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花魁言葉とは?有名な廓言葉とその変換を一覧で紹介【意味や成り立ちも解説】

「花魁言葉ってどんな言葉?」
「花魁言葉が語源の言葉が多いって本当?」

花魁言葉とは、花魁を含めた遊郭の遊女が使用していた言葉です。そのため別称で「廓詞(くるわことば)」や「廓言葉(かくことば)」とも呼ばれています。

花魁を含めた遊女たちが「廓詞」を使用していた
出典:Wikipedia

テレビや漫画で見る機会が増えた花魁言葉ですが、なぜ遊郭では独特な言い回しを使用したのか?など詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。花魁言葉が使用されるようになったのには、遊郭の背景が関わっていたり奥が深い理由があります。

この記事ではそんな「花魁言葉(廓詞)」の起源や歴史、代表的な用語まで幅広く紹介します。

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花魁言葉(廓言葉)とは?

遊女たちの使う「ありんす」はもっとも有名な廓詞だ
出典:Wikipedia

花魁言葉とは、花魁が話した独特な言葉を表します。広義では花魁を含めた遊郭の遊女が使う言葉を表し、「郭詞」とも呼ばれています。また「ありんす詞」「里詞」とも呼ばれており、理由は遊女の言い回しの一つに「ありんす(あります)」という言葉があり、遊郭のことを「ありんす国」と呼ぶなど遊女を表す代名詞的な言葉のために付けられました。

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花魁言葉はなぜ生まれた?

遊郭では多くの女性が地方出身者だった

花魁言葉が生まれた理由は、遊女たちの素性を隠すのが目的でした。遊郭に身を投じる遊女は花魁を含めて、多くは貧しい地方の農村から売られてきた女性たちです。そのため地方出身者の訛りや方言を隠すため使われ、遊女たちは廓詞を徹底的に身につけることにより、上品で艶っぽく言えるようにしたのでした。

その中でも特に花魁は、理想の女性として高嶺の花的な存在を演出しなければならず、自分の出身地を隠す必要がありました。そのため廓詞を巧みに使い男性に幻滅されないようにし、艶やかな詞で虜にしていったのです。

花魁言葉の歴史

花魁に扮する女性、花魁言葉も時代によって変化してきた
出典:Wikipedia

花魁言葉も時代によって少しずつ変化していき、江戸後期の方が吉原遊郭独特の言葉というニュアンスが強く感じられるようになっていきます。大きく時代は、

  • 江戸前期(明和・安永など)
  • 江戸中期(天明・寛政など)
  • 江戸末期(文政・天保など)

の3つにわけられ、特徴は江戸前期の言葉よりも江戸中期、後期と下っていくにつれて響きが洗練されていきます。また京の廓詞が入ってきたりと流行もあったようです。

京都の島原遊郭の画、言葉の影響を吉原遊郭に与えたといわれる
出典:Wikipedia

例えば江戸初期の「いらっしゃいませ」を意味する「ゆきなんせ」「きなんせ」という言葉は、江戸中期には「きなんし」「おいでなんし」となり、中期から後期にかけては「おいでなんしぇ」「きなんしぇ」となり「おざんす」となりました。「ん」の音便を使うのが吉原遊郭で使われる言葉の特徴になっていきます。これは京言葉の影響であるだろうと考えられているのです。

代表的な花魁言葉一覧と変換

花魁達が使っていた言葉を一部紹介
出典:江戸ガイド

花魁言葉の代表的な言葉を10単語紹介します。

花魁言葉現代語
あちき・わちき・わっち私は~
ありんす・ござりんす~です
ござりんせん~ではありません
よたろうこのやろう(客をなじる言葉)
主(ぬし)お客さん
しわ虫太郎ケチな客
ぞっとするタイプのお客を見つけた
おがむによお願いします
いい雨だっけね早く帰ってください
ほんだんすかえ本当ですか

「わっち」や「ありんす」という言葉は、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?特に「ありんす」は「ありんす詞」といわれるほど、花魁言葉を象徴する言葉です。また「しわ虫太郎」など悪口は隠語で表現していました。

「ぞっとする」の語源はタイプのお客を見つけたという意味だった

今も残っているけど、意味が違う言葉に「ぞっとする」や「主(ぬし)」が特徴的です。現在では「ぞっとする」は「恐ろしい目にあった」という意味で使用しますが、花魁言葉では「タイプのお客を見つけた」という意味でした。また、「主」も現在の「主人」という意味ではなく、お客さんを表す言葉だったのです。

現在も残る5つの有名な花魁言葉

花魁言葉は現在に残っている言葉も多くある
出典:Quora

花魁言葉の中には、現在も使用している言葉もあります。そんな今も使用している花魁言葉を紹介します。きっとこんな言葉も?と驚くものもありますよ。

遣り手

左が遣り手の女性、年季を勤め上げた人などがなった
出典:Wikipedia

遊郭で客と遊女の取り持ちや、遊女の監督する女性を「遣り手」といいました。現在でも腕前が良い人の事を「あの人は遣り手だ」といいますが、これは遊女を切り盛りしている「遣り手婆」がいつしか、仕事がさばける人を表す言葉となったのです。

あがり

現在もお寿司屋でお茶を「あがり」という

現在お寿司屋でお茶を「あがり」といいますが、これはお茶を表す「上がり花」から来ています。遊郭では暇を持て余している遊女がお茶を挽く習慣があったために、お茶は縁起が悪いものと考えられていました。

そのためお客様に最初に出すお茶を「お出花」、最後に出すお茶を「上がり花」といっていたのです。それが短くなって「あがり」となり、現在ではお寿司屋さんで使う専門用語となりました。

お手元

お箸は「端(はし)」を連想するために「おてもと」と呼んだのが起源だという
出典:Wikipedia

お箸を「お手元」というのも花魁言葉が起源という説があります。花柳界で「端(はし)」は縁起が悪いために、「箸」を「お手元」と表現しました。

同じ発音である「箸」は避けられて、端の反対である「手元」から「おてもと」になったといいます。縁起の悪い音を避け、反対の言葉で表現するのも花魁言葉の特徴といえるでしょう。

えて

現在も猿を「えて」というのは花魁言葉から来ていた

現在でも猿を「えて」といいますが、これも花魁言葉が起源です。遊郭で「猿」は「去る」を連想するために、縁起が悪いとされました。当時の悪い音を避け反対の言葉で表現する風習から、「去る」の反対の意味である「得る」から「えて」と呼ぶようになったのです。

野暮

花魁と釣り合う男性は「野暮ったくない」必要があった
出典:京都の花魁体験studioあられ

花魁言葉で「野暮」は「センスのない、ダサい客」を意味します。現在でも「聞くだけ野暮だ」など、同じように「ダサい、融通が利かない」などのニュアンスで使われているのです。服装があか抜けない人のことを「野暮ったい」といいますが、語源は花魁言葉から来たのではないかといわれています。

花魁言葉に関するまとめ

いかがでしたでしょうか?今回花魁言葉に焦点を置いて見てみましたが、「その言葉、花魁言葉が由来だったんだ!?」と思う言葉も多かったのではないでしょうか。筆者も多くの言葉が今も使用されていることに驚いた執筆でもありました。

負の部分も多い吉原遊郭ですが、良くも悪くも影響を多く与える存在だったことが分かったような気がしています。今でも花魁を題材にしたお祭りや撮影などがありますが、花魁を知るのにこの記事が役だったならば嬉しく感じます。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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