有名な投資詐欺事件一覧まとめ!種類や手口、被害額も紹介

有名な投資詐欺事件6選

ここからは、国内外で過去に起きた有名な投資詐欺事件を6つ解説します。

日本で起きた有名な投資詐欺事件

まず、日本で起きた投資詐欺事件を4つ解説します。

豊田商事事件

豊田商事会長・永野一男
出典:知的好奇心の扉トカナ

豊田商事事件とは、1980年代前半に起きた豊田商事株式会社による組織的な詐欺事件です。その手口は、顧客と金の地金の購入契約を結んだ後、金の現物を顧客に渡すことは一切なく、代わりに証券を渡すというものでした。被害者数は全国で数万人規模にのぼったと言われています。また、被害額は約2,000億円以上と言われています。

この事件は、豊田商事会長・永野一男が殺害されたことでも有名になりました。1985年6月18日、永野の自宅に逮捕の情報を聞きつけたマスコミが集まっていました。そこに、永野を殺すよう詐欺の被害者たちから依頼を受けた男2人が現れ、刺殺事件が起こりました。その後、男2人は現行犯で逮捕され、永野は出血多量で死亡しました。その一部始終は現場にいあわせたマスコミによって生放送され、大変注目を浴びた事件となりました。

AIJ詐欺事件

AIJ投資顧問社長・浅川和彦
出典:日本を守り、敵と戦う

AIJ詐欺事件とは、 2012年に発覚した投資顧問会社・AIJ投資顧問による年金詐欺事件です。AIJ投資顧問では、高い運用成績を強みに、厚生年金基金から約1,500億円の資産を預かり、運用をしていました。しかし、資産の大半をずさんな運用によって消失させ、さらに運用成績に関しても虚偽の報告を行っていたことが明らかとなりました。

この詐欺の成功には、不自然に高い利回りを出していたAIJに対して、何の疑いも持たなかった基金側の金融リテラシーの低さが関係している側面が大きいです。老後の安心である年金資産に対しての詐欺事件および、厚生年金基金の信頼の失墜は、国民に大きな衝撃を与えました。

L&G社巨額詐欺事件

L&G社会長・波和二
出典:文春オンライン

L&G社巨額詐欺事件とは、2009年に発覚した健康食品販売会社・L&G社による詐欺事件です。その手口は、年36%の利息と元本を保証する金融商品に対する出資金を募り、それをマルチ商品法的に拡大させるというものでした。もちろん、この仕組みは途中で破綻し、配当の支払いも元本保証の約束も守られることはありませんでした。被害者は、高齢者を中心に約36,000人にのぼり、被害総額は約1,300億円と言われています。

また、この事件は2次被害も大きな問題となりました。被害者の名簿を入手した悪徳業者が、被害を救済するという名目で手数料をだまし取るような事例が多く発生しました。

大和都市管財事件

大阪高裁は国に対し損害賠償を命じる判決を下した
出典:毎日新聞

大和都市管財事件とは、2001年に発覚した抵当証券会社・大和都市管財による詐欺事件です。抵当証券とは、不動産を担保とした貸付債権を証券化した金融商品のことです。大和都市管財は、この抵当証券を中心とした金融商品を違法に販売し、多くの消費者から金銭を騙し取った後、経営破綻しました。被害者総数は高齢者を中心に約17,000人、被害総額は約1,100億円にのぼると言われています。

また、この事件では監督権限のある近畿財務局が、詐欺商法により巨額の赤字を抱えながら営業を行っていた大和都市管財の実態を認識していたにもかかわらず、必要な調査を怠り、証券業の更新登録をしたことが問題視されました。これに対し被害者らは国家賠償訴訟を起こし、裁判の結果、原告627名へ約16億円の支払いが命じられました。

海外で起きた有名な投資詐欺事件

続いて、海外で起きた投資詐欺事件を解説します。

マドフ事件

世界最大級の詐欺を行っていたバーナード・L・マドフ
出典:ウィキペディア

マドフ事件とは、2008年に発覚したアメリカのバーナード・L・マドフによる史上最大の詐欺事件です。マドフはアメリカのNASDAQ市場の創業者で、NASDAQの会長にまで上り詰めた金融界ではとても有名な人物でした。マドフは、個人的に「マドフ投資の会」という投資ファンドを設立しており、そのファンドで詐欺が行われていました。被害者数は数千人にのぼり、なかには多くの金融のプロも含まれていました。また、被害総額は5兆円以上と言われています。

マドフ事件の手口は、いたってシンプルなポンジ・スキームでした。ポンジ・スキームとは、出資金を運用し、運用益を配当として還元すると言っておきながら、実際には運用はせず、配当は新規の出資者の出資金で賄う手法です。マドフ事件でも、配当利回り10%という虚偽の高利回りを謳い、次々と新しい投資家たちから資金を集め、それを既存の顧客たちへの配当に回していました。このように、新規の出資者が増え続ける限り破綻しない仕組みを使って、マドフは約25年もの間詐欺を続けていました。

MRIインターナショナル事件

MRIインターナショナル社長・エドウィン・ヨシヒロ・フジナガ
出典:日テレNEWS

MRIインターナショナル事件とは、2013年に発覚したアメリカの資産運用会社・MRIインターナショナルによる日本人を標的にした詐欺事件です。MRIインターナショナルは、アメリカの診療報酬債権(MARS)に関する債権回収ビジネスを展開していると称して、日本人投資家から資金を集めていました。しかし、実際に債権の購入にあてた資金は全体の2%未満で、ビジネスの実態はなく資金のほとんどを消失させてしまいました。被害にあった日本人は約8,700人にのぼり、被害総額は1,300億円以上と言われています。

MRIインターナショナル元社長・エドウィン・ヨシヒロ・フジナガに対しては、2019年、ラスベガスの米連邦地裁が懲役50年の判決を言い渡しました。懲役50年は、日本では考えられない長期刑になります。

近年多く見られる投資詐欺の手口

USBを用いた詐欺が学生の間で問題となっている

さいごに、近年多く見られる投資詐欺の手口を2つご紹介します。

1つ目は、海外の取引所やサイトを利用することを謳う詐欺です。元本保証や高利回りを実現する手段として、海外の取引所や海外のサイトを経由するという手口の詐欺が増えています。とくに、暗号資産に関する投資の詐欺被害は多く、金融庁・消費者庁・警察庁が合同で注意喚起を行いました。

2つ目は、USB詐欺です。こちらは、学生を中心に横行しているUSBメモリを使った新手の詐欺です。「このUSB内のAIシステムを使えば必ず投資で儲けることができる」などと言い、数十万円もするUSBを購入させられる被害が多発しています。以前は、主に高齢者を対象に投資詐欺が行われていましたが、近年では学生をターゲットにする詐欺も増えてきています。

投資詐欺有名に関するまとめ

この記事では、投資詐欺の概要や過去に起きた有名な投資詐欺事件、近年見られる投資詐欺の手口など、投資詐欺について幅広く解説してきました。投資詐欺をたくらむ業者は、様々な手口で、私たちから金銭をだまし取ろうとしていることがお分かりいただけたかと思います。

この記事が、「投資詐欺についてよく分かった!」と思える時間を提供できていれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。

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