上級者向け
アジアの人々が見た太平洋戦争
読んでみて
本書は「太平洋戦争は日本による侵略戦争だったのか、日本は欧米の植民地にされていたアジアを解放したのか」を考えるヒントになる1冊で、アジアの諸国と日本がお互いをどう捉えていたのかを解説しています。
それぞれの国ごとに異なる事情もふまえつつ、アジアの人々が日本軍をどう見ていたかを知ることができる本で、日本の戦いの公正な評価を考えてみたいという人にオススメです。
みんなのレビュー
欧米の植民地からアジアの国々の独立を目指す。これが大東亜戦争の始まり、しかしながらそれは日本による侵略であった。しかし確かにアジアの人々の解放だったということも事実らしい。現地の青年将校は真剣にアジアの独立に情熱を燃やし、日本の軍のトップはしたたかに植民地化を目論んでいたような感じを受けた。太平洋戦争あまりよく知らなかったので勉強になりました。著者、僕より若いのによく調査しました。驚き。戦争は二度と繰り返さないためにもよく理解しておかなければ・・・
引用元:bookmeter
一下級将校の見た帝国陸軍
読んでみて
1人の下級将校の目を通してみた日本軍の姿を描いた回想記。戦争末期のフィリピンでの日本陸軍の実態を、評論家である著者・山本七平氏の鋭い分析とともに描かれます。
よく悪者扱いされる日本軍ですが、実態と現代日本の社会や組織にも通じる日本人独特の問題点をも洗い出している本で、ビジネス書や組織論の本としても読むことができます。
みんなのレビュー
『「空気」の研究』を読み返していて、帝国陸軍については別の著書に詳しく書いた、というような記述を見つけたので手にとった。山本七平が従軍して戦地に赴いていたとは知らなかった。現場での体験と評論家としての分析の比率が心地よくて一気に読み通せた。 無理な戦争を強行した陸軍内部の空気感が生々しく伝わってきた。トラックの燃料がなく砲弾を担いで運んだ、現地調達のはずの馬が現地にぜんぜんいなかったなど想像以上にずさんだった。上の非現実的な命令と下の水増し報告のせいでだれにも実態が把握できなくなっていたというのが怖い。
引用元:bookmeter
日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実
読んでみて
戦争末期の日本軍は補給が滞り、兵士たちは戦死よりも餓死や病死によって倒れていったことは一般にも知られていますが、本書はデータを細かく読み解くことによってその絶望的な実態を浮かび上がらせる1冊です。
とにかく悲惨な戦場の実態と戦後にまで残した影響が書かれています。当時の日本軍の真の姿が理解できるとともに、太平洋戦争について考える上でぜひ一度読んでもらいたい本です。
みんなのレビュー
本書は『失敗の本質』と比べて、より兵士の目線での問題を取り上げた内容でした。本書を読んでいて、極端な精神主義を取った当時の日本政府から、現代の「超ブラック企業」が連想されました。機械化や技術革新に大きな関心を払わず、覚醒剤を使ってでも兵士たちをやる気にさせた結果、多くの人がノイローゼになったそうです。もし自分が当時の兵士だったら、多くの兵士と同様、真面目に国のために体を張って死んでいたと思います。現代を生きる自分がそうならない為にも、もっと歴史を学び、現代の根本的な問題に気付く力を養っていきたいです。
引用元:bookmeter
ペリリュー・沖縄戦記
読んでみて
本書は激戦といわれるペリリュー島の戦い、そして沖縄戦に従軍した著者が、当時の体験を記したもので、アメリカのドラマ「ザ・パシフィック」の原作になった本です。
「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」を切り捨てる著者が戦場で体験した過酷さ、残酷さは、太平洋戦争の一面を映し出しています。アメリカ兵の戦場体験という貴重な証言を知ることのできるオススメの1冊です。
みんなのレビュー
どちらか片方を英雄視したり美化した作品ではなく、著者の経験がリアルに記録されてる。戦時における人間の残忍さ、悲惨さを知り、恐ろしく思えた。また、臭いに対する記述も多く、前線の臭いとは相当な物だったのだろうと当然の事に気付かされた。最終章の「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である」という言葉に、前線を経験した著者の、戦争に対する気持ちが凝縮されているように思えた。
引用元:bookmeter
まとめ
太平洋戦争に関する本の紹介でした。
まずは入門者向けの本で、戦争全体の概要を掴んだ後、日本軍という組織や外交、空襲、従軍した人の証言というように、自分の興味のある分野にスポットを当てた本を読めばさらに深く知ることができ、太平洋戦争が起きた理由を考えるヒントになってくれるでしょう。