尼崎連続変死事件をわかりやすく解説!犯人や被害者の現在も紹介

1989年から2012年に、兵庫県の尼崎市で10人が変死を遂げた尼崎連続変死事件(尼崎事件)。主犯の角田美代子をはじめ、多くの人物が事件に関与したため、事件の詳細や経緯があいまいな人は多くいますよね。

そこで、今回は兵庫県尼崎市で起きた尼崎連続変死事件を、関係図も交えわかりやすく解説します。また、加害者や被害者の現在も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

尼崎連続変死事件とは?

角田美代子たちが住んでいたマンション(左)
出典:livedoorNEWS

ここでは、尼崎連続変死事件の概要を解説します。

尼崎連続変死事件は、角田美代子を中心に4つの家族が崩壊し、10人の死亡者を出した悲惨な事件です。尼崎連続変死事件の特徴として、書類送検者の数が17人と非常に多いことがあげられます。その中には、角田によって犯罪者となった人物もおり、非常に後味の悪い事件として世間に知られました。

尼崎連続変死事件が発覚したきっかけは、2012年に家族を乗っ取られ監禁されていた大江家の長女が警察に通報したことです。それを皮切りに、皆吉家の年金窃盗事件で逮捕された関係者が今までの犯行を自供したことで、尼崎連続変死事件が明るみに出ました。

しかし、逮捕後に角田は兵庫県警の留置場で自殺したので、事件についての全容は把握できなくなっています。

また、尼崎連続変死事件では約50件にも及び、警察への通報や相談がありました。しかし、身内同士のトラブルということで事件性がないと片づけられたことで、対応されなかった事実も判明しました。

主犯は角田美代子

角田美代子
出典:PRESIDENT Online

尼崎連続変死事件の主犯角田美代子は、マインドコントロールに長けた人物でした。両親が離婚したことにより、親からの愛情を全く受けずに育った角田。父親に預けられた角田は、父親が持つ飴と鞭の使い分けを間近で見ていたこともあり、自然と他者を支配する術を身に着けていました。

マインドコントロールを上手に扱い、角田は4つの家庭と家族を乗っ取りました。また、成熟していない子どもたちを上手くコントロールし、親から引き離すこともしていました。中には、角田の養子になった子どももおり、角田の怖さがうかがえます。

約20年にもわたり、数々の家庭と被害者を出した角田は2011年に逮捕されました。そして、64歳になる2012年に留置場で自殺しました。

尼崎連続変死事件の加害者

尼崎連続変死事件の人物相関図
出典:斜めから見た大人の読書感想文

尼崎連続変死事件の加害者は、主犯の角田美代子だけではありません。そこで、ここからは主犯の角田美代子を除く、尼崎連続変死事件の加害者を紹介します。

  • 角田三枝子
  • 角田正則
  • 角田優太郎
  • 角田瑠衣
  • 仲島康司
  • 大江裕美
  • 大江香愛

角田三枝子

角田三枝子
出典:今もっとも熱い情報を配信中

角田三枝子は角田の義妹です。角田三枝子は1953年に生まれ、幼少期から角田との付き合いがありました。18歳の頃に角田との共同生活を始めます。20歳で売春、25歳で風俗で働き、その時に得たお金は全て角田の資金となりました。角田三枝子は、48歳まで風俗で働き、総額3億円を角田に渡しました。

30代になると、自身の息子である角田優太郎を産みます。しかし、出生届には角田の名前を書かなればならず、角田優太郎は角田の息子として扱われました。45歳になると、角田久芳と結婚。そして、2012年に皆吉家の年金窃盗事件で逮捕されると、これまでの犯行を自供しました。

角田三枝子の自供によって、尼崎連続変死事件の存在が明るみに出ました。そして、殺人罪の罪で懲役21年を言い渡されました。角田に人生を支配され、破壊された最初の人物でもあります。

角田正則

角田正則
出典:横浜映画サークル

角田正則は、角田の義理の従兄弟です。1974年に生まれた角田正則は、父親の借金をきっかけに2002年から角田と共同生活を始めます。2004年に角田の伯父の養子となったことで義理の従兄弟の関係となりました。

角田正則は、背中に入れ墨がある巨漢で、角田の指示で暴力を振るうことから「暴力装置」として恐れられていました。また、在日韓国人だったので、養子になる前の名前は李正則です。

裁判では、殺人罪と傷害致死罪の罪により、無期懲役となりました。

角田優太郎

角田優太郎
出典:芸能裏ニュース

角田優太郎は、角田の戸籍上の息子です。1986年に産まれ、2007年に角田瑠衣と結婚しています。幼少期より角田から暴力を受けていたこともあり、逮捕後に解離性障害と診断されました。

裁判では、殺人罪で懲役17年が言い渡されました。

角田瑠衣

角田瑠衣
出典:すそ洗い

角田瑠衣は、角田優太郎の妻です。名門学校に通う優等生でしたが、角田と関わったことで、角田に心酔。角田は角田瑠衣を「ハナ」と呼び、常に行動を共にしていました。まさに片腕的な存在でした。

意外なことに、角田優太郎との結婚は政略結婚ではなく、互いが惹かれあって結婚したそうです。裁判では、自身の姉である仲島茉莉子さんを含んだ3件の殺人の罪で、懲役23年を言い渡されました。

仲島康司

仲島康司
出典:沖縄県民が話す沖縄の闇

仲島康司は、仲島茉莉子さんの夫です。2006年ごろに橋本次郎さんの紹介で角田と共同生活を始めます。しかし、日常的に角田たちから暴力を振るわれていました。また、角田の運転手として日常的に運転していました。

仲島康司は、2件の殺人罪で懲役15年の判決が出ています。

大江裕美

大江裕美
出典:S.Ya’s

大江祐美は、大江家の次女です。自身の夫である川村博之が、角田のクレーム対応をしたことをきっかけに、家を乗っ取られます。暴力と監禁で、夫と次女と無理心中を計画するほど追い詰められていました。

それを物語るように、2011年に保護された時は体重が35キロまで減量していました。裁判では、自身の母親である大江和子さんに対する傷害致死罪で、懲役2年執行猶予3年を言い渡されています。

大江香愛

大江香愛は、大江祐美の姉です。母親の大江和子さんの死亡後に、集中的に暴力を振るわれます。しかし、隙を見て脱走。警察に駆け込んだことで一連の事件が発覚するきっかけとなりました。

しかし、大江和子さんに対する傷害致死罪で懲役3年執行猶予4年を言い渡されました。

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