コロンブスの航路をわかりやすく解説!開拓の経緯や与えた影響も紹介

新航路の開拓が与えた3つの影響

1.インディオの文明が滅ぼされた

コロンブスの新航路開拓によりヨーロッパ人たちがアメリカ大陸に進出し、インディオの諸文明を滅ぼしました。

最後のインカ皇帝アタワルパの死

コロンブス到着以前、アメリカ大陸にはインディオ(インディアン)が独自の文明社会を作っていました。北アメリカにインディアンの諸部族、メキシコ高原にはアステカ王国、ユカタン半島にはマヤ文明、ペルーにはインカ帝国がそれぞれ存在していたのです。

コロンブスが新航路を開拓して以後、スペインから数多くの征服者たちがアメリカに進出します。そして、アステカ王国やマヤ文明、インカ帝国を次々と滅ぼしていきました。北アメリカのインディアンたちはイギリス系入植者たちに土地を奪われ、やがてアメリカ合衆国により僻地に追いやられました。

2.銀がヨーロッパに流入し価格革命のきっかけをつくった

大量の銀を産出したボリビアのポトシ銀山

スペインが征服したラテンアメリカから大量の銀がヨーロッパにもたらされました。その結果、ヨーロッパで銀価格が下落し物価が2倍から3倍に急騰します。この現象を価格革命といいました。急激なインフレは銀で農民たちから地代を受け取っていた領主たちを直撃し、彼らの没落を早めます。

また、同じころヨーロッパでは急激な人口増加がおきていました。銀価格の下落と穀物不足により穀物価格が急騰します。すると、南ドイツの銀山を支配していたドイツの豪商フッガー家などが没落します。安い銀の流入で経営が成り立たなくなったからでした。

3.大西洋三角貿易が始まった

大西洋三角貿易

コロンブスによって発見された新航路は、ヨーロッパを中心とする大西洋三角貿易を成立させました。大西洋三角貿易とは、ヨーロッパとアフリカ(特に西海岸)、アメリカ大陸を結ぶ貿易のことです。

まず、ヨーロッパ人たちはアフリカ向けの嗜好品や武器を積み込みました。アフリカについた彼らは沿岸の部族に武器を売却。かわりに、彼らが戦争でとらえた他の部族の人々を奴隷として購入します。そして、ヨーロッパ人たちは黒人奴隷を満載してアメリカ大陸に向かいました。

奴隷船から黒人奴隷たちを運び出す様子

アメリカ大陸では、インディオたちを滅ぼしたスペイン人などが大農園や鉱山を経営しています。ところが、彼らがあまりにインディオたちを過酷に扱ったため人口が急減。労働人口が不足していました。それを補うため、アフリカから黒人奴隷が“輸入”されたのです。奴隷を売却した彼らは砂糖やタバコ、金銀などを積んでヨーロッパに帰り、大きな利益を上げました。

航路開拓を可能にした2つの自然条件

コロンブスによる西廻り航路が開拓可能だったのは、「風」と「海流」という2つの自然条件に恵まれたからです。風は貿易風と偏西風、海流は北赤道海流とメキシコ湾流がそれぞれ航路開拓に大きな影響を与えました。

条件1:風

アフリカ大陸最西端のヴェルデ岬

コロンブスが新航路を開拓した大航海時代、船といえば帆船でした。そのため、その主な動力である風の向きは極めて重要です。コロンブスがアフリカ西端のヴェルデ岬から大西洋に向けて出港するとき、その背中を押してくれたのが貿易風(南東貿易風)でした。

貿易風に乗ったコロンブスの船隊は大西洋を西に向けてひた走ります。カリブ海に到着したコロンブスにとって、帰りに背中を押してくれる風は偏西風です。この風に乗り、荷物を満載した船はヨーロッパに向けて航行しました。この二つに風はエンジンの役割を果たします。

条件2:海流

世界の主な海流

風と並んで航海に大きな影響を与えたのが海流です。リスボンを出発したコロンブスの艦隊は、アフリカ西岸に沿って流れるカナリア海流にのってヴェルデ岬まで到達します。そこから今度は北赤道海流にのってカリブ海を目指しました。

カリブ海からの帰路で役に立ったのはメキシコ湾流です。この海流に乗ると大西洋を北東に進めます。しかも、メキシコ湾流の先端部分は北大西洋海流としてヨーロッパ西岸に達していたため、これらの海流はそのまま大西洋三角貿易で利用されました。

コロンブスの航路に関するまとめ

いかがでしたか?今回は、コロンブスが見つけた航路について解説しました。

コロンブスが西に向かったのは、インドに早く到達できると考えたからだったのですね。結果的にコロンブスの目論見は外れましたが、彼が開拓した航路は大西洋三角貿易のルートとして活用され、ヨーロッパの歴史に大きな影響を与えました。

また、コロンブスが新航路開拓に成功できたのは、風と海流という自然条件を味方につけられたからです。船乗りとして豊富な経験を持っていたコロンブスは、アメリカ到達を単なるまぐれにせず、安定した新航路にできると確信したのでしょう。

読者の皆様が、コロンブスの航路に関し「そうだったのか!」と思えるような時間を提供できたら幸いです。

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