【楽しく学べる】おすすめ歴史ドラマ20選。大河ドラマから朝の連続テレビ小説も紹介

名作時代劇10選

暴れん坊将軍

暴れん坊将軍

『暴れん坊将軍』は、1978年から2002年にかけてテレビ朝日系列にて放送された時代劇ドラマです。主人公は八代目江戸幕府将軍である徳川吉宗。江戸に蔓延る悪党どもを成敗するために、火消しのめ組に居候する貧乏旗本の徳田新之助として江戸の庶民と交流しながら悪を成敗する勧善懲悪物語です。

主人公の徳田新之助こと徳川吉宗役には、当時新人だった松平健さんが起用され、この役をきっかけに時代劇スターとして世間に認知されるようになりました。また、協力者であるめ組の初代頭には、「祭」「与作」などのヒットソングを持つ演歌歌手、北島三郎さんなどが起用されております。

時代劇といえば、というようにパターン化された作品でありながらも、松平健さんの大立ち回りや迫力のある御庭番衆の殺陣など、王道の時代劇要素が詰まった作品となっております。ちなみに、史実とは全く異なるフィクションなので、楽しんで見ることが出来る娯楽作品となっています。

仮面ライダーオーズと徳田新之助

2011年に公開された「劇場版 仮面ライダーオーズWONDERFUL 将軍と21のコアメダル」では、なんと仮面ライダーオーズとのまさかのコラボが発表され、様々なメディアから話題を集めました。というのも、仮面ライダーも暴れん坊将軍も同じ東映製作のドラマだったので、この夢のようなコラボが実現したのです。

劇中では、オーズに変身する火野映司らが江戸時代へとタイムスリップしてしまい、そこで窮地に陥る場面があります。そこへ、馬に乗った徳田新之助が現れ、本編同様の大立ち回りを披露し窮地を救うといった、まさに見せ場を作ります。

まさに変身ヒーローばりの強さを持つ徳田之助ですが、それを支える将軍直参の御庭番衆や火消のめ組の人々など魅力的な登場人物が多数登場します。スカッとしたい時に見るのがおすすめな娯楽作品です。

必殺仕事人

必殺仕事人

『必殺仕事人』は、1979年から1981年にかけて放送されたテレビ朝日系列で放送された時代劇ドラマ。本作は、「必殺シリーズ」と呼ばれる時代劇シリーズの第15作目で、藤田まことさん演じる中村主水が主人公を務めるのは実は本作で7作目なのです。

「一掛け二掛け三掛けて 仕掛けて殺して日が暮れて 橋の欄干腰下ろし 遥か向こうを眺むれば この世はつらい事ばかり…」という芥川隆行さんの印象的なナレーションと共に、江戸に蔓延る悪党を裏稼業とも呼ぶ殺し屋達が、恨みを晴らしていくという物語。

2020年現在もスペシャルドラマとして制作されており、主人公は中村主水から少年隊の東山紀之さん演じる渡辺正五郎、TOKIOの松岡昌宏さん演じる経師屋の涼次などが仕事人として登場し、世相を反映した悪事をする悪人を始末するという物語になっています。

中村主水

必殺仕事人といえば、あの印象的な音楽と共に独自の殺し技を使い、悪人どもを切り伏せるシーンが印象的ですよね。それまでの時代劇とは異なり、不意討ちで殺していくという手法は、当時としては斬新な演出です。

ですが、そんな仕事人にも思わずツッコんでしまいたくなるエピソードなどがあります。例えば、1985年に特番として放送された「必殺仕事人意外伝 主水、第七騎兵隊と闘う 大利根ウエスタン月夜」。なんと仕事人一行が西部開拓時代のアメリカへタイムスリップしてしまうというかなり攻めた内容になっております。

また、他の仕事人シリーズには「主水、エスカルゴを食べる」「主水 バースになる」「主水、大奥の鶴を食べて失業する」と、タイトルを見ただけではもはやどんなエピソードなのかもわからないようなサブタイトルがついております。少し怖いイメージのある作品ですが、見てみると知らなかった面白いエピソードなどが見つかるかもしれませんよ。

遠山の金さん

遠山の金さん

『遠山の金さん』は、江戸時代に実在した南町奉行・遠山景元を題材にしたドラマ・映画作品。テレビ朝日系列では1970年から2007年まで主人公のキャストを変更しながら長きにわたって放送され、2017年と2018年にはTOKIOの松岡昌宏さんが主演でTBSにて特別ドラマが放送されました。

主なパターンとして、奉行である遠山金四郎が遊び人の金さんとして江戸の町内を潜入捜査し、悪事が起こると金さんが桜吹雪を見せてその悪人を気絶させます。そして、後日、お白洲に呼び出された悪人たちを奉行として裁く最中に、悪人たちが犯行を否認し、被害者が証人として金さんを呼んで欲しいと訴えるも悪人は知らぬ顔をします。

そして、罵声などが最高潮に達した時に金さんが江戸弁で一喝し、悪人の前で「あの晩、見事に咲いた金さんのお目付け桜夜桜を、まさか己ら!見忘れたとは、言わせねえぞ!!」という啖呵と共に桜吹雪を見せつけ、悪人を成敗する、という物語です。

現代で言う『半沢直樹』の倍返しのような典型的なフォーマットですが、見終えると非常にすっきりする内容になっております。

遠山景元

遠山景元は1793年9月27日に、長崎奉行を務めたことのある遠山景晋の下で誕生しました。その後は北町奉行、南町奉行を歴任するなどの経歴はありますが、実際に名裁きをしたという記録は残っていません。ですが、気骨のある人物であったことは確かだそうです。

中でも、幕府側の立場でありながら水野忠邦が発布した天保の改革に真っ向から反対したことが有名です。天保の改革では、風俗取締り、寄席の削減、贅沢の禁止のように質素倹約を目指した内容になっておりました。しかし、遠山は、武士に適用されないことを指摘し、大幅にこの政令を緩和するように求めたと言われています。このような一件により、江戸の町人たちから英雄として称えられるようになりました。

遠山の金さんは、中村梅之助さん、杉良太郎さん、高橋英樹さん、松方弘樹さんなど様々な俳優さんが演じられており、その演じ方の違いなどに注目してみるのも面白いかもしれません。もしかすると、「推し金さん」が見つかるかもしれませんよ。

鬼平犯科帳

鬼平犯科帳

『鬼平犯科帳』は、池波正太郎原作の小説シリーズ「鬼平犯科帳」が原作となった時代劇ドラマ。NETテレビ、フジテレビ系列で放映され、その他外伝作品などがCSの時代劇専門チャンネルなどで制作されました。

物語の主人公は、火付盗賊改方という役職に就いている長谷川平蔵という人物です。この長谷川は実在した人物で、池波氏は「いつかこの人物で小説を書きたい」と構想は合ったものの、諸般の事情などで実際に発表できたのは1967年12月の文芸雑誌「オール讀物」でした。

火付盗賊改方とは、警察のような役割で、盗みを働くなどの悪事をする悪人どもを取り締まるために結成された組織で、その長官にあたるのが「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵です。タイトルの「鬼平」とは「鬼の平蔵」を略したものなのです。

長谷川宜以の墓

長谷川宜以は、1745年に旗本である長谷川宜雄の下で誕生しました。青年期は放蕩息子だったらしく、遊郭へ遊びに行くなどかなりの遊び人だったようです。その後、31歳で江戸城西の丸御書院番士という役職に就いて以降は江戸城の役人として様々な役職を経験しました。

「鬼平犯科帳」と同じく火付盗賊改役に任ぜられるのは、1787年、長谷川42歳の事でした。老中・松平定信の命を受け、江戸の盗賊などを取り締まる立場となり、凶悪盗賊団などを捕縛・処刑するといった活躍を見せました。

「鬼平」と呼ばれていたのはフィクションではありますが、実際の長谷川も犯人に慈悲を与える人情味あふれる人物だったと記録に残されており、庶民からも愛されていたそうです。時代劇のヒーローとは、時代を超えて万人から愛される存在なのかもしれません。

三匹が斬る!

三匹が斬る!

『三匹が斬る!』は1987年から1995年までテレビ朝日系列にて放映されていた時代劇ドラマ。総話数は全体的に少ないものの、時代劇ファンからの人気は高い作品となっています。また、2002年にはリニューアル版の「三匹が斬る!」が制作されました。

主人公は高橋英樹さん演じる素浪人でありながら女性と子供にはめっぽう弱い神道無念流の使い手の矢坂平四郎。役所広司さん演じる用心棒として様々な大名などを渡り歩き、将来は千石以上の大名になることを夢見る・久慈慎之介。春風亭小朝さん演じる怪しげな商売をしながらテキ屋として諸国を渡り歩く素浪人・燕陣内の三人が様々な事件などを解決するといった物語。

作品の魅力としては、古風な言葉遣いが少なく、現代風の軽妙なやり取りや粋な洒落というように、現代ドラマとしても十分魅力的な作品ですね。

続続・三匹が斬る!

平四郎、慎之介、陣内の3人が主人公の「三匹が斬る!」シリーズですが、実は後半の第6シリーズから新たな素浪人が加わります。それは、赤穂浪士に討たれたことで有名な吉良上野介の子孫である若き素浪人の吉良右近です。

演じるのは、ジャニーズのアイドルとして人気を博していた近藤真彦さん。実は、第6シリーズの「ニュー・三匹が斬る!」の撮影時、久慈慎之介役の役所広司さんが別の映画に出演するために、代役としてレギュラー加入することになったそうです。

時代劇があまり好きではないという方の中に「権力を振りかざして、説教臭い話をする時代劇は好きじゃない」という方がいらっしゃいます。ですが、「三匹が斬る!」は素浪人であり、身分の高くない三人が思い思いの行動をとるという物語になっているので、見ていて、感情移入しやすいのではないかと思います。

仮面の忍者赤影

仮面の忍者赤影

『仮面の忍者赤影』は、1967年から1968年までフジテレビ系列で放映された時代劇特撮ドラマです。原作は、「魔法使いサリー」「鉄人28号」などを手掛けた漫画家の横山光輝さんの忍者漫画「飛騨の赤影」です。

豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、琵琶湖の南に『金目教』という怪しい宗教が流行っていた…」というナレーションから始まる本作は、全4部構成に分かれており、第1部では木下藤吉郎が主君である信長の天下統一のために飛騨の里から3人の忍者を呼び寄せたことから物語が始まります。

本作の主人公で「影の一族」の一番手である赤影を演じたのは東映第8期ニューフェイスとして入社した坂口祐三郎さん。赤影の仲間である初老の忍者である白影は牧冬吉さん。少年忍者の青影には金子吉延さん。また、竹中半兵衛役には「水戸黄門」などで有名な里見浩太朗さんが起用されております。

漫画「仮面の忍者 赤影」

原作の漫画版である「仮面の忍者 赤影」では正統派の忍者漫画として描かれており、謎の宗教こと金目教の支配下である忍者達との戦いが描かれております。一方、特撮版の「赤影」の敵忍者は歌舞伎をイメージした派手な敵キャラなどが登場するなど、漫画版とは大きく異なる作風となっています。

例えば、巨大独楽を操る敵や空飛ぶ円盤、そして第一部のラストの敵である「金目像」は巨大ロボットであるなど、時代劇とは大きくかけ離れた兵器が登場しています。この奇想天外な発想がきっかけとなり、作品成功の原動力になったと言われているのです。

映像に古さを感じますが、その分、物語の面白さなどで夢中になる作品かもしれません。また、本作と原作漫画版を併せて観ることでより楽しむことが出来る作品になっているかと思います。

子連れ狼

子連れ狼

『子連れ狼』は、1970年から1976年まで漫画雑誌『漫画アクション』にて連載された作画小島剛夕さん・原作小池一夫さんの漫画作品です。1972年から1974年にかけて若山富三郎さん主演で映画化、並行するように1973年には萬屋錦之介さん主演でテレビドラマ化されました。

江戸幕府の総目付であり裏柳生の総帥である柳生烈堂の策略により妻と職を無くした水鴎流剣術の達人である拝一刀と、その息子である大五郎は烈堂への復讐を果たすために、大五郎を箱車に乗せ、流浪の旅に出る、という物語。「しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん」という印象的な主題歌を一度は聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。

大五郎が乗っている箱車に様々な武装がされているなど、なかなか秀逸なシーンなどが登場しますが、本筋である「拝一刀と柳生一族の抗争」という悲愴感漂う物語となっています。見ていくうちに、原作漫画の方も読んでみたくなるかもしれません。

変身忍者嵐

変身忍者嵐

『変身忍者 嵐』は、1972年から1973年までテレビ朝日系列で放映された時代劇特撮ドラマです。前年から放送された「仮面ライダー」のヒットを受け、原作者である石ノ森章太郎さんをはじめ、製作スタッフやナレーターまでほぼ同じという、いわば「時代劇版仮面ライダー」として制作されました。

江戸時代、化身忍者と呼ばれる怪人を使い、再び戦乱の世を巻き起こそうと企む忍者集団・血車党が活動を始めました。しかし、これを阻止すべく、血車党を抜け出した谷の鬼十は、自分の息子であるハヤテを改造し、変身忍者 嵐として仲間の伊賀忍者と共に血車党に立ち向かう、という物語。

裏番組には『ウルトラマンA』が放映されていたこともあり、視聴率に苦戦。途中から敵キャラが血車党の化身忍者から西洋妖怪に代わるなど様々なテコ入れを実践しておりました。また、仮面ライダーとの共闘をさせるという案もあったそうです。

変身忍者嵐

また視聴率獲得の話題作りとして、様々な著名人ゲストが登場しました。例えば、榎本健一、古川ロッパと並び、三大喜劇人として有名だった噺家の柳家金語楼と、その息子であるロカビリー歌手の山下敬二郎、「時代劇六大スター」と称された一人の嵐寛寿郎などが出演。また、子供達からの人気の高かったスポーツ選手として大相撲の高見山、プロボクサーのファイティング原田、キックボクサーで「キックの鬼」こと沢村忠がゲスト出演しました。

たまに、「映像が古いから興味がない」という方がいらっしゃいます。確かに、現在に比べて古さを感じてしまう所はありますが、作品としての面白さというのはどの時代も共通して変わらないものかと思います。今のヒーローを知っている方も、昔のヒーローに触れてみることで何かを感じるかもしれませんね。

大岡越前

大岡越前

『大岡越前』は、1970年から1999年まで29年にわたってTBS系列で放映された時代劇ドラマ。享保期に実在した南町奉行・大岡忠相を主人公にした作品で、「大岡裁き」ともいえる利発的な大岡越前が様々な悪人や事件を裁くという物語になっています。

主人公である大岡忠相を演じたのは俳優の加藤剛さん。同時期に同じくナショナル劇場の枠で放映された「水戸黄門」は主役キャストの代替わりなどがありましたが、大岡越前では一貫して加藤剛さんが大岡越前を29年間演じ続けられました。

大岡忠相

大岡忠相は、1677年に1700石の旗本である大岡忠高の四男として江戸で誕生しました。1686年には同族である大岡忠真の養子となり、そのまま養父の死後、忠真家3代当主として家督を継ぎました。1702年には徳川家直属の親衛隊である書院番となり、江戸城への勤務が始まります。

ドラマなどで描かれる南町奉行には、1717年に就任。この時に、名前も「越前守」へと改名しました。その後は、享保の改革を進める徳川吉宗の部下として、町火消や目安箱の設置、勘定奉行と共に通貨不足を解消するための「貨幣改鋳」政策を推し進めるなど尽力しました。

徳川吉宗

このような功績や江戸町奉行所時代の名裁きなどが庶民の間で話題となり、講談などで大岡を題材にした「大岡政談」が創作されるようになりました。この、大岡政談のほとんどは大岡自身が裁いたものではなく、同僚で北町奉行を務めた中山時春が裁いたものまで混じってると言われています。

落語にも大岡忠相は何度か登場し、「三方一両損」「五貫裁き」などが有名な噺として多くの落語家が演目として披露しております。ドラマを見るのは疲れてしまうという方には、落語で聞いて楽しむ、というのもいかがでしょうか。

水戸黄門

水戸黄門像

『水戸黄門』は、1969年から2015年までTBS系列の「パナソニックテレビシアター」内で放映された時代劇ドラマです。水戸のご老公こと水戸光圀が家臣の佐々木助三郎と渥美格之進と共に諸国を漫遊しながら、各地の悪人を懲らしめていく物語。

時代劇を知らない方でも、徳川家の家紋である葵三つ葉が入った印籠を見せつけ「頭が高い!控えおろう!」「ははーっ」といったやり取りをコントやパロディなどで見た事のある方は多いのではないでしょうか。ちなみに、印籠とは薬などを常備しておく小さな入れ物の事で、印が入っているので「印籠」と呼ばれたそうです。

徳川光圀は、1628年に水戸徳川家当主・徳川頼房の三男として誕生しました。「水戸黄門」などで描かれているのは、主に隠居してからの諸国漫遊記となっていますが、実際の光圀は国史である『大日本史』の編纂に携わっているものの、鎌倉や江戸を往来した程度で諸国を巡ったという記録は残されておりません。

まさに「定番時代劇」という名のテンプレートが決まっている物語ですが、その中でも、印籠に頭を下げない敵や印籠が通じない相手など「定番をひっくり返す」様な回も存在しております。全話、というのは少しハードルが高いかもしれませんので、気になった回を探して、レンタルなどで見るという楽しみ方などもありますので、一度「水戸黄門」ワールドを体験してみてはいかがでしょうか。

歴史ドラマに関するまとめ

これまでに20作品解説しましたが、上記で紹介した作品以外にも歴史を取り扱ったドラマは数多く存在します。筆者も、歴史に興味を持ったのはドラマがきっかけで、大河ドラマの「龍馬伝」などは好きで毎週録画して見てました。

人物を取り扱った作品以外にも、事件や出来事、また伝記などを脚色した歴史ドラマ作品などもいくつかあります。上記で紹介した作品以外に筆者が好きなのは「モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル」です。こちらはコメディ映画ですが、イギリスのアーサー王伝説を元にした作品です。

史実とは食い違っている部分はありますが、興味を持つためにドラマから見始めるというのも一つの入口だと思います。この記事をきっかけに、サブスクサービスなどを利用して好きな時代劇や歴史ドラマを見つけていただければ幸いです。

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