メンタルヘルスに役立つ心理学本4選
精神科医が教える ストレスフリー超大全――人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト
読んでみて
YouTubeでも活躍している精神科医・樺沢紫苑(かばさわ しおん)が2020年に出版した本です。現代社会を生き抜くうえでぜひ身に着けておきたい「ストレスフリーな生き方」を提唱しています。
この本で「ストレスフリーな人」とは、ストレスがあってもため込まない人を指しています。仕事や学校、家庭などでストレスを受けても、眠っているときにはストレスのない状態になることができ、次の日にはまっさらの状態になっているのが理想です。著者は精神科医としての臨床経験をもとに、現実的で効果的なノウハウを教えてくれます。
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イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ: 他人にも感情にも振り回されない方法
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他人の言動に振り回されて感じる「イヤな気分」をため込んでしまうと、体調やメンタルの調子を崩してしまい、病気にもなりやすくなります。こちらの本では「自分がどうしたいか」という「自分思考」をすることの大切さとその方法を解説しています。
著者の玉川真里は元自衛隊員で、2008年には陸上自衛隊の臨床心理士として活躍していました。自衛隊という職業は「最も自殺率の高い職業」といわれていて、著者は3万人以上の過酷な現場で働く隊員たちを救ってきたそうです。著者自身も重度のうつだったことがあり、この本では豊富な臨床経験と自分の体験をもとに体系化した「自分思考」の方法を教えてくれます。
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たまには無駄なことをやってみるのもいい、ネガティブな面もプラスに変えることができるなど、読んでいて元気が出てくる内容だった。
引用元:読書メーター
自分を休ませる練習 しなやかに生きるためのマインドフルネス
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東大病院の救急救命の現場に長く携わってきた医師・矢作直樹。こちらの本は、そのような著者が長年患者を診る中で感じてきた「自分の心と身体を大切にする暮らし」の重要性をわかりやすく説いてくれる本です。
副題にある「マインドフルネス」とは、今、この瞬間をしっかりと味わう生き方のことです。この本では具体的なマインドフルネスの方法がいくつも紹介されています。「鼻をきかせる」「長く、ゆっくりと呼吸する」など、すぐに実践できるものがたくさんあるので、読みながらぜひチャレンジしてみてください。
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救急医療を経験した医師の言葉。どんな人でもいつ死ぬかはわからない。今を楽しむことが大事。今を楽しむことができれば、ネガティブに考えていた過去も変えることができる。融通無碍(何かにとらわれることなく、あるがままで自由な状態)に生きるのが大事。
引用元:読書メーター
「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法
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「自分は失敗ばかりしてる…」と日頃落ち込みがちな人は少なくありません。この本は、大人気カウンセラー・大嶋信頼が「自分のことを認める力=自己肯定感」を高める方法をわかりやすく解説している本です。
自己肯定感が高い人と低い人では、学習能力や周囲からの信頼度、さらには人生そのものにも差が生まれます。自己肯定感は元々の性格や育った環境などに左右されますが、自分でどんどん上げていくこともできるのです。この本には今すぐ試せる簡単な方法や、「そんなことで変わるの!?」と驚いてしまうような方法まで紹介されています。
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初心者向け学問としての心理学3選
ステップアップ心理学シリーズ 心理学入門 こころを科学する10のアプローチ
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一口に心理学といっても、心の健康を主なテーマとしている臨床心理学から、記憶や知覚のありかたを科学的に解明していく認知心理学など、取り扱う対象は幅広いものです。こちらの本は、バリエーション豊かな心理学全体をおおまかにつかむのに最適な本です。
それぞれの心理学のダイジェストをカラーテキストや写真で紹介しています。簡単なものから少し難しいものにステップアップしていくように構成されているので、着実に知識を身につけることができるでしょう。さまざまな心理学が解説されているので、最初は興味のなかった分野の面白さを発見できるかもしれません。
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図解 心理学用語大全: 人物と用語でたどる心の学問
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こちらの本は、およそ100人の心理学者と150以上の心理学用語をわかりやすいイラストで図解している本です。心理学にはわかりにくい理論もたくさんありますが、この本を読むとビジュアルとして学べます。それぞれの心理学者同士の関係や、用語と用語のつながりまでシンプルな図にされているので頭に残りやすいです。
日常会話やニュースなどで使われている言葉にも心理学が由来となっているものがあるのですが、「愛着」「コンプレックス」など普段使っている意味と心理学上の意味が違うものもあります。その違いを知ることを心理学を学ぶ糸口にするのもいいでしょう。
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心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本
読んでみて
こちらの本は、アドラーやフロイトと並ぶ心理学の巨匠・ユングの心理学をわかりやすく解説している本です。著者の長尾剛はさまざまな思想や歴史、さらにはポップカルチャーまでシンプルな文章で解説することで人気の作家です。
著者は「日本人にはユング心理学が1番しっくりくる」と主張していて、人間の心を「理解する」にはユングの考え方を学ぶべきと述べています。ユング心理学はわかりにくい面もあるのですが、この本では人間関係に役立てられるレベルにまでかみ砕かれていて、心理学を初めて学ぶ人に最適な1冊です。
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著者である長尾剛さんは、いろいろな分野の本を書いているのでユングの専門家ではないと思うが、昔、多分、河合隼雄さんの本を読んでよく理解できなかった点(ユング理論の理解として正しいのかどうかはよくわからないが)が、これほどわかりやすくて良いのかと思うほどであった。挿入エピソードも楽しく、これはこれでユング「入門」書として価値の高いものと思う。
引用元:読書メーター
上級者向け学問としての心理学本4選
笑いとユーモアの心理学:何が可笑しいの?
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私たちは楽しかったり、面白かったりすると笑います。けれども、「何が」笑いを引き出しているのでしょうか?こちらの本は、そのように改めて考えてみるとわからない「笑いとユーモア」について、関連する古典的な著作から最新の研究成果までを提示している本です。
人間は「楽しい」「面白い」ときに笑いますが、くすぐり合いやじゃれ合いでも笑いますし、ブラックユーモアでも笑います。この本ではさまざまな「おかしさ」の系譜をたどり、ユーモアに関する15の理論を見ていきます。さらに笑いが私たちの健康や人間関係に与える効能まで考察する、「笑い」について徹底的に考え抜いた1冊です。
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第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?
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こちらの本は、プリンストン大学で最先端の心理学を研究している著者が脳科学や認知科学、コンピューターサイエンスなどを使って人間の「顔」から受ける印象の影響を解き明かした本です。「心理学でコンピューター?」と不思議に思う人もいるかもしれませんが、実は心理学ではパソコンやコンピューターの知識が必須となっています。特にこの本のような認知心理学に関わる分野では、コンピューターを使って実験をすることがほとんどです。
「赤ちゃんは『信頼できる顔』を知っている」「人間は自分の民族に似た顔を信用する」など、目から鱗のような研究結果がカラー図版とともに紹介されています。人間の脳がいかに「顔」で判断しているか、それが科学的によくわかる本です。
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生涯発達とライフサイクル
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発達心理学という、人間が生涯をかけてどのように発達していくかを研究する分野にエリク・エリクソンという心理学者がいます。ライフサイクルがどのように進んでいくかという理論で有名なのですが、この本はその理論をテーマに2人の心理学者が書いた本です。
この本を読むと心理学がどのような考え方をもとに進んできたか、そしてその思想史がどのようにエリクソンの理論と結びついているかということがわかります。エリクソンの理論についての解説書ではないのでその点は注意が必要なのですが、心理学にある程度詳しくなったらぜひ読んでほしい1冊です。
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数をかぞえるクマ サーフィンするヤギ―動物の知性と感情をめぐる驚くべき物語
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「動物にも心ってあるんだろうか?」誰もが1度は思うこちらの疑問、実は「動物心理学」や「比較認知科学」という分野で研究されています。こちらの本は、科学の研究が進むにつれて明らかになってきた動物たちの高い能力が写真入りで紹介されている本です。
学術書ではなくエッセイのようになっているので、とても読みやすいです。「プレーリードッグは言語を話している」「カササギは仲間の死がわかる」など、思わず驚いてしまうエピソードがいくつも登場します。動物たちの写真も表情が豊かでユーモラスです。
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まとめ
心理学について知りたい人におすすめの本を23冊ご紹介してきました。
仕事や人間関係、自分のメンタルヘルスで悩んだとき、または自分の悩みがうまく整理できずモヤモヤしているときに心理学の本を読んでみると、思わぬ発見をすることが多いです。悩みがはっきりしているときには関係する本を読むといいのは明らかなのですが、どういうわけかモヤモヤするというときにも1冊読んでみると、ヒントが見つかるかもしれません。
そして心理学自体に興味をもったら、ぜひこの記事でご紹介した初心者向けの本を読んでみてください。心理学の幅広さ、奥深さに触れられるはずです。さらに上を目指したいときには上級者向けの本もいいでしょう。
この記事を読んだあなたに、心理学の面白さに触れてもらえたらとても嬉しいです。