「行動」の名言
進歩のない組織で、持ちこたえたものはない。
クリミア戦争の最前線である野戦病院で、事なかれ主義の軍医長官と何度も対立したナイチンゲール。本国への帰還後も、看護や公衆衛生の重要さを政府機関に訴え続け、彼女は「小陸軍省」とも綽名されたと伝えられています。
そんな「小陸軍省」である彼女の精神を現した言葉ではありますが、言われてみれば当たり前のこと。事なかれ主義や”忖度”が蔓延する現代社会においても、権力者の方々に噛み締めてほしい言葉です。
今年で30歳になる。もはや子供っぽいことは終わり。無駄なことも、恋も、結婚も。
先述した通り、一生を独身で過ごし、看護や衛生の発展に尽力を続けたナイチンゲール。30歳になった彼女が手記に残した言葉です。
「”フローレンス・ナイチンゲール”という一個人の幸福ではなく、世界中全てにもたらされる幸福を優先する」という、彼女の鋼の意思が伝わってくるようです。
経験をもたらすのは観察だけなのである。
クリミアの野戦病院で、次々に命を落としていく兵士たちを観察し、その原因が感染症にあることを突き止めたナイチンゲール。後に統計学者としても功績を遺す彼女らしい、理論的で端的な言葉です。
病院の第一の条件は、患者に害を与えないことである。
ナイチンゲールが残した功績の中で、最も広く現代にまで残っているのは、病院の建築構造を立案したと言う部分でしょう。「ナイチンゲール病棟」と呼ばれたその建築構造は、現在も多くの病院で採用されています。
きっとナイチンゲールの考えた建築構造が、現代に至るまで活用され続けているのは、この言葉が彼女の発案の根底にあり、それが看護にとって何より重要な事だったからなのだと思います。
どんな仕事をするにせよ、実際に学ぶ事ができるのは現場においてのみである。
「現場と上層部の対立」というのは、ドラマなどでもよく描かれる、組織にとって永遠のテーマです。この名言は、そういった対立に一石を投じる言葉だと言えるでしょう。
現場に出ていない者に現場の事は分からないもの。当たり前の摂理ではありますが、現代ではもう一度振り返るべき言葉のように思えます。
人の思いは、言葉に変わることで無駄にされているように、私には思えるのです。
「平和な方がいい」と、誰もが口ではそう言いますが、そのために自分で行動を起こせる人は、一体どの程度存在するでしょうか?
この言葉には続きがあり「それら(思い)は皆、結果をもたらす行動に変わるべきものなのです。」と続きます。
ナイチンゲールが口にすると重みが格段に違う、現代を生きる我々すべてが考え直さなくてはならない言葉だと言えるでしょう。
私が成功したのは、決して弁解したり、弁解を受け入れなかったからです。
医療物資を緊急で補給するために木箱を叩き割ったり、軍医長官にピストルを突きつけた、なんて逸話も持つナイチンゲール。そんな彼女の、苛烈な人柄がよく表れた名言です。
何か失敗をしてしまうと、基本的には言い訳を考えてしまうのが人の性。けれどナイチンゲールは、自分にも他人にもそれを許さない厳しさを持っていたからこそ、偉大な女性として大成することができたのでしょう。
恐れを抱いた心では、何と小さいことしかできないことでしょう。
政府機関や権力者にも臆することなくものを言い、命知らずレベルの恐れ知らずだったとも言えるナイチンゲール。
そんな彼女が恐れ知らずだったのは、もしかするとこういった考えをずっと持ち続けていたからなのかもしれません。