「坊っちゃん」や「吾輩は猫である」などの作品を発表し、歴代の千円札の顔にもなった夏目漱石。実は、彼は49歳という若さで亡くなっています。
夏目漱石は、幼い頃より病気がちで、多くの通院歴がある人物でした。そして、医者からの禁止令を受けても、ジャムやアイスクリームをやめられなかったという、大の甘い物好きでもありました。
結果的に、この食生活も要因となり命を落とすのですが、死に至るまでにはさまざまな出来事があったのです。今回は、日本を代表する作家夏目漱石の死因や、死因につながったと言われるピーナッツの秘密、彼の最後の様子も含めてご紹介します。
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夏目漱石の死因とは?
夏目漱石は、1867年2月9日に生まれ、1916年12月9日に亡くなりました。実は作家としての人生は短く、10年ほどしかありませんでした。
死因は胃潰瘍による内出血。原因はピーナッツだという話が有名です。
死因は胃潰瘍による内出血
夏目漱石の死因は、胃潰瘍によって引き起こされた腹部の内出血でした。胃潰瘍の原因は、過食や糖分の過剰摂取、ストレスが挙げられています。
現代の医学では、胃潰瘍で亡くなることは極端に少なくなっています。しかし、夏目漱石が生きたのは明治時代。当時は医療が未発達であり、胃腸薬がようやく普及していた時代だったのです。
実際に、夏目漱石も「タカジアスターゼ」という胃腸薬を服用していました。この描写は、彼の処女作である「吾輩は猫である」の中にも登場しています。
胃潰瘍によって、太い血管に穴が開くと、大量出血を起こして手術が必要です。しかし、残念なことに当時は医術の発展が乏しく、夏目漱石は命を落としてしまいました。
過去に5度の胃潰瘍を経験
夏目漱石は死に至る以前にも、5度の胃潰瘍を経験しています。もともと神経質な性格で知られ、ストレスにも過敏だった故に、度重なる胃潰瘍での通院を余儀なくされました。
特に有名なのは、1910年の入院の際です。「門」を執筆中に胃潰瘍を発症し、入院を経験しています。退院後に療養先で大量の吐血、なんとその量は800ccだったと言われています。
その後もストレスや糖分の過剰摂取をやめられずに、入退院を繰り返していました。
胃潰瘍の原因はピーナッツの食べすぎ?
ピーナッツは、食物繊維が多く、消化に時間がかかる食べ物です。食べ過ぎは消化不良を招き、腹痛や下痢を引き起こす危険性があると言われています。
もちろん、あくまで「食べ過ぎはよくない」というだけですが、夏目漱石はピーナッツが大好きでした。加えて、大の甘党であった彼は、ピーナッツの砂糖菓子もよく食べていたそうです。
胃潰瘍を繰り返し患っていた夏目漱石にとって、ピーナッツの摂りすぎは控えるべきだったのですが、それができませんでした。胃には常に負担がかかり、ある時ついに限界が来てしまいます。
ある日、夏目漱石はピーナッツを口にした晩、突然腹部の内出血を起こして意識を失ったのです。そして、そのまま亡くなってしまったことで「夏目漱石の死因はピーナッツの食べすぎ」だと噂されました。