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ナスカの地上絵とは何かを分かりやすく紹介【作られた意味や歴史的背景、絵の種類、場所や謎まで】

謎の多いナスカの地上絵の謎

実際は天文学とは関係のない線が多い

ジェラルド・ホーキンスはストーンヘンジを天体観測所と結論づけた

天文学書説が初期の頃は最有力ではないかと言われていたナスカの地上絵ですが、1968年にジェラルド・ホーキンスという天文学者が「ナスカの地上絵は基本的に天体とは関係ない」との結果を発表したのです。

ジェラルド・ホーキンス自身、イギリスの世界遺産ストーンヘンジが古代の天体観測所であったということを発表し、世界中に衝撃を与えたことがあるほどの天文学の権威ですが、彼がナスカの地上絵を調べ、当時最高レベルのコンピューターを駆使して算出したところ、ほとんどの図形や線が天体と関係ないことがわかったのです。

ナスカの地上絵の位置関係 天体との因果関係は無いと考えられた

地上絵は無数にあるため、そのうちのほんの少数が天体の動きと偶然に当てはまっただけで、その他の多くは全く関係ないと結論づけました。そのため、ナスカの地上絵は再び迷宮入りとなってしまったのです。

当時、文字もなかったため、記録文書がない

インカ帝国の名残 マチュピチュ

天文学書説の次に有力視されていた「道・広場説」も、多くの調査結果が挙がりましたが、結局はそれを裏付ける証拠がほとんどなかったために、結論づけることができなかったのです。

南米で栄えていたインカ帝国や古代アンデス文明は文字を持たない民族であったため、ナスカの地上絵に関する文書が全く残っていないのです。そのため、いくら有力な推測をしたとしても、正解がわからないので、全て机上の空論で終わってしまうのでした。

空から俯瞰できる技術がないにも関わらず、絵を描けたのはなぜ?

マリアライへ

ナスカ時代には空から地上絵を確認できる技術がないのにも関わらず、正確な絵が描かれています。その謎を解明しようといくつかの仮説を立てたのがマリア・ライへです。ライへは、縦横に細かく分割してそれを一定の倍率で拡大するという説や、幾何学を用いて測量した説などを上げています。

しかし、実際の地上絵は線が曲がっていたり、正確な弧を描けていなかったり、崖に到達したために折り返しただけであったりと行き当たりばったりな書き方の絵柄が多いため、これらの仮説も疑問視されるようになってしまいました。

新しく発見されたナスカの地上絵

21世紀になっても大量に発見される地上絵

山形大学の研究チームが発見した新種の地上絵

21世紀に入ってからもナスカの地上絵が新しく発見されており、特に日本の山形大学の研究チームの成果には目覚ましいものがあります。山形大学の坂井正人教授が指揮するグループは2004年から2018年までの期間に142点の新たな地上絵を発見しました。さらに、2019年にはIBMと共同で、AIを用いた実証実験によって1点の地上絵を見つけたと報告したのです。

研究チームを率いる坂井正人教授

現代に至っても地上絵が続々と発見される理由には大きく2つあり、1つ目が「ナスカ地域が広大であるため」、2つ目が「時とともに破壊が進んでおり、発見しづらいため」です。

山形大学の研究チームは10年以上にも渡って調査を行っていますが、実際に調べることのできた範囲は全体の1割程度にしか達しません。また、地上絵は大きなものになると100m近くの規模になりますが、上空から確認しても、破壊が進んでしまっているため、地上での調査も併せて行わないと実際に地上絵があるかどうかを確定することが難しくなっているのです。

AIが発見した地上絵

2019年に行われたAIによる調査では、既存の地上絵の描写パターンをAIに学習させることによって同じような方法で描かれた地上絵を画像認識によって検出するという実証実験を行いました。結果として複数の絵柄が見つかり、そのうちの1点が地上絵であると断定されましたが、さらに改良を進め、AIによる調査が活発になると、今後も新たな地上絵が大量に見つかるのではないかと期待されています。

2020年10月に発見された最新作とは?

新しく発見されたネコ科の動物の地上絵

2020年10月21日、ペルーの文化省が2000年以上前のものとみられる新たなナスカの地上絵を見つけたことを発表しました。新たに発見されたのは「ネコ科の動物」の絵で、ドローンでの撮影中に見つかったそうです。

2020年1月に一部の線が発見されたのですが、山の斜面に描かれており、長年の侵食によって消えかかっていたため、全貌がわかっていませんでした。ドローンによって確認された際も、肉眼でかすかに見えるほどの鮮明度だったそうで、考古学者のチームが保存に向けて即刻クリーニングを開始したそうです。

ドローンも地上絵研究にひと役買うようになるか

「ネコ科の動物」の地上絵は約37mの大きさ、線の幅は30cmほどで、ナスカ文明よりもさらにさかのぼったパラカス文明のころの地上絵ではないかと推測されています。新型コロナウイルスで中止となっていたナスカの地上絵観光も2020年11月に再開される予定となっているので、新種の発見の力も手伝って、多くの人々で賑わうことになるのではないでしょうか。

ナスカの地上絵に関するまとめ

今回はナスカの地上絵について紹介しました。

ナスカの地上絵は世界遺産に登録されており、世界中の関心を集める文化遺産でありながら、その歴史的背景については現在でも謎が深まるばかりとなっています。これまでに数多くの研究者が解明を試みましたが、当時の記録文書など確実な証拠となるものが見つかっていないため、真実はつかめていません。その一方で、新たな地上絵を発見する技術は日に日に進化しており、これからも続々と見つかっていくことが期待されますね。

この記事をきっかけにさらにナスカの地上絵に興味を持っていただけると幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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