「アインシュタインはどんな発見をしたの?」
「原子力を発明したのはアインシュタインなの?」
「アインシュタインが絶賛した人類最大の発明って?」
アルベルト・アインシュタインはドイツ生まれの世界でもっとも有名な物理学者です。物理学の常識をくつがえして、現在の物理学の基礎となるような重要な発見を幾つも発表し「20世紀最高の物理学者」とも呼ばれています。
アインシュタインの発明で一番知られているのは相対性理論ですが、その基本概念が原子力にも関りがあるため、度々アインシュタインと原子力は紐づけて語られることも多いです。
この記事ではアインシュタインの発見した理論や発明を紹介するとともに、原子力とアインシュタインとの関係にも触れたいと思います。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
アインシュタインの発明とは?
光電効果の理論
光電効果とは物質に光が照射された時に、電子が放出されたり電流が流れたりする現象のことです。光を電気信号へと変換する技術としてデジタルカメラに使用されたり、太陽光発電を動作させる原理として広く利用されています。
光電効果には「外部光電効果」と「内部光電効果」があり、ただ単に光電効果と表現されている場合は「外部光電効果」のことを指す場合が多いです。
初めて光と電流の関係性に気付いたのはアレクサンドル・エドモン・ベクレルで1839年のことでした。その後ドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツやフィリップ・レーナルトによって解明が進められましたが、19世紀の物理学では解明不能な部分もありました。
しかし1905年、アインシュタインの論文によって解き明かされ、その功績により1921年にノーベル物理学賞を受賞しています。
相対性理論
アインシュタインが発見した理論の中で最も有名なのがこの相対性理論です。特殊相対性理論と一般相対性理論を合わせた総称で、量子力学と並んで現代物理、古典物理の基本的な考え方です。
物理学者アイザック・ニュートンの「時間と空間は絶対的だ」としたニュートン力学に疑問を持ったアインシュタインは、光の速さは一定としつつ運動状態にある物体にとっては「時間と空間は相対的だ」という結論に達しました。これにより「E=mc2」という世界でもっとも有名な方程式が生まれました。
現在相対性理論はカーナビなどに搭載されている「GPS」が正確な位置を割り出すために使用されたり、原子力発電所などの原子炉がエネルギーを生み出す原理などに使用されています。
ブラウン運動の理論
ブラウン運動とは液体や気体中に存在する微粒子が、不規則に運動を行う現象のことです。イギリスの植物学者ロバート・ブラウンが水の浸透圧によって破けた花粉を顕微鏡で観察して発見し、1827年に論文「植物の花粉に含まれている微粒子について」で発表しました。
長年、なぜブラウン運動が起こるのかは不明でしたが、アインシュタインによって1905年に「微粒子が含まれる液体や気体の分子の不規則な衝突」によって起こっていることが解き明かされました。これにより当時不確定だった分子・原子の存在が実験によって証明できる可能性が浮上しました。
身近なところでは洗剤や除菌剤の汚れ成分を分解する原理や、コンピューター・グラフィックスの世界で新しいCG技術などに使用されています。また医療の分野では血清や血しょうの粘度を測定するために使用されています。