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内村鑑三のおすすめ本6選【代表著作から伝記、評伝・解説書まで】

「内村鑑三の名前は聞いたことあるけど、何をした人なんだろう?」
「内村について詳しく知りたいけど、キリスト教の思想って難しそう。分かりやすく解説した本はないのかな?」

内村鑑三は明治から大正時代にかけて活躍した日本のキリスト教思想家です。内村は、札幌農学校時代に、有名なクラーク博士の影響を受けてキリスト教に目覚めてクリスチャンになり、アメリカ留学を経験し後に独自理論の無教会主義を唱えました。

教育勅語に対する不敬事件や、足尾鉱山鉱毒事件、日露戦争への反対など、反骨的な活動も多く、内村の生涯は多彩な出来事に満ちています。

ただ、キリスト教思想というのは一般の人には少し分かりづらいものですし、数多くのエピソードもすべて知っているという人は少ないのではないでしょうか。内村の人生を知れば、彼の思想との結びつきもわかり、内村の考えをより深く理解することができます。

ここでは、日本思想史における重要人物、内村鑑三を知ることのできる代表著作、伝記、評伝などの本を紹介していきます。

代表著作

代表的日本人 (岩波文庫)

読んでみて

内村の著作で、西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の歴史上の偉人五人を「代表的日本人」として彼らの生涯を解説する本です。岡倉天心の『茶の本』、新渡戸稲造『武士道』と並んで、この時代に日本の思想・文化を欧米に紹介した代表的な著作とされています。

内村鑑三自身のことについては書かれていませんが、各偉人の面白いエピソードを読むことができます。それぞれの功績に対する内村の評価も書かれていて、内村の価値観・思想を理解する手助けになります。日本史の偉人を学びながら、内村自身の考えにも触れられるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

先月の『100分de名著』が非常に面白かったので読んでみた。内村鑑三がキリスト教徒的視点も交えながら、西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人について紹介。明治になり、西洋との文化の差をまざまざと見せつけられた日本にもこんなに優れた人物がいたのだと世界に向けて発信しようとする内村の意気込みが感じられる。5人に共通して言えるのは世俗的な成功よりも、徳を重んじた人物ということ。こういう指導者なり教育者が今の世にもいたらなあと思うと同時に我が身を反省することしきり。

読書メーター

余はいかにしてキリスト信徒となりしか

読んでみて

内村鑑三が日記をもとに自分の前半生を綴った自伝的作品です。武士の家に生まれた内村が、札幌農学校で外国人教師たちに影響を受けてキリスト教徒に改宗し、アメリカに渡る様子が描かれます。

内村はアメリカでの出版を希望していましたが、実現せずに日本での出版となりました。元は英語で書かれた本で、内村の英文作品の代表傑作といわれます。

キリスト教の本場アメリカで体験した出来事は、内村の考えやその後の行動に大きな影響を及ぼしました。その時の様子が内村自身の言葉で語られる本書は、内村の内面を理解する上で貴重な1冊といえます。

みんなのレビュー

日本人による告白の書といえば本書。札幌農学校の仲間と苦楽をともにしながら信仰心をはぐくむ描写のきらめきは、まるで一篇の青春小説のよう。アメリカにわたりキリスト教国の光と闇にふれて、自分なりの信仰を手さぐりで深めてゆく叙述からは、たんなる知識ではなく、心血をそそいで経験から学ぶことの大切さを教えられた。また本書は、西洋体験を通して愛すべき日本を発見する知識人の系譜につらなる先駆的な仕事でありながら、偏狭な排外主義に陥らない愛国のあり方を示している点で後続を圧倒しており、いまこそ読まれるべき言葉にみちている。

読書メーター

伝記

内村鑑三 悲しみの使徒 (岩波新書)

読んでみて

内村鑑三の生涯を追いながら、内村の言葉を紹介し、思想の変遷を解説する伝記です。キリスト教への改宗や不敬事件、反戦、家族の死といったエピソードをもとに、その時の内村の行動から、信仰に対する態度を読み解き、キリスト教に対する内村の考え方の変化を明らかにしていきます。

内村鑑三の人生と思想を一度に理解することができるので、内村鑑三に興味をもった初心者が最初に手に取るのに最適な1冊です。

みんなのレビュー

内村鑑三に関しては、昔から無教会派の中心的クリスチャンとして関心は持っていたが、この本との出会い(本屋にて、殆ど衝動的購入)で花開いた、という感じ。武者小路実篤や、有島武郎といった名前もでてきて、宗教面に限らず日本の文学や文化にも足跡を遺す人物であり、キリスト再臨運動の火付け役として、まさに預言者だ。そのルーツは米国でであったアメリカ人であるという。十数年内村のために祈り続けたそのアメリカ人の事ももっと知りたくなった。もう少し内村鑑三を研究してみたくなった。

読書メーター

内村鑑三の人と思想

読んでみて

長年内村の研究を行ってきた著者が描く内村の伝記で、エピソードの多い内村の生涯がわかりやすく簡潔にまとめられています。キリスト教徒としての理想と挫折や不敬事件など内村の生涯を描き、それが内村の思想とどのように結びついているかを鋭い分析とともに解説しています。

巻末には、名前の通りまさに決定版といえる60ページにおよぶ年表が附属しているので内村に関する資料としての価値もあります。内村の生涯について詳しく知りたいという人におすすめの伝記です。

みんなのレビュー

内村鑑三研究の第一人者が内村の生涯とその思想を概説する。 研究書ではありますが、一般向けに書かれているので読みやすいです。キリスト教徒であり日露戦争の際には非戦論を唱えたことで知られる内村ですが、日本海海戦での日本軍の勝利を知って思わず「帝国万歳」を三唱してしまいます。内村は祖国を愛する心とキリスト教的思想との矛盾に苦しみながらもそれに正面から向き合い、闘い続けます。 誰しもが抱えているであろう自己矛盾。愚直なほどに真っ直ぐ自らの矛盾に挑む内村の生き方は現代人にとってもお手本になるかもしれません。

読書メーター

評伝・解説書

内村鑑三 (筑摩選書)

読んでみて

内村の思想研究でも取り上げられることの少ない聖書研究に重点をおいた思想の解説書です。関東大震災と日清・日露戦争という明治・大正の日本を襲った2つの危機に対する姿勢から、内村の思想を論じています。

内村の主張、思想を彼の聖書解釈と対比しながら、内村の戦争論、震災論がどのような変化を遂げていったかを詳細に解説しています。内村の聖書研究に重点をおいた珍しい解説書で、従来とは違った切り口から内村の考えを学んでみたいという人におすすめの本です。

みんなのレビュー

日本におけるキリスト教を調べれば、必ず出てくる名前が「内村鑑三」。プロテスタントで、聖書について熱心に勉強しただけではなく、キリスト教の布教にもつとめた方。日本のキリスト教宣教に大きな影響を与えたといっても過言ではない気がした。日本が戦争へと突き進む時代に、多少のブレはあるものの自分の信念を突き通そうとするのは凄いとしか言えない。広く深く内村鑑三について書かれているので、個人的にはスモールステップで、もっと易しめの本から読めばよかったと思った。

読書メーター

明治の光 内村鑑三

読んでみて

内村が他の思想家や時代に与えた影響を論じた評論家・新保祐司による内村鑑三についての評論です。この本を読めば、内村が明治時代だけでなく、後世の思想家にもどれだけ大きな影響を与えたかがよくわかるでしょう。内村を通じて明治から昭和の他の思想家についても理解を深めることができます。

内村の思想や経歴についての基礎的な知識をもっていることが前提の本なので、事前に内村の伝記などを読んである程度の知識が入っていないと理解するのが難しいでしょう。内村について、さらに学びを深めたいという上級者向けの1冊といえます。

みんなのレビュー

なし

まとめ

内村鑑三は、日本のキリスト教思想を語る上で外すことのできない人物であるだけでなく、日本の思想史全体からみても、とても重要な人物です。内村の思想を知ることは、明治以降の日本の思想を理解する手助けになってくれるでしょう。

ここで紹介した本をもとに、内村鑑三への知識を深めたら、他の思想家についても理解を広げてみてください。以上、内村鑑三に関する書籍のまとめでした。

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