カートコバーンのギターやエフェクターは?プレイスタイルやストラップまで徹底解説

カートコバーンはどれぐらいギターがうまかった?

アコースティックギターとカート

上述した通り、カートコバーンのギターは決してテクニカルではなく、パワーコードをひたすら弾き続けるような基礎的なプレイが多いのが特徴です。

ただ、よく「カートコバーンはギターが下手だった」というような批評を目にしますが、個人的にはそれはズレている意見だと思います。

というのは、彼にとってのギターとは「自分の感じているものを表現する手段」に過ぎなかったからです。楽曲を耳にすれば、そのギタープレイや音作り、バンドの世界観からカートの鬱屈とした感情は一聴して伝わってきますし、そういった意味で、彼のギタープレイは十分その目的を果たしていると言えるで翔。

彼自身の人生や表現したかったもの、音楽的センスなどを棚に上げてギターのテクニカルさのみを口にするのは、まさに「木を見て森を見ず」です。

カートコバーンが使っていたアンプ、エフェクターは?

カートの機材解説図

野太い歪みや特徴的な空間系を使用しているのも、カートコバーンのギターサウンドの特徴のひとつ。ここではそんなカートの音作りの主軸となったアンプやエフェクターなどをご紹介していきます。

アンプ

ここでは、カートが使用していたアンプを3つご紹介します。

Mesa/Boogie Studio 22 Preamp & Crown 800W Power Amp

Mesaを触るカート

ラウドで野太い音を好んだカートコバーンが、「NEVERMIND」期から愛用していたプリアンプがこちら。

トーンコントロールに関しては、カートコバーンはインタビューで「ミドル」をフルにしていると語っています。

Fender Twin Reverb 60’s

Fender Twin Reverb 60’s
出典:Fanatic Guitars

名演であるアコースティックライブ、「MTV Unplugged」などで使用されていたギターアンプ。

大音量でもそれほど歪まず、美しいリバーブがかかるのが特徴です。

ギタリストにとっては定番中の定番のアンプで、「IN UTERO」のレコーディングの際にも用いられていたようです。

Randall RG120PH

Randallのスタックアンプ

インディーレーベル所属時代からツアーなどで使用していたのがRandall のヘッドアンプ。

ニルヴァーナのファーストアルバム、「BLEACH」のころに使用されていました。

エフェクター

次に、カートが使用していたエフェクターを4つ見ていきましょう。

BOSS DS-1

DS-1

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョンフルシアンテが使用していることでも有名な歪みペダル、DS-1。カートコバーンも活動初期から「NEVERMIND」期にかけてこのエフェクターを愛用していたようです。

設定はディストーションとレベルをMAXまで上げており、それによって野太い歪みサウンドを作り出していました。

BOSS DS-2

DS-2

上述したBOSSのDS-1の後継機種がこちら。ツアー中にDS-1が故障したことをきっかけに購入し、それ以降そのままDS-2が使われ続けました。

Electro-Harmonix Small Clone Chorus

Small Clone
出典:サウンドハウス

こちらもカートコバーンの代名詞と言えるようなエフェクター。

うねるようなサウンドを得られるのが特徴のコーラス・ペダルです。

カートのサウンドの要となるのがこのエフェクターで、特に「NEVERMIND」の曲をコピーする際には欠かせないエフェクターだと言えるでしょう。

TECH21 SANSAMP CLASSIC

SANSAMP CLASSIC

「IN UTERO」のレコーディング・ツアーで使用された歪みです。

多様なコントロールやつまみがあるのが特徴で、組み合わせによって様々な音色を得ることができます。

カートは、このエフェクターのHIGH以外をすべてフルテンにして使用していました。

カートコバーンのプレイスタイルがよく分かる動画・音源

ここまで文章でカートコバーンのギターについて解説してきましたが、ここではそんなカートのプレイを実際に動画で見ていきましょう。

Smells Like Teen Spirit

カートがひたすらラフにギターをプレイしている動画です。

「文章を書き殴る」という言葉がありますが、この動画のカートはまさに「ギターを弾き殴っている」状態。オリジナルの譜面を完全に無視した、狂気を感じさせるようなギターは彼のアーティストとしての非凡さを物語っています。

彼の口から発せられる歌声とは別に、カートの心をラフスケッチのように描くギタープレイを聴くことのできる名演です。

In Bloom

全てを諦めたかのようなルーズさでギターをかき鳴らすカートが特徴的なライブ映像。

虚無感と退廃感が満ち溢れるギタープレイは、グランジ好きならたまらなく心に響くでしょう。

ややフラット気味の音程の歌と相性抜群なヘビーなギターサウンドを、ぜひ一度聴いてみてください。

All Apologies

こちらの動画では、カートがアコースティックギターをプレイしています。クリーントーンで演奏しているため、彼のピッキングの強弱まで生のまま感じることができますよ。

死期が徐々に迫りつつある中、静かにギターを奏でるカートの姿は必見です。

カートコバーンのギターに関するまとめ

この記事では、カートコバーンのギタープレイや使用機材、演奏動画などをご紹介してきました。

個人的に言うと、カートのギタープレイの魅力は「狂いきることができなかった虚無感」です。

カートのギターと言うと、よく取り沙汰されるのが「ギタープレイの激しさ」ですが、正直なところ、本質はそこではないように思います。 というのは、どのライブを観ても、彼が切なそうな顔をしてギターをかき鳴らす瞬間が必ず存在するからです。

いっそのこと狂気に身を任せて振り切ってしまえば楽になれたのかもしれませんが、彼は生涯心の内奥で悩みを抱え続ける繊細さを持った人物でもありました。

狂気に身を任せてしまいたい、しかし身を任せ切ることもできない・・・

彼のギタープレイには、苦しみ抜いた挙句「もうどうにでもなれ」というような、「投げやりな虚無感」が感じられます。きっと、カートのラフなギタープレイはそのようなところに端を発しているのでしょう。

この記事を読んで、カートのギターに興味を持った方は、ぜひ実際の音源も聴いてみてくださいね!

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