【24年11月最新】バッハがよく知れるおすすめ本ランキングTOP12

「バッハってどんな人・・・?」
「バッハの伝記が読みたい!」
「音楽の父って言われているけど、何がすごいの・・・?」

「バッハ」という名前や肖像画の顔、またその作品を知っている人は多いでしょう。しかしバッハについて「何をした人で、どうすごいのか?」と聞かれると説明することはなかなか難しいのではないでしょうか。

そこで、この記事ではバッハのことがよく分かるおすすめの本をランキング形式で12冊ご紹介します。知識・教養として明日から誰かに話したくなるものから、音楽を学ぶ人向けのものや演奏に役立ちそうなものまで、様々な視点からバッハを理解できるものを揃えました。ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

12位:正しい楽譜の読み方 -バッハからシューベルトまで- 〜ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート〜

読んでみて

ウィーン音楽大学教授であるインゴマー・ライナー氏の講義「歴史的演奏法」をベースに、「テンポ」「舞曲」「装飾音符」のなどの観点から楽譜の読み方を解説します。譜面での指示が少ないとされるバッハの楽曲を演奏する際の大きな助けになることでしょう。特にテンポの設定について大変参考になります。

日本図書館協会選定図書に選ばれた本でもあり、学生・アマチュア奏者からプロ奏者まで自力読譜のためのハンドブックとして役立ちます。専門的な記述も多いため演奏者や愛好者向けの書籍ではありますが、バッハの楽曲についての理解や、作曲した際の背景などがよくわかりますので、より学びを深めたい人におすすめです。

みんなのレビュー

バッハやその時代の曲をひいてみたい人は、ぜひ読むべき。私は何度も目から鱗が落ちた。もとは本場ウィーンの音大の講義内容を要約したもの。平易な日本語で読めるのはほんとうに有難いことである。

引用元:Amazon Review

11位:マタイ受難曲

読んでみて

入門者編でも著書を紹介した磯山雅著の書籍で、本著は京都音楽賞・研究部門賞受賞を受賞しております。J.S.バッハの「マタイ受難曲」を構成する全68曲に訳と解説、そして可能な限りの解釈を示しており、参照楽譜の断片も多数掲載しています。

高度な研究書であり、またボリュームのある内容ながら文章は平易で読みやすく、専門的な書籍ではありますが一方で多くの人に親しまれている一冊でもあります。音楽だけではなくキリスト教について興味がある方、或いは学んでいる方にもおすすめできる一冊です。

みんなのレビュー

みなさんのレビューにより、この本の素晴らしさは十分お分かりいただけるので、重複しない部分を。音楽を専門にやっている人にとっても、この本を読むだけでマタイ受難曲が分かる訳ではありません。当然ですが、CDなどにより音を逐一確認しながら、もしできるなら楽譜をお手元に置きながら読めばよく分かります。更に申し上げれば、(私の場合は)副読本として、中野京子氏著「名画で読むイエスキリストの物語」(大和書房)でキリストについて学んだ後に、この本に取りかかりました(本当は聖書ぐらい読めれば良いのかも知れませんが…)。それくらい、キリスト教に馴染んでいない者にとっては、その背景までも読み取るのは簡単ではないですが、マタイ受難曲が本当に好きで、その全てを知りたいという情熱さえあれば、この本は大変素晴らしい手引書になります。

引用元:Amazon Review

10位:バッハの秘密

読んでみて

バッハが一曲一曲に込めた思いや想像を絶する数々の技法に圧倒される一冊です。ヨーロッパの芸術ではしばしば「象徴」が用いられます。バッハも音楽の中でキリスト教を象徴する数を楽曲の中に盛り込みました。

3拍子は三位一体、10小節は十戒、12は十二使徒など当時の宗教人にとっては常識だったのかもしれませんが、それを楽曲に織り込む技には感心させられます。音楽だけではなく、ヨーロッパ独特の象徴学に触れたい人にもおすすめの一冊です。

みんなのレビュー

かなり専門的な本ではありますが、バッハ音楽の真髄に迫る力作だと思います。彼の音楽にあふれている数学的構築性が実際の作品を取り上げて解説されていて、なるほどと膝を打ちました。

数字の3が「三位一体の神」を象徴し、12は「十二弟子、教会」、40は「四十日間のイエスの断食」を表すなど、興味深いものです。またシャープ#記号が十字架を、フラット♭記号が涙を表すことなど、緻密に計算された作曲法など、彼の偉大さをあらためて知ることとなりました。バッハ、偉大すぎます!

引用: ブックメーター

9位:バッハの生涯と芸術

読んでみて

バッハについての代表的な評伝です。作者のフォルケルはバッハの死後50年を経て忘れ去られてもおかしくなかったバッハの作品を掘り起こし再評価した人物でした。演奏者、教育者、作曲家など様々な面をもつバッハを多角的にとらえた名著です。

しかし、古典的名著であるがため、私を含む一般読者にとってはちょっと敷居が高い本でもあります。入門書などでバッハについて「予習」してから読むとより楽しめるのではないでしょうか。

みんなのレビュー

J・S・バッハは生前活躍したにも関わらず死後はほぼ忘れ去られ作品も顧みられることは無かった。しかし本書の著者フォルケルがバッハの死後約50年を経てその偉大な業績を研究して紹介した。

多少のムーブメントは起きたものの本格的なバッハ回顧が行われるのは1829年メンデルスゾーンによる「マタイ受難曲」の成功まで待たなければならなかった。

本書は200年以上前のものだがバッハ学の基本、とりわけ鍵盤楽器についての造詣を与えてくれる。ここ数年のにわかバッハリスナーの私も非常に興味深く読んだ。オルガン曲はまだ未知、先は遠い。

引用: ブックメーター

8位:バッハの四兄弟:フリーデマン、エマヌエル、フリードリヒ、クリスティアン―歴史と現代に響く音楽

読んでみて

18世紀のヨーロッパでは「バッハ」と言えば次男エマヌエルを指し、次いで末息子クリスティアンのことをいいました。むしろ大バッハは当時「息子たちの父」と呼ばれており、エマヌエルらが「バッハの息子たち」と呼ばれるのは19世紀になってからでした。

兄弟といっても活躍した場所も作風もそれぞれのバッハによって違います。この本を読めば彼らの作品を聞き比べてみたくなることでしょう。

みんなのレビュー

大バッハの息子の内、作曲家になった4人の中ではほとんど知られていなかったヨハン・クリストフ・フリードリヒ・バッハについてかなりの知識が得られてとても貴重な本です。読後に彼の作品を聞いてみたら以前とは比べ物にならない程面白く感じました。また、今まで疑問であったカール・フィリップ・エマヌエル・バッハの「マタイ受難曲」の謎が解明したのもあり難かったです。後にオラトリオ「救い主の最後の受難」に書き替えられたのですね。エマヌエルについては、他にも十分に詳細な作品解説がなされており感心しました。ただ、117ページのプロイセン・ソナタ集第2番第1楽章の冒頭部分2小節目の変イ音を「ナポリの六」としているのはどういう訳なのでしょうか。この音は下属調の属七の和音の第七音だと思うのですが。

引用元:Amazon Review

7位:西洋音楽史―「クラシック」の黄昏

読んでみて

いわゆる「クラシック音楽」の起源から現代のあらゆる音楽のルーツについてまで一人の筆者によって書かれた書籍です。時代ごとに筆者が分断されることが無いため、一つの読み物・物語として読みやすい一冊となっています。

作中にてバッハは「バロック時代の異分子」として紹介されています。本著では特にバロック時代の時代背景、及び当時の音楽的な流行とバッハの音楽性との対比がよくわかります。またバッハが与えた後世への影響についてなど、音楽史全体から俯瞰した目線でバッハを知ることができます。

みんなのレビュー

本書の副題は「クラシックの黄昏」です。
クラシック音楽について様々な観点から考察されている中で、
クラシック音楽の発祥を中世の「グレゴリオ聖歌」まで遡り、宗教との関わりから描かれている部分が印象的だと思いました。
時代は下り神の自明性は薄れ続けます。
マーラーの音楽は、神への懐疑と希求の葛藤から生れたとする著者の説は非常に説得力があります。
「神なき時代の宗教的カタルシスの代用品としての音楽の洪水」
音楽は神なき時代の祈りなのかもしれません。

引用元:Amazon Review

6位:バッハ 「音楽の父」の素顔と生涯

読んでみて

作曲家としてのバッハの活動や代表曲、音楽哲学についてしっかりと書かれた良書です。時系列的にバッハの生涯を追いかけるというよりも、バッハにゆかりのある街やバッハと切っても切り離すことができないオルガンとの関りなどについてもしっかり触れています。

中世から近代へと時代が移る過渡期であるバロック時代に活躍したバッハの等身大の姿が見えてくるようでした。ただ、より楽しむためには中世や近代ヨーロッパの「一般常識」が必要だと感じました。

みんなのレビュー

非常によかった。はじめにルターを繙いて、ルター派地域の音楽的土壌とバッハの出現を関連づけるところは自分の興味にズバリ。また、偉大とはいえ楽師は職人であり広く言えば庶民。18世紀の庶民の都市生活を辿るのはワクワクする。

就職のためにカトリックに改宗したと思い込んでいたが息子と混同していたようだ。カルヴァン派のケーテンでの宗教トラブルは、社会史宗教史的にも重要な一幕だろう

引用: ブックメーター

5位:バッハ=魂のエヴァンゲリスト

読んでみて

生まれ故郷のアルンシュタット時代から若き日を過ごしたミュールハウゼン時代、オルガン奏者として頭角を現すワイマール時代、宮廷楽団に所属しつつカンタータを作り上げたケーテン時代、終の棲家となるライプツィヒ時代とバッハの生涯を余すところなく描いた作品です。

今よりも音楽家として自活するのが難しかった時代に、いかに教会や宮廷で職を得るかという大変さも見て取れ、「人間バッハ」のすがたが目に浮かぶようです。バッハについてより深く知りたい人におすすめの一冊です。

みんなのレビュー

バッハの生涯と彼の残した数々の曲を、丹念に緻密に追った一冊。音楽を愛しその真髄を突き詰め続けたバッハの凄さと、著者のバッハへの深い知識が伝わってくる。300年も昔に作られた曲が今も心を捉えるのは、神への真摯な思いから、宇宙の摂理を表そうと追求した究極の音楽だからなのだろう。

ゴールドベルク変奏曲や無伴奏チェロなどを聴くと、感情を超えて心を包み込まれるようで好きなのだが、そういう意味では圧倒的な数のカンタータなど教会音楽を聴かないと彼の真髄は理解できないのかも知れない。もう少し聞き込んで再読してみたい一冊。

引用: ブックメーター

4位:音楽家の伝記 はじめに読む1冊 バッハ

読んでみて

子どもから大人まで楽しめる一冊です。難しい漢字には読み仮名が振ってありますので、小学校高学年から読むことができます。また文字数はボリュームがありますので、大人でも退屈せずに読むことができます。

この本の大きな特徴は、QRコードを読み取って関連するバッハの楽曲を視聴することができる点です。音楽家の伝記を読みながらリアルタイムに楽曲を聴くことができますので、より明確にバッハを知ることができます。お子様の読書感想文用の本としても適しています。

みんなのレビュー

この本の冒頭はメンデルスゾーンが登場。生前バッハが活躍したはずの地で全く忘れ去られていることに怒りを覚える、というもの。バッハが忘れられた作曲家であることは何となく知っていましたが、ここまで扱いが軽かったとは。しかも私ですら知っているマタイ受難曲の自筆譜が肉屋の包み紙になっているのを、メンデルスゾーンが発見するというドラマチックさ。この辺りでかなりひこ込まれました。恵まれた宮廷楽長として、また教会の音楽の監督官としての苦労は、今の中間管理職の悲哀にもつながります。

引用元:Amazon Review

3位:マンガ音楽家ストーリー(1)バッハ

読んでみて

バッハの生涯をわかりやすくマンガで描いているのが特徴です。あまり一般には知られていないバッハの若いころや、家庭を大事にする姿などは音楽室のいかめしい肖像画とはちょっと違い、親近感を持ちました。

漫画なので絵のタッチなどは好みが分かれるかもしれません。しかし、大人が読んでも十分に面白いバッハの伝記でした。

みんなのレビュー

今読んでる講談社学術文庫のバッハが読みにくくて半べそかきながらこれを買いました。読みにくくてもだいたいちゃんと正しく読めていたことが解って一安心。ページのわきのバッハこぼれ話がとても興味深いです。

考えてみると、モーツアルトとベートーベンの生涯はざっくり知っていてもバッハの生涯ってあんまり一般的に知られていないような気がします。ある日古楽に興味がわき、古楽と現代の音楽ってどう違うのだ、バッハ以前と以後だ、じゃあバッハってどんな人だろう…あれっ知らねぇ!の流れで今読んでいます。調べ始めたら奥が深いんだこれが…

引用:ブックメーター

2位:伝記 世界の作曲家(2)バッハ―バロック音楽を集大成した近代音楽の父

読んでみて

バッハの一生をわかりやすくまとめてくれた本です。今でこそクラシック音楽の大家として鎮座しているバッハですが、生きていたころは当時の常識や保守的な考えの人たちとぶつかよく衝突していたというのがわかりました。

確かに、バッハの曲の中には「コーヒーカンタータ」などのあまり宗教的ではない世俗カンタータがあります。今よりも教会の力が強かったバロック時代に教会のオルガニストだったバッハが、教会の保守派と衝突したのも当然のことだと感じました。

みんなのレビュー

今でこそ厳粛で生真面目な印象だが当時はルター派らしく新手法や新奏法、新楽器など先進的な取り組みを取り入れ、保守勢力に疎まれていたそう。

コーヒーカンタータなど世俗カンタータ、遊びを入れたゴルトベルク変奏曲。ヴィヴァルディのバロック協奏曲形式はバッハに強い影響を与える。

引用:ブックメーター

1位:J・S・バッハ

読んでみて

大バッハことJ.S.バッハを中心に、バッハ一族や生活、作曲活動、名盤紹介と充実した内容で書かれています。時代背景など様々な角度からバッハのことを知ることができますので、入門として適切な書籍と言えるでしょう。難しい専門書を読む前の予習として丁度良い難易度です。

楽譜の掲載も多く、バッハ直筆の楽譜も掲載されています。バッハ曲とジャズとの親和性についてなどの記述もあり、読み物として楽しいだけではなく、音楽を学ぶ人にも視覚的に楽しい内容となっています。

みんなのレビュー

ずっとバッハが好きだけど、難しいからと、演奏も敬遠していましたが、ちょっとずつ練習し、音楽を聴いていたころより、さらに、バッハの音楽の響きに身を委ねるときに、なんともいえぬ感動を味わっています。
それについて語ることは、わたしにとって、とても難しいのですが、それが何なのかを、多くの方が残しているバッハについての言葉を読み、探求をし続け、また、とてもバッハに近づいたような気になりたいと思うのです。

引用元:Amazon Review

まとめ

いかがでしたでしょうか?
主にJ.S.バッハについての書籍から選ばせていただきました。今回は、

  • 人物像
  • 生涯、作品について
  • 音楽史全体の中のバッハ
  • バッハの家族や息子について
  • 代表作についての本格的な研究書
  • 演奏のために

という視点で選出しました。少しでも興味を持っていただけると嬉しいです。また、彼の作品に耳を傾けて作品を味わっていただけると更に嬉しいです。

クラシック音楽だけではなくジャズやロックなど様々なジャンルの音楽に携わる人にも、バッハについて知ることは大変役に立つかと思います。知れば知るほど、「音楽の父」と呼ばれる所以を噛み締められることでしょう。

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