【楽しく学べる】おすすめ歴史ドラマ20選。大河ドラマから朝の連続テレビ小説も紹介

現代とは違う古風なテイストが魅力の歴史ドラマ。かつては、現代劇とは別ジャンルとして大成し、映画界やテレビ界、演劇界など様々なエンタメ分野で一大ジャンルとして取り扱われておりました。近年では、NHKの大河ドラマやBSの再放送、テレビ朝日での「おはよう時代劇」など、様々な枠で放映されております。

ですが、「時代劇は斬られるのとか痛そう」「殺し合いとか怖くて見れない」というように少し敬遠されている方が多いかもしれません。そこで今回は、歴史ドラマ好きの筆者が選ぶおススメ歴史ドラマ20選をご紹介いたします。

殺陣などはもちろん、現代劇に近い歴史ドラマなどもありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。

おすすめ大河ドラマ5選

風林火山

風林火山

『風林火山』は2007年にNHKで放映された大河ドラマ第46作目の作品です。主人公は、甲斐の戦国大名に仕えたとされる軍師・山本勘助です。原作は2007年で生誕100周年を迎えた小説家の井上靖氏が書いた小説「風林火山」です。

主人公である山本勘助を演じたのはドラマ『臨場』シリーズや『きのうなに食べた?』、映画『海難1890』などで主演を務めた内野聖陽さん。また、勘助の主人である武田信玄を演じたのはドラマ『半沢直樹』の第2シリーズに登場した伊佐山部長での怪演が話題となった歌舞伎役者の四代目市川猿之助さん。また、宿敵である越後の龍である上杉謙信役にはアーティストのGacktさんが演じ、話題を集めました。

山本勘助

主人公の山本勘助とは、武田氏の記録である『甲陽軍鑑』に登場する戦国武将です。武田家の優れた武将である「武田二十四将」にも数えられることのある人物で、第四次川中島合戦にて、信玄に「啄木鳥戦法」を進言するも、謙信にそれを見破られ、あえなく討死してしまいました。

勘助の主な功績として記録されているのは、村上義清との戦いにおいて、戸石城を攻め落とした事です。堅牢な守備により、大損害を受けた武田軍は敗走し、追撃を受け全軍崩壊という危機に陥りました。そこで、勘助は自らが陽動、つまりおとりとなり、その間に信玄たちが大勢を立て直し、再び攻め込むという作戦を立てました。結果として、この戦いに武田軍は勝利し、勘助は足軽大将へと取り立てられました。以降、信玄の軍師として様々な合戦において、軍略などを立てていきます。

「風林火山」では、前半部にて武田家に仕える以前の放浪時代をオリジナルストーリーとして付け加えられ、戦国時代の人間関係などを濃厚に描いた作品となっております。特に、最終回の第四次川中島合戦のシーンは本当の合戦のような気迫のこもった映像になっているので、必見です。

独眼竜政宗

独眼竜政宗

『独眼竜政宗』は、1987年に放映されたNHK大河ドラマの第25作目。奥州の戦国大名である伊達政宗の幼少期から徳川幕府成立後の晩年までを描いた作品です。平均視聴率は39.7%を記録し、劇中に登場した「梵天丸もかくありたい」という台詞が流行語になるぐらい国民的作品となりました。

本作の主人公である伊達政宗を演じたのは、映画『沈まぬ太陽』『タンポポ』などに出演し、ハリウッド映画『ラストサムライ』『硫黄島からの手紙』など、海外作品でも活躍されている渡辺謙さんです。渡辺さんは、本作をきっかけに国民的俳優としての知名度を高めました。また、豊臣秀吉役には勝新太郎さんが起用され、小田原攻めにおいて、秀吉へ対面するシーンはリハーサルなしで撮影されたというエピソードが残っております。

伊達政宗

本作では男らしい武将として描かれている伊達政宗ですが、近年の研究などから実は料理好きであったことなどが判明しております。元々、兵糧を開発する一環として料理を始めたのですが、江戸時代以降は兵糧ではなく美食研究として料理をしていたのだとか。「ずんだ餅」や仙台城に『御塩噌蔵』という味噌を作る蔵を製造したりと、現在でも食される料理の元となった物がいくつか存在しております。

そんな意外な一面を持った政宗とは違い、「独眼竜政宗」では、政宗を巡っての家族間での争いや、周辺大名との合戦。さらには、天下人・秀吉との対面など政宗に何度も試練が訪れます。その試練を乗り越えた先に見える「天下泰平」とは。古さを感じない名作大河ドラマとなっています。

真田丸

真田丸

『真田丸』は2016年に放映されたNHK大河ドラマ第55作目。『古畑任三郎』シリーズなどで人気の脚本家三谷幸喜さん原作のオリジナルドラマで、主人公は大坂夏の陣にて徳川家康の本陣まで切り込んだと言われる「日の本一の兵」と称された真田幸村こと真田信繁です。

真田信繁を演じられたのは、ドラマ『半沢直樹』や『リーガル・ハイ』などで主演を務められた堺雅人さん。兄の真田信之にはドラマ『ノーサイド・ゲーム』や映画『探偵はBARにいる』などで主演を務められた大泉洋さん。父の真田昌幸には映画『汚れた英雄』ドラマ『華麗なる刑事』などに出演した草刈正雄さんなどがキャスティングされました。

本作では、登場人物たちの軽妙なやり取りに加え、真田家がほぼ関わっていない出来事はナレーションによってカットされるという大胆な演出にSNSなどで話題に。中でも、織田信長が退場となった本能寺の変は「天下統一を目前に死んだ」という端的な言葉で紹介され、SNSでは「ナレ死」として、話題になりました。

戦国時代を取り扱ったゲームなどでは、主人公格のキャラクターとして描かれることが多い真田信繁ですが、歴史好きな方ならば「真田幸村」という名前の方が馴染み深いかもしれません。「真田丸」を見て頂くとより真田信繁という人間について興味を持っていただけるのではないかと思います。

龍馬伝

龍馬伝

『龍馬伝』は2010年に放映されたNHK大河ドラマ第49作目。原作がないオリジナル作品で、脚本はドラマ『HERO』『ガリレオ』などを手掛けた福田靖さんが務めました。主人公は、薩長同盟や海援隊などを設立した土佐藩出身の志士・坂本龍馬です。実は、龍馬が主人公になるのは1968年の「竜馬がゆく」以来、2度目の出来事でした。

主人公の坂本龍馬役には、俳優・アーティスト活動で人気の福山雅治さん。ナレーションとして三菱財閥の創業者である岩崎弥太郎役には、ドラマ『半沢直樹』の大和田部長役やEテレ「昆虫すごいぜ!」のカマキリ先生役などで人気の香川照之さんがキャスティングされております。

坂本龍馬

坂本龍馬といえば高知県を代表する偉人です。2003年には高知空港の愛称が「高知龍馬空港」になるなど、県民の多くから愛されており、県内には「高知市立龍馬の生まれたまち記念館」や、唯一偉人の名を冠した郵便局である「龍馬郵便局」などが所在しております。

「龍馬伝」では、岩崎弥太郎から見た坂本龍馬という視点で描かれ、岩崎からしたら自分より進んだ考えを持った龍馬という人物は非常に憎たらしい人物だったのでしょう。しかし、そんな龍馬に憧れていた、という一面も垣間見えます。龍馬を始め日本を変えようと志士達がどのように生き抜いたのか。そこら辺を注目していただきたいです。

新選組!

新選組!

『新選組!』は2004年に放映されたNHK大河ドラマの第43作目。『古畑任三郎』シリーズなどを手掛けた脚本家の三谷幸喜さんが初めて制作したオリジナルの大河ドラマです。主人公は新選組の局長である近藤勇で、「近藤勇の人生における重要な49日」でテーマとなっております。

主人公である近藤勇役には、ドラマ『薔薇のない花屋』『西遊記』、映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』『凪待ち』などで主演を務めた元SMAPの香取慎吾さん。副長である土方歳三にはドラマ『ひとつ屋根の下』『仮面ライダーゼロワン』、映画『それでもボクはやってない』、舞台『レ・ミゼラブル』などに出演した俳優の山本耕史さんなど、実際の隊士や志士に合わせた年齢の俳優やタレントがキャスティングされました。

新選組!! 土方歳三 最期の一日

本作はそれまでの大河と比べて、史実とは異なる脚色が多く施されているという点で様々な議論を呼びました。ですが、その人気は高く、2006年には正月時代劇として続編である「新選組!! 土方歳三 最期の一日」が制作されました。ちなみに、大河ドラマで続編が制作されるというのは当時としてはかなり異例です。また、香取さんがMCを務めていたテレビ朝日系列のバラエティ番組「SmaSTATION-4」には、最終回前日に主要キャストが登場し、民放で国営放送の最終回を告知するという異例のプロモーションなどもしておりました。

新選組は将軍警護のために結成された組織であり、主に討幕を狙う尊王攘夷派の志士達を討伐するのが任務の一つとなっておりました。しかし、1867年に江戸幕府十五代目将軍の徳川慶喜が政権を朝廷に返上するという大政奉還を行ったため、新選組はその役割を終えることとなります。

新選組鬼の副長として知られる土方歳三。維新後は旧幕府軍として戊辰戦争へ参加し、最期の戦争の地となった箱館戦争まで戦い抜きました。しかし、箱館にて、腹部に銃弾を受け落馬し絶命。そのまま箱館の地で息を引き取りました。この箱館戦争については、「新選組!! 土方歳三 最期の一日」にて描かれていますので、気になった方はぜひ、そちらもご覧ください。

おすすめ連続テレビ小説5選

おしん

おしん

『おしん』は、1983年から1984年まで放映された朝の連続テレビ小説シリーズ。『渡る世間は鬼ばかり』シリーズなどの脚本を務めた橋田壽賀子さん原作のオリジナルドラマで、戦中・戦後の混乱期を生き抜いてきた主人公・田倉しんの一代記となっております。

主人公の田倉しんには、幼少期は小林綾子さん、青春~青年期は田中裕子さん、中年~老年期は乙羽信子さん、と各世代別に主人公がキャスティングされております。平均視聴率は56.2%、最高視聴率はなんと62.9%と高視聴率を記録し、この記録はテレビドラマの最高視聴率記録として現在も破られておりません。

また、本作はスリランカやインドネシアなどのアジア圏をはじめ世界68か国で放送され、「オシンドローム」といった単語が浸透するなど世界中の人々から愛される作品となりました。また、昭和天皇や中曽根康弘などが本作について言及するなどその反響の大きさが伺えます。

民宿 丸山

この大ヒットドラマの「おしん」ですが、実は主人公のモデルではありませんが、ヒントとなった人物がいます。それが、静岡県御前崎市にある「民宿丸山」の創設者である丸山静江さんです。丸山さんは幼い頃に奉公に出され、その後は髪結いとして成功し、御前崎市にて「民宿丸山」を開業した人物です。

おしんも、幼い頃に奉公へ出され、浅草の髪結いへ弟子入りし…というように、同じような生涯を歩んでおります。実は、本作が誕生するきっかけとして、丸山静江さんの次女である千鶴子さんが、当時橋田さんが連載した雑誌へ母の半生を送ったことがきっかけで、本作が生まれたとされています。

丸山静江さん

本作についてのちに千鶴子さんは静岡新聞のサイトの記事にて、「母が泣きながらドラマを見ていたのを覚えている」と語っています。壮絶な人生を歩みながらもたくましく生きた女性…連続テレビ小説の王道ともいえる作品を体感してみてはいかがでしょうか。

ゲゲゲの女房

ゲゲゲの女房

『ゲゲゲの女房』は2010年に放映されたNHK連続テレビ小説シリーズの第82作品目。漫画家水木しげるさんの妻である武良布枝さんが2008年に出版された自伝「ゲゲゲの女房」が原作となっており、脚本は2013年に『八重の桜』などを担当する山本むつみさんが担当されました。

主人公である飯田布美枝役には、ドラマ『仔犬のワルツ』『アライブ がん専門医のカルテ』などに出演し、ピアニストとしてもご活躍されている松下奈緒さん。その夫である漫画家村井茂役には、ドラマ『麒麟がくる』『ハングリー!』などに出演した向井理さんなどがキャスティングされました。

主軸は布美枝の半世記ですが、それ以外にも漫画業界のドラマや高度経済成長期の日本など様々な目線から楽しめる作品となっており、平均視聴率は18.6%を記録。2010年の新語流行語大賞では、本作のタイトルである「ゲゲゲの○○」がノミネートされ、年間大賞を受賞するなど反響の大きい作品となりました。

水木しげる夫婦

水木しげる先生といえば、「ゲゲゲの鬼太郎」に代表されるように妖怪漫画の第一人者として知られております。鬼太郎をはじめ、猫娘、ねずみ男、一反木綿など個性的かつどこか憎めない存在として、長年、親しまれております。

そんな妖怪たちをどのように日本へ広めたのか、また、その側で見てきたから分かる水木先生の苦悩なども作中では描かれております。水木しげるさんとその妻の布枝さんが織りなすホームドラマに心温まるかと思います。

マッサン

マッサン

『マッサン』は2014年から2015年まで放映されていたNHK連続テレビ小説第91作品目。1995年に放映された「走らんか」以来の男性主演と、初の外国人主演が話題となりました。また、本作は脚本を担当した羽原大介さんのオリジナル作品です。

主人公である酒屋の息子である亀山政春にはドラマ『百獣戦隊ガオレンジャー』『プリズナー』などに出演した玉山鉄二さん。スコットランド人の妻である・亀山エリーには、本作がドラマ初出演となる女優のシャーロット・ケイト・フォックスさんが起用されました。

本作は、主人公夫妻のモデルとなった「ニッカウヰスキー」の創業物語であり、この放映に合わせて各社復刻ウイスキーなどの商品を発売し、売り上げを伸ばしたと言われています。また、舞台となった北海道余市町では、観光客が倍増するなど「マッサン特需」が起こりました。

竹鶴政孝とその妻のリタ

「マッサン」のモデルとなった竹鶴政孝氏は、ニッカウヰスキーの創業者でありサントリウイスキー、マルスウイスキーなどの始祖であることから「日本ウイスキーの父」と呼ばれる人物です。元々は、広島県の酒造である竹鶴酒造の息子として誕生しました。

その後、純国産ウイスキーの製造を学ぶために単身スコットランドへと渡り、現地修行を行いました。この修業があったからこそ、現在の国内ウイスキーの誕生はなかったと言われています。また、この修業の際に、現地のジェシー・ロバータ・カウンさんと知り合い、そのまま結婚しました。

余市蒸留所

日本に帰国後、1929年に純国産ウイスキーである『サントリー白札』が発売されるも、馴染みがなかったことから売り上げは低迷。竹鶴は、スコットランドに似た風土であった北海道へ移転し、余市町でウイスキーづくりを始め、「ニッカウヰスキー」を創業しました。現在も日本では人気の高いウイスキーがどのようにして日本に入って来たのか、その歴史を知ることが出来る作品となっております。

わろてんか

わろてんか

『わろてんか』は2017年から2018年にかけて放送された連続テレビ小説の第97作目。主人公は吉本興業の創業者である吉本せいがモデルとなっております。ちなみに、吉本せいは朝ドラ第33作目「心はいつもラムネ色」にも、モデルとなる人物が登場しております。

主人公である藤岡てんにはドラマ『ブラックペアン』『教場』などに出演した葵わかなさん。その夫であり旅芸人一座の1人である北村藤吉にはドラマ『梅ちゃん先生』『軍師官兵衛』、映画『今日、恋を始めます』などに出演した松坂桃李さんなどが起用されました。

なんばグランド花月

「わろてんか」が放映される4年前の2013年には、本作の翻案にもなった吉本興業創立百周年を記念した舞台「吉本百年物語」が公演されておりました。この公演は、4月から翌2014年の3月まで一年間にわたり、吉本興業創業から2丁目劇場ブームまでの吉本興業の歴史を舞台化したものとなっております。

インタビューにて脚本家の吉田智子さんが「毎朝3回は最低笑わせる!」と宣言した通り、必ずコメディ的なシーンが挿入されております。笑いに包まれながらも、人情味あふれるホームドラマとしても楽しめる作品となっています。

なつぞら

なつぞら

『なつぞら』は、2019年に放映された連続テレビ小説第100作目。戦災孤児となった少女・奥原なつが、父の戦友である柴田剛男に連れられ、北海道・十勝で育ち、その後、北海道で育んだ想像力などを生かし、アニメーターとして活躍するまでを描いた物語です。

主人公である奥原なつには、映画『海街diary』『ちはやふる』などで主演を務めた広瀬すずさん。その友人で、画家を目指す山田天陽役にはドラマ『水球ヤンキース』、映画『オオカミ少女と黒王子』などに出演した吉沢亮さんらが起用され、またナレーションにはお笑い芸人「ウッチャンナンチャン」の内村光良さんが起用され、劇中でナレーションがなつの父であることが明かされました。

なつぞら

また、本作は連続テレビ小説100作記念という事で、かつてヒロインを務めた経験のある方が15人登場し、さらには北海道出身の演劇ユニット「TEAM NACS」が出演することが発表されるなど、様々な方面から話題を集めました。

東映アニメーションミュージアム

「なつぞら」のヒロインであるなつのモデルには、本作のアニメーション考証を担当された小田部洋一さんの妻である女性アニメーターの奥原玲子さんがヒントになったとインタビューにて語っております。本作では、1960年代から70年代のアニメ草創期が描かれており、その中でも中心となったのが現在の「東映アニメーション」の元になった「東映動画」です。

劇中では「東洋動画」として登場し、「白蛇姫」や「わんぱく牛若丸」といった作品をなつは生み出します。この元ネタは、日本初の長編アニメである「白蛇伝」や「安寿と厨子王丸」といった1950~60年代の長編アニメです。また、なつが担当することになった「キックジャガー」という作品は梶原一騎原作の人気漫画「タイガーマスク」が元ネタとなっております。

本作は、そういったアニメ業界草創期の裏側と歴史を知ることが出来る作品となっています。ナレーションの内村さんと一緒に、なつの成長を見守ってみてはいかがでしょうか。

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