12位:ドリトル先生アフリカゆき
読んでみて
1920年に発表された、アメリカで活動したイギリス出身の作家ヒュー・ロフティングの作品。医学博士であるジョン・ドリトルはアフリカ生まれのオウムであるポリネシアの助言により、動物の言葉を覚え、獣医師として活躍するのでした、という物語。
ドリトル先生と動物たちの軽妙なやり取りなどが魅力的な本作は、子供の読み聞かせとしてもおすすめの作品となっています。また、1967年には映画化されており、1998年にはエディーマーフィーが主演を務めた「ドクター・ドリトル」シリーズがヒットしました。
みんなのレビュー
知ってはいたが読んだことのなかったドリトル先生、映画化されたこの機会に読んでみた。たくさんの動物たちに慕われるとか憧れるし、軽快で小気味良く進む展開もワクワクするし、さすが長年愛される児童文学だけのことはあるなと納得。でも、映画向きではない面白さな気がするな。
引用元:読書メーター
11位:ライラの冒険
読んでみて
1995年から2000年にかけて刊行されたイギリスの作家フィリップ・プルマンの児童文学作品。オックスフォード大学の学寮に住む主人公の少女・ライラ。ライラの住む世界では、全ての人間に「ダイモン」という分身のような動物がついているのでした、という物語。
「黄金の羅針盤」「神秘の短剣」「琥珀の望遠鏡」という3部作で構成されており、様々なパラレルワールドを冒険する作品となっております。また、2007年には映画化されており、2018年にはイギリスでドラマ化もされました。
みんなのレビュー
不思議な道具(真理計)を手に入れ、よろいを付けたクマ、イオレクを味方につけ、子供をさらうゴブラーから子供達を助け、幽閉されたアスリエル卿を救うために旅をするライラ。あっちこっち冒険するのがわくわくする。しかし異世界へ向かうことになったけど、せっかく強力な助っ人になったイオレクが来ないってどうするのか気になる。
引用元:読書メーター
10位:しゃばけ
読んでみて
2001年12月より新潮社から刊行された畠中恵さん原作のファンタジー時代小説。江戸時代、体の弱い廻船問屋の若旦那・一太郎は、祖母であるおぎんが妖怪だったため、妖怪を見ることが出来ます。また、兄である佐助と仁吉も妖怪であり、一太郎と妖怪たちが江戸で起きる事件を解決するために奔走する物語です。
江戸時代の人間模様などが織り込まれているのが特徴的な作品で、一太郎の周辺人物はみな優しく、妖怪たちや登場人物たちがとても魅力的な作品となっています。また、シリーズ化もされており、コミックス版やミュージカルなどのメディア展開もされています。
みんなのレビュー
江戸時代の人間模様と妖怪模様を描いたファンタジー小説。妖怪を見ることができる病弱主人公の一太郎が、薬種屋を狙った連続殺人事件に巻き込まれていくというストーリーだった。事件の謎や一太郎の出生の謎など、各所に散りばめられた伏線をキレイに回収していて気持ちよく読めた。展開がドラマチックな後半部分は頭の中で映像化される程明快だったし、妖怪たちの生き様も魅力的で印象深かった。各キャラクターの持つ欲が物語を動かしていて、「しゃばけ」という題はこの本にぴったりだと思う。面白かった。推しは鈴彦姫です。
引用元:読書メーター
9位:十二国記
読んでみて
1991年から現在まで講談社、新潮社から刊行されている小野不由美さん原作の小説シリーズ。不老の神仙などが存在する古代中国のような異世界には十二の国が存在しておりました。その、十二の国を舞台に、日本の普通の女子高生・中嶋陽子などが様々な冒険をする物語。
本作はシリーズでありながらも、様々な登場人物が主人公となり、別の国や時代など、時系列が異なる世界で物語が展開していくのが特徴的です。2020年現在も新作刊行予定されるなど人気の高い作品となっています。
みんなのレビュー
十二国記はなかなか手を出すタイミングがなかったので、ようやく読めた! 本編1作目は、読むのが辛くなるほどの苦難の連続。それでもグイグイ引き付けられる。 異世界へ連れ去られた後、学校や家の様子を見た時の陽子の気持ちを考えると、かなりブルー。父親も同級生も最低過ぎて。 それでも極限の状態にいる人間は、本能的に「生きたい」と思う。 下巻で陽子がどう生き抜いていくのか楽しみ。
引用元:読書メーター
8位:ダレン・シャン
読んでみて
2001年から刊行されたイギリスの小説家ダレン・シャンの同名小説作品。主人公の少年ダレン・シャンは、友人のスティーブと共に奇怪なサーカス「シルク・ド・フリーク」を見物しに行きました。ところが、スティーブは毒グモのマダム・オクタに噛まれてしまい…という物語。
本作は、筆者が小学生の頃に学校指定図書などで図書室に置かれておりました。物語の重要人物としてバンパイアが登場し、読み進めていくうちに徐々にダークファンタジーな世界観になるのが魅力的な作品です。
みんなのレビュー
引き込まれて一気に読み終えました。はらはらさせられて、且つどんでん返しのような『えつ?!もしかして………え?え?』な事が次から次へ沢山あって目が離せませんでした。ミスタータイニーは腹が立ちますけど、そのミスタータイニーを悔しがらせる事ができた、と私は信じてる。 児童書なので平仮名に苦戦したけど大人も楽しめるシリーズだと思います!
引用元:読書メーター
7位:ナルニア国物語
読んでみて
1950年から1956年にかけて、イギリスの文学者でありキリスト教の信徒伝道者C・S・ルイスによって刊行された児童文学作品。創造主のライオンであるアスランによって想像された王国・ナルニアを舞台に、20世紀のイギリスの少年少女たちが活躍する物語。
日本には戦後の児童文学について研究された「子どもと文学」という作品内で、本作について紹介されており、その影響で日本に広まったとされています。衣装タンスの中が異世界に通じていたら…子供の頃、誰しもが想像する夢の一つではないでしょうか。
みんなのレビュー
全部読んでみました。長かった。休み休み。さらには寄り道しながらの読破でした。壮大な冒険物語でわくわくどきどきする本でした。と言い切りたいのですが、最後に近づけば近づくほどもやもやが出てきました。たとえば、あらゆる世界は創造主により創造されているところ。もの言う動物たちと、言わない動物たちを種分けしているところ。死んだあとも幸せな世界があるというところなどなど。アスランの最終目的はなんなんだろう?という疑問が残ってしまいました。
引用元:読書メーター
6位:獣の奏者
読んでみて
2006年11月から2009年8月まで講談社から刊行された上橋菜穂子さん原作のファンタジー小説。リョザ神王国に暮らす獣ノ医術師である母のソヨンと共に暮らしていた主人公・エリン。ある時、ソヨンは重大な問題を犯したために処刑されてしまいました。エリンは、母と同じく獣ノ医術師を目指すのですが…という物語。
エリンを通じて、獣と人間との関わり方を描いた作品で、生命の神秘さなどが美しく描かれております。また、本作はテレビアニメ化もされており、映像作品でも楽しむことが出来ます。
みんなのレビュー
「終わったぁ。」と思わず独り言をつぶやいてしまった。 存在は知っていたが5冊で完結という長編に二の足を踏んでいた『獣の奏者』を読了した。 読んでいる間、僕は主人公エリンとともに過ごした。 ファンタジーの世界に完全に僕は心を奪われていた。 闘蛇と王獣という空想の生き物が登場する世界に確かにみんなが生きていた。 『獣の奏者』はエリンが住む国の闘蛇と王獣の謎を解き明かしていく物語です。 人が生きていくうえで大切なことを学べる物語でした。 読む価値ありありの本当にお勧めです。
引用元:読書メーター
5位:精霊の守り人
読んでみて
1996年7月から2018年11月まで偕成社と新潮社で刊行された上橋菜穂子さん原作のファンタジー小説。青弓川に流されていた新ヨゴ皇国の第二皇子チャグムを救った短槍使いの女性・バルサ。実は、チャグムには水の精霊の卵が宿されていて…という物語。
シリーズ作品となっているため、「守り人シリーズ」の主人公はバルサ、「旅人シリーズ」の主人公はチャグム、というように分担されています。壮大な物語でありながらも、海外読者からの人気も高い作品です。
みんなのレビュー
ふいに「守り人シリーズ」を読み返したくなって再読。短槍使いの主人公バルサが、偶然助けた皇子チャグムの用心棒をするところからはじまる話。本当に物語が大きくて複雑なんだけどわかりやすい。ファンタジーが苦手でもぐいぐい引き込まれる。そして物語に出てくる料理がすごく美味しそう!初見時も夢中で読んでたけど、わたしが覚えてた最後と少し違ってて、あれ?こういう結末だったっけ?ってなった。何回読んでも面白い。そんな作品です。
引用元:読書メーター
4位:ムーミンシリーズ
読んでみて
フィンランドの作家であるトーベ・ヤンソンが原作のファンタジーシリーズ作品。第1作目は1945年に出版された「小さなトロールと大きな洪水」。ムーミン谷に住む男の子・ムーミンとその家族たちが巻き起こす日常を描いた作品。
ほんわかした世界観ながらも、スナフキンのような少し大人っぽいキャラクターなどが魅力的な作品です。また、2017年には埼玉県飯能市にフィンランド以外は初となるムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク」が開園しました。
みんなのレビュー
昭和40年発行の「たのしいムーミン一家」復刻版。緑を基調とした表紙と裏表紙や帯の黄色のコントラストがいい。内容の素晴らしさは言わずもがな。まえがきのような位置づけで書かれた作品紹介と、訳者によるあとがきで言及された作者紹介、訳書出版までの簡単な経緯説明から、まだムーミンが日本中に知られていなかった時代の様子が想像できて趣深い。それにしても、ムーミンはいつ読んでも本当にいい。色んな面を持った登場人物達が、時に衝突したりお互いを受け入れたりしながら関わりあって生きているムーミン谷は、いつだって私の憧れ。
引用元:読書メーター
3位:不思議の国のアリス
読んでみて
1865年にイギリスの数学者であるチャールズ・ラトウィッジ・ドドソンがルイス・キャロル名義で執筆した児童文学作品。少女のアリスが時計を持った白ウサギを追いかけるうちに、花や芋虫がしゃべるような不思議の国へと迷い込む物語。
元々は、ルイスの知人であるアリス・リデルをモデルにした作品で、彼女へのプレゼント用だったのですが、知人の間で好評を博し、出版へと踏み切ったと言われています。また、1867年には続編となる「鏡の国のアリス」が出版されました。
みんなのレビュー
『不思議の国のアリス』もまた、夏の終わりにぴったりの読書。へんてこな不思議いっぱいの穴の底の世界。何が起きても冷静で物怖じしないアリス、「ちょっとへんてこで面白いじゃない、こんな人生も!」と思えるポジティブシンキング、大人になった今こそ、見習いたいものです。アリスのお姉さんの温かな眼差しはキャロルの想いに違いなく、目頭が緩む。H22年の新訳版、言葉遊びのリズムに躍動感があり、まるで退屈な間延びがない。アリスの邦訳決定版、の呼び名に違わぬ素晴らしい訳業。コロナ禍の中にあって、心に明るい灯をいただきました。
引用元:読書メーター
2位:指輪物語
読んでみて
1954年から55年にかけて刊行されたイギリスの作家であり陸軍の軍人であったジョン・ロナルド・ロウエル・トールキンの小説作品。人間、ホビット、エルフなどが住んでいる架空の国「中つ国」を舞台に、全てを統べるという「一つの指輪」を破壊する物語。
トールキンの言語学やおとぎ話、北欧神話といった興味から生まれた本作は、登場人物の系図や独自の言語といった細かい神話大系を創造した壮大な作品となっております。また、本作を映画化した「ロード・オブ・ザ・リング」という名の方が日本では有名かもしれませんね。
みんなのレビュー
学生の頃に友人から借りて1ページも開かずにそのまま返しました。四十年ぶりに読み始めたところ、やめられず一気に最後まで行きました。その後も何度か読み返しています。若い頃に読んでおくんだった(読んだらきっと旅に出ていたと思います)という思いと、今だからきちんと意味をかみ締められるという思いがともにあります。いわゆる魔法ファンタジーとは次元のまったく異なる、現実的で厳しい世界の話です。弱いものも強いものも世界とのコミットを尊んで生きています。
引用元:読書メーター
1位:ハリーポッターシリーズ
読んでみて
1997年に第1作目である「賢者の石」が出版されたイギリスの作家J・K・ローリングによるファンタジー小説シリーズ。10年前に両親を亡くした主人公のハリー・ポッター。11歳を前に、ハリーの下へ「ホグワーツ魔法学校」からの入学許可書が届くのですが…という物語。
魔法界を舞台にした作品で、日本では2001年に公開された映画がきっかけで本作が広く知れ渡るようになりました。また、2014年にはユニバーサルスタジオジャパン内に設立された「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」が人気を博すなど、現在でも大人気の作品となっています。
みんなのレビュー
こちら、邦訳は7月のガーディアン必読イベントで読了。もう何年も前から映画版を息子たちと観てきたので、改めて本として読むのは不思議な感じ。読んで思ったのは、映画がいかに原作に限りなく忠実に作られていたかということと、成る程これはハリー本人と同年代の少年少女、つまり11歳のために書かれたのだな、ということ。大人が読むには少し展開が早く端折られすぎ、描写もあっけなさすぎ、アンチクライマックスな感じ。英原著に比べ、邦訳でそれをより強く感じた気がする。少し素っ気なさすぎる感じもあった。児童書籍なのだと改めて実感。
引用元:読書メーター
まとめ
「ファンタジー小説は現実離れしすぎて頭に入ってこない」「専門的な用語が多すぎて、覚えきれない」といった理由で、ファンタジー小説を敬遠する方は多いと思います。実際に、筆者もあまり好きなジャンルではありませんでした。
ですが、「ドリトル先生 アフリカいき」や「ムーミンシリーズ」などは複雑な設定が少なく、頭に入って来やすいものとなっております。そういった小説から、徐々に魔法や異世界などの設定になれていけば、ファンタジーの世界観をより楽しめるかと思います。
本記事をきっかけに、ファンタジー小説に興味を持っていただければ幸いです。