代表的な花魁言葉一覧と変換
花魁言葉の代表的な言葉を10単語紹介します。
花魁言葉 | 現代語 |
---|---|
あちき・わちき・わっち | 私は~ |
ありんす・ござりんす | ~です |
ござりんせん | ~ではありません |
よたろう | このやろう(客をなじる言葉) |
主(ぬし) | お客さん |
しわ虫太郎 | ケチな客 |
ぞっとする | タイプのお客を見つけた |
おがむによ | お願いします |
いい雨だっけね | 早く帰ってください |
ほんだんすかえ | 本当ですか |
「わっち」や「ありんす」という言葉は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?特に「ありんす」は「ありんす詞」といわれるほど、花魁言葉を象徴する言葉です。また「しわ虫太郎」など悪口は隠語で表現していました。
今も残っているけど、意味が違う言葉に「ぞっとする」や「主(ぬし)」が特徴的です。現在では「ぞっとする」は「恐ろしい目にあった」という意味で使用しますが、花魁言葉では「タイプのお客を見つけた」という意味でした。また、「主」も現在の「主人」という意味ではなく、お客さんを表す言葉だったのです。
現在も残る5つの有名な花魁言葉
花魁言葉の中には、現在も使用している言葉もあります。そんな今も使用している花魁言葉を紹介します。きっとこんな言葉も?と驚くものもありますよ。
遣り手
遊郭で客と遊女の取り持ちや、遊女の監督する女性を「遣り手」といいました。現在でも腕前が良い人の事を「あの人は遣り手だ」といいますが、これは遊女を切り盛りしている「遣り手婆」がいつしか、仕事がさばける人を表す言葉となったのです。
あがり
現在お寿司屋でお茶を「あがり」といいますが、これはお茶を表す「上がり花」から来ています。遊郭では暇を持て余している遊女がお茶を挽く習慣があったために、お茶は縁起が悪いものと考えられていました。
そのためお客様に最初に出すお茶を「お出花」、最後に出すお茶を「上がり花」といっていたのです。それが短くなって「あがり」となり、現在ではお寿司屋さんで使う専門用語となりました。
お手元
お箸を「お手元」というのも花魁言葉が起源という説があります。花柳界で「端(はし)」は縁起が悪いために、「箸」を「お手元」と表現しました。
同じ発音である「箸」は避けられて、端の反対である「手元」から「おてもと」になったといいます。縁起の悪い音を避け、反対の言葉で表現するのも花魁言葉の特徴といえるでしょう。
えて
現在でも猿を「えて」といいますが、これも花魁言葉が起源です。遊郭で「猿」は「去る」を連想するために、縁起が悪いとされました。当時の悪い音を避け反対の言葉で表現する風習から、「去る」の反対の意味である「得る」から「えて」と呼ぶようになったのです。
野暮
花魁言葉で「野暮」は「センスのない、ダサい客」を意味します。現在でも「聞くだけ野暮だ」など、同じように「ダサい、融通が利かない」などのニュアンスで使われているのです。服装があか抜けない人のことを「野暮ったい」といいますが、語源は花魁言葉から来たのではないかといわれています。
花魁言葉に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?今回花魁言葉に焦点を置いて見てみましたが、「その言葉、花魁言葉が由来だったんだ!?」と思う言葉も多かったのではないでしょうか。筆者も多くの言葉が今も使用されていることに驚いた執筆でもありました。
負の部分も多い吉原遊郭ですが、良くも悪くも影響を多く与える存在だったことが分かったような気がしています。今でも花魁を題材にしたお祭りや撮影などがありますが、花魁を知るのにこの記事が役だったならば嬉しく感じます。最後まで読んでいただきありがとうございました。