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マルクス経済学とは?特徴や批判、資本論について簡単に解説します

「マルクス経済学ってなに?簡単に説明してほしい」
「マルクス経済学ってなんで批判されているの?」
「『資本論』ってマルクス経済学とどう関わってるの?」
「マルクス経済学の現在の立ち位置って?」

マルクス経済学について知りたいと思っているあなたはこのような疑問を持っているのではないでしょうか。マルクス経済学とは哲学的な要素を持つ経済学で、カール・マルクスという人物が書いた『資本論』から発展した学問です。独特な言葉と概念から、理解するには時間をかける必要がある学問でもあります。

『資本論』の著者カール・マルクス

本記事では、そんなマルクス経済学の特徴や批判、現代での立ち位置について簡単に解説します。また、マルクス経済学や資本論を理解する助けとなる本も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

マルクス経済学を簡単に説明すると?

マルクス経済学の元となった『資本論』

マルクス経済学とは、マルクスの著書『資本論』から展開された経済学のこと。『資本論』とは資本主義の構造を明らかにし、資本主義の問題点やその解決方法について記した経済の本です。

マルクス経済学はこの本の内容を基本にしており、『資本論』で十分に説明されなかった点や時代の変化に合わせて、現在まで研究が進められてきました。


マルクス経済学の特徴

マルクス経済学の特徴は労働が価値の基準になっていること

マルクス経済学は、言葉で資本主義経済の大部分を説明しています。そのため、独特な概念や本来の意味とは異なる意味で使っている言葉があります。すべて説明すると長くなってしまいますので、重要な部分に絞って解説します。

労働価値説

労働価値説とは、一言で表すと労働に価値をおく理論のことです。マルクス経済学では、価格ではなく労働で商品の価値を決定しています。価格と価値をイコールで見ているわたしたちにとって、少し受け入れがたい概念ですね。

商品の使用価値と価値

商品には2つの価値がある

マルクス経済学では、商品は「使用価値」と「価値」の2種類の価値に分けられます。

「使用価値」とは役に立つことです。たとえば掃除機なら、床掃除が楽になる、という使用価値を持ちます。わたしたちが一般的に思っている「価値」のことですね。

対して「価値」は「使用価値」のように具体的なものではなく、その商品を作るのにかかった手間を指します。

上記が客観的なものなら、こちらは主観的なものです。何人でどれだけの時間をかけて作ったか、が価値の基準になります。要するに、苦労して作ったものには価値があるということです。

具体的人間労働と抽象的人間労働

手のかかる物は価値が高い

上記で出てきた「使用価値」と「価値」ですが、これを決めるのが労働で、こちらも2種類に分けられます。

「具体的人間労働」は、言葉の通り具体的な労働です。掃除機でたとえるなら、掃除機の部品を作ったり組み立てたりする仕事のことですね。この仕事により「使用価値」が生まれます。

対して「抽象的人間労働」は、単純に仕事をしていることです。

「具体的労働」が掃除機の部品を作ることなら「抽象的労働」はもっとあいまいで、掃除機を作るのにどれだけ時間をかけ何人で作ったかなどです。「価値」はどれだけの人が手を加えたか、を表しますがマルクス経済学ではその手間を「抽象的人間労働」で測ります。

マルクス経済学では、この抽象的人間労働が多くなるほど、「価値」がある商品とみなされます。

貨幣の物神性

絶対的な存在に見えてしまう貨幣

貨幣の物神性とは、交換の手段に過ぎなかったお金がまるで神のような絶対的なものとして見えてしまうことです。

大昔、人は物々交換でほしいものを手に入れていました。しかし人によって物の価値は違い、物々交換では互いの意見が合わなければ交換できません。そこで登場したのがどのような商品とも交換可能な貨幣です。

貨幣は商品の価値をわかりやすく表現し、これによって人々は必要なときにほしい物を手に入れられるようになりました。お金で商品が交換できるという、人々の信頼があって初めて価値を持つのが貨幣です。

しかし次第に、お金がすごいものだから他の商品の価値を測れるのだと思うようになってしまいます。貨幣を絶対的なものとみなしてしまうこの現象を、マルクスは貨幣の物神性と呼びました。

剰余価値と搾取

資本家が貨幣を得るには必要以上に労働者に働いてもらわなければならない

剰余価値は、上記の労働価値説を元にしています。価値とは労働のことを指すとお話しました。マルクス経済学では労働には「必要労働」と「剰余労働」という2つの種類があります。

「必要労働」とは、給料分の価値を生み出すことです。提供した労働力と支払われるお金が同等になる時間を指します。

対して「剰余労働」とは、資本家の利益のために働く時間のことです。資本家は、労働者が労働力以上の価値「剰余価値」を生み出してくれなければ食べていけません。

より具体的に言うと、労働者に日給7000円の労働力を支払い、生まれた商品を10000円で売るとすると、余った3000円が剰余価値として資本家の手に渡るということです。この余った3000円を貯めていくと資本家はさらなる利益のために機械を買って生産力を上げます。

一見良いことのように思えますが、機械によって生産力が上がると前ほど労働者がいらなくなり、労働者の価値が下がります。それが繰り返されると、資本家は利益を最大化するため、労働者をより悪い条件で働かせ、さらなる富を得ます。

この状態を、マルクス経済学では労働者が資本家に搾取されているとしました。

史的唯物論

歴史的に見ると、社会の移り変わりの節目に革命が起こっている

資本家による搾取と労働者の条件の悪化。これの解決法としてマルクスは史的唯物論という歴史観を唱えました。マルクスはこの史的唯物論で、人間社会の歴史は生産力と生産関係の矛盾を基礎においた階級闘争の歴史と捉えます。

簡単に言うと、人間の歴史は奴隷制→封建制→資本主義と変化してきましたが、これは各社会の形の中で無理がきた結果、今までの生産関係が維持できなくなったからです。資本主義社会の場合は、この「無理」が労働者の悪条件になります。

資本家はさらなる利益を得るために、労働者に無理難題を押し付けます。そのうち労働者は我慢できなくなり、革命を起こして次の社会主義(財産の私有を禁止し、国で管理すること)へと変化するだろうと、マルクスは『資本論』の中で言いました。

要するに、労働者らが起こす革命が資本主義の問題を解決するということです。

近代経済学との違い

近代経済学は非マルクス経済学とも呼ばれる

マルクス経済学と近代経済学の大きな違いは、分析の方法と対象です。

近代経済学とは、マルクス経済学以外の経済学を指す言葉です。代表的なものを挙げると、国家の経済を分析したマクロ経済学とわたしたちの生活の経済を分析したミクロ経済学があります。

近代経済学は統計学などの数学を用いて経済を分析することに重きを置いているのに対し、マルクス経済学は理論を用いて資本主義を分析しています。また、資本主義はありかなしかを問うのも特徴です。

まとめると、コンピューターやデータを用いて分析するのが近代経済学で、理論で資本主義の本質を捉えるのがマルクス経済学です。

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