太陽系とは?特徴や大きさ、謎、銀河系との関係について紹介【歴史年表付き】

雑学1「実は太陽系の中心は太陽じゃない!?」

太陽系で2番目に重い星・木星

一般的に「太陽系の中心は太陽で、太陽系の全ての星は太陽を中心に回っている」という風に思われることが多いですが、厳密にいうと違ってきます。

厳密には、太陽系の星は太陽系にある全ての物質の質量の中心を軸に回っています。前述したように、太陽系にある全質量のうち、太陽が99.86%を占めており、その残りの0.14%を占めているのは、ほとんどが木星・土星・天王星・海王星の巨大惑星たちです。

つまり太陽も、木星を筆頭に巨大惑星たちが持つ0.14%分の重力を受けており、ほんの僅かではありますが、木星たちに引き寄せられながら動いています。よって、太陽系の中心は太陽の中心ではないと言えます。

雑学2「太陽系は他の惑星系と比べると特徴的」

スーパーアースの推定サイズ(中央)左は地球、右は海王星

実は太陽系は、他の惑星系に比べると非常に特徴的です。ほとんどの惑星系は、惑星の数が少なく、2~3つの惑星しか確認されていないものがほとんどで、太陽系のように8つもの惑星を持つ惑星系は、現在も発見されていません。

他にも、多くの惑星系では「スーパーアース」といわれる、地球よりも数倍大きく、主成分が岩石や金属で出来た惑星が存在しています。反対に太陽系の惑星は、地球のような小型惑星と、木星のような巨大ガス惑星しか無く、「スーパーアース」は存在していません。

こういった事から、太陽系は惑星系の中でも異質な存在であると言えます。

太陽系の起源から現在までの歴史

天文学者ピエール=シモン・ラプラス

太陽が生まれたのはずっと前のことなので、当然のことながら実際に観測できたわけではありません。しかし、この宇宙にある様々な恒星を観察することで、太陽系が歩んだ道のりを予測することが可能です。

そこで、ここからは太陽系が生まれてから現在まで、どのような歴史を歩んできたのかを解説していきます。

46億年前 – 「太陽が誕生する」

原始太陽の想像図

今から約46億年前に太陽が誕生します。

宇宙には様々な星間物質がさまよっており、それらがお互いの重力によって惹かれ合い、大きくなっていくことで1つの星が生まれます。太陽も同じように様々な星間物質が集まり誕生しました。

この状態の太陽を「原始太陽」といい、原始太陽の周囲には直径30,000,000,000km(300億km)に渡って濃いガスと塵からなる、原始惑星系円盤が形成されました。

45億9990万年前 – 「地球型惑星が形成される」

年齢10万歳と推測されるおうし座HL星

太陽が生まれて間もなく、太陽は徐々に温度を上げていきます。

原始惑星系円盤の中でも、太陽に近い温度の高いところでは、沸点の高い金属類やケイ酸塩だけが個体として存在できます。そのため、太陽に近い位置でこれらの個体が、合体を繰り返すことで、水星・金星・地球・火星のような個体惑星が形成されました。

ちなみに、この時に火星並みの大きさとなった巨大な星が、地球にぶつかった事で「月」が形成されたといわれています。

45億9000万年前 – 「木星型惑星が形成される」

太陽と木星型惑星の比較

地球型惑星が形成されてしばらくしてから、木星型惑星が形成されることになります。

太陽から遠い位置では、温度が低い事もあり、揮発性のある星間物質が豊富に存在できました。これらの星間物質は、長い時間をかけて惹かれ合い、巨大な木星型のガス惑星を形成していきます。天王星と海王星は形成されるのが遅く、ガスの取り込みに時間をかけることが出来なかったため、木星や土星ほど大きくなることが出来なかったと考えられています。

そして、このころから太陽風が強く吹くようになり、太陽系に点在するガスなどの星間物質を吹き飛ばしたことで、惑星の成長が終了します。

45億年前 – 「太陽が主系列星となる」

太陽のコロナ放出の瞬間

太陽も誕生から1億年たつと、重力エネルギーによって星間物質である水素も密度が増していきます。

この段階に入ると太陽は核融合反応を起こして、大きく光輝きだします。この段階の恒星は主系列星と呼ばれ、現在の太陽含む多くの恒星が主系列星に属しています。

41億年前 – 「後期重爆撃期が始まる」

クレーター

今から41億年前に後期重爆撃期が始まったとされています。

後期重爆撃期とは、木星型惑星たちの公転軌道がなんらかの理由によって変化したことで、小惑星帯の星たちの軌道が変化して、地球を含む岩石惑星の領域に降り注いだとされている時期です。様々な説があり、定かではありませんが、月の表面に多数見られるクレーターも後期重爆撃期に降り注いだ隕石によって出来たといわれています。

現在 – 「8つの惑星を持つ惑星系となる」

赤色巨星となった太陽に飲み込まれる地球のイメージ

現在の太陽系は、今回解説してきたように、8つの惑星を持つ惑星系として存在しています。

今後数十億年近くは、このまま太陽系は惑星同士の衝突など、大きな変化もなく安定した状態が続くとされていますが、50億年後になってくると太陽が大きくなっていき、地球型惑星たちが衝突し合うか、赤色巨星となった太陽に飲み込まれると考えられています。

太陽系についてよく分かるおすすめ書籍

4つの地球型惑星

最後に、太陽系についてよく分かるおすすめの書籍を2冊紹介していきます。

今回の記事で、太陽系の事をもっと知りたくなったらこちらの書籍もぜひ参考にしてみてください。

ここまでわかった新・太陽系

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純粋に太陽系の勉強をしたいのであれば必読の書籍です。

探査機が見た 太陽系【第2版】

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太陽や太陽系をよく知れる本6選【入門から上級まで】

まとめ

今回は太陽系について詳しく解説していきました。太陽系は私たちが住む地球が所属する惑星系なので身近ではありますが、あまり深く考えるきっかけが少ないかと思います。

ですが、たまにはこうして太陽系の歴史や、銀河系、宇宙について考えてみるのも神秘的で面白いですよね。宇宙についてもっと知りたいと思ったら下の関連記事から、他の宇宙に関する記事を是非ともご覧いただければと思います。

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