中級者向け
失敗の本質―日本軍の組織論的研究
読んでみて
ノモンハンやミッドウェー、カダルカナルやインパールといった日本が敗北した有名な戦いを分析し、日本軍が失敗した理由を考える1冊。
日本の戦略の失敗を日本軍の組織の構造的な問題と結びつけて分析している点がこの本の画期的な点。現代の組織が直面する問題にヒントを与えるビジネス書として、出版から30年以上経った今でも読まれている名著です。
みんなのレビュー
戦時中の日本軍の失敗の経緯から、失敗の本質を分析している 最近の日本企業の衰退は、昔の日本軍の失敗と通ずる部分があると感じる。 日本企業がこのまま衰退しない為には、失敗の普遍的な法則を学ぶ必要があると思った。 例えば、日本軍は既存の技術を究極まで高めるのが得意(改善思考)。それが故に米軍の技術革新によって差をつけられている。 日本企業も同様のケースがあるのではと思う。
引用元:bookmeter
なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議
読んでみて
かつて雑誌に掲載された当時の陸軍将校たちの座談会をまとめて書籍化したもので、実際に戦時中に日本の中枢にいた人々の口から語られる証言は非常に貴重といえます。
軍部の暴走という話なると、海軍と比べて悪玉にされることの多い陸軍ですが、なぜ日本は開戦へと突き進んでしまったのか。戦後だからこそ話せる陸軍将校たちの本音から、現代の組織にも共通する示唆を与えてくれる1冊です。
みんなのレビュー
陸軍エリートの座談会。実体験に基づいて、各タイミングでの各部署での動きが具体的に語られる。失敗の本質などで示される官僚組織の悪い所が出てる。 アメリカが石油全面禁輸をするとは思ってなかったなどの希望的観測。 それはうちで決めることじゃないという責任転嫁。陸軍と海軍がお互いのことを知らなさすぎるのに、縄張り争い。 なぜその決定がなされたのか、明確ではなく空気感で決まる。曖昧な意思表示。 現代でも大きい組織にありがちな話。これは日本人の特性なのか。 官軍が始めた昭和の戦争を賊軍が終わらせたという一言は面白い。
引用元:bookmeter
『なぜ必敗の戦争を始めたのか 陸軍エリート将校反省会議』感想
太平洋戦争 最後の証言
読んでみて
太平洋戦争で実際に日本軍の兵士として戦った人たちのインタビューを集めた1冊。特攻隊や玉砕の戦場、戦艦大和の最後を見届けた生還者など当時を経験した人にしか語れない貴重な証言の数々が載っています。
この本に載っている元兵士のほとんどが当時10代から20代の若者。戦争経験者から話を聞くことがどんどん難しくなっていくなか、将来に伝えていきたいまさに「最後の証言」をおさめた本です。
みんなのレビュー
著者が、第二次大戦の体験者に話を聞けるのは最後であろうと思い、さまざまな生存者、それも一兵士であった人々に話を聞きます。それぞれの方の話に出てくる、戦死した人々もフルネームが書かれているのが、一人一人の体験を大切にしたいという著者の思いでしょう。それにしてもミッドウェーの時に索敵がちゃんとできていなかったとか、零戦の通信機能は使えなかったとか、艦上で飛行機の準備をしていたら敵の戦闘機部隊が来ているのに気づかなかったとか、戦闘以前のひどい話が多すぎます。
引用元:bookmeter
NHKスペシャル 戦争の真実シリーズ1 本土空襲 全記録
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本書は、NHKスペシャルで放送された内容をもとにしたもので、日本本土空襲の全体像を明らかにする1冊です。
これまで不明な点も多かった本土空襲について、アメリカ軍機に搭載されていたガンカメラの映像や、アメリカ国立文書館の資料、アメリカ軍の爆撃報告書など膨大なデータをもとに、その真実に迫っていく労作です。
みんなのレビュー
日本の近代史は歴史の授業の中でも最後の方でさっと流されるだけでよく知らないことが多い。この本を読むまで原爆よりも空襲の犠牲者数の方が遥かに多いことを知らなかった。その数約46万人。本には一人単位まで記載されていて取材陣の執念を感じた。本土空襲の犠牲者はほとんどが民間人。これは組織的な重大な戦争犯罪。アメリカはこの事実をあまり世界に知られたく無いだろう。多くの人が知るべき事実で戦勝国だからといって無差別爆撃が正当化されてはいけない。日本が悪い事したからしょうがないと思わず真実に目を向ける努力を続けよう。
引用元:bookmeter
それでも、日本人は「戦争」を選んだ
読んでみて
明治時代以降の戦争を中心にした日本の外交政策をもとに、なぜ日本が太平洋戦争へと進んでいったのかを政策や外交面から解説する1冊。
ロシアを最大の敵として警戒していた日本にとって朝鮮や満州は重要な拠点であり、その利権を守ろうとして、欧米との摩擦を生んでいった背景が語られます。著者が高校生を対象に行った講義を本にまとめたものです。
みんなのレビュー
日本が戦争をした理由が事実ベースで日清戦争から第二次世界大戦まで描かれておりとても学びになった。 植民地や領土を手に入れようとする理由が自国の経済活性化や獲得した土地で官僚になれるから、自国の安全を守るためなど利己的で相手の国や人はみないふりをしていたのだろうと感じた。 あとは、陸軍やメディアが意図的に関心をそらすことで軍を集めたり士気を保ったりとあり、現代にも通じる部分があると思うので扇動されないように気をつけたい。
引用元:bookemter
教科書には載っていない 太平洋戦争の大誤解
読んでみて
「日本は軍国主義の悪の国家であり、アメリカやイギリスなどの連合国は自由のために戦った正義の国である」といった従来の俗説的イメージを否定し、事実を検証していって太平洋戦争の新しい見方を紹介する1冊。
筆者の得意分野である経済についても述べられ、「太平洋戦争は経済戦争だった」という章もあり、これまでと違う視点から太平洋戦争を捉えた本としてオススメです。
みんなのレビュー
よく言われる通説をなんとなく信じていると、あの戦争の本質っていうのは見えてこない。第二次大戦を「日独伊ファシズム国家」と「自由主義英米諸国」の対決だと思っている人は多数派ではないだろうけども、そういうファンタジーみたいな歴史観を持っている人にぜひ読んでほしい。戦前の日本を独裁国家みたいに言う人がたまにいるけど、なんで独裁国家の首相がすぐ責任とって首相辞めちゃうんですかね……。むしろ独裁国家だったら、あそこまでひどい敗戦にならずに済んだのに。知らないことも結構あって、すごく楽しめた。この著者の本は非常にいい
引用元:bookemeter