「小説を読んでみたいけど高校生の私はどんな小説を読むべきか分からない」
「高校生で小説を読んでみたいけれど小説選びに失敗したくない!」
世の中にはたくさんの小説があります。Amazon、書店に行っても選択肢が多すぎて選ぶのに時間がかかってしまった。あるいは選び切ることができず買うのをやめてしまった経験のある方が多いのでないでしょうか。
筆者も「つまらない小説を選んで時間とお金を無駄にしたくない」という思いからなかなか小説を買うことができずなかなか読書に手がつけられずにいました。そこで今回は、現在月に10冊ほど本を読む筆者が、「買っても失敗しない小説」をテーマにおすすめの作品を22冊ご紹介します。
恋愛小説・感動系・ファンタジー・ミステリーの4つのジャンルから選んだ22冊の小説を、おすすめ順のランキングにしてまとめました。この記事を最後まで読んで頂ければ、あなたの人生を豊かにする魅力的な小説に出会うことができるでしょう。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
22位:ブランコのむこうで
読んでみて
下校中に、自分にそっくりな少年を追いかけていったら、夢の中に閉じ込められてしまい、独裁者の皇帝や自殺願望のある女性など、ワケ有りの人の夢をはしごする羽目になってしまうという物語です。
人は現実で叶わない物を夢に求めるという本質的な部分が物語としてうまく表現されていると思いました。星新一作品では、珍しい長編ですが、短編と同じような感覚で読め、すぐに読むことができます。
みんなのレビュー
珍しい?星新一の長編。主人公の男の子がドッペルゲンガーに出会い、それを追ううちに夢の世界に囚われてしまう、夢の世界は現実世界の誰かの夢である、最初は父親の子供時代の夢、次は王子様の夢と、次から次へと夢を旅していく、主人公は現実に戻ることが出来るのか?という話。石像を掘る老人が出てくる夢が印象的で、なんの疑いもなく何者かになれると思っていた男の挫折と焦り、最後に至った心境が語られる、男が今まさに作ろうとしている石像に心動かされる。ここだけで満足。あとがきの眉村卓の星新一との思い出も面白い。
引用元:読書メーター
21位:僕らのごはんは明日で待ってる
読んでみて
兄の死から「出会いには必ず別れがあり、別れが怖いから」という理由で人との関わりを絶っていた「葉山亮太」と、しっかり者でクラスの中心的人物の「上村小春」が高校の体育祭で付き合うことになります。そして、大学、社会人と様々な出来事を体験し、結婚をし食卓を囲むようになるまでの長編物語です。
2人は恋人でありながら、お互いのことを熟知している「親友」のような関係でもあり、「共に人生を歩んでいくという」関係性。特徴的な題名の理由は作品を読んでからのお楽しみ!読んで頂ければ、きっとしっくりくるのではないでしょうか。
みんなのレビュー
小春と亮太のやり取りがすごく楽しくて、ちょっと声出して笑ってしまった。ずっと楽しい話かと思ったらそうでもなく、最後はちょっと泣ける感じ。でも悲しさはなくほっこりと。お互いが必要としてる関係っていいなあ。
引用元:読書メーター
20位:ようこそ我が家へ
読んでみて
この本の主人公は真面目が取り柄の会社員、倉田太一。何者かに悪質な嫌がらせに合う倉田の家、倉田の勤め先の営業部長の真瀬の不正問題を解決してく。という2つの出来事が同時並行で進んでいきます。
倉田の家に嫌がらせをする犯人は娘の元カレなのか?妻の陶芸教室の先生か?息子のバイト先の先輩か?ハラハラする展開になっています。一方の真瀬の不正問題の方では、池井戸潤の作品らしく銀行員も登場し、高校生には企業や職場のことの学びにも繋がるのではないでしょうか。
みんなのレビュー
久しぶりに池井戸作品.私生活でのストーカー問題と仕事でのトラブル,2つの話が最後は解決され,いつも通りすっきりとした話であった.少し頼りない主人公で,部下や社長に言いくるめられてしまうところは,やや共感!
引用元:読書メーター
19位:君に恋をするなんて、ありえないはずだった/そして卒業
読んでみて
地味なメガネ男子と、ギャル系女子の恋愛ストーリーです。すれ違い恋愛の王道の展開で、読んでいるこっちがムズムズしてしまう展開の作品になります。2人の視点に交互に切り替わりながら、物語が進むという構成で、とても読みやすく一度流れに乗るとすぐに読み終わってしまいます。
続編の「君に恋をするなんて、ありえないはずだった そして、卒業」と合わせて読んでみて下さい。
みんなのレビュー
妙な駆け引きなんていらない。きっと大人になれば自分の体験でなくとも歪な恋愛を目の当たりにするだろうから、どうか 手を繋いだだけで胸の高鳴りが抑えられなくなるような純度100パーセントの恋を忘れないで欲しい。見栄っ張りも上手くいかないもどかしさも、全て引っ括めて甘酸っぱくて いいな。
引用元:読書メーター
18位:時生
読んでみて
病を患う息子の時生に最期のときが訪れつつある病室で、宮本拓実は妻に、「20年前、どうしようもない若者だった俺は、時生と名乗る少年と共に何度も助けられた。」と語りだします。時生の最後の時に、父、拓実が掛けた言葉「トキオっ、花やしきで待ってるぞ!」に号泣すること間違い有りません。
過去と今、そして未来が交差しながら書かれる親子の絆。読み終わった後には、家族や周りの人を大切にしよう、そして生きてることに感謝しようと思える温かい作品です。
みんなのレビュー
本作は、不治の病で瀕死の息子トキオの意識が20年の時を遡り、どうしようもないろくでなしの頃の父拓実の前に現れ、その拓実を助けて、ある困難を乗り越えると言う小説です。 作品の中にあるテーマは、生きているだけで丸儲け、生きている一瞬一瞬に未来はある。過去に囚われず、その時を幸せに過ごせたなら、どんなに短い人生でも納得する事ができる。と言うことだと思います。 とにかく出鱈目な若い頃の拓実の若気の至りには辟易しますが、短い人生を必死に生きるトキオ君の健気さに涙が止まりません。傑作です。
引用元:読書メーター
17位:5分後に意外な結末
読んでみて
タイトル通り5分で読める短編集。恐怖、感動、笑い、涙など様々なジャンルの短編が集められているのですが、共通点は最後に騙されること。全ての話の結末がしっかりしていて、スッキリしています。
騙される快感を味わってみたという方は是非試してみて下さい。5分で読めるので、高校生の朝読書や、読書習慣を付けるきっかけの1冊に最適です。
みんなのレビュー
オチがわからないものが多くて面白かった。文章も読みやすかった。
引用元:読書メーター
16位:リバース
読んでみて
平凡なサラリーマンの深瀬は行きつけのカフェで、美穂子という女性と出会い、付き合うようになります。ですがある日、美穂子に「深瀬和久は人殺しだ」という告発分が届きます。告発文に書かれた内容は、大学の卒業旅行で起きた事件が関係していました。
日常の会話や、描写に伏線が隠されていてなるほどの連続です。ハッピーエンドで終わるかに見えて、いきなりくる衝撃の結末には頭を殴られるような衝撃を受けます。
イヤミス(読んだ後に嫌な気分になるミステリー小説)系が好きな方、またはイヤミス系の作品をまだ読んだことが無いという方は是非読んでみてください。
みんなのレビュー
とんでもないラストの切れ味にしばらく放心した。キッツイなコレは。物語は途中で二転三転するが徐々に真相が明らかとなり、ついには一連の事件の全容が明らかになる。ミステリとしても勿論極上だったが、そこは流石イヤミスの女王。 もう一度言うけどキッツイなコレ。
引用元:読書メーター
15位:また、同じ夢を見ていた
読んでみて
「人生とは○○なものよ」というのが口癖の小学生、小柳菜ノ花が国語の授業のテーマ「幸せとは何か?」の答えを見つけるために、3人の登場人物にアドバイスをもらい、成長していく物語です。
登場人物の3人は、なぜか菜ノ花しか知らないことを知っていたり、突然姿を消したりと不思議な点が多々あります。この3人が何者なのかを考察することもこの作品の醍醐味となっています。誰もは一度は考える「幸せとは何か」を考えるきっかけにもなる本で高校生にはピッタリだと思います。
みんなのレビュー
おませな小学生菜ノ花が幸せとは何かを探す物語。「幸せとは、誰かのことを真剣に考えられるということ」が私の気持ちに一番近いかなって思いました。あと色々な「人生とは…」が出てきたけど、「人生とは、オセロみたいなもの。たった1枚の白で、私の黒い気持ちは一気に裏返る。」という言葉も気に入りました。
引用元:読書メーター
14位:君にさよならを言わない
読んでみて
主人公は事故をきっかけに霊が見えるようになった少年「須玉明」の身の回りや通っている学校で出会う幽霊との暖かくて切ない物語です。5つの短編から構成されていて、ほとんどが会話文で物語が進行するのですが、ライトノベルかと言われるとそうでは有りません。亡くなってしまった人の未練を必死で救おうとする主人公、明に惹かれます。
「亡くなってからでは遅い」「今すぐ亡くなっても良い人生だったと言える人生を送ろう」と思わせてくれた本でした。先程紹介させていただいた、「僕は明日昨日のキミとデートする」と同じ作者の本なので、「僕は明日昨日のキミとデートする」が面白かった方はこちらの本を読むことを強くオススメします。
みんなのレビュー
七月さんの小説はまるで漫画を読んでいるようにスラスラと頭に入ってきて大好き。 事故をきっかけに幽霊が見えるようになった男の子が 幼馴染みをはじめ、様々な現世に心残りのある霊達と時間を共にするお話。 繋がってはいるもののほぼオムニバスなので、読みやすい作品だった。 どのお話もスッキリと後味よく終わるのも私好み。
引用元:読書メーター
13位:ジョーカー・ゲーム
読んでみて
本作の舞台は、陸軍に秘密裏に作られたスパイ養成学校D機関。戦時中、国のために戦って命を落とすことが名誉なことだという風潮に逆らい、結城中佐は、「死ぬな、殺すな、とらわれるな」を戒律として若きスパイたちを育てあげるために、スパイ養成学校D機関を作ります。
敵はもちろんのこと、味方さえも欺く、スパイの頭脳戦に引き込まれる作品です。短編で気軽に読むことができるスパイミステリーとなっています。
みんなのレビュー
陸軍内に作られたスパイ育成機関の生徒達が、魔王と呼ばれる元スパイによって成長し、任務を遂行していく話。 日本人でスパイというのがあまり馴染みがないけれど、本当はあるのかな?「とらわれるな」という教えが印象的で、「こうあるべき」と思う自分を変えたいと思った。
引用元:読書メーター
12位:すべてがFになる
読んでみて
物語の舞台は、孤島のハイテク研究所。そこには、幼い頃に両親を殺してしまった天才プログラマーの真賀田四季が隔離されています。そこで起きた密室殺人をたまたま島を訪れていた2人の天才、N大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、解決するという物語です。
孤島で繰り広げられる理系の天才たちによる推理戦。密室のトリックがすごく巧妙で印象的です。理系系の作品なので敬遠している方が多いと聞きますが、文系の私にもとても読みやすかったので、文系の方も是非手にとってみて下さい。
みんなのレビュー
探偵役、助手役、IQの高いサイコな犯罪者、密室。紛れもない王道ミステリなのに、なぜこんなに面白いのか。表紙や題名から理系っぽくて敬遠してる人、存外読みやすいので安心してください。理論整然としてるのに、読者の想像を掻き立てる余白があるのがいい。最後の種明かしが何層にも緻密に重なったミルフィーユのようで、もうすごいわとしか言えない。
引用元:読書メーター
11位:塩の街
読んでみて
塩害という、人が塩化してしまう怪現象で混乱する世の中でたまたま出会った「秋庭」と「真奈」が旅路の中で様々な経験をしながら恋に落ちてしまうという物語。世界が崩壊しかけている中での恋。他の作品にはない設定で夢中になることができます。
人気小説家・有川浩のデビュー作ということも有り、多くの人に読まれる作品です。コロナウイルスによる社会混乱と少なからず繋がるところがあり、より物語の世界に入り込むことができると思います。
みんなのレビュー
6年振りの再読。当時は20歳すぎたぐらいだったので、その時とは違った感情が湧いてきた。きっとコロナ過と言うのもあると思う。人の感情とかは、4月、5月の状況と似ているものがあると思った。番外編の罹患者を部屋から追い出したい気持ちとか、今の私たちだなって思いました
引用元:読書メーター