【年表付】アントニオ・サリエリとは?代表曲やモーツァルトとの関係も紹介

アントニオ・サリエリの生涯歴史年表

1750年 – 0歳「サリエリの幼少期」

チェンバロ

幼い頃より音楽教育を受ける

サリエリは兄弟とともにチェンバロ、声楽、バイオリンの教育を受け、才能を表していましたが親は音楽家ではなく、家族に音楽関係の仕事をしている人はいませんでした。このような家庭環境にあった作曲家は他にはヘンデルやヴェルディなどがいます。両親の死後はガスマンという作曲家に師事し、更に本格的な音楽教育を受けることになります。

1766年 – 16歳「ウィーン宮廷に招聘される」

ウィーンの街並み

イタリア人というブランド力と実力で宮廷音楽家に

サリエリはガスマンと一緒にオーストリア帝国のウィーンに渡り、1774年には宮廷音楽家に就任し、1788年に宮廷楽長に就任します。音楽の本場・イタリアから来た音楽家というブランド力もあって長い間そのポジションに就くことになります。このことは後々あらゆる音楽家たちから嫉妬の対象となり、スキャンダルのきっかけとなります。

1788年 – 38歳「スカラ座のこけら落とし公演でオペラを上演」

スカラ座

「見出されたエウローパ」が上演される

サリエリが1788年に宮廷楽長に任命されると、同年ミラノ・スカラ座での開場作品としてオペラ・セリア「見出されたエウローパ」が上演されました。2003年に新スカラ座でのこけら落としにもこの演目が選ばれ、話題となりました。

この作品は一つの役を除いで男性役も女声が担当し、高度な技術力を歌手に要求されるため上演することが難しい作品の一つです。

1820年 – 70歳「楽壇のスキャンダルの的に」

長年の楽長ポジションが招いた嫉妬?

1820年代の楽壇において、サリエリのスキャンダルは格好の話題となりました。その内容は「モーツァルトの作品を盗作した」「モーツァルトを毒殺した(35歳で亡くなったモーツァルトの死因が不明なため)」などという相当な誹謗中傷でした。サリエリ本人は毅然と否定したらしいですが、晩年になるほどサリエリの肖像画の表情は暗くなっており、彼の心に影を落としたのは事実でしょう。

1984年 – 没後159歳「映画「アマデウス」公開」

ピーター・シェーファー

サリエリの再評価のきっかけに

1979年発表・ピーター・シェーファーによる戯曲「アマデウス」が映画化されました。この作品のサリエリ像はそれまでフィクションに登場するいかにも悪役といったサリエリとは少し異なり、モーツァルトの才能に嫉妬しながらも人間らしい苦悩や悲哀も丁寧に描かれました。またこの映画はあらゆる部門でアカデミー賞を受賞し、サリエリという人物やその音楽が再評価されるきっかけとなりました。

2009年 – 没後184歳「サリエリ・オペラ音楽祭が開催される」

レニャーゴにあるサリエリ劇場

故郷のレニャーゴで音楽祭が開催されるように

2000年過ぎ頃から有名歌手がサリエリのオペラを歌ったCDをリリースするなど、少しずつ作品に注目されるようになり、2009年頃に故郷のイタリア・レニャーゴでサリエリ・オペラ音楽祭が開催されるようになりました。

2018年 – 没後193歳「ソーシャルゲームのキャラクターとして登場」

スマホゲームのキャラクターに

復讐者のサーヴァントとして登場

人気のスマホゲーム「Fate/GrandOrder」のキャラクターとして登場しました。若く容姿端麗な青年として描かれており、今までのサリエリのダークなイメージを逆に魅力的に描いて若い世代の人がアントニオ・サリエリの名を知る大きなきっかけとなりました。

アントニオ・サリエリの関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

宮廷楽長サリエーリのお菓子な食卓: 時空を超えて味わうオペラ飯

サリエリやモーツァルトのオペラの題名を冠した料理が出てくるレシピ本です。映画「アマデウス」に出てくるあのスイーツのレシピもあり、とても美味しそうです。どうやらサリエリも甘いものが大好きだったようですね。

サリエーリ 生涯と作品 モーツァルトに消された宮廷楽長(新版)

日本では唯一といって良いサリエリ伝記です。第27回マルコポーロ賞を受賞しており、オペラ研究家として名高い水谷彰良の著作です。新たな事実を加えて2019年に新版が発行されました。

おすすめの動画

Antonio Salieri. TARARE. Deutsche Handel Solisten. 1988

オペラ「タラーレ」の全曲が聴ける動画です。人間の愚かさを嘆いた2人の神が自分たちの手で新たな人間を作りますが、1人は暴君となり、1人は英雄となるというストーリーです。対訳が無いのですが、よろしければ聞いてみて欲しいです。

Salieri “Requiem”

サリエリの「レクイエム」です。彼の宗教曲の美しさは再評価されています。また、よく聞くとベートーヴェンやシューベルトへの影響がよくわかりますので是非触れてみてください。

「Antonio Salieri – Europa Riconosciuta – Act II “Fra mille pensieri”, “

歌劇「見出されたエウローパ」の一場面です。音楽はもちろん、歌劇で女性が男性役をつとめる「ズボン役」の表現にも注目です。

Antonio Salieri – Piano Concerto in C (1773)

器楽曲も一つご紹介します。明るく華やかで繊細、まさに宮廷音楽家らしい一曲です。

おすすめの映画

アマデウス

サリエリの名を現代に広めるきっかけになった映画です。モーツァルトの死因が明らかになっていないことを面白く演出したフィクションで、サリエリ役のF・マーレイ・エイブラハムの名演によりアカデミー主演男優賞をはじめ、あらゆる賞を受賞した作品です。モーツァルト作品もダイジェストで味わえますのでおすすめです。

関連外部リンク

アントニオ・サリエリについてのまとめ

いかがでしたでしょうか?筆者は高校生の頃授業で映画「アマデウス」を鑑賞し、サリエリの名を初めて知ったとともに、その作品に大きな衝撃を受けました。

今演奏する立場でサリエリの音楽に触れてみると、バランスのとれた楽曲の美しさにうっとりしてしまいます。もっと色々な人に知ってもらいたい作曲家の一人ですので、この機会に興味を持っていただけますと幸いです。

1 2

コメントを残す