英語のままで味わいたいカートコバーンの名言
ここまでは邦訳されたカートの名言を紹介してきましたが、やはり英文を読むことでこそニュアンスが伝わってくる言葉も存在します。そこで、ここでは英語のままで味わって欲しいカートコバーンの名言をご紹介していきます。
“The worst crime is faking it.”(最も重い罪は、偽ることだ)
胸に突き刺さるほどストレートな名言です。
カートコバーンは、自らをロックスターとして祭り上げようとするメディアに対して、強い嫌悪感を抱いていました。それは、彼自身が「偽ること」が罪であることをよく知っていたからです。そんなバックグラウンドを持つ彼が放ったこの一文は非常に重みがありますね。
“I’d rather be dead than be cool”(スカしたツラをするぐらいなら、死んだ方がマシだ)
「Stay Away」という歌の歌詞の一節。大物気取りで「自分はクールだ」とカッコつけている人間が多い中、それに真正面から向き合った名言です。
私たちから見るとカートこそカッコよく見えますが、そんなカートが決して気取らず、ありのままの自分を曝け出すのを良しとしているところはさらに好感が持てますね。
“it’s better to burn out than to fade away.”(色あせてしまうぐらいなら、いっそのこと燃え尽きてしまった方がいい)
カートコバーンの遺書の一節。ニールヤングの歌詞を引用したものです。
彼自身を「燃え尽きさせて」しまったのは誰なのか。カートを「色あせる」ような消費の対象とみなしていたのは、彼の表面しか見ようとしないファンや、彼をもてあそんだメディアではなかったのか。そんな疑問を私たちに投げかけてくれるような名文です。
他にもある!カートコバーンの名言を味わおう
カートコバーンの名言をもっと知りたい!という方のために、ここでは紹介しきれなかったカートコバーンの名言をさらにまとめました。
カートの珠玉の名言を存分にお楽しみください。
「俺たちのファンに伝えたいことがあるんだ。もし君がホモセクシャルの人々、肌の色が異なる人々、そして女性に対して嫌悪感を抱いているなら、俺たちのショーには来ないで欲しい。レコードも買わないでくれ」
「自分はゲイなのかもって思ったこともある。敢えて確かめようとはしなかったけど、そう考えると全部つじつまが合うような気がしたんだ。俺にはゲイの友達がいたけど、俺の母親は同性愛者を嫌悪していて、彼と親しくすることを許さなかった。やっと分かり合える男友達ができたと感じていた俺は、文字どおり身を引き裂かれる思いだった。俺たちは何でも話せる間柄だったんだ」
「俺は自分が男性よりも女性に近いと感じる。少なくとも典型的なアメリカ人男性像よりはずっとね。ビールのコマーシャルを見れば、俺の言わんとしていることがわかるはずだよ」
「共感できる男の友達がまるでいなかったから、俺はいつも女の子と遊んでた。だからかもしれないけど、俺は女性が不当に扱われていて、社会的に抑圧されてると感じてた。ビッチとかヤリマンとか、そういう言葉が当たり前のように使われていることに違和感を覚えていたんだ」
「誰かになりたいと思うことは、自分自身を浪費することだ」
「薬物は時間の無駄だ。記憶と自尊心を破壊してしまう。マジで全然良いものじゃないよ」
「すべての答えがわかるまで、意見を言う権利なんてありゃしない」
「正直言って、他の多くのロックスターがやっているのと同じことをやっていたり、やらざるを得ないことをしている自分に気がついたんだ。メールの返信もできないし、最新の音楽にもついていけないし、引きこもっていることが多い。外の世界は、俺にとってはかなり異質なんだよ」
「おれは、人と仲良くしたり、うまくやったりするためだけに他人のふりをするのに疲れたんだ。」
「俺とコートニーはみんなが思ってるより普通さ。俺も彼女も親の愛情を知らずに育ったから、フランシスにはありったけの愛情を注いでやりたいし、できる限りのことをしてやりたいと思ってる。少なくともその思いが悪い方向に転がることはないはずだよ」
「酷い言い方だけど、最近は昔ほどバンドに夢中になれないんだ。昔は何よりもバンドが大切だったけど、今の俺には妻と子供がいる。今でもバンドのことは気にかけているけど、今は他にも守るべきものがあるんだ」
「幸せボケするのは怖いね。でも俺は根っからのノイローゼ体質だから、これからも人が眉をひそめるようなことをやり続けるだろうな」
「俺は時々、すごくニヒリスティックで嫌なやつになるんだ。皮肉ばかり口にしているかと思えば、脆く危ういほどに素直になることもある。俺の書く曲のほとんどはそのギャップから生まれていて、自分の2つの面が同居しているんだ。俺と同じくらいの年の人はみんなそう感じているだろうね。数年前にとことんムカついたことに、俺は今でもすごくムカついてる。俺は基本的に何にでもムカつくタチだから、俺の曲はほぼ全部何かに対する苛立ちを表現しているんだ」
「俺が経験したことと、そこから生まれた感情を反映しているっていう点では、俺の曲はすごくパーソナルだ。でも曲のテーマは必ずしもそうじゃない。そのストーリーの多くはテレビや本、映画、友人の経験なんかに基づいてる。それでも、曲に宿っている感情が俺自身のものであることは確かだ」
「エアロスミスとレッド・ツェッペリンのメロディーが好きでよく聴いていたけど、彼らの曲の多くが性差別的だって何年も経ってから気づいたんだ。自分のペニス自慢とセックスについてばかりで本当にウンザリした。俺は当時、過去数年間の高校生活で自分がいつも苛立っていた理由を少しずつ理解し始めてた。そんな頃にパンクロックと出会って、何もかも変わった。欠けていたパズルのピースがやっと見つかった気がしたんだ。パンクのアティテュードは、世の中に対する俺の思いと完全にシンクロした。パンクと出会って初めて、俺は自分が抱えていた怒りと疎外感に気づいたんだ」
「ラップミュージックは、パンク以降に誕生した最も革新的な音楽だと思う。手を出すつもりはないよ、俺にそんな才能はないから。優れたラッパーはいくらでもいるしね。でもヴァニラ・アイスみたいなやつには正直ムカつくよ。白人が黒人の文化をパクるっていう悪しき習慣は終わりにすべきだ。ラップミュージックはアフリカン・アメリカンのものであるべきだよ。彼らの方が何枚も上手だし、自分たちのものだと感じてるはずだからね」
カートコバーンの名言に関するまとめ
今回の記事では、心に響くカートコバーンの名言を25個ご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
有名人の名言というのは、えてして一人歩きしてしまいがちなものです。しかし、カートコバーンのように重厚な人生を辿っている人物の場合、そのバックグラウンドを知ることで彼の発した言葉の価値が一層わかるようになります。
この記事を読んでカートコバーンに興味を持っていただけた方は、ぜひ彼の生きた足跡も辿ってみてくださいね。
丁寧にまとめてあって読みやすかった。
知らない言葉もあった。