【24年11月最新】老子をよく知れるおすすめ本ランキングTOP8

「老子が有名な思想家とは知ってるけど、どんな考え方の人だったんだろう?」
「老子の思想って難しそう…わかりやすい解説書を読みたい」

老子は、中国の春秋時代の思想家で、道教の始祖になった人物です。有名な思想家で、「無為自然」といって、人はあるがままに生きるべきだというのが、老子の思想の柱とされます。

その反面、老子というのは「偉大な人物」という意味の尊称だと考えられており、本名や経歴については詳しくわかっておらず、実在が疑問視されることもあります。しかし、彼の思想は時代を越えて多くの人々に読み継がれてきました。

ここでは、現代の私たちにもきっと役に立つ、老子の思想について勉強することのできる本を8冊ご紹介します。原著や解説書、伝記や名言集、さらに漫画などさまざまなジャンルから選んでランキングにしてみました。ぜひ参考にしてみてください。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

8位:詳説 老子伝―「道(タオ)」を知るために

読んでみて

老子の生涯を解説した伝記。老子の思想についての解説本は多くありますが、老子という人物についての本は数が少なく貴重です。老子は実在したかどうか議論がある人物なので、彼の生涯の多くが謎に包まれています。

本書では、中国に残る神話や史話のなかで語られている老子の姿を追いながら、老子の一生を解き明かしています。伝記というよりも伝承や小説といったほうがいい内容かもしれませんが、老子の思想を深く理解するために、老子の人生がどのようなものであったかを知ることは不可欠です。面白い言い伝えもたくさん出てきますので、老子に興味ある人はぜひ一度手にとってみてください。

7位:タオのプーさん

読んでみて

誰もが知っている人気キャラクター「くまのプーさん」を通して、老子と道教の思想をわかりやすく教えてくれる本です。余計なことはなにも考えず、あるがままを受けていれるプーさんのような生き方こそ、老子の思想を体現したものだと本書はいいます。

親しみのあるキャラクターを使って老子の思想を説明してくれるので、初心者でもスムーズに読むことができるでしょう。読み終わったら、ぜひプーさんの原作とも読み比べてみてください。

みんなのレビュー

「老子」を最初の数ページで挫折したので、ハードル低そうなこちらから読むことにした。プーさんの話は読んだことがなかったけど、彼は「在るがまま」なんだね。他の人になろうとしたり、とりつくろったりしない。これって簡単なようで難しい。いや、簡単なことを難しく考えているだけなんだろうけど。 プーさんと仲間たちのほのぼのする会話を通じて、「老子」のエッセンスを伝えてくれる内容だった。

タオのプーさん

6位:人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉

読んでみて

精神科医である著者による、老子の言葉と解説をまとめた本です。著者は読売新聞に掲載されている「人生案内」の回答者でもあり、悩んでいる患者さんたちに老子の話をしたところ、それが助けになったことが本書を執筆するきっかけになったのだそうです。

その経験をもとに本書には、「ナメられていると思ったら」「人を妬ましく思ったら」など人生に悩んだときやストレスを感じたときに読むと気持ちを軽くしてくれる老子の言葉がまとめられています。老子について知りたい人だけでなく、少し気持ちが疲れてしまったときにもおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

老子の思想を精神科医である著者が「医訳」と名付けた超訳をした本。 老子を初めて読んだ中学の頃は共感ができなかったけど、小さな挫折を味わったり期待することに疲れたりしたことのある今、老子に触れると何となく優しい気持ちになれる気がした。 「いつも正しい因果関係があるわけじゃない」けど「それでいい」と気持ちを昇華していけたら、もっと豊かな人生があるのかも。 「ジャッジフリー」の考え方は先般読了した「後悔しない超選択術」にも通じて、理解が深まった。

人生に、上下も勝ち負けもありません 精神科医が教える老子の言葉

5位:史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち

読んでみて

東洋の思想や思想家たちを面白いエピソードとともに紹介する本。解説は初心者向けでわかりやすく、インド、中国、日本の哲学について学ぶことができます。

老子だけでなく、同じ老荘思想の荘子や儒教の老子、孟子といった思想家、さらにはインドの釈迦や日本の親鸞、栄西なども紹介されています。分量は少なく、これですべてがわかるというわけではありませんが、老子の思想について短時間で勉強するのに適しています。他にも、東洋哲学全般について知ることができるので、老子だけでなくいろいろな思想家に触れてみたいという人におすすめです。

みんなのレビュー

前作に引き続きとても分かりやすい入門書。インド、中国から日本の哲学まで網羅した内容。 西洋哲学が真理を探究して一歩一歩積み上げているのに対し、東洋哲学では、真理に達した人が突如として現れ、それをどう解釈するか、その解釈の体系を発展させていくもの。なるほど、だから東洋哲学は神秘性を帯びているのか。

史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち

4位:老子(岩波文庫)

読んでみて

老子の解説書で、現代語訳・書き下し文・原文・注釈が載っています。各文章のはじめには、わかりやすい現代語訳が書かれています。初心者はまずここから読んでいきましょう。

注釈の内容的はアカデミックで、初心者にはちょっと難しいかもしれません。そのため、老子についてより深く勉強してみたいという人に薦めたい本です。

みんなのレビュー

一章一章は短く簡潔ですが、重く深いものです。今はその上辺だけをサラッと舐めたたけですが、それでもリーダーや政治家になる人には読んでもらいたい内容がたくさんあると感じました。人間力を高める内容だと感じたからです。長年読み継がれてきた古典ですし、きっとこれからも読み継がれていく本だと思います。自分も何度も読んでいくことになりそうです。

老子(岩波文庫)

3位:マンガ 老荘の思想

読んでみて

中国の思想について漫画で学ぶことのできるシリーズの1冊で老荘思想を扱った本です。老子の教えが漫画でわかりやすく学べます。

老子について知りたいけれど、難しい本を読むのは苦手と言う人は、ぜひ本書を手にとってみてください。老子だけでなく、荘子の思想についても載っているので、2つを読み比べたり、どちらが自分にあっているか考えてみるのもいいでしょう。1冊で老荘思想を一度に理解できるおすすめの本です。

みんなのレビュー

孔子編に続いて。『荘子』目当てで読んだのに、『老子』の方に魅了されてしまった。「有」は「無」あってこそ、という宇宙の原則から始まり、その世界観の中で人間が語られる。とにかくスケールが大きく、思想に包容力がある。しかもそれが深みのある名文で綴られる。後世へ多大な影響を与えた理由がわかる気がする。『荘子』もその一つなのだろうが、こちらは若干嫌味に感じられた。にしてもこのシリーズは入門書としていい。欄外に書き下し文があるので原文も味わえる。マンガだと難解な思想も随分親しみやすいものに。ほっこり系のイラストも◎。

マンガ 老荘の思想

2位:別冊100分de名著 老子×孫子 「水」のように生きる

読んでみて

NHK Eテレの番組を書籍化したもので、老子に関するわかりやすい解説をしてくれる本です。古古今東西の名著を解説してくれる「100分de名著」という番組の内容を書籍化したものです。

本書の最大の特徴は、なんといってもテレビ番組をもとにしたわかりやすい解説にあります。あまり難しい本は読みたくないという初心者の方におすすめの本で、同じ老荘思想の荘子についても解説されているので、こちらもセットで勉強することができます。

みんなのレビュー

老子と孔子の対比が興味深かった。「無為」、「足るを知る」といった核となる考え。欲望だけでなく学ぶことさえも否定する。癒し、ブレーキの思想。孔子は「努力」、「学び」といったことを推奨。こちらはエンジンの思想。即効性のある孫氏の思想、じわじわ効き目が出てくる老子の思想、という見方も面白い。一見正反対に見えても、より良い世を、より良い生き方を模索するというのは共通するところ。中国だけでなく、ヨーロッパの思想も学びたい。このシリーズ、リレー形式でどんどん読んでいきたい。

別冊100分de名著 老子×孫子 「水」のように生きる

1位:全文完全対照版 老子コンプリート: 本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文

読んでみて

老子の原文、書き下し文、現代語訳が乗っている解説書です。本書の特徴は、文章のおおまかな意味を掴むことができる一文超訳です。超訳を拾い読みしていけば、その章にはどういったことが書かれているのか、要点をさっと掴むことができます。

最初に超訳を読み、その内容を頭において現代語訳や注釈をみていくことで、普通に読むよりもより理解しやすくなるでしょう。一文超訳をみて、興味のあるところから読み始めてもいいと思います。老子に興味をもった初心者におすすめの1冊です。

みんなのレビュー

読みやすく分かりやすい。名言のオンパレード。ただ終わりごろにある「天は常に善人の味方である」というのはどうなんだろう。常に、に引っかかるな・・・

全文完全対照版 老子コンプリート:本質を捉える「一文超訳」+現代語訳・書き下し文・原文

まとめ

老子の思想は、孔子の儒教と比べると、ちょっと掴みどころがなくて、わかりにくく、理解するのに時間がかかるかもしれません、ですが、内容がわかれば、人生について、儒教とは違った視点からいろいろと深い示唆を与えてくれます。

ぜひ、ここで紹介した本を参考に、老子の思想に親しんでみてください。以上、老子に関する本のまとめでした。

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