「どうしてAB型は少ないんだろう?」
「世界でもAB型は少ないのかな?」
血液型のなかでも珍しいといわれるAB型。ただ、本当に少ないのか、その理由は何なのかあいまいな人は多いですよね。
そこで、この記事ではAB型の人間が少ない理由を、日本と世界でのAB型の比率も交えて紹介します。AB型にまつわる逸話やAB型の性格に関する疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。
AB型が少ない2つの理由
日本のみならず、世界でもAB型が少ない理由には人類の祖先と人口の広がりが関係しています。ここでは、AB型が少ない理由を2つにまとめて紹介します。
- 人類の祖先にAB型がいなかったから
- 人口の多い国にAB型が少ないから
最初に登場した人類の血液型や血液型の移動など、AB型が少ない理由にも意外な事実が多いです。ひとつずつ丁寧にみていきましょう。
①人類の祖先にAB型がいなかったから
AB型が少ない理由のひとつとして、まず挙げられるのは「人類の祖先にはAB型がいなかった」という事実です。最初の人類はアウストラロピテクスといい、現在のアフリカ大陸で誕生しました。
この時点では、人類の血液型はO型しかありませんでした。その後、人類は進化とともにアフリカ大陸から他の大陸へと移動していきます。その過程において現在のA型・B型・AB型が生まれたのです。
A型やB型は早くに誕生し、ヨーロッパ大陸やアジア大陸に広まりました。しかし、AB型はA型とB型の混血として現れ、数千年という短い歴史を持つ新しい血液型です。そのため、現代においても数が少ない血液型となりました。
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②人口の多い国にAB型が少ないから
世界人口のうちAB型は約10%しか存在せず、人口の多い国もAB型が非常に少ないです。世界人口の1割から3割を占める中国やアメリカでは、多くの国民はO型もしくはA型になります。
①で述べたことにも関連しますが、AB型は他よりも新しい種類の血液型なため生まれる割合が低いのです。人口の多い国も同様で、AB型の人間は誕生しづらくなります。また、人口の多い国々がアフリカに近く、祖先にO型が多いことも理由のひとつです。
日本と世界におけるAB型比率の違い
各国に比べ、日本のAB型比率は多いのが現状です。
A型 | B型 | O型 | AB型 | |
---|---|---|---|---|
日本 | 37.8% | 21.9% | 29.8% | 11.3% |
アメリカ | 35.7% | 8.5% | 37.4% | 3.4% |
中国 | 30.2% | 29.1% | 30.1% | 9.6% |
インド | 21.7% | 30.5% | 35.1% | 7.3% |
フィリピン | 22〜23% | 24〜25% | 44〜46% | 4〜6% |
ブラジル | 34% | 8% | 36% | 2.5% |
ドイツ | 37% | 9% | 35% | 4% |
イギリス | 35% | 8% | 37% | 3% |
人口の多い国々を中心に血液型を分布図化すると、上記のような結果になります。AB型が1番多い日本の総人口は約1億2千万、AB型が1番少ないブラジルの総人口は約2億1千万人です。
ブラジルが日本より約2倍の人口を持つにも関わらず、日本の方がAB型の割合は約5倍以上になります。また、緑色で囲った部分は世界人口TOP3である中国・アメリカ・インドです。これらの国々もAB型は日本と比べて半分ほどしか存在しません。
つまり、日本が世界の中で最もAB型の多い国だといえます。
また、表から分かる通り、最も多い血液型はO型です。ブラジルやフィリピンだけでなく、ドイツやイギリスもO型やA型の割合が多いことがわかります。
O型の人類しかいなかったアフリカに近いヨーロッパはO型が多く、ヨーロッパ移民が多いアメリカなどの国々もO型が多くなるのです。アフリカから遠い日本は血液型が均等に分かれたため、AB型が他の国々よりも多くなったのでしょう。
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