日本にあるカルト村「ヤマギシ会」とは？結婚・性事情など実態を紹介

ヤマギシ会が起こした事件は？

独特な生活を送るヤマギシ会ですが、これまでに事件も起こしているようです。ここではヤマギシ会が起こした事件を紹介します。

山岸会事件

1958年に山岸会が会員を増やすために、偽の電話や電報を打ち家族を呼び寄せて強制受講させた事件です。そして「家族が監禁されて講習を受けさせられている」という訴えが多く出てきて、山岸会幹部9名が逮捕されています。そして山岸巳代蔵にも逮捕状が出て、9か月間逃亡の末に逮捕されました。

この事件により「山岸会」は有名になり、「謎めいた思想集団」「謎の革命集団」とメディアに取り上げられたといいます。山岸会事件の影響から村も財政が逼迫し、構成員が出稼ぎに出る事態となりました。1961年に逮捕者14名に禁固1年〜10か月、執行猶予2年の判決が下っています。

被害者による内部告発

1994年にヤマギシ会の元会員が「ヤマギシを考える全国ネットワーク」という被害者団体を設立し、ヤマギシ会内での子供への虐待を告発しました。内容はヤマギシズム学園に在籍している学生は自我を取り除くために過酷な体罰を受けており、拘禁・暴行・正座が日常的に行われていました。

内容は「包丁を突きつけられた」「熱湯をかけられた」「竹刀で殴られた」などで、告発内容はテレビでも話題になり問題となっています。

ヤマギシ会の財産返還訴訟の問題

1995年以降、元会員が財産の返還を要求する裁判が行われるようになりました。最高裁はヤマギシ会が脱退時に財産を没収することに対し「脱会を困難にさせるための手段としか考えられない」とし、ヤマギシ会に1億円減額した金額を支払うように命じ敗訴となっています。現在は退会者に、わずかに支度金を渡すようになったそうです。

ヤマギシ会として有名な人物や現在の様子

独特なコミュニティーを形成しているヤマギシ会ですが、ヤマギシ会出身の有名人はいるのか？また、現在はどういった活動しているのか解説していきます。

ヤマギシ会として有名な人物

ヤマギシ会出身の有名人は以下の通りです。

• 新島淳良
• 島田裕巳
• 髙田かや

宗教学者で元早稲田大学教授の新島淳良さんは、「ヤマギシズム学園」設立に関わった人物で、ヤマギシ会の広告塔的な存在の人物でした。また、宗教学者で大学教授の島田裕巳さんもヤマギシ会に在籍していた時期があります。そして「カルト村で生まれました。」の著者・髙田かやさんは、ヤマギシ会の実顕地で育っていますが、19歳頃にヤマギシ会を脱会しています。

ヤマギシ会の現在の様子

原始共産制による農業・牧畜を基盤にユートピアを目指す団体のヤマギシ会ですが、現在は日本以外にアメリカや韓国・ブラジル・スイス等にも進出し規模を拡大しています。しかし1990年代の「ヤマギシを考える全国ネットワーク」が創設されたことと、オウム真理教の事件が注目されたことにより、以前よりも講習の参加者は減少傾向にあるそうです。

そこで現在は新しい参加者を増やすよりも、現在の参画者の減少を減らそうとする対策の方に力を入れているといいます。そして外部からの批判を受け、学校に通う子供は朝食を取れるようになり、月に1万円の小遣いが支給されるようになったそうです。また脱会者の返金も、出資金に合わせて生活準備金を用意するようになったといいます。

日本にあるカルト村を扱った作品

カルト村で生まれました。

一躍カルト村の存在が有名になった本です。難しい文章ではなく、漫画であることも読者が読みやすい理由の一つといえます。筆者が過ごした体験談は、可愛らしい絵で描かれているので内容はすごいのですがサクサクと読むことができます。

なぜ人はカルトに惹かれるのか 脱会支援の現場から

カルト脱会を支援している著者が、どうして信者は依存してしまうのか、どうすれば脱会できるのかなどを書いた本です。長らくカルトと向き合ってきた著者の、心の葛藤への手助けや考え方のコツなどを紹介してもらえます。カルト問題に関わらず、全ての問題においても応用が効く内容です。

日本にあるカルト村に関するまとめ

いかがでしたでしょうか？日本にカルト村と呼ばれる場所があることは、まだまだ知らない人も多いのかもしれません。しかしこういった問題が同じ日本で起きているという事実は、やはり知っておいた方が良いのではないでしょうか。この記事を読んで、新しく知ったことが増えたという人がいたら非常に光栄に思います。最後までお読みいただきありがとうございました。