ

  • メディア史にも関心がある人
  • 文化史的な観点で文学を読み解きたい人

レビュー

 前田愛『近代読者の成立』を読んだ。1973年だかに出て何度か再版されているらしいのだが、私が読んだ2001年の岩波現代文庫版ももう品切れらしい。良い本なのに残念である。
 内容は天保期から戦後くらいまでかなり長いスパンで、出版、作者の考え方、読者の投稿などなどいろいろな角度から日本の文芸と読者の関わりを探る、というもので、江戸の文芸などをよく知らない者には非常に新鮮な情報が多い一方、メディアや受容の歴史研究としてはどの分野にも応用できそうなところが多くて非常に興味深かった。

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