10位:舟を編む
読んでみて
2012年の本屋大賞受賞作です。玄武書房の営業部から辞書編集部に異動になった馬締。馬締が辞書編集部のメンバーと一緒に新しい辞書「大渡海」の編纂に挑みます。
辞書編集部の辞書にかける熱い思いや苦悩などが描かれており、ラストは胸にこみあげるものがありました。また、辞書編集部は個性豊かな人が多く、馬締が主人公のはずですが、他の登場人物が繰り広げるストーリーからも目が離せません。
最後まで読めば、作者が「舟を編む」というタイトルを着けたことにも納得するはずですよ。
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9位:阪急電車
読んでみて
片道たったの15分という阪急今津線を舞台にした小説で、偶然乗り合わせた人たちの人生の一幕が描かれています。全16話で、一つ一つにそれぞれ乗客の出会いや恋、その人の生き様があり、どの話も爽やかで読後感のいい作品でした。
最近は電車の中でみんな下を向いてスマホを見ていますが、この本を読むと顔を上げて、周りの人にもそれぞれに物語があるんだなと優しい気持ちになれる作品です。250ページ程度と読みやすい作品ですので、本が苦手な人にもおすすめです。
機会があれば、阪急電車に乗りながら、この本を読むというのもいいかもしれませんね。
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8位:十角館の殺人
読んでみて
大学のミステリー研究会に所属する7人のメンバーがサークル活動の一環として、十角形の館が建つ孤島で合宿することになりました。翌日、メンバーの一人が変わり果てた姿で発見され、一人また一人と被害者が増えていきます。
一体だれが犯人なのか、ハラハラドキドキの展開で一瞬たりとも目が離せません。小説の終盤、たった一行の文章で、ここまで物語をひっくり返せるのかと思う、大どんでん返しは見ものです。
私はこの本がきっかけでミステリー小説が好きなりました。ぜひ一度読んでみてください。
みんなのレビュー
十角館の殺人/綾辻行人#読了
あの1行がヤバかった。衝撃のあまり一瞬固まってしまった。
終わり方もすごいよかった。
あまりにも素晴らしいから車校の勉強忘れて読んでまった😅
なんでもっと早く読まんかったんやろ…
そう思うくらいすごくいい作品やった😆— おたうふ@読書垢 (@RiraTaufu) April 16, 2021
7位:植物図鑑
読んでみて
家の前で倒れていた、家事が万能で重度の植物オタクの樹を、とある理由から拾ったさやか。名前しか知らされないまま、さやかと樹の一風変わった同居生活が始まるのでした。
2人は週末になると樹の趣味の野草採取に出かけ、採った野草を使った料理を樹が作るというなんともほのぼのした甘い恋模様が描かれています。普段何気なく歩いている道に咲く草花に目を向けてみたくなる作品でした。
また、樹が作中で作る野草を使った料理のレシピが巻末についているため、気になる方は作ってみてはいかがでしょうか?
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6位:夜は短し歩けよ乙女
読んでみて
大学生の「先輩」が好きになった、後輩「黒髪の乙女」とお近づきになろうと、偶然を装って出会いを演出するという物語。先輩の必死さとそれに気づかず、マイペースで我が道を行く後輩の姿がおもしろくページをめくる手が止まりませんでした。
2人が出会うまでに毎回変わった事件に巻き込まれ、その事件がまた馬鹿らしくて笑ってしまいます。京都が舞台で実在する地名が出てくるため、知っている人はより楽しめるかもしれません。
巻末にある「3月のライオン」で有名な羽海野チカさんのイラストも必見です。
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5位:風が強く吹いている
読んでみて
箱根駅伝を走りたい灰二(ハイジ)が天才ランナーの走(カケル)と出会ったことで物語は動き始めます。陸上未経験者を含む、寄せ集めの10人のメンバーで箱根駅伝を本気で目指す物語。
読んでいる間、本当に楽しくてこの物語が終わらないでほしい、ずっと10人の物語を読んでいたいと思わせるほどおもしろい作品です。駅伝では10人が一つの襷(たすき)を繋いでいきますが、10人それぞれにドラマがあり、こちらまで熱い気持ちになってしまいました。
この本を読めば、あなたもきっと走り出したくなります。
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4位:人間失格
読んでみて
太宰治の「走れメロス」や「斜陽」に並ぶ代表作の一つ。他人の前ではおもしろおかしく道化を演じるばかりで、本当の自分を見せることのできない男の人生を描いた物語。
最初は少し読みにくい印象もありましたが、自己肯定感が低く生きづらそうな主人公を見ていると、他人ごととは思えませんでした。描写がリアルで、共感できるところもありますが、共感したくないと思うほどに人間の生々しさが描かれています。
太宰治の代表作をぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか?
みんなのレビュー
人間失格/太宰治 #読了
自死を意識しながらのこれほどの描写
人間不信と自己批判ゆえの人生
自ずから不幸に突き進む彼を作中の女性同様きっと私も放って置けなかっただろう最後のマダムの一言で、ない交ぜになった感情が込み上げ失格と烙印を押した彼を偲んでいた
あるいは筆者に対する感情なのか pic.twitter.com/1NS4s5TOjv— 🍓いちごのいちこ (@ichiko_niko_san) May 15, 2020
3位:嫌われる勇気
読んでみて
欧米で絶大な人気を誇るアドラー心理学は「人はどうすれば幸せに生きられるのか」という問題に対して、シンプルにかつ具体的に答えてくれます。そんなアドラー心理学について、人生に悩む青年と哲人との対話という形で物語は描かれています。
私はこの本を読んで生きるのが少し楽になりました。本に書いてあることをすべて実践することは難しいですが、それでも、この本に書かれている考え方や価値観は、非常に新鮮で興味深かったです。
この本には「すべての悩みは対人関係の悩みである」と書かれていますが、読み終えたとき、その理由と本当の言葉の意味がわかると思います。
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2位:夢をかなえるゾウ
読んでみて
主人公は人生を変えようと何かを始めますが、全く続かないしがないサラリーマン。そんな主人公の元にある日突然「ガネーシャ」と名乗るゾウが現れ、主人公に自分が出す簡単な課題をこなせば、お前は絶対に成功すると言い放つのでした。
自己啓発本を小説に落とし込んでいるため、読みやすく、内容が理解しやすいです。また、小説としてもおもしろく、主人公とガネーシャの掛け合いには何度も笑わされました。
これから社会にはばたく大学生や、何かを変えたいと思うあなたに読んでほしい作品です。
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1位:何者
読んでみて
直木賞受賞作で2016年には映画化された話題作です。ふとしたことから5人の大学生が就活対策として集まることになりました。初めは互いに情報を交換し、励まし支え合っていた5人でしたが、SNSや面接などで漏れる本音から、5人の関係は少しずつ変わっていきます。
現代のSNSや就活をテーマにした作品で、まさに自分のことを言われているようなグサッとくるセリフもありました。5人の言葉それぞれに何か気づかされるようで、読み終えたとき自分の考え方が少し変わるかもしれません。
これから就活を控える大学生にこそ読んでほしい小説です。
みんなのレビュー
就活を経験したことのある人なら自分と重ねて読んでしまうかもしれない。自分の詰まらぬプライドと対面することになる。久しぶりに引き込まれるように小説を読んだ。三浦大輔さんのクリエイター目線のあとがきも面白かった。
読書メーター
まとめ
いかがでしたでしょうか?何か一冊でも読みたい本が見つかりましたか?
今回は大学生におすすめの本を30冊ご紹介しました。読書好きの私が特におすすめの小説を選びましたので、どの本を読んでも退屈することはないと思います。
読書が好きな人も苦手な人もまず、自分の気になった本をぜひ手に取って読んでみてください。読書は自分の世界を大きく広げ豊かにしてくれます。
大学生のうちに読んだ本はきっと将来、あなたの糧となってくれるはずです。