「藤田まことさんの死因は?」
「いつ亡くなったの?」
「亡くなるまで借金に悩まされていたって本当?」
藤田まことさんは「必殺仕事人」や「剣客商売」、「はぐれ刑事純情派」などを代表作に持つ名優で、それ以外にも数え切れないほどの時代劇や映画、ドラマに出演しています。2002年には学術及びスポーツ・芸術文化分野における優れた業績を挙げた人物に贈られる紫綬褒章を受章しました。
そんな藤田さんは76歳の時に自宅で突然倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。突然の訃報に芸能関係者やファン、藤田さんと関わりのあった各界の人々は驚きを隠せなかったといいます。
この記事では藤田まことさんの死因や闘病の様子を紹介するとともに、亡くなるまで悩まされていたという借金問題についても解説します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
藤田まことさんの死因は大動脈瘤破裂
藤田まことさんは2010年2月17日に、大動脈瘤破裂のため享年76歳でこの世を去りました。ここでは大動脈瘤破裂とは何か?その原因は?や、亡くなった当日の藤田さんの様子を解説します。
大動脈瘤破裂とは?
心臓につながる最も太い血管である大動脈にこぶ状の膨らみができた状態を「大動脈瘤」といい、それが破裂して体内で大出血を起こした状態が「大動脈瘤破裂」です。
大動脈瘤は動脈の弾力性が失われる動脈硬化によって引き起こされ、高血圧、脂質異常症、喫煙、肥満、糖尿病などが動脈硬化の原因と言われています。大動脈瘤の大きさや発生した場所にもよって無症状なことも多く、健康診断などでたまたまレントゲンに写り、発覚することも少なくありません。
無症状なので知らぬ間に大動脈瘤が大きく成長していることも多く、ひとたび破裂すれば胸や背中、おなかに強い痛みを生じ、体内への大量出血により血圧が下がりショック状態に陥ります。
大動脈瘤の治療は破裂前に行うのが原則ですが、もし破裂したらその死亡率は80〜90%にも上ると言われているため、一刻も早い緊急手術が必要です。
タバコが原因?
大動脈瘤破裂を引き起こす動脈硬化の発生には喫煙が大きく関わっています。タバコに含まれるニコチンは血管の収縮を引き起こし血圧を上昇させ、血管内部の壁を傷つけたり血栓を発生させたりするのです。
また喫煙は大動脈瘤の拡張速度を20~25%も増加させると言われていて、逆に禁煙で拡大のリスクを低下させることができることも確認されています。大動脈瘤破裂による死亡者の内、喫煙している人の割合が高いことが2006年度の診療ガイドラインに記されています。
藤田さんは晩年50年間以上吸い続けてきたタバコを禁煙していますが、結果的に喫煙が原因とみられる病気で亡くなってしまいました。やはり長年蓄積されたタバコの影響は、そう簡単にはリセットできるようなものではないのでしょう。
亡くなった当日の様子
亡くなる前日の2010年2月16日に藤田さんは大阪府・箕面市にある自宅で家族と夕食をともにしていました。夕食には藤田さんと奥さん、長女の家族と次女の6人で、藤田さんの大好物だったカキフライやお刺身を食べていたそうです。
夕食後に世間話をしていたところ藤田さんが突然吐血し、大阪大学医学部付属病院に搬送されます。残念ながら治療もむなしく、藤田さんは翌2月17日午前7時25分に息を引き取りました。所属事務所によると突然の出血ですぐに意識を失ったため、まったく苦しまずに亡くなったそうです。