【24年1月最新】戦争をよく知れるおすすめ本・書籍ランキングTOP25

「戦争について知りたいけれど、どんな本を読めばいいんだろう」
「現代の戦争や国際情勢を考えることのできる良い本はないのかな」

人類の歴史は戦争の歴史といわれるように、人類と戦争とは切っても切れない関係にあります。そのため、歴史上無数に戦われてきた戦争を理解することは人類に対する理解を深めることにもつながり、過去を知るだけでなく未来を予測するためのヒントにもなるでしょう。

この記事では、戦争に関する本をおすすめ順のランキングにして25冊ご紹介します。日本・世界・現代の戦争、戦争を学問的に研究する戦争学、実際に戦争を体験した人の体験談・回想など、幅広いジャンルから選びました。気になる1冊がありましたら、ぜひ読んでみてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

25位:ヨーロッパ史における戦争

読んでみて

中世から第二次世界大戦まで、ヨーロッパで起きた戦争を、戦争と社会との関係から分析した本。戦術や軍隊といった技術面だけでなく、戦争と社会、経済との相関関係を解説し、戦争がヨーロッパの歴史に及ぼしてきた影響を明らかにしていきます。

戦争がいかに人類の歴史と切っても切れない関係にあるかが分かります。戦争という新しい視点から、ヨーロッパ史を見る目を変えてくれるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

表題の通り近世以降欧州における戦争史であるが、記述は戦史には留まらない。戦争社会史政治史経済史、技術史等に考察を加え、まさにその結果として以下の章分けが成立する。封建騎士の戦争、傭兵の、商人の、専門家の、革命の、民族の及び技術者の戦争がそれであり間然とする所がない。社会主義が凋落しお花畑平和主義と変貌した我が国ではこういう学問は成立しないのだろう。密集歩兵と槍兵、先込銃からライフル等の技術論、兵站革命と銃後、国民国家と戦争動機づけの変容等話題は果てしない。惜しむらくは父、老大家によると見られる翻訳が硬い。

引用元:読書メーター

24位:『戦争論』入門―クラウゼヴィッツに学ぶ戦略・戦術・兵站

読んでみて

軍事学の古典として有名な『戦争論』を、初心者向けに易しく解説してくれる本。戦争論は、プロイセン軍人クラウゼヴィッツによって書かれた研究書で、戦争と戦略を理論化した世界初の著作です。

現代でも世界の軍隊で研究される名著で、戦争や軍事について学ぼうとする人にはぜひ読んでもらいたい本なのですが、内容が非常に難解なため、初めての人では挫折してしまう可能性が高いです。

本書は、学生との対話形式で書かれており、クラウゼヴィッツの思想の大切なポイントを無理なく理解することができます。原著を読むのはハードルが高いと躊躇している方に副読本としておすすめの1冊です。

みんなのレビュー

分かりやすく書かれていたが意図的に触れていない箇所も多く感じた。いずれ戦争論そのものも読んでみたい。 しかし「戦争とは政治の一手段である」を始めとする至言が多い著作であった。また読もう。

引用元:読書メーター

23位:戦争論

読んでみて

こちらは戦争論の原著です。ナポレオン戦争に参加したプロイセンの将軍カール・フォン・クラウゼヴィッツの著作です。

クラウゼヴィッツによって書かれたとされる戦争論ですが、実際には彼は戦争論を書き上げることなく亡くなっている未完の著作となっています。戦争論は、彼の死後、妻のマリーが遺稿を断片的な原稿をまとめて出版したものです。

そのため、戦争論を理解するには、残された原稿の裏にあるクラウゼヴィッツの意図を読み解く必要があり、それがかえってこの本を難解にしています。読破するのはなかなかハードルが高い本ですが、戦争論の古典として今日でも通用する重要文献ですので、興味のある方はぜひ一度挑戦してみてください。

みんなのレビュー

数年前に一読はしたものの、正直字面を追っただけだったので、再挑戦してみました。さすがに古典の名著であり、こんな若輩であっても非常に示唆に富むものでした。 しかし、著者自身が言うように、戦争には時代性があり、本著の内容が必ずしも現代で全て適用できるわけではなく、あくまでも歴史的な教養として読む必要があるとは切に感じました。 とはいえ、第1部(第一章)については間違いなく『what is war』を考える上で必須の知識であり、おそらく繰り返して読むことでまた新たな発見が得られるだろうと確信できました。

引用元:読書メーター

22位:十七歳の硫黄島

読んでみて

17歳の少年兵として太平洋戦争の激戦地である硫黄島の戦いに従軍した著者が当時の回想を記した本です。硫黄島の日本軍は洞窟内で行動することが多かったため、他の方の回想では外部の様子が良く分からないこともあったようですが、著者は海岸や擂鉢山を見渡せる送信所にいたため、日米両軍の様子が良く分かったようで、戦闘の経過が詳しく記述されています。

一見、淡々とした文章ですが、実際にその場にいた人間にしかわからない戦場のリアルな姿が臨場感たっぷりに描かれます。太平洋戦争に興味のある方には、ぜひ一度読んでほしい本です。

みんなのレビュー

筆舌に尽くし難い激戦を生き抜いた方の体験談。アメリカ側の硫黄島戦記はたいてい上陸作戦日から始まるが、守る側の日本軍にとってはその前の砲爆撃がすでに尋常ではなかった。また、日本軍の組織的な抵抗の終わりを以て戦記を締めくくる本も多いが、生き残っている日本軍兵士にとって、組織的抵抗の終わりは個人的な戦いの始まりに過ぎなかった。個人的な戦いとは、悪臭と熱気と苦痛と空腹が支配する壕内で我慢してなお生きるか、それともひと思いに楽になるかを常に考えねばならない、という戦いのことである。苦行と言っても良い。

引用元:読書メーター

21位:戦争中の暮しの記録―保存版

読んでみて

雑誌「暮しの手帖」で組まれた戦時中の暮らしに関する特集号を書籍化したものです。読者から公募され、1736通のなかから選ばれた135編の戦時中の暮らしの記録が収録されています。

戦争というと軍隊同士による戦闘をイメージしがちですが、その裏では多くの庶民が日常生活を営んでいました。当時の人々がどのような衣食住で生活し、なにを考えていたかを知ることができる貴重な証言を数々は、ぜひ一度読んでみてほしいものばかりです。

みんなのレビュー

「暮らしの手帳」社が昭和44年に、戦時中の暮らしの記録を公募し、集まった手記を一冊にまとめたもの。当時、雑誌としては異例の売上を記録し、「もっと頑丈な製本にしてほしい」との要望に応え、この保存版が作られたそう。疎開と空襲と飢餓と動員とで文章は埋め尽くされていて、「古き良き時代」なんて言葉が、ここまで当てはまらない時代もない。時おり挿入される写真や新聞記事が、臨場感を添えている。読みながら、飛行士として当時の戦争に参加していた自分の祖父が、戦争について教えてくれたことを思い出した。

引用元:読書メーター

20位:アメリカン・スナイパー

読んでみて

イラク戦争で戦ったアメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズの狙撃手クリス・カイル氏による回想録で、映画化もされています。著者は、米軍史上最高となる狙撃記録をもち、敵からは「悪魔」と恐れられた伝説のスナイパーです。

本書もカイル氏が体験した実話をもとに執筆されています。しかし、描かれる内容は、自らの手柄を誇るというよりも厳しい戦場の現実で、多くの仲間を失ったことや、メンタルにも不調をきたしたことなど、戦場が如何に人間にストレスを与える場所であるかが窺えます。

反面、戦場でスリルや興奮を味わう描写もあって、単に戦争は悲惨だというだけでは一面的な見方にしかならないこともわかります。実際に、イラクで米兵たちが何を考え、どのように戦っていたのかを知りたい方に一度読んでみてほしい本です。

みんなのレビュー

読んでいたら、自分が主人公に成り代わりイラクの建物の屋上から狙撃している感じがしてスリルを味わえました。一方で銃弾やバズーカなどが降り落ちてくる恐怖からの緊張感、精神的におかしくなるのが伝わってきました。また彼を支える家族の苦悩が、辛いところですね。

引用元:読書メーター

19位:竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記

読んでみて

戦争直後の朝鮮半島の混乱の中を、ソ連軍から逃げるため家族と共に日本に引き揚げる日本人少女ヨーコの視点から描いた本で、アメリカでは中学校の教材としても使用されていた本です。

食糧は欠乏し、多くの人が途中で倒れていく中、朝鮮人の暴力や抗日パルチザンから逃れながら日本への脱出目指すヨーコの旅はまさにサバイバルです。帰国した日本でも辛い生活が待っていたのには心が痛みます。戦争の影に隠れてあまり知られることのない戦後の日本人の苦労を知ることのできる1冊です。

みんなのレビュー

12歳の少女の視点で描かれた満州引き揚げ戦争体験記。同じ年代の子供達に読んでもらいたい。かと言って、若い子達に「戦時中に比べれば貴方達は恵まれている」なんて言う気はサラサラない。スタート地点が違う以上、苦しみを比較する事なんて出来ないと思うから。ただ知ってほしい、子供が、子供である事を奪われ、早く大人にならざるをえない悲劇を。戦争は裏返し。朝鮮がソ連がアメリカが敵ではない。誰も殺していないのに相手国に恨まれる民間人同士。自分の頭で考えて疑って真実を知る権利が必要。ヨウコは文字通りペンで自身の運命を変えた。

引用元:読書メーター

18位:戦争文化論

読んでみて

イスラエルの軍事史家マーチン・クレフェルト氏による人類史のなかで戦争がどのような文化を生み出してきたかを論じた本。戦争には恐ろしい破壊を伴う行為というイメージがあるため、そこから文化が生み出されるとは、普通は考えないでしょう。

しかし、著者は人類史において戦争のなかった時期のほうが少なく、芸術や文学など幅広い分野で戦争は人類社会に影響を与えていることを豊富な事例とともに解き明かします。人類には本質的に戦争を好む部分があり、戦争と文化は切っても切れない関係にあるため、戦争が無くなれば人類社会も今とは大きな変化が訪れるだろう、と著者は言います。

戦争が文化であるという、多くの人がこれまで考えてもみなかっただろう理論は、戦争に関する新しい視点を与えてくれます。「戦争とはなにか」を考えてみたい人におすすめの本です。

みんなのレビュー

戦争という現象の中で生きる人間にスポットが当てられているように感じた。戦略とか戦術とか、そういう定義を求めてクラウゼヴィッツや孫子などを読んできた自分には衝撃的な内容だった。やれと言われてやる人間の心理はどういったものかを、戦争に参加する人間の服装や装飾に見られる美意識を手がかりに考察している。時代によって移り変わるこの美意識はまさに文化であり、そこに着目し、理論を広げていった筆者のセンスの高さが窺える。戦争を語るとき、このテーマを忘れることは、仏像作って魂入れずと思うに至る。

引用元:読書メーター

17位:第二次世界大戦1939-45

読んでみて

スターリングラード』や『ベルリン陥落』など多数の著作があるイギリスの戦史ノンフィクション作家アントニー・ビーヴァー氏の最新作で、第二次大戦の全体像を描いた通史です。全3巻1500ページ越えの超大作で、世界24か国で翻訳されたベストセラーです。

各国首脳や軍隊の指揮官といた鳥瞰的な視点から、従軍した兵士や一般市民の視点までを駆使し、最新研究も盛り込みながら、ヨーロッパからアジアまで広大な戦場で展開された第二次大戦の姿を描き出す本書は、質量ともに圧巻という言葉がぴったりです。

全般的な内容を扱っているため、詳細な部分については簡単に取り上げているだけのところもありますが、入門として第二次世界大戦の全容を学びたい方におすすめです。

みんなのレビュー

いろんな “そうなんだ” に出会えて面白く読めました。学校で習う、第二次世界大戦て本当にザックリなんだと改めて認識しました。 これくらいの紙幅がないと歴史の細かい部分までは伝えられないと思います。学校では教わらない事も知ることが出来ました。  第一次世界大戦は総力戦でしたが、第二次世界大戦はそれに加え、機械化部隊の規模とその機動力が勝敗を決めたように感じました。  本の分厚さで敬遠していましたが、意外とスムーズに読めました。

引用元:読書メーター

16位:図説 第二次世界大戦(ふくろうの本/世界の歴史)

読んでみて

歴史や美術のワンテーマを豊富な図と写真で解説するふくろうの本シリーズの1冊で、第二次世界大戦をあつかっています。

掲載されている写真の数は270枚にも上り、誰でもわかりやすく戦争をビジュアルで理解することができます。文章も客観的で中立に書かれているので、初心者の入門書にもぴったりの本です。 

みんなのレビュー

豊富な写真、図説、地図と共に第二次大戦の流れを追う本。記述もなるたけ中立的に書かれているように思う。第二次大戦で一番戦死者を出したのは実はソ連だと知って驚いた記憶があるのだが、まさにそれと同時進行でスターリンが大粛清やってたというのに驚いた…。なんとなく戦後の話かと思ってた。国力ェ…。医者や弁護士等ポーランドの知識層から虐殺していったというナチスにはポルポトかあとなった。日本はヒトラーのような独裁者がおらず首相は11人も変わり、最終的な責任者がいなかったという指摘には、この頃から忖度国家なんだなあと。

引用元:読書メーター

15位:昭和16年夏の敗戦

読んでみて

太平洋戦争直前の昭和16年夏に出された総力戦研究所によるシミュレーションをもとに、日本がなぜアメリカとの開戦に踏み切ったのかを明らかにした本です。日本中から集められたエリートたちの出した結論は日本必敗で、戦争するべきではないというものでした。しかし、実際の歴史は真逆の結果になります。

本書では、開戦に至る細かな経緯を明らかにすることで、現在にも通じる、日本組織がもつ欠陥が述べられています。

みんなのレビュー

作品としても興味深いから堅いと思わずに手に取ってほしい。 日米開戦をしない方がいいという報告があっにも関わらず開戦に踏み切った背景は、複雑に絡み合っているけれど、結果的には色んな人の想像力の欠如が影響しているように思う。 ただ、そう思う自分も未来の立場から過去を見ているから総力戦研究所の報告が「正しい」と言えるけれど渦中にいたら違ったものが正しく見えてしまうのかもしれない。 今の日々の選択も、今が正しくても10年後、100年後の未来にとって正しくないものはたくさんあると思う。だからこそ過去に学びたい。

引用元:読書メーター

14位:超限戦 21世紀の「新しい戦争」

読んでみて

中国の現役将校2人による共著作で、中国式の戦争論が書かれた本です。出版されると中国でベストセラーになり、アメリカ、日本でも話題を呼びました。日本でも過去に出版され、古書価格3万円の入手困難になっていたものが復刊されました。

本書で語られる超限戦では、従来の陸戦や海戦に限らず宇宙、サイバー空間、金融、貿易、資源などすべての領域が戦場になるとされます。現代の戦争と国際社会を読み解くのにぴったりな本で、執筆されたのが1999年というのに驚かされます。本書の内容は決して色褪せておらず、未来の国際情勢を考える上でも一度読んでみてほしい1冊です。

みんなのレビュー

著者は人民解放軍の将校で原書は1999年初版.新時代の戦争を予言したと言われる.中東戦争や地下鉄サリンの世界情勢を踏まえ,次の時代の戦争は,旧来の戦場による正規軍の軍事衝突ではなく「あらゆる組織(国家/政治組織/グローバル企業/ヘッジファンド)があらゆる手段(武力/貿易/金融/サイバー)を行使して行われる限界のない戦い」であると主張している.原書出版の2年後に9.11が発生し,テロの世紀に突入したことを考えると,本書の洞察は鋭い.また,米軍がこの時代を予期していないとの論も読みごたえがあった.

引用元:読書メーター

13位:戦争の日本近現代史 東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで

読んでみて

明治維新以降に日本が体験した戦争を東大で教鞭を執る著者がわかりやすく解説してくれる1冊。入門者向けですが、内容は当時の政治家の発言から地方の村長の日記まで、膨大な資料を丹念に調べ上げた著者による研究の集大成を要約したものです。

そのため、詳しく専門的で、それが親しみやすい口語の語り口によって、スッと入ってくる素晴らしい教科書といえます。日本の戦争といえば一番に太平洋戦争とイメージしますが、本書を読むと、実際は征韓論や日清戦争といった明治時代の戦争から一連の出来事としてつながっているのだということがわかります。

日本の戦争を勉強したいという方に一番のおすすめしたい本です。

みんなのレビュー

歴史は現在のものがあとから振り返ることで教訓を得ようとするが、本書はその時、その人がなにを考え、逆になにを考えれなかったのか、当時の論理を丁寧に追うものだ。事実の単なる羅列ではなく、また現在の視点からの批判でもない。当時の大きな知の型が変わる大きな流れや力を史料からときほぐす、歴史の「問い」を問う作品である。

引用元:読書メーター

12位:戦争にチャンスを与えよ

読んでみて

米戦略国際問題研究所(CSIS)の研究員である著者が戦争と平和に対する新しい見方を提示してくれる本です。内容もタイトル同様刺激的で、著者は、現代の戦争を長引かせている原因は、国連やNGOなどが行う「人道的」な平和維持のための介入だと主張します。

もちろん、著者は戦争を奨励しているわけではありません。しかし、無理に停戦させても、偽りの平和は長続きせず、また新たな火種を生み出すだけである。戦争の当事国が、お互い戦争が嫌になるくらい徹底的に戦ったあとにこそ、真の平和への道筋ができる、というのが著者の考えなのです。

日本にいるとなかなか出会うことのない新しい視点を与えてくれる1冊ですので、現代世界の戦争と平和を考えてみたいという人はぜひ手に取ってみてください。

みんなのレビュー

戦略家・歴史家として名高いルトワックの戦争論。失笑もののトンデモ論と端倪すべからざる知的な洞察が混在する刺激的な読書体験となった。要注目は、戦術におけるゲーム理論ともいえるパラドキシカル・ロジック(逆説的論理)と、戦略上の要諦である同盟関係。軍事といえば平和を連呼するだけの日本メディアからは決して聞けない深い着想に感心頻りとなった。ならば、せめて政治家はマスコミに引き摺られず、近隣諸国に適切なメッセージを発してもらいたいところだが、現状はルトワックのいう”あいまいさ”という最低の悪手ばかり打っている。

引用元:読書メーター

11位:中東戦争全史

読んでみて

戦争の歴史や国際紛争に関する著作を多数出版している著者が、現在もなお紛争が続く中東の戦いの歴史を解説した本です。4度にわたる中東戦争から、パレスチナ問題、イラク戦争からシリア内戦、イスラム国まで、歴史や民族、宗教が絡む複雑な中東問題をわかりやすく説明しています。

中東問題に興味があるけれど、難しすぎてなかなか理解できないという方に最初の1冊としておすすめの本です。

みんなのレビュー

難解な中東の歴史を戦争という観点から解説していった良書。内容については、聖書に記された内容から過激派テロ組織イスラム国についてまで展開されており、全ては一つの線で繋がっているということが理解できる。文章も非常にわかりやすく読み易い。 著者はなるべく客観的な事実を述べることに注力しており、あまり偏りのない内容となっているのも良い。

引用元:読書メーター

10位:AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争

読んでみて

AIで着色された戦前から戦後の写真で、戦争を知ることができる本です。これまでも昔の白黒写真をカラーにしたものはありましたが、AIを駆使しているところが今風といえます。真珠湾攻撃で炎上する軍艦や戦艦大和、原爆投下に沖縄戦など貴重な写真がたくさんおさめられていて、日本だけでなくドイツやアメリカの写真もあります。

着色された写真の中には、人やものが生き生きと写しだされ、まるで当時の風景を間近でみているようです。文字だけでなく情景から戦争を学ぶことができるおすすめの本です。

みんなのレビュー

読むというよりは見る。戦前のモノクロ写真をデジタルと関係者の証言でフルカラー化。とても綺麗で、かつ臨場感を持って甦った戦前ー戦中の写真。圧巻だったのは真珠湾で爆発する駆逐艦。胸につまったのは子供と女性たちの笑顔。モノクロだと歴史の彼方に隔絶された感じがする戦争が、にわかに身に迫ってきた。戦争など遠い昔だとつい感じている人に是非見てほしい。

引用元:読書メーター

9位:ブラックホーク・ダウン―アメリカ最強特殊部隊の戦闘記録

読んでみて

アフリカの紛争地帯におけるアメリカ特殊部隊の戦闘を描いたノンフィクション。同タイトルで映画化もされているので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。

内戦中のソマリアで、米軍は武装組織の幹部らを拉致するため首都モガディシュのアジトを襲撃する計画を立てました。シールズやデルタフォースなどいくつもの特殊部隊が参加した作戦は、ブラックホーク・ヘリコプターが撃墜されたことで、米軍が孤立してしまいます。

本書はこの時の壮絶な市街戦を米兵や現地の人々の視点から克明に描いています。この本のように、軍隊同士ではなく、軍隊とゲリラとの戦いは、紛争地帯においては今も頻繁に行われているものです。現代の戦争のリアルを知りたい方にぜひ読んでほしい本です。

みんなのレビュー

映画にもなったアメリカ軍のソマリアでの作戦記録。人が撃たれて死ぬ描写がリアルで、戦闘中の生きるか死ぬかの極限状態が伝わってくる。本書は当然、アメリカ軍の視点がメインではあるが、ところどころ入るソマリア人の視点も見逃せない。ソマリア人からしてみれば、日常生活をぶち壊し、親しい人を殺していくアメリカ軍は外敵でしかないのだからアメリカ軍の目指す、悪い政権?からのソマリア人の解放なんて成功するはずもない。

引用元:読書メーター

8位:戦争の世界史

読んでみて

戦争と軍事技術が人類にどのような影響を及ぼしてきたかを、古代から近現代までの戦争を取り上げながら解説していく戦争史の本です。戦術の発達や銃の登場など、戦争が軍事組織や技術を発展させることはイメージしやすいですが、本書はそれだけでなく、戦争と経済や政治、社会との関係についても述べています。

戦争が人類社会と密接に関係していることを解き明かしながら、戦争がなぜ起こるのかを考察し、将来の戦争とはどのようなものになるかを予測します。過去の戦争を学ぶだけでなく、今後の世界情勢を予測する手助けになってくれるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

世界史における各文明の盛衰や各国家の覇権の趨勢を、軍事上の技術革新や組織運営の変化といった観点から論じる。古代の戦車や馬、近世の火器類など、その時々に登場する新兵器をいち早く導入した国が優位に立つというのはある程度予想できることであったが、それと同時に、規律と集団行動の徹底という軍事組織上の変革が戦争の勝敗を左右するようになったと著者は言う。市場経済の発展により第一次集団的な共同体は弱体化したが、その間隙を縫うように、上記の特徴を備えた軍隊という人工的な組織(共同体)が生まれたいう指摘は非常に興味深い。

引用元:読書メーター

7位:米中もし戦わば 戦争の地政学

読んでみて

トランプ政権で大統領補佐官を務め、対中政策のブレーンと呼ばれた著者による、米中軍事衝突の可能性を分析した本。トランプ政権の教科書ともいわれた本書を読めば、アメリカの対中戦略をよりよく理解することができます。

中国は軍拡とともに周辺諸国への攻撃的な姿勢を増しており、アメリカもアジアでの影響力を守ろうとしているため、近年両国の緊張が急速に高まっています。本書では、米中戦争のリスクを予測するだけでなく、どうすれば衝突を予防することができるも考えています。現在の米中関係を詳しく知るだけでなく、今後の米中関係を読み解くためにも、ぜひ読んでほしい本です。

みんなのレビュー

「中国の安全保障上の脅威」についてあらゆる面からあまねく網羅して書かれた良書。ミサイルの脅威や南シナ海、台湾、尖閣諸島問題といった軍事面の直接的な問題から、貿易戦争、情報通信、知的財産問題、メディアへのロビー活動、ハリウッド、孔子学院といったソフト面の問題まで広く書かれている。現在の中国問題について一冊でわかりやすく把握できる、おすすめの入門書。

引用元:読書メーター

6位:ビジネス教養 地政学

読んでみて

戦争と深い関係をもつ地政学を、日本における地政学の代表的研究者が初心者向けに解説した本です。地政学と聞いても、多くの人には馴染みのない言葉だと思います。地政学は、国家の置かれた地理的環境が戦争や外交に及ぼす影響を研究する学問です。

歴史には、ロシアが不凍港を求めて南下政策を繰り返したことや、二度の世界大戦でドイツが二正面作戦を行ったことなど、もしその国の地理的条件が違っていれば起きなかったかもしれない出来事が存在しています。戦争の為の学問といわれることもありますが、地政学を学べば、国際社会を読み解くための非常に有効なツールになりますし、ビジネスにも応用できるといわれています。

この本では、チョークポイントやランドパワー、シーパワーといった重要語をはじめとする地政学の考えが初めての人にもわかりやすく説明されています。戦争と国際社会を知るための新しい視点を身につけたい方におすすめの1冊です。

みんなのレビュー

シーパワーとランドパワーという考え方で世界を見ると、中国の意図が明確に見えてくる。米中という主役2国に、ロシアや中東がキーマンとしての存在感を増している。世界は平和だというのは、この本を読むと幻想だったのだと気づく。日本を取り巻く世界も厳しい。北方領土は返還されないだろうし、沖縄の基地もなくならない。それは地政学が本書を読めば「なるほど・・・」と腑に落ちる。外交を考える場合、この地政学という視点がなくば話しにならない。この世界は正義でなくルート獲得と「金」や「力」のために動いているのかもしれない。

引用元:読書メーター

5位:「戦争と平和」の世界史 日本人が学ぶべきリアリズム

読んでみて

カリスマ予備校講師が書く世界史から戦争と平和を考えるための本。古代から現代に至るまで、人類が戦争とどのように向き合ってきたか、戦争をどのように回避しようとしてきたかをみていくことで、未来の世界を予測するためのヒントを導き出します。

政治や軍事だけでなく、国際法から戦争と平和を論じているところもこの本の特徴です。世界史と戦争だけでなく法律に興味のある人も読んでみてください。

みんなのレビュー

歴史上の戦争を題材に、戦争がなぜ起きるのか、どのような思惑で起きたのかを解説している。日本が歴史上海外と関わり、戦争になった背景や経緯や原因を考察している。
特にペリー来航以降の日本史と諸外国との関係の中で、日清日露から大東亜戦争の敗戦に至るまでの解説が良い。なかでも満州事変から対米戦争までの内外の動向の記述は実に興味深かった。正式な歴史として認定されることは難しいが、成るほど、そうだったのか!という思いで読了した。

引用元:Rakutenブックス

4位:戦争は女の顔をしていない

読んでみて

第二次大戦で唯一女性兵士が前線で戦った国であるソ連の元女性兵士へのインタビューをまとめた本で、著者はノーベル文学賞も受賞しています。

大戦中のソ連で百万人を超える女性が従軍していたとされます。多くは戦後、世間から白い目で見られることになり、自らの戦争体験に口を閉ざしました。本書に書かれているのは、著者が彼女たちになんども取材を行い、少しずつ心を開いてもらうことで得られた貴重な証言です。

本来な普通の女の子として過ごすはずだった彼女たちの戦場での辛い体験は、心の大きな傷を残しただろうことが読み取れます。戦争の新たな一面を知るためにぜひ読んでほしい1冊。最近出版された漫画版もおすすめです。

みんなのレビュー

総力戦とは何か、の全てが書かれた書。恐らく紛争地帯で起こる凡そのことは本書で語られている。戦場の地獄は勿論、戦後の差別、終り無きトラウマ、復讐とその虚しさ、死者への慚愧、別離の苦しみ、が紙上を埋め尽くす。読後暫く何も手に付かない程の虚無感を覚えた。だが、女性の語りには近しい者への無上の愛と生の美しさにも溢れていた。如何なる状況でも日常を忘れず、希望を捨てず生き続ける人が女性には多い気がする。そんな語りに触れる事で読み進められた。著者は本書で平和賞を受けた。確かに信念と忍耐力の強さは世界一だろう。

引用元:読書メーター

3位:最悪の戦場に奇蹟はなかった―ガダルカナル、インパール戦記

読んでみて

太平洋戦争で最悪の戦場と言われるガダルカナル島とインパール作戦の両方に参加した経験をもつ著者の戦記。著者の戦場体験は悲惨そのものですが、ユーモアを交えた作者の語り口は明るく、辛くて途中で読むのをやめてしまうことはないでしょう。

極限の環境で生きる兵士たちの悲しみや憎悪、人間愛などリアルに描かれる感状が心を揺さぶります。2つの過酷な戦場を体験した貴重な回想ですので、太平洋戦争に興味のある方はぜひ読んでみてください。

みんなのレビュー

南支、マレー、ガダルカナル、インパールと帝国陸軍の主要攻勢に参加し、生還した著者の戦争体験記。部隊記と違って著者のありのままの体験を記されているので、前線における日本兵の心境などがとても詳しく描写されています。特にガ島を生還した方の手記というのはとても珍しいうえに、島での生活など興味深い描写が多いです。また、私たちの想像を絶する著者の戦闘体験もあり、必読の書と言えるでしょう。

引用元:読書メーター

2位:兵士は戦場で何を見たのか

読んでみて

イラクで戦った米軍部隊に密着したジャーナリストによるドキュメンタリー。戦争が多数の兵士たちを死傷させる様子や心の大きな傷を植え付ける様子がリアルに描かれます。

本書に登場する部隊の平均年齢は19歳で、兵士の多くは貧困家庭の出身者で、戦争がいかに若くて貧しい人たちの犠牲の上に成り立っているかがわかります。世界一の軍事大国といわれるアメリカの真の姿が理解できる1冊です。

みんなのレビュー

「その部屋には十六体の遺体を保存できる小部屋があり、遺体を包むビニール袋の山と、新しいアメリカ国旗の束があり、弔事班の兵士がふたりいた。その兵士の仕事は、死亡した兵士が生前、一緒に棺に入れることを望んでいた私物を探すために亡骸を調べることだった」本書33頁。2007年にイラクに派兵されたある大隊に密着した著者が、基地における兵士たちを描いたノンフィクションです。負傷兵を英雄と持ち上げる本国の病院、兵士の体の一部が簡単に失われていく戦場、銃後の社会とのギャップなど、今の戦争を考える上での示唆に富んでいます。

引用元:読書メーター

1位:日本のいちばん長い日

読んでみて

日本を代表する昭和史研究家の著者が、日本が終戦を決意するまでの過程を、綿密な取材をもとに描いた1冊。日本にとっていちばん長い日になった8月15日の24時間の様子が、細かく活写されます。

軍には徹底抗戦を主張する勢力もあって、戦争を終わらせるのも簡単なことではありませんでした。終戦前に起きた複雑な出来事が、まるで実際に見ていたようによくわかるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

終戦を迎えるにあたり,いろいろな広のいろいろな立場があり,ポツダム宣言を受諾するのにも大変な道のりがあったのだと痛感した。何が正義か,それぞれの立場によって違うことがよく分かった。戦前は,国民でなく臣民であり,国の中で大事にされたのは,天皇であり,民は,天皇に使える立場なので,1億玉砕でも,天皇を守り,国体を守るというのが軍人の大方の考え方であったようである。そのため,天皇がポツダム宣言受諾を決定しても,戦争を続け,もっと有利な条件で降伏できると軍部は考えたのだろう。そのような考えにした教育が恐ろしい。

引用元:読書メーター

まとめ

太平洋戦争から70年以上が経過し、幸いなことにその間、日本は戦争を経験することなく、私たちは平和な日々を送ってくることができました。平和な社会にあっても、戦争を理解することは、歴史を知るだけでなく、未来を見通すための多くのヒントを与えてくれます。

ぜひ、この記事で紹介した本を通じて戦争を学び、過去を伝えるとともに、未来を切り拓く一助にしてください。以上、戦争に関する本のまとめでした。

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