「ミステリー小説はあまり読んだことがないからどれを選んだらいいのだろう?」
「有名な作家さんだけれど、沢山ある作品の中からどれを選べばよいか迷ってしまう…」
ミステリー作家として有名な道尾秀介さんですが、人気作も多いだけにどの小説から選べばよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
ミステリー小説は読みながら推理していく楽しさがありますが、道尾さんの小説は作品ごとに新鮮で想像以上の結末が待ち構えているのが何よりもの魅力です。
つい次も読みたくなうような、どんでん返しの最後に毎回驚かされ魅了された筆者が、代表作からおすすめの短編・長編小説の6選を紹介します。
代表作
向日葵の咲かない夏
読んでみて
こちらは、道尾秀介さんの作品の中で人気の小説です。ミステリー小説でもありますが、ホラーなのか、ファンタジーなのか、不思議な世界観につい惹き込まれてしまいます。今までの小説にはなかった世界観に賛意両論ありますが、驚きの結末は誰もが衝撃を受けるのではないでしょうか。
夏休み前日の終業式、ミチオが欠席したS君にプリントを届けるため自宅を訪ねるところからストーリーが始まります。誰もが予想しなかった夏休みが始まるのですが、不可解なことが次々と起こり謎が深まっていく中で、最後に待ち受けるラストには本当に驚かされます。複雑な内容でありながらも、分かりやすく読みやすい文章なのでどの年代の方でも読みやすい一冊です。
みんなのレビュー
カラスの親指
読んでみて
こちらは、俳優の阿部寛さん主演で映画化された人気小説で、読み終えた後の爽快感がたまらない一冊です。人情味あふれる描写と、どんでん返しのラストが読む人を魅了しています。
詐欺師の中年男性が主人公で、一緒に暮らす相棒と共にとある少女を助けたことから少女とその姉、姉の彼氏という不思議な関係の5人での生活が始まります。それぞれの過去から解放されるために5人は大きな計画を企てるのですが、その最後には驚きの逆転劇が待っています。ラストにかけて、読む手が止まらなくなるほどの面白さです。
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短編小説
鬼の跫音
読んでみて
道尾秀介さん初の短編集で、6つの作品が収録されています。どの作品も、著者らしいミステリー的などんでん返しがありながら、ホラー要素が盛り込まれたどこか恐怖を感じるストーリーが特徴です。人の心の中にある暗い部分が生み出す恐怖が、巧みに描かれています。
すべての作品に共通して「S」という人物が登場します。それぞれSは別の人物ではありますが、各ストーリーの中で不気味な存在感を放ち重要な役割を担っています。短編集で読みやすさはありますが、一話読み終えるごとに重さを感じる充実の内容です。
みんなのレビュー
長編小説
シャドウ
読んでみて
本格ミステリ大賞受賞作で、ストーリーの面白さに加えテンポよく読み進められる文章が特徴の一冊です。読み始めると二転三転と変わっていく状況に、先が気になってページをめくる手が止まりません。これぞミステリー小説といった、各所に散りばめられた伏線も終盤にかけて見事に回収されていきます。
主人公の小学5年生の少年に、母親の死をきっかけに次々と不幸な出来事が起こります。苦悩しながらも父親との幸せな生活を願う少年の、様々な出来事を通して成長していく姿が見どころです。
みんなのレビュー
月と蟹
読んでみて
第144回直木賞受賞作であるこちらの小説は、読んでいると目の前にその情景が浮かんでくるような、著者の表現力の高さを感じることの出来る作品です。こちらは著者の作品には珍しくどんでん返しのような終わりではなく、最後まで子供たちの心情が丁寧に描かれています。
主人公の少年が、転校先で出会った友人と始めたヤドカリを神様に見立てた遊びが、徐々に願いをこめた儀式のような意味合いを持ち始めます。そこに感じられる子供の純粋さや、子供ながらに感じる心の傷が、少年目線で描かれた一冊です。
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ラットマン
読んでみて
主人公のギタリストが所属する、アマチュアロックバンド内で起きた不可解な事件を描いたミステリー小説です。スタジオでの練習中に起きた事件をきっかけに、主人公やバンドメンバーの素顔が明らかになっていきます。登場人物の勘違いや思い違いが重なり、ストーリーが二転三転していきます。
一冊読み終えるまでに、騙されてはまた騙されと、最後の最後まで騙され続けてしまう展開は著者の作品ならではです。ミステリー小説でありながら仲間や家族とは一体何なのか、深く考えさせられる一冊です。
みんなのレビュー
まとめ
ミステリー小説で人気の道尾秀介さんの作品を、代表作も含め6選ご紹介しました。
今回紹介した作品は、どれも人の心情が丁寧に描かれていて、その世界観につい惹き込まれてしまう魅力があります。ライトなものからヘビーなものまであるので、その時の気持ちに合わせて選ぶのもおすすめです。
お気に入りの一冊を見つけて、ミステリー小説ならではの推理やどんでん返しを楽しんで頂ければ幸いです。