「投資詐欺ってどういう詐欺なんだろう?」
「過去に起きた有名な投資詐欺事件を知りたい」
ニュースでよく耳にする投資詐欺について、このようにお考えではないでしょうか。
投資詐欺とは一言でまとめると、「絶対に儲かる」「あなただけの情報です」と謳いながら、投資商品に関する虚偽の情報を提供し、金銭をだまし取る詐欺のことです。手口が非常に巧妙で、1件あたりの被害額が大きいことが特徴です。
この記事では、投資詐欺とはどのような詐欺なのかを解説します。また、国内外の有名な投資詐欺事件を取り上げ、その手口や被害について深掘りしていきます。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
投資詐欺とは
投資詐欺とは、架空または適切な価値がない投資商品について、絶対に儲かるなどといった虚偽の情報を提供し、消費者から資金をだまし取る詐欺のことです。未公開株や外国通貨、権利など様々な商品が対象となります。投資詐欺は、刑法第246条の詐欺罪に該当する犯罪行為です。
高齢者を中心に、毎年多くの投資詐欺被害が出ています。警視庁が出している統計によると令和2年の被害状況は、被害件数が58件、被害総額が4億1,626万円にものぼりました。1件あたりの平均で考えてみると、約700万円と非常に高額な被害であることが分かります。
投資詐欺被害にあわないためには、「絶対に儲かる」や「ここだけの情報」といった勧誘の言葉を安易に信用しないことが大切です。また、証券会社、金融商品取引業者が実在するのかきちんと確認することも重要です。万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合は、すぐに弁護士や消費者センターなどに相談するようにしましょう。
投資詐欺の種類
つぎに、代表的な投資詐欺の型を4つご紹介します。
劇場型
劇場型とは、同一の詐欺業者が複数業者を装う形で、投資商品を勧める手口です。複数の人物が登場し、まるで演劇のようなストーリーであることからこの名前が付けられています。
具体例をあげて説明すると、投資商品の販売業者A社と、買取業者B社があったとします。実はこの2つの業者は、同一グループの詐欺業者であり、A社が架空の投資商品の販売を行い、B社がそれを高額で買い取る場面を消費者に見せることで、あたかも絶対に儲かるという信用を与え、購入させるといった手口があります。
被害回復型
被害回復型とは、過去に何らかの詐欺被害を経験したことがある消費者に対して、その被害を回復できるような話しを持ちかけ、その条件として、詐欺商品の購入や手数料等の支払いを求める手口です。被害者の被害を取り戻したいという心理につけ込んだ悪質な詐欺です。
詐欺業者の間では、詐欺被害にあったことがある被害者のリストが出回っていることがあります。そのため、一度被害にあった方をターゲットに、このような手口の詐欺が行われます。
代理購入型
代理購入型とは、後から代金を振り込むので、代理で投資商品を購入してくれないかという話しを持ちかける手法です。しかし、結局支払いが行われることはなく、消費者のもとには、詐欺商品のみが残ることになります。
また、代理購入型の手口では、購入した商品を解約しようとしても、解約できないケースが多いです。もし、返金を求める場合は、弁護士や消費者センターへ相談するようにしましょう。
公的機関装い型
公的機関装い型とは、詐欺業者が公的機関(金融庁、警察、消費生活センターなど)を装い、新規の契約の締結や金銭の支払いを求める手口です。公的機関の信用を利用し、消費者を信じ込ませる点が特徴です。
たとえば、警察を装った詐欺業者から法令違反行為があったとの名目で金銭の支払いを要求される被害があります。また、金融庁を装い未公開株の購入を勧めるような被害も見られます。