【24年1月最新】ゴッホをよく知れるおすすめ本ランキングTOP7

ゴッホって、有名な画家だけど、本当はどんな人だったんだろう」
ゴッホの作品について解説してくれるいい本はないかな」

フィンセント・ファン・ゴッホは、後期印象派の代表的な画家で「ひまわり」や「星月夜」などの作品が有名です。ゴッホは独特な性格でも有名で、周囲の人間と衝突してしまうこと多くありました。自分の耳をそぎ落としたなど衝撃的なエピソードでも知られ、「情熱」や「狂気」の画家といった言葉で語られます。

作品は有名なゴッホですが、実際にどのような人物であったか詳しく知らないという人が多いのではないでしょうか。ゴッホの人生を知れば、彼の作品をより深く理解することができます。

ここでは、ゴッホに関するおすすめの伝記や解説書、作品集などを全部で7冊ご紹介します。おすすめ順のランキングにしてみました。これを読めば、ゴッホの人物像とともに作品に対する理解も深まるでしょう。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

7位:ゴッホのあしあと

読んでみて

アート小説の第一人者・原田マハがゴッホを解説している書籍です。著者にとってゴッホは「運命の画家」でした。ニューヨーク近代美術館でも学芸員をしていた著者はピカソやルソーなどには親しみを感じるといいますが、ゴッホはその絵のパワーに圧倒され、意識的に避けてきたそうです。

けれども著者は、ゴッホを避け続けるわけにはいきませんでした。こちらの本は世にいう「解説本」というより、原田マハからゴッホへの熱烈なファンレターにように感じられると思います。原田マハが小説でゴッホを描いた『たゆたえども沈まず』『リボルバー』もおすすめです。

みんなのレビュー

6位:ファン・ゴッホの生涯

読んでみて

ピュリッツァー賞受賞作家によるゴッホの伝記。上下巻あわせて1000ページ越えというボリュームで、ゴッホの伝記としてはこれ以上ない詳しさです。

精密な調査により、ゴッホの母親についての記述など、ほかの伝記ではあまり語られないことも書かれています。ゴッホの手紙など生の史料を取り上げつつも、他の史料と比較することで、客観的にゴッホを分析しています。

1冊6千円越えという価格はネックですが、ゴッホ伝の決定版といえる本ですので、ぜひ一度読んでみてください。

みんなのレビュー

ゴッホの伝記。分厚い。そして陰鬱。でもたまに笑ってしまう。ゴッホ自身が画家の伝記に嵌っていたらしいが、この本の冒頭、ゴッホの作品を知る上でも彼の人生は知っていなければならないと言い切る。しばしばゴッホは「魂の遍歴」なんていう仰々しい言葉で画業を語られるけど、なるほど、凄まじい人生だ。社会不適合者であるのは間違いなくて、その根深さたるや、彼の作品にへばりつかないではいられない。実際にこんな性格の人間と付き合うのは難しいだろうが、ゴッホの伝記的事実を知った後では彼の作品のすべてに愛おしさをまなざす確信がある。

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5位:ゴッホと〈聖なるもの〉

読んでみて

ゴッホの絵画を「聖なるもの」とした著者独自の視点から分析した作品の解説書です。筆者によるとゴッホの作品の根底には、キリスト教とは異なるゴッホ独自の価値観があり、著者はこれを「聖なるもの」と呼んでいます。

聖なるものがゴッホの作品を他と一線を画す独特のものにしているというのが著者の主張です。ゴッホとキリスト教徒の関係を分析することによって、ゴッホが独自の価値観を生み出していく過程が論じられています。

著者によるゴッホの作品分析はとても詳しく、ゴッホ作品の本質に迫るものです。ゴッホ作品に関する新たな知見が得られるおすすめの解説書です。

みんなのレビュー

図書館で借りたこの本、開こうとしたらぺりぺりと音がして、もしかしたら最初の読者だったかも。最初に取り上げられた《開かれた聖書のある静物》は、ゴッホ展で心に残った絵だったから嬉しく読み始め。《善きサマリア人》《ラザロの復活》そしてゴッホ描くところの「太陽」について。ゴッホは「もはや僕は自分を感じず絵が夢の中のようにやってくる」と手紙の中で語った。ゴッホの絵画には自己の内にも外にも位置づけられない聖なるものが横溢していたと作者、また一歩ゴッホに近づいた。図版の並べ方がおもしろい!

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4位:ゴッホ(「知の再発見」叢書3)

読んでみて

ゴッホの生涯を描いた伝記で、価格・ページ数ともに手軽に読めるものになっています。ゴッホの人生を時系列にあわせて、有名なエピソードをもとに1つのストーリーとして構成しています。

伝記にあわせてその時期の作品や、ゴッホの住んでいた場所、人間関係などについても解説されており、いろいろな視点からゴッホの人生を理解することができます。特に、伝記と作品が一緒に載っているので、ゴッホの人生がどのように作品に影響を及ぼしていたかがわかります。

ゴッホを勉強したい初心者が最初に読むのにおすすめの本です。

みんなのレビュー

ゴッホという画家については、この本を読むまでは実は「ひまわり」を好んでモチーフに使った画家、ぐらいにしか思ってなかったのですね。…いやはや、ここまで劇的な人生を送った方だったとは知りませんでした…2013年の夏はなんだかやたら暑く、それゆえ、ふと「ひまわり」好きの画家の本を読んでみたく思ってこの本を手に取った訳ですが、…正解でしたね。ゴッホ研究とか興味ある方は入門書としてはこの本は最適なんではないかと思われます。DVDの『ゴッホ』も観たくなりますねw

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3位:ゴッホ (コミック版世界の伝記)

読んでみて

ゴッホの生涯を小学生にも理解できるようにわかりやすく描いた伝記漫画。ゴッホの性格や有名な作品に関するエピソードを知ることができ、後半には文章によるコラムもあるため、さらに詳しく学ぶことができます。子供向けに書かれた本ですが、大人が読んでも楽しめます。

漫画なので手軽に読めて、ゴッホの生涯を理解することができます。ゴッホに興味をもった初心者が最初の1冊として読むのにおすすめです。

みんなのレビュー

孫が借りた本です。ゴッホが耳を切り落としたことや自殺という激しいエピソードだけ知っていましたが、性格やどのような人生だったのか全く知りませんでした。この本で生育歴を知るとゴッホの起こした事件が必然であったように思えます。そして有名な多くの絵と彼の人生がピタッとつながりました。短い子供向け漫画ですがよくまとめられていて、今更ですがゴッホの生き様を知ることができました。

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2位:ファン・ゴッホ 日本の夢に懸けた画家

読んでみて

ゴッホが日本にユートピアとしての憧れをもっていたという新しい視点からゴッホの生涯を論じている評伝です。

ゴッホを気性が荒く、独特な性格で、周囲とうまくなじむことのできない人間という解説は他の本にもみられるものですが、この本の特徴的なところは、ゴッホと日本との関係を論じたり、ゴッホに関するこれまでの俗説を否定するような内容があることです。

他のゴッホ本では触れられてこなかった弟との手紙なども取り上げており、新しいゴッホの一面を知ることができるおすすめの1冊です。

みんなのレビュー

読んだ。ゴッホの手紙はやはりいいなぁ。ゴッホは、手紙が残っていたからこそここまでの巨匠になれた、という主張はまさにその通りだと感じる。次は書簡集を読んでみようかな。さくっと読めて、カラーも多く、いい本でした。ゴッホ の人生に興味ある方にはおすすめ。美術史的な視点なら他の本の方がいいでしょう。

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1位:ファン・ゴッホ その生涯と作品

読んでみて

有名な大作から無名時代のものまで、ゴッホの作品を多数収録した作品集です。前半では、ゴッホの生涯や影響を与えた人や物、人間関係が解説され、ゴッホの人物像を理解することができます。そして、後半はこの本のメインといえるゴッホの傑作選ギャラリーとなっています。

初期のスケッチや水彩画から有名な「ひまわり」「星月夜」まで、ゴッホが37年の人生で生み出した280点以上の作品が紹介されています。さらに、どの作品にも解説がついており、時期による技法の変化などゴッホ作品全般に関する解説もあるので、ゴッホの作品をより深く知ることができます。

少し価格は高めですが、ゴッホの生涯と作品を1冊で学ぶことのできるおすすめの本です。

みんなのレビュー

今まで観たことのない作品も多く、圧倒される。時期ごと、あるいは場所ごとに作品が整理されており、ゴッホがそれぞれの時期に何の影響を受けていたのか、またどういうことを試みたのかが、漠然とではあるが伝わってくる。短いとは言え、生涯を通じていろいろな実験をしていたのだ。ゴッホを見る目が少し変わった。なお、時代的には晩年の暗く、抽象画の少し手前のような作品よりも、アルルの明るい作品の方が好きかな。

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まとめ

ゴッホは、とても有名な画家なので、作品やエピソードなと、ある程度知っているという人も多いのではないでしょうか。しかし、それらが強烈であるだけに、逆に細かな部分については知られていないことが多いと思います。ゴッホの人生を知ることで、有名な作品が生まれた背景も理解することができるでしょう。

美術館へ行く前など、ここで紹介した本を参考に、ゴッホのことを勉強してみるのはいかがですか。以上、ゴッホに関する本のまとめでした。

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