竹中半兵衛の名言8選!発言に込められた意味や背景も解説

大事な話は何もかも気にせず集中して聞くべきだ

この場で小便を垂れようとも、軍(いくさ)物語を話している大事な最中に席を立ってはならぬ

この言葉は、竹中半兵衛の息子である重門がまだ幼い頃に、軍物語を聞かせている最中に突然立ち上がった重門に対し、なぜ席を立つのか尋ねると小用だと答えたので、半兵衛が説いたものと言われています。

今は軍の話をしているのだから、集中して話を聞くべきで、むしろ竹中家の息子なら話に聞き入って座敷を汚す方が良いと半兵衛は考えていたようです。実際に座敷を汚すかどうかは別として、軍の話なら息子にはその位の覚悟と集中力を見せて欲しいという半兵衛の思いが感じられます。

常に油断をするな

一歩外へ出れば、すでに敵が狙っていると心得よ

竹中半兵衛は常に用心深かったようで、屋内で刀を置く時にも、いざという時に焦って他の人と取り違える可能性もあるので、すぐに自分のものがわかるように工夫して置くようにと言っていたそうです。

優秀な人というのは、常に良いコンディションを保てるように、どんな時も工夫したり努力したりしているものです。今を生きる私たちにとっても、常に最善の働きができるように考えて行動することは、とても大切だと言えます。

武士の本望は陣中で死ぬこと

陣中で死ぬこそ武士の本望

竹中半兵衛が中国攻めの最中に陣中で床に伏せっていた時、豊臣秀吉が戦場を引き払って養生するよう勧めるも、断った時の言葉と言われています。半兵衛の、武士としての誇りを何よりも大事にする姿勢が伝わってくる名言です。

また、この一言は、豊臣秀吉と竹中半兵衛の強い絆を感じさせるものでもあります。どんな状態であれ陣中にいて秀吉を支え続けようとする半兵衛と、その半兵衛の姿に、戦に何としても勝とうという気持ちが奮い立ったであろう秀吉の様子が目に浮かぶようです。

半兵衛にそこまでの意図があったかどうかは定かではありませんが、美しい死より実のある死を選んだ結果となりました。

他人の実績で自分に箔をつけようとしてはならない

お前も褒めてもらいたければ、自分で手柄を立てろ

秀吉からの感状を特に気にせず捨ててしまう竹中半兵衛に対し、とっておけばいつか役立つかもしれないと言う息子の重門に、父親の実績を頼みにせず、自分でどうにかしろと半兵衛は話しました。

父親が偉大だと、それを頼りたくなる息子の気持ちもわかります。しかし半兵衛は、きっと息子のことを成長してほしいと思っているからこそ、自分の実績は残すべきでないと思ったのでしょう。とはいえ、これが正論だと分かってはいても、実際に行動するのは難しいものです。半兵衛の腹の据わり方が尋常でないことがよくわかります。

竹中半兵衛にまつわることわざ

知らぬ顔の半兵衛

本当は知っているのに、とぼけて知らないふりをすることや人、という意味です。「私は息子がドーナツを食べたのを知っていたが、ドーナツの行方を尋ねてくる妻には知らぬ顔の半兵衛を決め込んだ。」というように使います。

このことわざは、織田信長が半兵衛を調略するため、前田利家に半兵衛の娘と仲良くするよう指示したものの、半兵衛はその信長の意図を見抜きつつも知らないふりをし、逆に織田信長の情報を聞き出して織田軍を破ったという逸話からきていると言われています。

また、ことわざの由来としてもう一つの説があります。秀吉が全軍退却をする際、半兵衛だけがそしらぬ顔でその指示に従わず、自らの軍勢を陣に残しました。秀吉は怒りましたが、結局その半兵衛の軍律違反のおかげで勝機を得ることとなり、秀吉は半兵衛を一転して褒め称えたというのです。

いずれにせよ、竹中半兵衛はとぼけるのが上手だったのですね。

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