「カートコバーンって、どんなギターとかエフェクターを使ってたの?」
「カートコバーンのギタープレイの特徴は?」
「カートコバーンって、ぶっちゃけギター上手いの?」
こんな疑問をお持ちではありませんか?
当記事では、バンド歴10年、カートコバーンに関する資料収集が趣味の筆者が、カートコバーンのギター機材やギタープレイを徹底解説していきます。
ぜひご一読ください。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
カートコバーンが愛用していたギターは?
カートコバーンは多くのギターを所有していました。ここでは、そんな彼が愛用したギターをいくつかご紹介していきます。
FENDER/Jaguar ’65
カートコバーンが「NEVERMIND」の時期にメインとして使っていたのが、1965年にFender社が製造したジャガーです。
このジャガーは、通常のモデルとは異なり、ピックアップがシングルコイルからハムバッカーに変更されているのが特徴です。そのため、普通のジャガーよりも野太く、パワフルな音の出力が可能になっています。
なお、ピックアップのメーカーは、フロントがディマジオ社のPAF、リアがSUPER DISTORTION(93年にはSeymour DumcunのSH-4 JBに変更)です。現在でも、これらのピックアップの後継機種はネットなどで購入できますよ。
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ジャガーをお持ちの方は、カートの音を目指してピックアップを交換してみるのもアリなのではないでしょうか。
また、カートコバーンモデルのジャガーもFender社から発売されているので、コアなファンの方にはこちらもオススメです。
その他の改造点は?
カートの所持していたジャガーの改造点は、他にもいくつかあります。
たとえば、ブリッジの部分がシャーラー製のチューン・O・マティックタイプに変更されていること。これにより、「強くピッキングすると弦が外れてしまう」というジャガーの弱点をカバーしています。
また、コントロール部も通常の1ボリューム・1トーンという仕様から、2ボリューム・1トーンという仕様に変更されています。
ただ、これらの改造はカートが施したものではなく、以前の持ち主が行ったものだったようです。カートは、「NEVERMIND」のレコーディングの直前にロサンゼルスの楽器店でこのジャガーを購入しました。
Fender/ Mustang ’69(Competition Model)
カートコバーンはムスタングを数本所持していましたが、その中で最も気に入っていたとされているのがこの1969年製のムスタング。
美しいレイク・プラシッド・ブルーが特徴で、「NEVERMIND」期に主に使用されていたギターです。バンド最大のヒット曲である「Smells Like Teen Spirit」のPVでもこのムスタングが使われていますよ。
なお、こちらのギターについては、ブリッジがゴトー製のチューン・O・マティックタイプに変更されています。
Fender/ Mustang(Fasta red,Sonic Blue)
カートコバーンが「IN UTERO」期に好んで使っていたムスタングで、Fasta redとSonic Blueのカラーリングがあります。
主な改造点は、リアのピックアップがSeymour DumcunのJBに、ブリッジがチューン・O・マティックに変更されていることです。
Fender/JAG-STANG
ジャガーとムスタングを掛け合わせて作られたギターが「JAG-STANG」。カート自身がデザインし、Fender Custom Shopのラリー・L・ブルックスという人物が製作にあたりました。
こちらのギターは、「IN UTERO」のライブツアーで何度か使用されたようです。
UNIvox/Hi Flyer
カートコバーンは、ギターの値段にあまりこだわらず、むしろ安価なギターを使用する傾向がありました。
Univox社製のギターはまさにそのようなギターの1本で、かなりチープな作りなのが特徴。
カートはニルヴァーナ初期からこのギターを愛用しており、「IN UTERO」のレコーディングでも使用されたと考えられています。
Fender/Stratocaster”Vandalism”
カートコバーンと言えば、ムスタングやジャガーのイメージが強いですが、実はストラトキャスターやテレキャスターなども好んで用いていました。
ただ、それらは過激なライブパフォーマンスによってしばしば破壊されたため、正確なモデル名や詳細などがわかっていないものも多数あります。
そんな中、ギターの詳細がはっきりとわかっているのが通称”Vandalism”。リアピックアップにSeymour DumcunのJBを載せたモデルです。
この名前は、カートコバーンが黒のストラトキャスターに貼っていた「Vandalism:As Beautiful as a rock in a cop’s face」というステッカーに由来しています。
これは、「破壊行為:警官の顔に石を投げるのと同じぐらい美しい」という意味。The Feererzというバンドの作品に同名のアルバムがあり、カートコバーンは彼らからステッカーを贈られたそうです。
カートはこのギターを1992年まで愛用し、破壊と修理を繰り返してライブで使っていました。
カートコバーンのギタープレイの特徴は?
カートコバーンのギタープレイを一言で表すとスレば、「感情の吐露」。
カート自身の感じた苦しみや悲しみ、怒りなどを音にそのまま乗せてかき鳴らすようなスタイルが特徴です。そのため、あえてテクニカルなものを避け、荒削りなプレイを前面に押し出すような傾向があります。