チェルノブイリ原発事故で生まれた「象の足」を見たら即死?真相や現状とは

象の足を見たら即死って本当?

チェルノブイリには現在少数ではあるものの住人も戻ってきている
出典:Wikipedia

チェルノブイリ原発にある「象の足」は、事故発生当時は1分で死が確実と言われるほどの強烈な放射線だったといいます。では事件から30年以上経った2022年現在はどうなのか?調査してみました。

現在も見ると致死量の放射線を浴びることになる

近づくと致死量の放射線を浴びることになる
出典:スパイシービュー

象の足は30年たった現在、放射線崩壊により事件当時よりは力が弱まったといいますが、それでも非常に強い放射線が含まれています。事件から10年後に象の足の放射線量を調べたところ、当初の10分の1にまで放射線は減っていたということです。

それでも500秒浴びると致死量に達するレベルだといいます。象の足を撮影した写真はほとんど画像が荒いですが、これは元々のカメラの画素数が荒かったわけではなく、放射線がフィルムに影響を与えてしまったのだそう。

現在は観光地化も狙っているという
出典:BUSINESS INSIDER

10年後の調査でこのレベルなので、現在も高い放射線を放っていることは容易に予想がつきます。なお2019年時点では、チェルノブイリ原発の4号炉は防護服を着ていれば5分間入室が許されていたようです。

放射能被害は10万年続くとも

チェルノブイリは現在もゴーストタウンとなっている
出典:Wikimedia

チェルノブイリ原発は、少なくとも今後10万年は放射性を持ち続けるといわれています。チェルノブイリは2022年現在も近隣住人は戻ることは許されず、現在は動物が多く住んでいるような状況になっているそうです。

現在も放射線対策のために、新たなシェルターを2017年に築いており、100年間放射性物質を防ぐといわれています。しかしあくまで一時しのぎではあり、象の足は存在し続けているのです。

象の足の対処はどのように行われている?

チェルノブイリ原発事故が起こった後ソ連はどのように対処したのか?
出典:Wikipedia

世界最大の原発事故といわれる「チェルノブイリ原発事故」ですが、事故が起きた4号炉はどのように対処されたのか?事故後の対応を紹介していきます。

コンクリートの石棺で包囲

チェルノブイリ原発の石棺
出典:sciencealert

破壊された4号炉は、「石棺」と呼ばれる構造物で覆われました。事故が起こった約1か月後の6月から作業が開始され、離れたところでコンクリートを流し込む枠を作り、それを運びコンクリートを流し込んでいます。

8月には屋根を載せる段階になりますが、原子炉から飛び出した破片がまだ多く氾濫しており、ふたを閉じる前にそれらを石棺の中に戻す必要がありました。当初はロボットを使用していたといいますが、強い放射線によりロボットも動かなくなったといいます。そのために結果的に、人の手によって作業が勧められることとなりました。

事故当時60万人以上の作業員が従事した

リクビダートルに支給されたソ連のバッチ
出典:Wikipedia

原発事故の後処理作業員は、「リクビダートル」と呼ばれており60万人以上の人が従事したといわれています。4分の1は正規軍で、残りは予備役や民間人でした。

方法は作業の様子をテレビモニターで監視し、ストップウォッチで計り1人当たりの作業は9分と決められていたといいます。時間になるとサイレンが鳴り、その間に黒鉛50㎏か核燃料15㎏投げ入れるのを目標にしていたそうです。約1か月で瓦礫は取り除かれ、11月に石棺は完成しています。

2016年に巨大なシェルター設立

新しく作られた新シェルター
出典:GIZMODO

1986年に作った石棺が老朽化したために、2016年に新たなシェルターが設置されました。石棺は老朽化により放射線の漏洩が懸念されていたためで、高さ110メートル・幅約260メートル・長さ約160メートルの鉄鋼製シェルターです。そして最終的には、事故炉の安全な解体を目指しているとされます。

象の足を撮影した人たちは?

ウラジーミル・シュフチェンコ氏
出典:mirojoin`s Blog

ネット上に出回った「象の足」の写真は、ウラジーミル・シュフチェンコというドキュメンタリー作品の監督と、セルゲイ・コシュロフが挑んだものです。

最初のウラジーミル・シュフチェンコ氏は、「チェルノブイリ・クライシス/史上最悪の原発事故(1986年/旧ソ連)」というドキュメンタリー作品を作りましたが、撮影中に放射線障害で亡くなっています。なお一緒に作業していたカメラマン2名も、撮影中に放射線障害で亡くなってしまいました。

セルゲイ・コシュロフ氏は毎週象の足に行き撮影を続けているということだ

2人目のセルゲイ・コシュロフ氏は3年後から象の足を撮影し始め、毎週象の足を撮り続けているといいます。彼は存命ですが、放射線の影響からか歯がほとんど抜けてしまい、弱視になってしまったそうです。

福島原発にも象の足が見つかった?

福島原発にも象の足があると考えられている
出典:Wikipedia

福島原発もデブリが炉心を突き抜けて直下に溜まっていることが想定されており、チェルノブイリにおける「象の足」のようなものが出来ていると考えられています。ただし燃料デブリに近づけば近づくほど放射線が高くなりロボットやカメラが壊れてしまうために、正確な実態は分かっていないそうです。

規模はわかっていませんが、万一「象の足」程のデブリになっていると取り出すのは難しく、チェルノブイリが解体を断念したように、処置に困る事態が起きているといいます。

チェルノブイリの「赤い森」とは?

赤い森は現在もとても危険だという
出典:Wikipedia

チェルノブイリ原発事故によって生まれた負の産物は象の足だけではありません。「赤い森」もその一つです。「赤い森」とは、半径10㎞以内の森が放射能の影響で枯れてしまい、マツが赤茶色に見えるために名づけられました。現在でも最も汚染された地域といわれていますが、現在は人間がいなくなったために動物が多く見られるそうです。ただし土壌は現在も化学物質が検出され、汚染されている状態です。

2022年にロシア軍がウクライナ侵攻した際に、赤い森に塹壕を掘る作戦が決行された結果、ロシア兵内に多くの被爆者を出したといいます。中には放射線の急性症状を訴える兵士もいたといい、バス7台分がベラルーシの放射線専門医療センターに運ばれたということです。

チェルノブイリの即死に関するまとめ

今回チェルノブイリ原発事故の「象の足」について解説しましたが、筆者は当時世界最大の原発事故としてニュースで見た衝撃を思い出しています。象の足もテレビで見た記憶がありましたが、自らを犠牲にして真実を伝えようとする人たちがいたことを改めてしりました。この事故の歴史を思い出すことで、今後チェルノブイリや福島のような事故が起きないことを祈る次第です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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