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レオナルド・ダ・ヴィンチの作品・代表作10選!創作背景も解説

レオナルド・ダ・ヴィンチの有名な作品はなに?」
「絵画以外にはどんな作品を残したの?」

レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)と言えば、ルネッサンス期を代表する有名な芸術家ですが、「名前は知っているけど作品の名前がわからない」という方もいるかもしれませんね。

レオナルドは日本の美術史で「万能の天才」と呼ばれています。実際に、音楽や建築、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、、などあらゆる分野に対して類まれな才能を発揮し、手稿を残しています。

このように多才なレオナルドは、画家としての才能を最も評価されていきましたし、「モナ・リザ」「最後の晩餐」など有名な作品を残しています。一方、レオナルドが残した手稿からは、発明家としてもいくつかの作品を残したことが分かっています。

今回は、ルネッサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの作品の中から、特に有名なもの10点について一つ一つ解説をし、レオナルドが残した手稿を元に、どのような発明や研究をしていたのかについてもご紹介します。

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画作品

自画像 レオナルド・ダ・ヴィンチ

聖アンナと聖母子

聖アンナと聖母子
制作年1502年~1516年にかけて
展示場所パリのルーブル美術館
技法スフマート技法

聖アンナと聖母子の創作背景・解説

「聖アンナと聖母子」は、レオナルド・ダ・ヴィンチの晩年期に10年以上かけて制作された未完の大作で、中でも聖アンナの右足とマリアの顔は未完成となっています。

幼子イエスと聖母マリア、その二人を優しく見つめる聖アンナ(マリアの母)の3人が描かれ、イエスが手でつかんでいる子羊は、将来遭遇する受難の象徴である生贄の子羊をあらわします。レオナルドは、聖母マリアを聖アンナの膝の上に座らせ、三世代が一直線になることで三角形の構図を描きました。

この作品は、レオナルドがミラノに滞在中、当時のフランス国王ルイ12世のために制作した作品と言われています。ダ・ヴィンチの死後1540年までの間はフランスにあり、フランス国王が礼拝堂に飾っていたこともあるようです。1629年にリシュリー枢機卿がイタリアのカザーレ・モンフェッラートで購入した後、1636年にフランス国王に献上したことから現在はルーブル美術館が所蔵しています。

受胎告知

受胎告知
制作年1472年~1475年ころ
展示場所フィレンツェのウフィツィ美術館
技法遠近法

受胎告知の創作背景・解説

「受胎告知」は、師匠であるヴェロッキオと共同で描き上げたレオナルドのデビュー作品で、油彩作品の中では最大の大きさです。

「受胎告知」のテーマは、タイトルの通り「ルカによる福音書」1章26~38節の受胎告知の場面で、神からの遣い大天使ガブリエルが、処女マリアに神の子であるイエスを授かったことを告知する様子を描いています。大天使ガブリエルが手に持っているのは、マリアの処女性とフィレンツェの象徴である百合の花で、背中の翼は、飛翔する鳥の翼を表しています。

ヴェロッキオは有鉛絵具を使用したのに対し、レオナルドは無鉛絵具を使用して背景部分と大天使ガブリエルを描きました。マリアの前に描かれている大理石のテーブルは、フィレンツェのサン・ロレンツォ大聖堂にあるピエロ・ディ・コジモ・デ・メディチの墓碑彫刻だと言われています。

書顕台に置かれる聖母マリアの右腕が長いのが特徴ですが、これは作品の右側から閲覧することを前提として描かれたからといわれています。

モナ・リザ

モナ・リザ
制作年1503年~1506年
展示場所パリのルーブル美術館
技法スフマート技法

モナ・リザの創作背景・解説

「モナ・リザ」は、世界で最も有名な美術作品であり、最も高額な絵画(約6億5000万ドル)の一つです。タイトルの意味は、「モナ」がイタリア語で「マダム」、日本語では「奥さん」の意味になることから、「リザ奥さん」という意味になります。

「モナ・リザ」は、構成のスケールが大きいこと、立体描写が繊細であること、輪郭を描かない技法、モデルは誰なのかなど、いつの時代も人々を関心をひきつけ魅了し続けてきました。

「モナ・リザ」のモデルに関しては、ジュリアーノ・デ・メディチの愛人説、コスタンツァ・ダヴァロス説、自画像説、イザベラ・デステ説、レオナルドの理想化された人物像など様々な説があり、長年研究と議論が続いていました。

現在は、ドイツのハイデルベルク大学図書館にある古書に、当時のフィレンツェの役人が1503年10月に書いた、「レオナルドは現在、リーサ・デ・ジョコンド(豪商人フランチェスコ・デ・ジョコンドの妻)の肖像など3点の絵画を制作している」という書き込みがあることから、「モナ・リザ」のモデルはジョコンドの妻リーザであると結論付けられました。

最後の晩餐

最後の晩餐
制作年1495年
展示場所ミラノのサンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院
技法遠近法、テンペラ画

最後の晩餐の創作背景・解説

「最後の晩餐」は、レオナルドが制作した壁画作品で、レオナルドのパトロンであったミラノ公爵ルドヴィコ・スフォルツァから依頼を受けて制作されました。壁画では通常フレスコが用いられますが、本作は油彩とテンペラによって描かれているため遜色が酷く、壁画が戦争に巻き込まれるなど長期間保存状態が悪かった為、原型のまま鑑賞することはできません。1977年から1999年にかけてミラノ芸術財、歴史財保存監督局のもと大規模な修復作業が行われ、1980年にこれを所蔵する教会とともに世界遺産に登録されました。

「最後の晩餐」のテーマは、タイトルの通りイエスと使徒たちとの最後の晩餐で、12使徒のうち1人がイエスを裏切ると告げた場面を描いています。イエスは裏切り者について「わたしがパン切れをワインに浸して与える者です」と話しており、イエスの右手がパンに手を伸ばそうとし、同時にユダも同じパンに手を伸ばしている様子が描かれています。

ブノワの聖母

ブノワの聖母
制作年1478年ころ
展示場所サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館
技法スフマート技法

最後の晩餐の創作背景・解説

「ブノワの聖母」は「花と聖母子」とも呼ばれ、レオナルドが独り立ちをして最初に描いた作品です。

本作は、数世紀の間行方不明でしたが、ロシアの名門貴族クラーキン公のコレクションからフランスの画家レオン・ブノワの手に渡り、最終的にロシア皇帝ニコライ2世が購入したことから、現在はサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されています。また、本作の下絵の習作が二点あり、これらは大英博物館に所蔵されています。

「ブノワの聖母」は、画面右上の窓の風景について、未完成のままなのか、または、レオナルド自身が塗りつぶしたのか議論を呼んでいます。スフマート技法によって聖母の輪郭が背景に溶け込むことで、聖母を慈愛に満ちた人物としてより際立たせ、聖母が手に持つ小さな花を見つめるイエスは、幼いながらも気高く、神の子としての神々しさが表れています。

東方三博士の礼拝

東方三博士の礼拝
制作年1481年
展示場所フィレンツェのウフィツィ美術館
技法スフマート技法、明暗法

東方三博士の礼拝の創作背景・解説

「東方三博士の礼拝」は、レオナルドの未完の傑作のひとつで、1481年ころフィレンツェ郊外のサン・ドナート・ア・スコペート修道院から祭壇の中央に飾る祭壇画として依頼されたものです。未完で終わった理由は定かではありませんが、1482年にレオナルドがミラノへ向かった際に未完の状態でフィレンツェに残され、1621年にメディチ家へ所有権が移行しました。

「東方三博士の礼拝」は、聖母マリアがベツレヘムの家畜小屋でイエスを産んだあと、東方から3人の賢者達(メルヒオール、カスパル、バルタザール)が、神の子イエスの生誕を祝福するためにベツレヘムを訪れ、黄金、乳香、没薬を捧げる場面が描いています。

三博士が聖母マリアと幼子イエスを囲み、その外側を羊飼いたち、さらにその外側を廃墟や馬に乗った人物が取り囲んでいて、背後にはイエスの誕生を恐れたヘロデ王が幼児を殺していった殺戮の情景が描かれています。

白テンを抱く貴婦人の肖像

白テンを抱く貴婦人の肖像
制作年1489年
展示場所ポーランドのクラクフ国立美術館
技法スフマート技法

白テンを抱く貴婦人の肖像の創作背景・解説

「白貂を抱く貴婦人」は、レオナルドが制作し油彩作品で、モデルはレオナルドが仕えていたミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの愛妾チェチリア・ガッレラーニです。

本作に描かれている半身像は、身体は右方向を向き、首は左に向いているピラミッド型螺旋の構図で、レオナルドが生涯にわたってこだわった技法とされています。胸に抱いている動物は、ルネッサンス期において「純潔の象徴」とされていたオコジョであると考えられます。

本作は、1939年のナチス・ドイツのポーランド侵攻の際にナチスに収奪され、ベルリンのカイザー・フリードリヒ博物館へ送られました。その後、行方が分からなくなりましたが、第二次世界大戦が終結した後、連合国兵士がバイエルンにあるフランク群の家で発見しました。現在、ポーランドの国宝となっています。

岩窟の聖母

岩窟の聖母
制作年1483~1486年、1495年~1508年
展示場所パリのルーブル美術館
ロンドンのナショナルギャラリー
技法スフマート技法

岩窟の聖母の創作背景・解説

「岩窟の聖母」は、レオナルドが制作したもので、同じタイトルの作品が2点存在しています。2点とも構図は同じですが、1点は復元されないままルーヴル美術館に所蔵され、もう1点は2008~2010年の間に復元され、ロンドンのナショナルギャラリーに所蔵されています。

ルーヴル版は、1483年にミラノのサン・フランチェスコ・グランデ教会から依頼されたものですが、後に書き直したロンドン版を教会に納品したと考えられています。

「岩窟の聖母」には岩場を背景に、聖母マリア、イエス、聖ヨハネ、の3人が受肉の神秘を讃えている様子が描かれています。

ルーヴル版ではイエスと聖ヨハネの区別が明確でないのに対し、ロンドン版では、聖ヨハネに十字の杖と衣を加えてイエスとの間に区別がされています。また、ロンドン版には、聖母マリア、イエス、聖ヨハネに神的人格の象徴である光輪が描かれていますが、ルーヴル版には描かれていません。

レオナルド・ダ・ヴィンチの発明作品

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿の複製

空を飛ぶ機械

空を飛ぶ器械

「空を飛ぶ機械」について、レオナルドが残したノート「レオナルド・ダ・ヴィンチ手稿」の中に数多くのスケッチが残っています。一番有名なのが、ヘリコプターのスケッチで、「太い針金で縁取られた半径約5mの布製のらせん型のプロペラを薄い鉄板で作った軸に取り付ける。軸を強くねじ曲げると、元にもどろうとする力でプロペラが回る。」と説明書きがされています。

レオナルドは、螺旋のプロペラがゼンマイを動力として空気中を上がっていくと仮定したようですが、当時は材料がなく作れなかったようです。しかし、レオナルドの「回転するプロペラによって上 昇する」というアイディアは現在のヘリコプターの原型になったと言われいます。

他にも、レオナルドが鳥の羽ばたきを観察し、空を飛ぶための原理を考えてスケッチした「羽ばたき飛行機」など、レオナルドが残した手稿には、いくつかの「空を飛ぶ機械」の設計図が書かれています。

ダイビングスーツ

レオナルド・ダ・ヴィンチが発明したホラー漂う潜水服

ダイビングスーツもレオナルドが考案したものの一つで、レオナルド手稿の一つ「アランデル手稿」にダイビングスーツのスケッチが残されています。革のスーツにゴーグルのついたフェイスマスクで、ワインの革袋を膨らますことで浮き沈みできるようになっています。

このスーツには、鐘型をした給排気装置や鋼製のリングで革と結合したサトウキビ・チューブのスプリング式ジョイントホース、さらに排尿用の袋も完備されていました。

レオナルドは、ダイビングスーツを軍隊で使うためのものとして構想を練ったのではないかと考えられています。レオナルドはこのダイビングスーツの技術が敵の手に渡り、悪用されるのを怖れて、研究をやめてしまい、詳細も書き記しませんでした。 

レオナルド・ダ・ヴィンチと解剖学

レオナルド・ダ・ヴィンチと解剖学の歴史

レオナルドは、1489年から解剖した人体の詳細な素描を描き始めました。ミラノで解剖学者のマルカントニオ・デル・ㇳッレと解剖学書の共同執筆もおこない、約20年間で30体近い男女の死体を解剖し、750枚の素描が残っています。

レオナルドが残した人体の素描は正確性において世界初となるもので、解剖学のスケッチには、脊椎、肝硬変や動脈硬化の発見など科学的に価値の高いものが数多く残っています。240枚のイラストが描かれた「Anatomical Manuscript A」「Anatomical Manuscript B」という手稿はウィンザー城王室図書館が保管しています。 

レオナルド・ダ・ヴィンチの関連作品

おすすめ本・書籍

レオナルド・ダ・ヴィンチ: 生涯と芸術のすべて

前半は、レオナルド・ダ・ヴィンチの半生について、後半はレオナルドの作品について、赤外線調査や化学分析など調査や分析などを徹底しておこなった上で、解説をしています。著者は、20年にも渡ってレオナルドの研究をしているので、レオナルドとはどのような人物なのか知りたい初心者の方にもおすすめです。

レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿を解読する 手稿から読み解く芸術への科学的アプローチ

レオナルド・ダ・ヴィンチが残した「手稿」を読み解き、解説した一冊です。画家としてのレオナルドではなく、流体力学や理論植物学、空気力学、発生学などの分野を切り開いたレオナルドの思考プロセスや、どのように体系化していったのかなどを探っています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ―全絵画作品・素描集

50cmという大きさの大型本なので絵に迫力があり、作品の筆致が詳細に解ります。一つの作品を作り上げるまでにおこなったスケッチなど、魅力的な画像が多く見ごたえがあります。世界中に散らばるレオナルドの作品を、ゆっくり一度に堪能できます。

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品に関するまとめ

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品について、絵画から発明、手稿などを順番にご紹介しました。レオナルドは、生前から巨匠として評価を得ているように、作品にはレオナルドがこだわった手法や技法を駆使したレオナルドならではの魅力がたっぷり含まれ、どの作品も所蔵している国の国宝となったり、世界遺産となっているものが多くみられます。

今回ご紹介したレオナルドの作品の解説が、あらためてレオナルド作品の素晴らしさに気付いてくれるきっかけとなったら嬉しくおもいます。

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