西加奈子のおすすめ本・書籍20選【人気小説から短編集、エッセイまで】

「西加奈子の作品はたくさんあるけれど、どれから読んだらいい?」
「西加奈子のおすすめ小説は?」
「西加奈子のエッセイや絵本も知りたい!」

長編小説「サラバ!」で直木賞を受賞し、その気さくでチャーミングな人柄でメディアにも引っぱりだこの人気作家、西加奈子。その作品の題材やテーマは幅広く、数ある中からどの本を選ぶべきか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はそんな西加奈子のおすすめの作品を、人気小説から受賞作品、エッセイや絵本まで、さまざまな切り口で20冊ご紹介します。初めて西加奈子の作品を手に取る方や、次にどの作品を読もうか迷っている方も、きっと「これだ!」という一冊が見つかりますよ。

はずれなしの人気小説

さくら

読んでみて

『さくら』は、売上50万部を突破した、西加奈子の初期の傑作と言われるベストセラー小説です。

物語は、3人兄弟の次男である「僕」の視点で語られます。人気者でヒーローみたいな兄と、超美形だけど破天荒な妹、いつまでも恋人同士のような父と母、そんな家族を無邪気に見守る雑種犬のサクラ。

個性的ながら、温かく幸せに溢れていた5人と一匹の家族は、兄を突然襲った悲劇をきっかけにバランスを崩し始めます。

物語の前半では、ほのぼのとした家族の日常が描かれますが、後半からは一気に重苦しく、読み続けるのが辛くなるような暗い展開が続きます。しかし、愛犬サクラの存在が家族をつなぎとめ、物語の最後には一家は希望を持って前に進み始めます。

家族の絆やさまざまな「愛」の形を、せつなくも温かくユーモラスに描いている本作。「読んで良かった」と思わせてくれる、爽やかで優しい作品です。

みんなのレビュー

きりこについて

読んでみて

「きりこは、ぶすである。」という強烈な一文から始まるこの物語は、主人公のきりこに飼われている人間の言葉がわかる猫「ラミセス2世」によって語られます。

両親に可愛がられ、愛情たっぷりに育ったきりこは、自分が「ブス」であると気がつかないままお姫様のように振る舞っています。わがままで態度も大きく、クラスでも女子のリーダー的存在です。

ところが、きりこは好きな男の子の言葉で初めて自分が「ぶす」であることを認識します。家に引きこもるきりこですが、ある日見た夢をきっかけに再び外へ出ます。

ラミセス2世の励ましや人々との交流を通して、きりこは「自分はこの自分で生きていく」「自分であることを大切にする」という答えに辿りつきます。

「ぶす」なきりこの言葉は本質的で、シンプルです。だからこそ響くものがあり、読み終えたとき「自分は自分で生きていこう」と強く思わせてくれる作品です。

みんなのレビュー

漁港の肉子ちゃん

読んでみて

『漁港の肉子ちゃん』は、西加奈子作品の中でも読みやすく、人気の高い長編小説です。

本作は、漁港で働く肉子ちゃんと彼女を取り巻く漁港の人々との日常が、娘キクりんの目線で語られます。太っていてブ細工、人が良すぎて男の人にすぐに騙される…そんな肉子ちゃんを、キクりんは少し恥ずかしく感じていました。

肉子ちゃんの、ちょっとおバカだけど明るい太陽のような人柄、それとは対照的にクールで知的、繊細な美少女キクりん。2人と漁港の人々とのほのぼのとした日常や、母娘の絆。

いたるところに笑いの要素が散りばめられながらも、最後には感動の展開が待っています。登場する人々全てが愛おしく、読み終えた後も温かい余韻が残る作品です。

みんなのレビュー

i

読んでみて

『i』は、世界で起きているさまざまな問題への向き合い方について、著者が現在進行形の想いをぶつけた渾身の長編小説です。

シリアで生まれ、アメリカ人の父と日本人の母のもとに養子として引き取られた少女「アイ」。彼女は幼いころから、「自分の幸せは誰かの不幸の上に成り立っている」という罪悪感を抱えながら生きていました。

そこに追い打ちをかけるかのように高校の数学教師が放った「この世界にアイ(虚数)は存在しません」という言葉。そこから、アイは自分の存在意義を疑い続けることになります。

物語の中でアイは、親友でレズビアンのミナや、写真家で夫となるユウとの出会いを通して、自分への愛、周りの人への愛、遠い国の知らない人々への愛を肯定できるようになります。

聡明で繊細な少女アイが自分を見つけるまでの成長の物語は、現代を生きる多くの人々の共感を呼んでいます。

みんなのレビュー

賞を受賞した傑作小説

サラバ!(上・下)

読んでみて

第152回直木賞を受賞した作品であり、西加奈子の初の長編小説でもある本作。

イランのテヘランで生まれた主人公の「歩」は、自己主張の激しい姉と個性の強い母の影で「空気を読み、周囲との調和を図って生きていく」術を身に付けます。そして一家は父親の転勤でエジプトへ。そこで歩は、少年ヤコブと運命的な出会いを果たします。

その後日本に戻ってからも、母譲りの美しい容姿で女性を次々にものにし、順風満帆な人生を送っていた歩。しかし、そんな歩に数々の不幸が訪れます。

両親の離婚や阪神大震災、恋人の裏切り、そして30代で突然始まった「薄毛」…歩は自我を完全に見失い、自分の殻に閉じこもるようになります。そんな歩を絶望の淵から救い出したのは、これまで避け続けてきた姉でした。

自身もテヘラン出身でカイロで過ごした経験のある著者によって描かれる、イランで実際に起きた革命やエジプトの人々との心温まる交流など、異国のリアルな情景も魅力の本作。また、西加奈子の作品らしい、愛すべき脇役たちにも魅了されること間違いなしです。

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通天閣

読んでみて

西加奈子の初期の作品で、第24回織田作之助賞を受賞した本作。大阪ミナミの街で、自分の人生の意味を自問し悩みながら、それでも生きていく人々の生きざまが描かれています。

この物語では、二人の主人公の人生が並行して語られます。工場勤めで独り身の中年男「俺」と、結婚間近だと思っていた彼氏に突然フラれた「私」です。

二人は知り合いでも何でもありませんが、唯一共通しているのは、通天閣のほぼ真下で暮らしていること。最後まで二人が知り合うことはありませんが、物語の終盤で奇跡的に二人の人生がふっと交わる瞬間があります。

ほかにもクセの強いキャラクターがたくさん登場する、西加奈子ワールド全開の本作。大阪のシンボルのもとに映し出される「世の中美しいものばかりではない」という切ない現実を、温かくユーモラスに描いた作品です。

みんなのレビュー

ふくわらい

読んでみて

出版社で働く25歳の女性編集者、鳴木戸定(なるきどさだ)の物語。第一回河合隼雄物語賞を受賞した作品です。

定は、幼少期から「ふくわらい」が好きで、現在も目の前にいる人の顔のパーツをひそかに動かして遊ぶのが趣味の変わり者の女性です。少女時代は、紀行作家の父に連れられて世界中の未開の地を旅し、そこでかなり特異な経験をした過去があります。

そんな定にはあらゆる「感情」が欠如しており、友人や恋人もいたことはなく、目の前で起こっている出来事を淡々と受けとめます。その一方で、担当作家の要望に応えるために本気の雨乞いするなど、自分の直観や感性にとことん従順な一面もあります。

定は担当となったライター兼プロレスラーの守口や、盲目のハーフ武智、美人すぎる後輩編集者の小暮など、他の変わり者たちとの交流を通して、自分らしさを獲得していきます。定が次第にそれまで抑え込んでいた感情を解放していく様子は、読んでいて爽快感を覚えます。

みんなのレビュー

映画の原作となった小説

きいろいゾウ

読んでみて

『きいろいゾウ』は、田舎に暮らす夫婦の愛と絆を描いた作品です。2013年に公開された、向井理さんと宮崎あおいさんが出演する同名映画も話題になりました。

都会から離れ、田舎に暮らす若夫婦ムコとツマ。物語の前半では、天真爛漫なツマをムコが優しく見守る平穏な日々が流れていきます。しかし二人は、それぞれにお互いの知らない暗い過去を抱えていました。

ある日ムコに一通の手紙が届いたことがきっかけで、夫婦の間に少しずつすれ違いが生まれます。

中盤は胸がざわざわするような不穏な展開となりますが、二人はそれぞれの過去を乗り越え、最後にはお互いへの愛情を再確認します。切なくも深い愛に溢れた、夫婦の強い絆を描いた作品です。

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まく子

読んでみて

大人になりたくない主人公の慧が、転校生コズエとの交流を通して成長する物語です。2019年に映画化され、山崎光さんと草なぎ剛さんが親子役で共演しています。

浮気性の父親を持つ主人公の慧は、体が変化し大人になっていくことに嫌悪感を抱いている小学校5年生。ある日、慧の両親が営む温泉宿の寮に、住み込みで働く母親とともに美少女コズエが引っ越してきます。

小石、木の実、ホースから流れ出る水…いろいろなものを「まくこと」が好きなコズエ。そんなコズエに慧はいつしか心惹かれ、彼女との交流を通して次第に変化することを受容できるようになります。結局二人は離ればなれになりますが、最後にコズエは慧に驚きの正体を明かします。

ファンタジックな要素も盛り込みながら、第二次成長期を迎える子どもたちの戸惑いや葛藤を見事に描き出している本作。変化することは美しく、素晴らしいことなのだと思わせてくれる作品です。

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円卓

読んでみて

「円卓」は、ちょっと変わった感性を持つ小学生こっこのひと夏の成長を描いた物語です。本作は芦田愛菜さん主演で2014年に映画化されました。

物語の主人公こっこは、3つ子の姉と両親、祖父母と公団住宅で暮らす小学3年生。口が悪く偏屈で、友達の眼帯や不整脈に憧れ、「孤独になりたい」と願う女の子です。

そんなこっこが、団地の幼なじみで吃音のぽっさんとの交流や、祖父石太との会話を通して、本当の孤独を知り、命や差別について考え、ちょっと大人になるまでの過程を描いています。

まだ分からないことだらけでも、自分なりに考えぬいて一生懸命生きている小学生の心の動きを、活き活きとユーモラスに描いている本作。

作中には「こんな子いたいた…」と思わず吹き出してしまうような個性的なクラスメイトもたくさん登場し、どこか懐かしい気持ちにさせてくれます。

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ハマった人向けの隠れた名作

舞台

読んでみて

『舞台』は、超がつくほど自意識過剰な29歳の青年「葉太」の旅について描かれた物語です。

亡くなった父のガイドブックを手に初めてニューヨークを訪れた葉太ですが、着いて早々盗難に遭い、初日から無一文となってしまいます。

しかし、羞恥心と虚栄心から周囲に助けを求められず、内心は相当焦っているのに平静を装いながら、葉太はマンハッタンの街を彷徨い歩くことになります。

その過程で葉太は、自分のこれまでの生き方や父の死と向き合い、生きづらさから少しずつ解放されていきます。そして最後には、母親に助けを求めます。

誰もが経験あるであろう、自意識に縛られて「あるべき自分」を演じてしまう人間の愚かさや弱さを、コミカルなタッチで軽快に描いた作品です。

みんなのレビュー

白いしるし

読んでみて

芸術家たちの全身全霊の恋愛模様を描いた、西加奈子の渾身の恋愛小説です。

過去の失恋の痛手から恋を遠ざけていた、32歳で売れない画家の夏目。ある日、夏目は友人である瀬田の紹介で間島という画家に出会い、彼の絵を見た瞬間から彼自身に強烈に心惹かれます。しかし、間島にはたいせつな恋人がいました。

間島を感じるために白い絵の具を身体に塗りたくる夏目や、愛してはいけない相手を全力で愛する間島、猫だらけの部屋で去って行った彼女を待ち続ける瀬戸など、この物語の登場人物はだれもが、醜い姿をさらしてでも誰かをひたむきに想い続けています。

人を本気で愛することの苦しみと喜び、コントロールの効かないむき出しの感情を描いた本作。
登場人物たちの恋は最後までむくわれることはありませんが、読み終えたときに不思議と心が軽くなる作品です。

みんなのレビュー

うつくしい人

読んでみて

いつも周りに合わせ、他人の目を気にして生きている主人公、百合。百合がそんな風に生きるようになったのは、純真無垢なあまり社会でうまく生きられない、引きこもりの姉を見てきたからでした。

百合は仕事でミスをしたことをきっかけに会社を辞め、一人旅で訪れた瀬戸内の島のリゾートホテルで、中年バーテンダーの坂崎とドイツ人マティアスに出会います。彼らとともに過ごすうちに、自己嫌悪と自意識でがんじがらめだった百合の心は優しく解きほぐされていきます。

前半は読み進めるのが苦痛なほど、主人公のじめじめした感情の描写が続きます。しかし、後半にかけて百合の心が癒されていき、新しい一歩を踏み出す姿は清々しく、読んでいる側もスッキリとした気持ちになれます。

誰かが自分にとって「うつくしい人」であるならば、自分も誰かにとっての「うつくしい人」。本作はそんなメッセージで、私たちを優しく包み込んでくれます。

みんなのレビュー

さらっと読める短編集

おまじない

読んでみて

『おまじない』は、さまざまな立場の女性たちの生き方を描いた、全8編からなる短編集です。

物語の主人公は、少女、ファッションモデル、キャバ嬢、レズビアン、妊婦など、年代も立場もさまざまな「悩める女の子」たち。そんな彼女たちが、思いがけない「おじさん」たちの何気ない一言で救われ、今の自分を肯定し自分らしく生きていくまでの様子が描かれています。

登場する女性たちはみんな個性的ですが、どのキャラクターもどこか自分と重ねてしまうような部分を持っており、読んでいて共感できます。絶対的な答えが見つかるわけではなくても、どのストーリーも最後には「このままでいいんだ」と前を向けるヒントを与えてくれます。

「弱い」ことは、決して悪いことではない。そう教えてくれる本書は、読者に優しく寄り添ってくれる、悩んだ時に読み返したくなるような一冊です。

みんなのレビュー

炎上する君

読んでみて

『炎上する君』は、全8編からなる短編集です。

それぞれの物語の主人公は、自分の存在意義に疑問を感じ人生を諦めかけた女性たち。孤独や不安、ストレスなど人間らしい悩みを持つ彼女達は、ファンタジックで奇妙な体験を通して自分らしさを取り戻し、現実世界で前を向いて生きていきます。

この作品では平坦な日常と非現実的な設定が共存し、その独特の世界観に一気に引き込まれます。物語に分かりやすい答えや正解はありませんが、読み終えたときそっと背中を押してくれるような作品です。

みんなのレビュー

著者の魅力満載のエッセイ

まにまに

読んでみて

西加奈子が6年間に渡り書きためたコラムや書評がまとめられたエッセイ集です。

何気ない日常の中で著者が感じていることを、独特の感性と関西人らしいユーモアを織り交ぜながらコミカルに描いており、ページをめくる手がとまりません。

また、普段嫌われないよう周りを気にしながら生きているといった、著者のちょっと恥ずかしい内面についても赤裸々に描かれており、「分かる分かる~!」と、思わず友達として語り合いたくなるような親近感を覚えます。

後半では好きな音楽や本についても語られており、著者を身近に感じることのできる一冊です。

みんなのレビュー

ごはんぐるり

読んでみて

NHKの『きょうの料理』テキストに連載していたごはんに関するエッセイと、書き下ろしの食小説が掲載されています。

食べ物や料理についての具体的な話ではなく、そのごはんにまつわる著者の経験やイメージ、考えがユーモラスに綴られている本作。決してグルメではなく、庶民的でちょっと偏った食嗜好もさらけ出しており、著者の飾らない人柄に親しみを覚えます。

著者がエジプトで暮らしていた当時の食事についてのエピソードもとても興味深く、日本食のすばらしさを改めて認識させてくれます。普段食べているごはんについて改めて考えたくなるような、食に対する好奇心を刺激してくれる一冊です。

みんなのレビュー

ミッキーかしまし

読んでみて

特殊な環境に生まれ、作家になるまでの自身の壮絶な日々をパワフルに綴った、西加奈子の初のエッセイ集です。

作中では大阪ミナミのスナックでのアルバイト時代のエピソードや、酒癖の悪さによる数々の失敗談など、若かりし著者の愉快でにぎやかな日常がおもしろおかしく描かれています。著者本人によるシュールな挿絵も、不意打ちで笑いを誘ってきます。

現在の西加奈子の世界観が作り上げられるまでの過程が、ユーモアたっぷりに語られている本作。吹き出してしまうこと確実なので、電車で読むのはあまりおすすめできません。

みんなのレビュー

20代最後の西加奈子さんのエッセイ集。この方の面白いお人柄は、国際色豊かな子供時代と、厳つい方々との交流に富んだ夜の世界時代(笑)に培ったものだったのか!と納得。テンポの良い文章と不思議な視点で、笑いを堪えるのが大変でした。面白い人だなぁ。

読書メーター

大人も楽しく読める絵本

きいろいゾウ

読んでみて

小説『きいろいゾウ』に登場する「きいろいゾウの絵本」を実在化した、西加奈子初の絵本作品です。

空飛ぶきいろいゾウが、体の弱い女の子をのせて、一晩だけ世界を旅するお話です。旅の途中できいろいゾウは、飛べない灰色のゾウ達を見かけます。自分が「さみしい」ことに気がついたきいろいゾウは、自分の能力を捨て普通のゾウになることにします。

西加奈子らしい切なくも温かい文章と、クレパスで力強く描かれた絵が印象的な本作。読み終えた時、その静かで心地よい余韻に包まれ、前向きな気持ちになれるでしょう。

大人も子供も楽しめる内容になっている絵本『きいろいゾウ』。小説とリンクしているので、併せて読むのもおすすめです。

みんなのレビュー

なんとか手に入った!小説『きいろいゾウ』から派生した絵本。西さんにページ数なんていらなかった!たった数十ページで全部書いちゃうからずるい。自分のこと、相手のこと、世界のこと。感情も全部引き出されて、でも最後に綺麗に着地させてくれる。なんでそんな簡単な言葉で、こんなに彩れるんだろう。声に出して、誰かに読み聞かせたくなった。もしこれを、幼少期の自分が読んでいたら、何を思っただろう。

読書メーター

めだまとやぎ

読んでみて

東京・渋谷の桜ヶ丘町にある桜ヶ丘カフェに実在している看板ヤギ、ショコラちゃんとさくらちゃんをモデルにしたという本作。

かわいらしい表紙からは想像もつかない、飼い主のおじいさんの目玉が飛び出してしまい、ヤギたちが目玉探しの旅に出るというなんとも奇想天外なストーリーです。

旅の先々でヤギたちはおじいさんに手紙を書きます。ショコラちゃんが書いている手紙を食べたいけれど、必死で我慢するサクラちゃん。そして長旅の末、2匹はついにおじいさんの目玉を見つけますが…

衝撃的なラストは、小さい子供にはちょっとショッキングかもしれません。温かみのあるクレヨン画とシュールな世界観は、一度読んだら忘れられない作品です。

みんなのレビュー

もう最高。笑っちゃって読み聞かせが大変。親子揃って「あ!」と言っちゃった結末を是非とも読んでほしい。西加奈子ワールド炸裂!!!

読書メーター

まとめ

以上、今回は西加奈子のおすすめの作品を、さまざまな切り口から20冊ご紹介しました。

西加奈子の書く文章には、読者を最後まで飽きさせない独特のリズムと、人間の強いところも弱いところも全部まとめて包み込む深い母性があります。また、現状が絶望的でも最後には必ず救いがあり、読み終えると心か軽くなるような不思議な魅力を持っています。

では最後に、西加奈子の作品を選ぶときに役立つ7つの切り口をもう一度以下にまとめます。

  • はずれなしの人気小説
  • 賞を受賞した傑作小説
  • 映画の原作となった小説
  • ハマった人向けの隠れた名作
  • さらっと読める短編集
  • 著者の魅力満載のエッセイ
  • 大人も楽しく読める絵本

この中で特に関心のある分野から選んでいけば、西加奈子の作品で何を読むべきか迷うことなく読み進められるのではないでしょうか。

とても魅力的な作家なので、この記事を参考にぜひとっておきの一冊を探してみてくださいね。

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