田中芳樹のおすすめ本・書籍10選【おすすめ代表作品からファンタジーSF、漫画などジャンル別に紹介】

「田中芳樹ってどんな作品を書いているんだろう」
「田中芳樹の作品のなかでおすすめなのはどれだろう」

田中芳樹は、「銀河英雄伝説」「アルスラーン戦記」などで知られる有名な作家です。戦記ものからSF、現代ものまで幅広いジャンルの作品を執筆していて、長編が多く細かく作り込まれた重厚な設定の作品が特徴です。

その代わり、新刊のペースが遅いことでも有名で、シリーズ完結までに10年かかることも普通です。そのため、ファンになっても途中で追いかけるのをやめてしまう人もいるかもしれません。

ですが、最近になって新刊が発売されたシリーズやや完結したシリーズもあるため、昔読んでいた人におすすめしたい作品もあります。

この記事では、初めての方から以前ファンだった方までおすすめの田中芳樹作品を、ファンタジー、SF、伝奇アクションなどジャンルごとに紹介していきます。

まず初めに読みたいおすすめ代表作品

銀河英雄伝説

読んでみて

田中芳樹作品のなかで最も有名と思われる作品がこの銀河英雄伝説です。ファンの間では、銀英伝とも略されています。過去にはアニメ化されたこともあるので、作者は知らなくても、このタイトルは耳にしたことがあるという人もいるかもしれません。

銀英伝は、未来の宇宙を舞台にラインハルトとヤン・ウェンリーの2人を主人公に、銀河帝国と自由惑星同名との戦いの歴史を描くスペースオペラです。40年近く昔の作品にも関わらず、今でもまったく古さを感じさせない、重厚な人間ドラマ、歴史ドラマが詰まったおすすめの作品です。

本編10巻、外伝5巻というボリュームにちょっと尻込みしてしまうかもしれませんが、読めばきっと止まらなくなるはずです。ぜひ、一度手に取ってみてください。

みんなのレビュー

私の人生を変えた本です。当初1巻は読みきりになるかもしれないということで、かなりテンポが速く進みます。アスターテ、イゼルローン、アムリッツァと大きな会戦が3つもありてんこ盛りですが、キャラクターの骨子は定まっており、当時の著者の脂の乗り具合が最高です。

読書メーター

アルスラーン戦記

読んでみて

こちらも田中芳樹作品の中で、銀英伝と一二を争うトップクラスの有名作です。中世の中東をモデルにした異世界が舞台という少し変わったファンタジー作品で、ルシタニア王国に侵略されたパルス王国の王太子アルスラーンが、母国を奪還するために部下たちと奮戦する姿が描かれます。2017年に31年の年月をかけて完結したことでも話題になりました。

主人公であるアルスラーンをはじめ、アルスラーンを補佐する武将ダリューン、天才的な軍師ナルサスなど、謎めいた女神官ファランギースなど魅力的なキャラクターがたくさん登場するのも魅力です。

アルスラーンの前には、トゥラーンやチュルクといった他のライバル国や蛇王ザッハークといった魔物も立ちはだかり、それが一層物語を複雑に面白くしています。巻数は多いですが、それを感じさせない面白さですし、ファンタジーや戦記が好きな方にはぜひおすすめしたい作品です。

みんなのレビュー

こういう成長ファンタジー好きだなぁ(笑)ツボです、止まりません。アルスラーンはまだまだお子様だけど、とても良い子。戦いの描写がいいです、想像しやすくわかりやすい。これ漫画もあるそうだけど、そっちも読みたいな。

読書メーター

ファンタジー

マヴァール年代記

読んでみて

アルスラーン戦記と同じく、田中芳樹によるファンタジー戦記作品です。中世ハンガリーに似た世界観の異世界マヴァール帝国の帝位継承争いを描きます。アルスラーン戦記同様、戦略や謀略、人間ドラマが読み越えごたえたっぷりに描かれています。

もとは文庫3冊の作品で、現在は合冊で1冊の本になって出版されているので、手軽に読めるのも魅力です。魔法や魔物などが登場しないという違いもありますが、アルスラーンと同じような戦記ものを読みたいという方におすすめです。

みんなのレビュー

マヴァール国の皇帝の座をめぐる争いを描いた架空歴史小説。 面白かった。 しかしまあ、乱世であるにしても登場人物がよく亡くなるわ。 権力を欲する者ではなく傍観する者が帝冠を戴くとはなんとも皮肉な物語だ。 個人的にはフェレンツにもっと活躍してほしかったな。

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KLAN

読んでみて

動物に変身する特殊能力ハムルをもった一族の血を引く虎の血族(タイガー・クラン)の少年日高虎之介が、妹をさらい父の命を奪って、さらに一族を自分の支配下に置こうとしているリンフォード伯爵に仲間とともに戦いを挑む物語です。

第1巻が発売されたのは1995年で完結は2008年となっているのですが、この作品、じつは田中芳樹が執筆したのは1巻だけになのです。残りの巻は巻ごとに別々の作者が執筆を担当するという、まるでリレー小説のように1つのアイデアをもとに複数の作家がストーリーを作っていく他にはない珍しいスタイルをとっています。

厳密にいうと田中芳樹作品と呼べるかどうかは微妙なところですが、他の作家が田中芳樹の世界観をどう描いたか、興味のある方は一度読んでみてください。

みんなのレビュー

学生時代以来の懐かしい田中芳樹節にニヤリとしてしまいました。昭和の冒険活劇小説のような節回しや、随処に綴られる皮肉。アルスラーンで嵌った世界が蘇ります(内容は全く違いますが)。この頃がいちばん油が乗っていたのでは。軽い気持ちで次巻に行きます。

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SF

タイタニア

読んでみて

人類が宇宙に進出した時代、星間国家の実質的な支配者となり、宇宙で強大な権力を握り宇宙の覇者となったタイタニア一族の権力争いを描いたSF作品。

国家間同士ではなく、一族の戦いを描いているため、銀英伝よりはコンパクトなスペースオペラといえます。その分、1人1人のキャラクターや人間ドラマはより濃密に描かれています。銀英伝を読んだあとで、同じく宇宙を舞台にした戦争・謀略のストーリーが読みたい方におすすめの作品です。

みんなのレビュー

銀英伝に次ぐスペースオペラの開幕。こんかいの両陣営は対等ではなく、宇宙の覇者と一個人の対決といった感じか。登場人物が個性豊かで面白い。5巻で完結らしいので気軽に読めそう。先が楽しみ。

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伝奇アクション

創竜伝

読んでみて

四海竜王の子孫で竜種の血を引く四兄弟が、人間社会や天界に潜む悪と戦うアクション作品。第1巻は1987年に刊行されましたが、今でも未完になっています。

四海竜王とは、中国の神話に登場する四海をおさめるとされる4人の竜王で、四兄弟はそれぞれ人間離れした身体能力をもっています。現代社会に似た世界を舞台にしていて、パラレルワールドということになっていますが、最初は存在していたソ連が後の巻では崩壊していたりと現実社会の動きに合わせて変化していきます。

そのせいもありストーリーのなかに、社会に対する批判や皮肉が多数盛り込まれている点が本作の特徴です。田中芳樹作品は他の作品でも見られる傾向ですが、本作では特に強くなっていたり表現が直接的であったりするため、ファンの間でも評価が割れる理由になっています。

ですが、田中芳樹作品のなかでは珍しい現代を舞台にした作品ですし、純粋にアクションとして楽しめるおすすめの作品ですので、一度読んでみてください。

みんなのレビュー

絶妙なセリフまわしが気持ちよい作品です。キャラクターがとても魅力的です。個人的には,「天使のなっちゃん」こと小早川奈津子さんという方が印象的です…。強烈な人です,よい意味でも悪い意味でも。中国神話の世界も織り込まれていて,だいぶ文献を調べさせていただきました。願わくば新刊が早くでてほしいものです。ちなみにわたしは巻末の座談会から読むずるい読者です。

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薬師寺涼子の怪奇事件簿

読んでみて

警視庁キャリア官僚で絶世の美女なのに性格には問題があるため、ドラキュラも避けて通る「ドラ避けお涼」の異名をもつ薬師寺涼子が様々な怪奇事件を解決している伝奇アクション小説シリーズです。

物語は涼子の部下である泉田準一郎の視点から語られ、2人の会話劇やこの作者には珍しいラブコメ展開も本作の大きな魅力です。

重厚な世界観の作品が多い田中芳樹の他のシリーズとは違って、荒無稽かつ痛快な内容で読者を楽しませてくれるエンタメ作品になっています。息抜きに手軽に読めるライトな作品としておすすめです。

みんなのレビュー

最初は、「奔放なヒロインに振り回されるヤレヤレ系主人公というお決まりのパターンかな、古い作品だからしょうがないか」などと思って読んでいたのだが、読み進めてみるとこの主人公がなかなか曲者でお偉いさんにガンガン嫌味を言ったり、戦闘でも活躍したりとなかなか良いキャラだった。 あと個人的にはこういう性格の悪いヒロインは好きなんだけど、年々こういうヒロインに対する風当たりは強くなってるので、今やったら叩かれまくるだろうなと思いながら読んでた。

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漫画

アルスラーン戦記(週刊少年マガジンコミックス)

読んでみて

アルスラーン戦記のコミカライズ版で、作画を手掛けているのは、「鋼の錬金術師」で有名な荒川弘先生です。原作の重厚なストーリーを丁寧に描いており、漫画ならではの迫力ある戦闘シーンも大きな魅力。

原作に忠実でありながら、漫画として新たな作品に昇華しているので、原作を読んだことのある人でもきっと楽しめるでしょう。ボリュームの多さに原作を読むのはちょっと、という方や、昔原作が好きだったという方にぜひ手に取ってもらいたい漫画です。

みんなのレビュー

荒川弘の描く『アルスラーン戦記』というのを最初に聞いた時には、今一つイメージがまとまらなかったのだけど、なるほど『鋼の錬金術師』の作者が描くならこういう感じかという感じ。第1話はオリジナルエピソードになってるけど、それ以外は概ね原作通り。オリジナルの1話もよく出来てるし、面白く読ませてもらった。ただ、角川文庫版の原作をリアルタイムで読んでた僕からすると、やっぱり登場人物のビジュアルは天野喜孝の絵が先に浮かんで、ちょっと違和感があるのは仕方ない。たぶん読み進めていけば印象の変わると思う。

読書メーター

まとめ

田中芳樹作品は、アニメ化やコミカライズ化されている有名なものも多く、1つ1つが細かく練り込まれた設定の重厚な作品になっています。長編が多いのと完結までに時間がかかるのが特徴で、昔は好きだったけれど離れてしまったという人もいるかもしれません。

最近になって完結したり、新刊が出たりしている作品もありますので、また手に取ってみてはいかがでしょう。初めての人でも、昔好きだった人でも、きっと引き込まれる作品があるはずです。

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