「アインシュタインの名言が知りたいなぁ」
「アインシュタインの名言にはどんな意味があるんだろう?」
「アインシュタインはこの名言をどんなときに言ったんだろう?」
この記事を読んでいるあなたはこのような疑問を持っているのではないでしょうか。
アインシュタインは20世紀最高の天才でありながら、ユニークでひょうきんな性格も合わさって人気を集めた科学者です。今回はそんなアインシュタインが経験から導き出した名言の数々とご紹介します。
意図と背景もあわせて解説するほか、関連書籍も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
アインシュタインの名言と意図、背景
常識とは、18歳までに蓄積した偏見のこと
Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18.
「常識とは、18歳までに積み重なった偏見の蓄積でしかない」
「常識がない」「常識的にあり得ない」という言葉をよく聞くと思います。ですが、ここで言う常識は具体的に何を指すのでしょうか。
アインシュタインは、常識とは18歳までに経験した「当たり前」の蓄積だと言っています。
アインシュタインと言えば特殊相対性理論ですが、この理論は時間に対する常識を覆しました。普通なら法則の方が間違っているのだろうと考えるのをやめてしまうところを、アインシュタインは「ひょっとして常識の方が間違っているのでは?」と疑って、考え直したところ法則を解き明かせました。
このことから、アインシュタインは未知の分野については、常識は必ずしも通用しないと確信するのです。
確かに常識と一口に言っても、国や宗教、育ってきた環境が変わればその中身は大きく変わります。なにか一つの常識があるのではなく、人の数だけ常識があるのではないでしょうか。そう考えると、常識という言葉はアインシュタインの言う通り、偏見の一種と言えますね。
天才とは特別な人間ではなく、努力した凡人のこと
Genius is the man of average ability who makes an effort.
「天才とは努力する凡人のことである」
アインシュタインは自分は天才と呼ばれるほど頭の良い人間ではない、と自身のことを評価していました。そのため彼は努力を惜しまず、わかるまでやるというスタンスを生涯取り続けます。
アインシュタインの代名詞とも言える相対性理論ですが、これはそんな彼のスタンスから導き出されました。
16歳のアインシュタインにはどうしても解けない疑問がありました。光を背にして鏡をのぞくと、鏡には光が写ります。これは光が鏡に到達して、反射するから起こる現象です。では、光と同じスピードで走った場合光は鏡に写るのか、という疑問です。
通常、いくら考えても答えの出ない疑問は放置してしまうものですが、アインシュタインは上記の疑問を大人になっても考え続けていました。この疑問が、後に相対性理論に繋がるのです。
特別な才能の正体は強い好奇心
I have no special talent. I am only passionately curious.
「私には特別な才能などありません。ただものすごく好奇心が強いだけです。」
まるで天才かのように扱われ、あまりにも違う自身への世間の目にアインシュタインが答えた言葉です。
偉大な科学者として有名なアインシュタインですが、実は子どもの頃はあまり優秀と言えない子でした。ひどいかんしゃく持ちで、気に入らないことがあるとすぐに怒ったそうです。さらに話すのが苦手で、言葉を組み立ててからでないと喋れませんでした。
そんなアインシュタインが科学に興味を持ったのは、父が見せてくれたコンパスです。コンパスの針はいつも南北を向く、これがアインシュタインには不思議でたまらないことでした。科学に興味をもったアインシュタインに、父の弟ヤコブは科学の問題を出してくれ、彼は問題を解く楽しさを覚えました。
また、ある日夕食に招いた医学生タルムードは、アインシュタインの勉強熱心な姿を気に入り、彼にたくさんの難しい数学の本を貸しました。好奇心に突き動かされ、アインシュタインは本を何回も読み、13歳の頃にはタルムードを追い越してしまったそうです。
アインシュタインの豊富な科学知識は、好奇心によって形成されたものでした。
教育とは、学校で習ったことを忘れたあとに残っているもののこと
Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school. The aim must be the training of independently acting and thinking individuals who see in the service of the community their highest life problem.
「教育とは、学校で学んだことを一切忘れてしまったあとになお残っているもの。そして、その力を社会が直面する諸問題の解決に役立たせるべく、考え行動できる人間を育てること。それが教育の目的と言えよう」
アインシュタインは学校で行われる試験勉強のことを、頭にガラクタを詰め込むようなものだと批判しています。勉強とは覚えることではなく、実際に役に立つことが重要だとアインシュタインは考えていました。そのため、教師からするとアインシュタインは不真面目な生徒でした。
アインシュタインは大学の講義にあまり出席せず、興味のある分野だけに熱中していました。偏った勉強をしていたため、物理実験は最低評価の「1」を与えられた一方、興味のある電気技術では最高の「6」を取っています。
極端な成績だったアインシュタインですが、大学卒業後は社会の役に立つ科学論文を発表しています。それができたのはきっと、考え抜いて行動できたからこそなのでしょう。
説明できてはじめて理解できたと言える
If you can’t explain it to a six year old, you don’t understand it yourself.
「6歳の子供に証明できなければ理解したとは言えない」
理解した、と思っていざ誰かに説明しようとしたとき、うまく言葉が出てこなかったという経験はないでしょうか。その理由はもしかすると、理解していない部分があるからかもしれません。
この名言は、理解とは説明できることだと言っています。
自分が理解したかチェックする指標にもなりそうですね。誰かに説明することで、理解が深まるという研究結果もありますので、知識を身につけたい場合は積極的に説明してみましょう。
人生は素晴らしいものと思うことでポジティブに生きられる
There are two ways to live: you can live as if nothing is a miracle; you can live as if everything is a miracle.
「人生には二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。」
簡単に言い換えると、ポジティブに生きるかネガティブに生きるか、という意味です。
なにか一歩でも違えば今のあなたは存在していなかったかもしれません。今あなたが生きて、学校に通ったり、仕事に行けたりするのはすべてなんらかの奇跡が働いた結果、と考えると何気ない日々も大切にできる気がしませんか。
生きていると苦しい状況におかれることもあると思いますが、そんなときこそ「奇跡はある」と信じる方が希望が見えます。
自分の個性を活かそう
A butterfly isn’t a mole. But There wouldn’t be a butterfly which regrets the thing.
「蝶はもぐらではない。でもそのことを残念がる蝶はいないだろう」
蝶はもぐらにはなれず、もぐらは蝶にはなれません。しかし、それを残念に思う蝶ももぐらもいません。なぜなら、それぞれ自分にあった場所を見つけて懸命に生きているからです。人にはそれぞれ、得意なことと苦手なことがあります。
この名言は、苦手なことを克服しようと頑張るよりも、得意なことを頑張ったほうが上達が早いうえに充実した日々を送れる、という意味の言葉です。
実際、アインシュタインは数学や科学などの分野には強かったのですが、暗記は大の苦手でした。また話すことも苦手で、一度言葉を組み立てなければうまく喋れませんでした。そのため、教師からは「アイツは将来ロクな人間にならない」とまで言われます。
ですがアインシュタインは科学という自分にとって夢中になれるものを見つけ、世界的に有名な科学者となりました。