モーツァルトの死因は?合併症?有名な4つの説とその真相を解説

4.ライバル、サリエリの毒殺説

モーツァルトが死去してしばらくたつと毒殺説が出始めた

モーツァルトの死後噂されたのが毒殺説です。モーツァルトの才能に嫉妬して何者かが毒をもって殺害したというのです。その実行犯は、アントニオ・サリエリと噂したといいます。サリエリでないにしても、誰か嫉妬した音楽家が毒を盛ったのではと市民の間で噂になっていったそうです。モーツァルトは死の5か月前に、

「私を嫉妬する敵がポーク・カツレツに毒を入れ、その毒が体中を回り、体が膨れ、体全体が痛み苦しい」

と妻に手紙を送っています。そのために妻が死後に「夫に誰か毒を盛ったのだ」と言ったために噂は広がっていったのです。そしていつしかウィーン宮廷楽長のサリエリが盛ったのだという噂になっていったといいます。

映画「アマデウス」では毒殺と描かれているが…

アントニオ・サリエリ、映画で一躍有名になった人だ

映画「アマデウス」(1984年作)は、サリエリの毒殺説をかいています。物語のあらすじは、モーツァルトの死後にウィーンの新聞で、「サリエリが盗作するために、毒殺したのではないか」とセンセーショナルに書き立てます。サリエリは世間に「宮廷楽長の座に長く居座るためにモーツァルトを毒殺したのだ」といわれるようになるのです。

そしてサリエリが精神病院で余生を送り、「自分がモーツァルトを毒殺したのだ」と告白して生涯を閉じて物語は終わります。

しかし映画の「アマデウス」のような毒殺説は現在ほぼ否定されています。まず、現実では確かにサリエリは噂が元で抑うつ状態にはなっていますが、入院したのは痛風と視力低下のために起きた怪我がもとだったといいます。

サリエリはウィーン宮廷楽長というトップの地位についていた

そしてサリエリは音楽家として成功し、経済的に恵まれ慈善活動に心血を注いでいたといいます。またモーツァルトの作品「魔笛」を高く評価してモーツァルトと親交も持っています。要するにそもそも音楽家として高い地位にいて、非常に高潔な人物であり、モーツァルトともかなり親交があったためにわざわざ毒殺する必要が無いのです。

モーツァルトのお墓問題とは?

モーツァルトの墓問題はしばらくの間問題となった

モーツァルトの死にまつわる話に、もう一つ後世の人を悩ませたものに、お墓問題があります。そこには、モーツァルトの時代の政策「共同墓地」というシステムに起因しています。

共同墓地に埋葬された

現在のウィーン中央墓地

モーツァルトはザンクト・マルクス墓地に埋葬されています。しかし何処に埋葬されているかがわかっていないのです。あまりにもひっそり亡くなって、参列者も無く埋葬されています。

理由はモーツァルトが死去した時代は、オーストリアではお葬式の方法や埋葬方法が見直されている時期でした。参列者をつけずに共同の墓地に数人で埋葬されたので、どこに埋葬されたのかがわからないのです。

モーツァルトが埋葬されたという所にある記念碑

そのため現在ザンクト・マルクス墓地の「モーツァルトの墓とされるもの」は、看守が打ち捨てられた他人の墓の適当に集めて適当に建てたものだといいます。

遺骨が行方不明になる

国際モーツァルテイム財団に頭蓋骨が保管されている

埋葬した場所がわからないために、当然遺骨も行方不明となりました。しかし現在国際モーツァルテイム財団にモーツァルトのものとされる頭蓋骨が保管されています。

これはモーツァルトが埋葬された10年後に、墓地が再利用のために遺骨はわからなくなってしまい、頭蓋骨だけが保管されて所有者を何人か変えた後に1902年に財団に寄付されたというものです。

現在頭蓋骨が保管されているが…

頭蓋骨のDNA鑑定が行われた

モーツァルトの頭蓋骨は2004年にウィーン医科大学が、モーツァルトの親族の発掘許可を得て、問題の頭蓋骨とのDNA鑑定が行われています。しかし結果は、叔母や姪と縁戚関係がない事が判明しています。

ということは別人の遺骨なのか?となってきますが、DNA鑑定をした叔母と姪も縁戚関係がないことがわかり結局信憑性にかけるために遺骨は謎のままとなっています。もしかしたら今後、新たな事実が研究によりわかってくるかもしれません。

モーツァルトの死因に関するまとめ

いかがでしたでしょうか?筆者は実はモーツァルトは毒殺説のイメージが強かったのですが、恐らく間違いで、感染症で亡くなったのだろうということを知り、現在のコロナ感染を思い出し感染症の怖さを感じています。

モーツァルトが本格的に評価されたのが死後だったために、死因や墓の場所がはっきりわかっていないのも残念であるとともに、そこが歴史の面白さともどかしさだなと感じました。これから更に研究が進んで新しい事実がわかるのを楽しみにしようと思っています。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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