「愛」の名言
愛というのは、その人の過ちや自分との意見の対立を許してあげられること。
有力な貴族の子女であり、17歳ごろまでは「舞踏会の花」ともてはやされて婚約者までいたナイチンゲール。しかし彼女は婚約を破談にし、生涯を独身で過ごしたと言います。
そんな彼女の語る「愛」は、おそらく「恋愛」ではなく「母性愛」だったのでしょう。それ故に彼女は、戦場で戦う優も追う名兵士たちから、母のように慕われる看護師となったのです。
最も上手に人をおさめるのは、その人のためになること、その人にとって最高の利益になることを、親身になって考える人です。
看護学校の校長になったナイチンゲールは、学生たちに対して非常に厳しく接していました。医療や看護の知識だけでなく、日常的な所作や言葉遣いまで厳しく指導し、日記の提出をさせて文法や誤字のチェックまでしていたと言います。
しかし、ナイチンゲールの看護学校を卒業した生徒たちは、全国各地の大病院から引っ張りだこになり、彼女たちはナイチンゲールの遺志を受け継ぐ者として、立派に大成を果たしたのです。
甘やかすのではなく、厳しく接することも時には重要。多くの人、とりわけ子を持つ親などには特にささる名言だと言えるでしょう。
「理想」の名言
あなた方は進歩し続けない限りは退歩していることになるのです。目的を高く掲げなさい。
偉人の名言によくある「とにかく進み続けろ」系の名言です。
正直よく聞くタイプの名言ではありますが、「当時の社会的に地位の低い女性」「軍や官僚との度重なる対立」「”看護師”という当時では最底辺の職業」という逆境だらけの状況で、一生を掛けて目的を果たした彼女が言うと、正直説得力が段違いになる言葉だと感じます。
人生とは戦いであり、不正との格闘である。
これも、ナイチンゲールという女性を象徴する言葉だと言えるでしょう。権力者相手にも一歩も引かず戦い続けた彼女にとって、その人生はまさに戦いの歴史でした。
事なかれ主義だったイギリス政府と論戦を続け、ついには女王すら動かした不屈の女性。彼女の人生を表すのに、この20文字足らずの言葉以上の表現は見当たらないような気がします。
構成員の奉仕の精神にも頼るが、経済的援助なしにはそれも無力である。
看護体制の発展に力を尽くしたナイチンゲールですが、現代で言う「赤十字」のような、無償での医療奉仕組織の設立には、意外なことに反対の立場を取っていました。
「正当な奉仕には、正当な労働としての対価を」。ナイチンゲールはきっと、このように考えていたのでしょう。
様々な職種に、報酬や労働環境的なガタが来ている昨今ですので、今こそこの言葉を考え直す時なのではないでしょうか?
私はすべての病院がなくなることを願っています。
筆者個人として、この言葉が最もフローレンス・ナイチンゲールの強さと凄さを表す言葉だと思っています。
自分の尽力した証が、遠い未来に存在しなくなる事を願って尽力し続けた女性。その無私の精神は、真似しようと思って真似できるものではありません。
遠い未来、病が根絶された世界が訪れたとしても、この言葉を口にして医療の発展に尽くした、フローレンス・ナイチンゲールという偉大な女性がいたことを、歴史の中で誰かに覚えていてほしいと思います。
ナイチンゲールの名言に関するまとめ
以上、ナイチンゲールという偉大な女性が残した名言の数々を紹介いたしました。
「無私の奉仕精神」を持ち合わせながら、周囲には決してそれらを強制することなく、ひたすらに誇り高く目的に向かって駆け抜けた彼女。そんな彼女が残した言葉は、当たり前の摂理のようでありながら、現代を生きる我々を母親のように励ましてくれるものばかりです。
「目標にすべき名言」は多々ありますが、「励ましてくれる名言」というのは、歴史上に多くある言葉の中でも、かなり貴重なものなのではないでしょうか?
この記事を読んでくれた皆様が、紹介した名言を心に刻んでくれると嬉しいです。