江戸時代をよく知れるおすすめ漫画20選【学習漫画からギャグ漫画、グルメ漫画まで紹介】

「江戸時代を舞台にした漫画のおすすめは?」
「いろいろなジャンルの江戸漫画を読んでみたい!」

江戸時代に漠然と惹かれているものの、どんな作品から読めばいいか分からない、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?

江戸時代と言えば、武士道や新撰組、町人文化、花魁文化など、興味深い題材の多い時代。江戸時代を舞台とした漫画はたくさんありますが、その切り口はさまざまで、どれも違った魅力があります。

そこで今回は、江戸時代をテーマにした漫画を、次の7つの切り口から20作品ご紹介したいと思います。

  • 歴史の勉強に役立つ学習漫画
  • 実在の人物がモデルの漫画
  • 江戸が舞台の人間ドラマを描いた漫画
  • 江戸の花魁文化を描いた漫画
  • 江戸の日常が知れるギャグ漫画
  • 夢中で読めるバトル漫画
  • 江戸の食文化が知れるグルメ漫画

今回ご紹介する江戸漫画の中から、読んでみたいと思える作品が見つかれば幸いです。

歴史の勉強に役立つ学習漫画

角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 9~11(江戸時代)

読んでみて

265年続いた江戸時代を前期、中期、後期に分けて分かりやすく解説した学習漫画です。

江戸幕府の成り立ちに始まり、身分制度や諸法度といった社会システムの構築、町人文化、徳川家による諸改革や黒船来航、坂本竜馬の活躍、そして大政奉還までの流れが簡潔に描かれています。

テストに出そうな項目については図表や説明がしっかりと入るので、歴史学習の助けになります。大人が読んでも面白く、歴史の流れを楽しみながら学べる漫画です。

みんなのレビュー

日本史探偵コナン 9 江戸時代 幻影の八百八町

読んでみて

全12巻ある人気の歴史学習まんが『日本史探偵コナン』シリーズの江戸時代編です。過去にタイムスリップした少年少女たちが、コナン君のナビゲートのもと大冒険を繰り広げます。

オールカラーで読みやすく、コラムページが充実しているため、飽きずに読み進めることができます。また、ひとつの時代が一冊で完結するため、江戸時代について時間をかけずにざっくりと学びたい人にもオススメです。

ただし、歴史上の出来事とフィクション要素が混ざっているので、テスト勉強向けというよりは、歴史に興味を持つきっかけとしてや、一通り学習を終えた後のお楽しみ用という位置づけで読むといいかもしれません。

みんなのレビュー

小学校2年の誕生日プレゼントで買いました。もともとコナン大好きです。この本がきっかけで歴史が好きになったようです。何度も読み返してるし、歴史の人物について主人にずーっと色々聞いています。

ギガランキング

実在の人物がモデルの漫画

おーい!竜馬

読んでみて

『おーい!竜馬』は、幕末の英雄・坂本龍馬の波乱に満ちた生涯をコミカルに、時にシリアスに描いた全12巻の大ヒット歴史漫画です。

本作の原作者は、芸能界きっての坂本龍馬マニアである武田鉄矢さん。その龍馬愛に溢れた原作を、漫画家の小山ゆうさんが迫力あるタッチで描き上げています。大ヒット漫画となったこの作品は、後にTVアニメ化もされ人気を博しました。

ストーリーは史実に基づきつつも、大胆な独自設定が加えられています。多くの有名な歴史上の人物も登場し、最後まで読者を飽きさせません。坂本龍馬の魅力的な人間性や仲間との熱い友情、その悲劇的な運命に、胸が熱くなること間違いなしです。

みんなのレビュー

バガボンド

読んでみて

江戸時代初期の剣豪・宮本武蔵の青春期をを描いた人気漫画『バガボンド』。大人気マンガ『スラムダンク』の作者・井上雄彦さんによる長編傑作です。原作は吉川英治の小説『宮本武蔵』。そこに井上氏がアレンジを加え、独自のストーリーを展開しています。

舞台は、剣の時代であった戦国時代から江戸時代への転換期。出世への道を断たれた青年「武蔵(たけぞう)」が剣士としての自己を確立しようともがき、生や死と向き合いながら成長していく過程を描いています。スピード感と迫力のある決闘シーンも必見です。

2015年2月から休載中である本作は、ファンから再開を熱望する声がやみません。現在37巻まで出ていますが、テンポの良いストーリー展開であっという間に読むことができます。

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百日紅(さるすべり)

読んでみて

『 百日紅(さるすべり)』は、江戸風俗研究家でもある漫画家・杉浦日向子さんによる歴史漫画です。江戸時代に活躍した奇行の絵師・葛飾北斎を中心に、江戸の風俗文化や庶民の暮らしを軽妙なタッチで描いた全3巻の短編エピソード集となっています。

恋愛話から江戸人情にあふれた話、ホラー要素も盛り込まれた本作。作者の描く世界観は独特で、読み手を一気に引き込みます。

北斎と娘のお栄の軽快なやりとりや、人物のさまざまな感情の機微まで描かれており、読み終えたときには何とも寂しいような不思議な気持ちに襲われます。

ページの隅々から伝わる江戸の空気感もとても魅力的。江戸の町にどっぷり浸かるような感覚で楽しむことができ、何度も読み返したくなる作品です。

みんなのレビュー

鼻紙写楽

読んでみて

『鼻紙写楽』は、「幻の漫画家」とも称される寡作の漫画家・一ノ関圭氏による、歌舞伎と浮世絵を題材にした作品。2003年から2009年にビッグコミック増刊号で連載されていた全8話を再構成した一冊です。

この作品では、江戸時代に一世を風靡した浮世絵師・東洲斎写楽が誕生するまでの過程を活き活きと描いています。漫画でありながらとても濃密な内容で、かなり読み応えがあります。

しっかりとした時代考証と、練り上げられたストーリーはもちろんのこと、今にも動き出しそうなその美しい絵はもはや一つの芸術作品。多くの謎が残されているこの物語には続きがあるようで、現在執筆中と言われている次回作が待たれる作品です。

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ひらひら 国芳一門浮世譚

読んでみて

『ひらひら』は、幕末最大の人気を誇った天才浮世絵師・歌川国芳に弟子として迎えられた若者の成長を描いた作品。作者は、BL作品で有名な岡田屋鉄蔵さんです。

つらい過去を背負った武家出身の主人公・伝八郎が、ひょんなことから国芳の弟子となるところからこの物語は始まります。男気にあふれた国芳師匠や個性的な弟子たちなど、登場するキャラクターがみんな粋でかっこよく、読めば読むほどその魅力にハマっていきます。

笑いあり涙ありの心温まる物語で、歌川国芳の作品や生き方が好きな人はもちろん、国芳についてあまり知らない人でも楽しめる作品です。

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江戸が舞台の人間ドラマを描いた漫画

大奥

読んでみて

『大奥』は、男女問わず愛読されている、よしながふみさん作の人気少女マンガ。2010年に実写映画化、2012年にはテレビドラマ化と2回目の映画化がされました。

物語は、江戸城内に実在した、将軍の正室や側近、女中などが住んでいた男子禁制の居室「大奥」を舞台に繰り広げられます。謎の疫病により男子の人口が激減し、権力が男性から女性に移った「男女逆転」の世界を描くファンタジー漫画です。

フィクションではありますが、史実に矛盾することのない設定やストーリー展開で、まるで本当にあったことであるかのような錯覚に陥ることも。日本史好きの方にはより楽しめる作品ではないでしょうか。

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ふたがしら

読んでみて

オノナツメさんによる全7巻完結の名作漫画、『ふたがしら』。2015年には松山ケンイチさんと早乙女太一さん主演でテレビドラマ化もされています。

物語の主人公は、弁蔵(べんぞう)と宗次(そうじ)という2人の盗賊。所属していた盗賊団の頭目が死んだことをきっかけに、2人は「でかいことをしよう」と旅に出ます。旅の途中で出会った仲間たちと新たな一味を作りますが、次第に2人の人間性にも変化が生まれ、考え方にズレが生じ始めます。

意地を張り合いながらも、お互いなくしては決してやっていけなかった2人。結末は切ないものの、なぜか心地いい余韻に包まれる作品です。

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猫絵十兵衛御伽草紙

読んでみて

『猫絵十兵衛御伽草紙』は、永尾まる氏による一話完結式のファンタジー漫画です。少年画報社の『ねこぱんち』に連載されており、コミックは現在21巻まで発売されています。

主人公は、大勢の猫が居着いている「猫丁長屋」に住む猫絵師の十兵衛と、十兵衛の描く猫絵に効能としての呪力を吹き込む元猫仙人の猫又・ニタ。2人のまわりで起こる日常や、猫たちとの心温まる交流をほのぼのとしたタッチで描いています。

猫特有のしぐさや行動が忠実に再現されていて、猫好きにはたまらない本作。一話完結なので、空いた時間にサクサク読めるのも魅力です。

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https://twitter.com/iinkai_kawakami/status/1256482232463552512

江戸の花魁文化を描いた漫画

さくらん

読んでみて

『さくらん』は、江戸最大の遊郭・吉原で遊女として生きる主人公「きよ葉」の型破りな行き様を描いた物語。作者は、『働きマン』などで有名な安野モヨコさん。2007年に、土屋アンナさん主演で映画化された作品としても有名です。

物語の舞台は、吉原の遊郭「玉菊屋」。美貌こそトップレベルのきよ葉ですが、その気性の荒さが原因で遊郭での座は3番手。しかし、No.1だった花魁の高尾が亡くなったことをきっかけに、店の看板を任されることに。そこから彼女の運命が大きく動き出します。

きよ葉が花魁としてのプライドや、悲しい過去、儚い恋などが描かれており、その強くたくましい生き様に圧倒されます。安野さんによる、遊女たちがまとう美しい柄の着物の絵も見事です。

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花魁道中

読んでみて

江戸時代後期の吉原が舞台の同名小説を、斉木久美子さんがビジュアル化した『花魁道中』。2014年には安達祐実さん主演で映画化されました。

吉原で健気に生きる遊女たちの美しく儚い恋愛や、彼女たちを取り巻く人間模様が描かれている本作。遊郭という閉ざされた世界で、運命を受け入れて生きるしかなかった遊女たちが懸命に生きる姿には胸を打たれます。

実在したこの悲しく残酷な歴史に想いを馳せ、愛する人と一緒にいられることの尊さを実感できる、切なくも力強い物語です。

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蝶のみちゆき

読んでみて

長崎・丸山にあった遊郭を舞台とする作品『蝶のみちゆき』。海外からも熱い視線を集める長崎出身の漫画家・高浜寛氏の代表作です。

当時、外国と最も通じる場所であった長崎。日本人だけでなく、外国人も多く顧客としていた丸山の遊女たちは、閉ざされた世界にいると同時に西洋の文化に最も開かれた存在でした。

本作ではそんな特殊な境遇に置かれた遊女の一人、几帳太夫の悲しく儚い恋愛模様が、美しい絵と繊細な心情描写で描かれています。

ストーリーはしっかりとした時代考証に基づき描かれているため、興味深く読み進めることができます。読み終えた時、しみじみと切なくも爽やかな余韻に浸れる作品です。

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江戸の日常が知れるギャグ漫画

磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜

読んでみて

『磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜』は、グダグダな生活を送るダメな武士、磯部磯兵衛(いそべ いそべえ)の面白おかしい日常を描いたギャグ漫画です。

『週刊少年ジャンプ』に2013年から2017年まで連載されていた、仲間りょう氏によるショート漫画がまとめられています。

花のお江戸にて、立派な武士を目指し武士道学校に通う磯兵衛と、彼を取り巻く武士や町民たちを浮世絵タッチでゆるく描いている本作。バカバカしいけど思わずクスッと笑ってしまうような、脱力系コメディとなっています。一話一話が短いので、気軽に読めるのもオススメです。

みんなのレビュー

https://twitter.com/sunotaro/status/1270867442693095424

銀魂

読んでみて

『銀魂』は週刊少年ジャンプにて長期連載され、アニメや映画としても絶大な人気を誇る、空知英秋による人情コメディ漫画。全77巻の長編作品となっています。

物語の舞台は、「天人」と呼ばれる宇宙人の来襲により突如価値観が変わってしまった町、江戸。そんな中でも侍の魂を忘れない男、銀さんこと銀時と、彼を囲む個性豊かなキャラクターたちの生き様を活き活きと描いています。

基本的にはギャグ漫画ですが、シリアスな展開も多くその深いストーリー性にも定評があります。普段はいいかげんだけどキメるときはキメる主人公・銀時と、その仲間たちとの絆が素敵な作品です。

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夢中で読めるバトル漫画

バジリスク

読んでみて

山田風太郎の小説『甲賀忍法帖』を原作とし、せがわまさき氏が漫画家した全5巻の時代劇漫画『バジリスク』。2005年にアニメ化もされています。

この物語のベースとなるのは、忍者の流派である「甲賀」と「伊賀」の対立。多彩な忍法を使って繰り広げられるバトルシーンは躍動感がすさまじく、読んでいて爽快感すら覚えます。

また、本作の見どころは両家の跡取り同士のラブロマンス。忍者版ロミオとジュリエットと言える切ない展開で、涙なしには読み終えられない感動作です。

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SIDOOH―士道―

読んでみて

『週刊ヤングジャンプ』にて2010年まで連載されていた、髙橋ツトムさんによる全25巻の青年漫画。動乱の幕末を舞台に、両親を亡くした兄弟が武士としてたくましく成長していく様子を描いています。

生死をかけた迫力ある決闘シーンや、作中にたくさん登場する幕末の有名人物と主人公たちと関わりが面白く、主人公たちの兄弟愛にも泣かされます。

当時の武士たちの強い生き様や熱い魂がひしひしと伝わってくる、力強い作品です。

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柳生秘帖~柳生十兵衛 風の抄~

読んでみて

『柳生秘帖~柳生十兵衛 風の抄~』は、幕府を守るべく活動した江戸時代の剣士・柳生十兵衛と、朝廷の権力復活を狙う後水尾上皇の間で繰り広げられる、壮絶な死闘を描いた作品です。作者は、『孤独のグルメ』シリーズで有名な谷口ジローさん。

勢いのある画風で描かれる決闘シーンは、まるでアクション映画を見ているかのような迫力です。緊迫したストーリー展開に引き込まれ、ページをめくる手が止まりません。

作中には、勝海舟や松尾芭蕉など、歴史上の人物も数多く登場します。意外なラストも必見です。

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江戸の食文化が知れるグルメ漫画

そば屋幻庵

読んでみて

2008年から『コミック乱ツインズ』にて不定期で連載されている一話完結型の時代劇漫画、『そば屋幻庵』。

物語は、1200石の旗本だった主人公の牧野玄太郎が突如武士を引退し、蕎麦屋に転身するところから始まります。玄太郎の蕎麦屋台には、それぞれの問題を抱えた客がたくさん来店。その問題を玄太郎がこっそり解決する人情ストーリーです。

今にも美味しそうな香りが漂ってきそうな蕎麦の絵は、見ているだけでお腹がすいてきます。主人公の牧野玄太郎の人間性がとても魅力的で、読めば彼のファンになってしまうこと間違いなしです。

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https://twitter.com/suriashiwalker/status/1209691562289950720

勤番グルメ ブシメシ!

読んでみて

『勤番グルメ ブシメシ!』は、グルメ漫画の第一人者である土山しげるさん作の江戸グルメ漫画です。『コミック乱』にて2015年から連載されていましたが、土山さんが2018年に死去されたため未完の作品となっています。NHKにて瀬戸康史さん主演でドラマ化もされ、お茶の間でも人気を博しました。

幕末の江戸に生きた紀州藩士・酒井伴四郎が遺した江戸での暮らしを綴った日記が元になっている本作。当時流行っていた料理が事細かに再現されており、それを主人公が淡々と食す姿は見ていて心が和みます。

現代まで続く食べ物が誕生した歴史的な背景にも触れられており、伝統ある日本食の素晴らしさにも改めて気付かせてくれる作品です。

みんなのレビュー

まとめ

以上、今回は江戸時代をテーマにした漫画を20冊ご紹介しました。

同じ時代でも異なる視点から見ることで、その魅力をより深く感じることができますよね。最後に、今回ご紹介した7つの切り口をもう一度記載します。

  • 歴史の勉強に役立つ学習漫画
  • 実在の人物がモデルの漫画
  • 江戸が舞台の人間ドラマを描いた漫画
  • 江戸の花魁文化を描いた漫画
  • 江戸の日常が知れるギャグ漫画
  • 夢中で読めるバトル漫画
  • 江戸の食文化が知れるグルメ漫画

人情溢れる町・江戸にタイムスリップしたような気分にさせてくれる、魅力的な江戸漫画の世界。この記事を参考に、ぜひお気に入りの作品を探してみてくださいね!

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