第21位:昭和天皇物語
読んでみて
日本の近代史を知りたいなら、まずこの作品を読めば良いのではないでしょうか。昭和天皇は明治に生まれ、成人して天皇に即位してからは、長い昭和という時代の象徴となりました。
昭和天皇はご成婚のときには関東大震災、天皇に即位してからは日中戦争に第二次世界大戦とさまざまなことを体験しており、すべて落ち着いたのは40歳を越えてからです。
波乱万丈の人生で漫画にするのには十分なので、昭和生まれの人(それ以外も)が読んでも新しい発見ができると思います。昭和天皇崩御の折りには、日本中が暗く沈みましたが、この作品を読むと、それが納得できるはずです。
みんなのレビュー
久々になにか漫画を読みたいと思い、前々から気になっていた本書を選んだ。 天皇、というと現代の象徴天皇や戦前の国家君主という「制度」に目が行きがちで、国を代表したひとりの人間として興味を持つことは少なかった。本書は昭和天皇がいかに生きたかを漫画というスタンスで分かりやすく書いている。自分は平成生まれで昭和天皇に関しては全く無知であるから、これをイメージを掴む入門書としたい。
読書メーター
第22位:特攻の島
読んでみて
人間魚雷回天に乗った若者の物語です。1度乗って出撃したら、生きて戻ることができないとわかっていて乗るのが人間魚雷です。主人公の渡辺裕三は最初、人間魚雷に乗って死ぬ意味がわかりません。
それが当然だと思われるでしょうが、後に彼は死ぬ意味を見出してしまいます。今私たちは徹底的に命は大切にするように教え込まれます。こんな時代があったということには、衝撃を受ける人が多いはずです。
主人公は架空の人物ですが、その他の登場人物には実在した人も多く、話に厚みと迫力を与えていると思います。読むのが辛くなるかもしれませんが、ぜひ読んでおきたい作品です。
みんなのレビュー
★★★★★ 何という… こういう重い漫画の一気読みは疲れるが、この作品はやはり勢いで読まないと。読後暫く放心状態であった。手が震える。心臓がドキドキする。臨場感が半端ない。戦争は良くないこと、それは分かっている。しかしその状況下で生まれてきた人間にとって、その中で生きるしか仕方ないだろう。それを自分自身にどう納得させるか。いや、納得しなくても結局「特攻」せざるを得ないのだけども。映画『Uボート』を見たときも思ったことだが、潜水艦では死にたくない。
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第23位:蒼天航路
読んでみて
横山光輝の三国志では主人公のライバルとして描かれている曹操。この作品では主人公となっています。視線を変えるとまったく違う景色が見えるのです。
曹操が主人公となることで、横山三国志の主人公・劉備は第六感のおもむくままに行動する大うつけとして描かれているのが、どこか愉快に感じられます。
この作品は史実をもとにしていますが、それだけではありません。作者の言葉を借りるなら、「史実の横を突っ込んだ内容」になっていて、楽しく読むことができます。横山三国志と一緒に読むことで、世界観の違いを実感してみてください。
みんなのレビュー
割と淡々としていた横山三国志と違ってこちらはかなり人間臭い。あっちは夏侯一族や許チョとの関係描写はほぼなかったけど、こっちは曹操の旗揚げ以前からの関係として描かれている。全然詳しくないんだけども無双のイメージとかなり近い。許チョはほんとそのまんま。元ネタなんだろうな。曹操は超絶リア充陽キャ。頭いいし見た目もそこそこ、喧嘩まで強いからモテまくる。
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第24位:陰陽師
読んでみて
岡野玲子の『陰陽師』は、平安時代に活躍した伝説の陰陽師・安倍晴明を主人公にした歴史漫画です。
夢枕獏の同名小説を原作にしていますが、漫画オリジナルのキャラクターや設定も登場するので原作を読んでいると驚くこともあるかもしれません。原作者・夢枕獏に「原作を超えた作品」と高い評価を受けた名作です。
幼いころから鬼が見え、周囲からその能力を恐れられることもあった安倍晴明。彼が唯一の親友・源博雅とともに平安京で巻き起こる怪異に挑んでいく物語です。神秘的なほど美しい画が物語の魅力を高めていて、物の怪の存在が信じられていた平安時代のあやしげな雰囲気を味わえます。
みんなのレビュー
第25位:花の慶次
読んでみて
この作品の主人公は前田慶次。加賀百万石で有名な前田利家の兄・利久の養子です。自由奔放な生き様は傾奇者と呼ばれ、加賀藩の中におさまりませんでした。
脱藩して諸国を放浪するうちに、親友となる直江兼続に出会い、上杉景勝や真田幸村など有名武将の助っ人も務めます。これが奇想天外な冒険譚のようで、早く先を知りたくなります。
関ヶ原の戦いでは親友の直江兼続のために、東北地方で徳川家康に組みした東軍を食い止める上杉家に協力しました。これが彼の最後の戦となります。
全編を通して、前田慶次という人間の生き様を楽しんで欲しい作品です。
みんなのレビュー
第26位:アンゴルモア 元寇合戦記
読んでみて
たかぎ七彦の『アンゴルモア 元寇合戦記』は、1274年に元が日本に攻め込んできた「元寇(文永の役)」の対馬での戦いを描いた歴史漫画です。2018年にはアニメにもなった多くのファンをもつ作品で、現在は続編の『アンゴルモア 元寇合戦記 博多編』が連載されています。
1274年、鎌倉幕府によって対馬へと流刑にされた鎌倉武士・朽井迅三郎たちは、島の主の娘・輝日姫からとんでもない話を聞かされます。朽井たちが対馬に流されたのは、現在日本に向かってきている蒙古・高麗軍との戦いのためだというのです。突然の戦い、そのうえ圧倒的に不利な状況のなか、朽井たちは敵を迎え撃つことになるのですが…
当時の武士の生きざまや、蒙古軍との戦いの激しさを感じられる作品です。
みんなのレビュー
アニメを見て原作が読みたくなった。アニメでは描かれていない部分もあり、よきかなよきかな。史実を捻じ曲げる訳にはいかないけれど、ふくらませる事はできる。魅力的なキャラたち(みんな死んでいきはるのが辛い)に拍手。
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27位:あさきゆめみし
読んでみて
大和和紀の『あさきゆめみし』は、紫式部の『源氏物語』を題材にした壮大な歴史漫画です。完全版にして全10巻で完結しています。累計売上部数は1700万部を超え、海外で翻訳もされた大人気漫画です。
『源氏物語』に忠実なストーリー展開で、さらに平安時代の風俗も細かな部分まで描きこまれているのでこの時代について知りたい人にもってこいです。登場人物の誰かを絶対的な悪人として描くことなく、どこかに光が見える描き方に作者の愛が感じられます。
原典よりもキャラクターが際立つように描かれているのでストーリーも追いやすく、源氏物語入門には最適の歴史漫画です。
みんなのレビュー
源氏物語の世界を繊細に美しく雅やかに、かつ人間性の深みを失わずにバランスよく描いた作品だと思います。私の源氏のイメージはこの作品からきてますが、原作の源氏は今の感覚だと結構ヒドイ人らしい。いつかきちんと原作読んでみたい。
BookLive
28位:天上の虹
読んでみて
里中満智子の『天上の虹』は、天武天皇の皇后で自身も天皇となった持統天皇を主人公にした歴史漫画です。コミックスにして全23巻で完結しています。里中はこの作品をライフワークとして描いていて、完結には13年のブランクを挟んで32年かかりました。
天智天皇の娘として生まれた鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)は叔父にあたる天武天皇の妃となります。しかし父と夫の確執、彼女自身の政治の才能などに悩みの種は尽きません。女性として、また政治家として懸命に生きる姿に胸を打たれる作品です。
みんなのレビュー
一気読み。『明日香の王女』を読んで以来、中大兄皇子贔屓なのですが、その娘であり大海人皇子の妻である持統天皇の一代記。ややこしい皇子や皇女の親族関係・姻戚関係もわかりやすい。大陸との関係も垣間見え、古代の日本がいかにして『国』となっていったかがよくわかります。
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29位:王家の紋章
読んでみて
少女漫画で歴史漫画の先駆者のような作品です。斬新な設定に胸をときめかせた方も多かったのではないでしょうか。
留学生で16歳のキャロルが、古代のエジプト王の墓を暴いたために、タイムスリップしてしまいます。キャロルは出会った王・メンフィスと恋に落ちますが、さまざまなジャマが入り、いまだに2人は危機を乗り越え続けているようです。
1976年から連載されている作品なので、多少の違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、歴史漫画の楽しさを広く知らせてくれた功績は大きいです。歴史漫画の歴史を知るためにもぜひ、読んで欲しい作品です。
みんなのレビュー
コブラの毒から救ってくれた事でメンフィスがキャロルを好きになってしまうとかアイシス自分で自分の首絞めてて哀れだな。メンフィスは自分に自信があるからか滅茶苦茶強引だし時代を感じる。21世紀の人間と20世紀ってなってる所があったり長期連載ならではの修正を感じたりとか。巻末の読み切りは現代もの。でもこっちも実の兄妹でそうとは知らず愛し合っちゃって心中エンドとか凄い時代を感じた。登場人物みんな感情の振れ幅が大きいなと感じる。
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30位:日出処の天子
読んでみて
『日出処の天子』は、1980年から4年間少女漫画誌『Lala』で連載された山岸凉子の作品です。全7巻で完結しています。聖徳太子を主人公に、しかも「美女と見間違うほどの美しさ」「同性愛者で超能力者」などトリッキーなキャラクター設定で話題を呼びました。
飛鳥時代、超能力を使って政治的策略を巡らせる聖徳太子に蘇我家の人々や推古天皇が翻弄されるという大胆不敵なストーリーは物語として面白いです。私たちが歴史の授業で学んだ聖徳太子のイメージとはかけ離れていて、そのズレが想像が膨らませてくれます。
みんなのレビュー
友人に勧められて。少しずつ読むはずが一気読み。すごいものに出会ってしまった。そのまま歴史書になっても不思議でないと感じるほど物語や絵や台詞が細かく計算されている。人物描写も天晴で、残酷さと愛嬌を持ち合わせ、絶妙なバランスで「人間らしく」多面的に描かれている。
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