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アングロサクソン人とは?歴史・年表まとめ【特徴から名前の由来、文明、文化まで紹介】

アングロサクソン人とは、アングル人・ジュート人・サクソン人の3つのゲルマン系民族の総称であり、現在のイギリスに繋がるイングランドの基礎を築いた人々です。

アングロサクソン人が王国を築いたグレートブリテン島

アングロサクソン人と言っても、歴史やヨーロッパの民族に関心がなければあまり聞いたことがないという方もいるかもしれません。

しかし、現在でもイギリスやアメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといった英語が公用語として使われている国々はアングロサクソン諸国と呼ばれており、もしかすると皆さんがよく知る海外の有名人の中にもアングロサクソン系の子孫がいるかもしれないのです。

この記事ではアングロサクソン人の特徴や歴史について迫っていきます。

アングロサクソン人とは何か?

アングロサクソン人は3つの部族の総称

アングロサクソン人はアングル人・ジュート人・サクソン人の3つのゲルマン系民族の総称です。元々は大陸の民族であったこの3つの民族について紹介します。

アングル人

アングロサクソン人の祖先の1つであるアングル人は、西方系ゲルマン人の1種族です。彼らはユトランド半島南部のアンゲルン半島に住んでいる民族でした。

アングロサクソン人の祖先の一部が居住していたユトランド半島

5〜6世紀ごろにアングル人の一部が海を渡ってイングランド北東部に移住し、王国を建設します。後に始まる七王国時代という群雄割拠の時代の初期には、アングル人の勢力が強い力を持ちました。

ジュート人

ジュート人も西方系ゲルマン人の1つです。ゲルマン民族大移動の際に、北方から来たデーン人に押し出される形でユトランド半島北部からブリテン島へ移住しました。

ブリテン島に上陸したジュート人は七王国の1つであるケント王国を建設し、後にアングロサクソン人と同化していきます。

サクソン人

ザクセン人とも呼ばれるサクソン人は、北ドイツ低地にて形成されたゲルマン民族です。彼らの一部はブリテン島に渡り、アングロサクソン人と同化してイングランド王国の基礎を築きました。

大陸に残ったサクソン人は、現在のドイツの一部であるニーダーザクセン州を形成する民族として今も続いています。

現在のニーダーザクセン州の位置

アングロサクソン人はどこから来た?

アングロサクソン人は、ドイツ北部やユトランド半島に住んでいたゲルマン系民族です。彼らは5世紀に大陸から海を渡ってブリテン島に移住しました。

アングロサクソン人は先住民族であったケルト系ブリテン人を支配し、ケルト文化を駆逐してアングロサクソンの王国を造り上げます。

中世の騎士道物語「アーサー王伝説」では、ブリテンのアーサー王が侵略者であるサクソン人と戦ったとされていますが、史実かどうかは未だに議論が続いています。

ブリトン人の君主アーサー王の像

アングロサクソン人の特徴とは?

現在のイギリス人の根幹をなす民族としてのアングロサクソン人は、肉体的には長身で、色白の皮膚、碧い目と金髪を持っていることが特徴として挙げられます。

しかし、アングロサクソン人と言っても既に長い歴史の中で様々な民族と混じり合っており、歴史的なアングロサクソン人と現代のアングロサクソン諸国の人々は血統的には関係が薄いのです。

またアングロサクソン人の祖先のうち、元々の居住地である大陸に残った人々で構成されたドイツ人はアングロサクソン人と呼ばず、別個の集団とされています。

アングロサクソン人の名前の由来は?

アングロサクソンは、「アングリアのサクソン人」という意味を持っています。

アングリアとはアングル人の土地という意味であり、元々はブリテン島に上陸する前の居住地であるアンゲルン半島に由来するとも言われています。

また、アングル人の名はイングランドおよびイングランド人の名前の語源にもなりました。日本語で英語を意味するイングリッシュもアングル人から来ているということです。

アングロサクソン人の文明・文化

アングロサクソン人の言語

アングロサクソン人は、言語学的にはインド・ヨーロッパ語族の中でも西方系の一派であるチュートン語族に属しており、低地ドイツ語から派生した英語が定着していました。

アングロサクソン人がブリテン島を征服したころの英語は古英語と呼ばれており、現代の英語の歴史はこの時代から始まったとされています。

現在、世界中に英語を公用語としている国が多くある理由は、イギリスやアメリカ合衆国などのアングロサクソン諸国が近代において多くの植民地を獲得したことが理由です。

英語を公用語としている国々

アングロサクソン人の宗教

ブリテン島に入植した古代ゲルマン民族の間では多神教信仰が主流で、七王国時代の初期の王もみな多神教を信仰していました。

ある時、アイルランドからイングランドへキリスト教が伝播してきます。しかし、このキリスト教はアイルランドで独自に発達したケルト系キリスト教でした。

そこへカトリックが上陸します。正統カトリックの影響力に対抗することができなかったケルト系キリスト教は虚しく衰退していきました。

アングロサクソン人の歴史上重要な出来事

アングロサクソン七王国の建国

ブリテン島に上陸したアングロサクソン人は先住のケルト文化を駆逐し、島の南部から中部にかけてノーサンブリア王国、マーシア王国、イースト・アングリア王国、エセックス王国、ウェセックス王国、ケント王国、サセックス王国の7つの王国を建国します。

アングロサクソン七王国の地図

その他にもアングロサクソン人によって建てられた多くの小国がありましたが、覇権を広げて七王国時代を築いたのはこの7つの大国でした。

後にウェセックス王国のエグバート王がアングロサクソン諸国の覇権を握り、イングランド王国の基礎を造り上げることになります。

覇王を意味するブレトワルダとなったウェセックス王エグバート

ノルマン・コンクエスト

ノルマンコンクエストとは、ノルマン人によるイングランドの侵略のことを指します。1066年、ノルマン人がフランスに建てたノルマンディー公国のギヨーム2世が王位継承権を主張し、イングランド王国に侵攻しました。

ノルマンディー公ギヨーム2世

勝利したギョーム2世は、イングランド王ウィリアム1世として即位し、ノルマン朝を開きます。実はこのノルマン・コンクエスト以降、イギリスが外国勢力によって侵略されたことは1度もありません。

また、ノルマン人もアングロサクソン人と同様にゲルマン民族の一派であり、文化的に近かったという共通点がありました。

アングロサクソン人の歴史年表

5世紀 ‐ 「グレートブリテン島を征服」

ユーラシア大陸の西端に位置するヨーロッパの中でも、ドイツ北部やユトランド半島に住んでいたゲルマン系民族がアングロサクソン人です。

ゲルマン民族の大移動

アングロサクソン人は5世紀に海を渡り、ケルト系ブリトン人が住んでいたグレートブリテン島を支配し、ケルト文化を駆逐します。アングロサクソン人を構成する民族の1つであるアングル人は、後に成立するイングランドの語源になりました。

彼らが使用していた低地ドイツ語から派生した言語が英語の基礎となり、その英語がイングランド発祥の言語として、後の時代にイギリスの世界進出と共に世界へ拡散していきます。

7世紀 ‐ 「アングロサクソン七王国の建国」

ブリテン島に入植したアングロサクソン人は、島の南部から中部にかけて数多くの国を建国しました。その中でも特に覇権を広げた7つの大国は、アングロサクソン七王国と呼ばれています。

元々ゲルマン民族は多神教信仰が主流で、七王国時代の初期の王もみな多神教を信仰していました。その中で、七王国の1つであるジュート人が建てたケント王国は、ブリテン島で最も早くにローマ系キリスト教を受け入れます。

アイルランドから伝播したとされるケルト系キリスト教も国内にありましたが、カトリックの影響力に太刀打ちできず、徐々に衰退していきました。

927年 ‐ 「イングランド王国の成立」

827年、アングロサクソン七王国の1つであるウェセックス王国のエグバート王が、アングロサクソン諸国の覇権を握り、覇王を意味するブレトワルダの称号を手にします。

そして、ちょうど100年後の927年、ウェセックス王国の王であるアゼルスタンがイングランド全土統一を成し遂げ、イングランド王国が成立しました。

初代イングランド王アゼルスタンの墓石

最初のイングランド王はエグバート王であると言われることもありますが、エグバート王の称号はあくまでブレトワルダであり、初代イングランド王はアゼルスタンであるという見方が多いです。

1066年 ‐ 「ノルマン・コンクエスト」

1066年、ノルマン人であるノルマンディー公国のギヨーム2世が、ウェセックス朝イングランドの後継者争いで王位継承権を主張し、ブリテン島に攻め込みました。

後継者争いに勝利したギヨーム2世は、イングランド王ウィリアム1世として戴冠し、ノルマン朝が始まります。

フランス王の封建臣下であったノルマンディー公がイングランド王を兼ねたことでフランス王より強大な力を持ちます。その結果、両者の争いは激化し、後に勃発する百年戦争へと繋がります。

アングロサクソン人に関するまとめ

今回はアングロサクソン人について解説しました。

アングロサクソン人によって建国されたイングランドの支配は、ノルマン人に取って代わられてしまいましたが、その系譜は血統的には薄くなりながらも現代まで続いているのです。

この記事ではアングロサクソン人の特徴や歴史について紹介しましたが、彼らの子孫が後世においてどのような歴史を築いたのか詳しく調べてみるのも面白いかもしれません。

それでは長い時間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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