「古事記の作者は誰? 」
「どのような意図で作られたの?」
「日本書紀や万葉集とは作者が違うの?」
などの疑問を持っていませんか?古事記は日本神話や古代天皇のご事績が書かれた、現存する日本最古の歴史書です。また、古事記はとても個性的な手法で編集されたことでも知られています。
そんな古事記の作者は一体誰なのか、そしてその人物像や作られた意図などについて徹底解説。また、同時代の日本書紀や万葉集との作者の関係についてもわかりやすく解説していきます。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
古事記の作者は誰?
古事記をまとめ上げたのは「稗田阿礼(ひえだのあれ)」と「太安万侶(おおのやすまろ)」の2人です。この2人がそれぞれ違う役割を担って編集にあたり、和銅5年(712年)に完成しました。
古事記に特定の作者はいない?
古事記には、日本に古くから伝承されてきた神話や、初代神武天皇から第33代推古天皇までの伝説やご事績などが書かれています。こういった神話伝承は特定の人物が創作した物語とは言い難く、あくまで伝承です。また古代天皇のご事績も、あくまで「歴史」なので誰かが創作した物語ではありません。
そういった意味では、古事記に書かれた神話や歴史に特定の作者はいません。しかしながら「古事記という歴史書」は、稗田阿礼と太安万侶が協力してまとめたものであり、一般的にも2人が作ったと認識されていますので、本記事では古事記の作者は稗田阿礼と太安万侶として解説していきます。
古事記作成に至る経緯
古事記は第40代天武天皇の意向により編集が開始されました。天武天皇が生きた飛鳥時代末期には、すでに全国各地でバラバラの神話が伝承されており、このままでは真実がわからなくなると憂いた天武天皇が、各地の伝承をひとつに体系化させたものが古事記なのです。また、皇統の歴史を後世に伝えることも目的の一つだったとされています。
そんな古事記には大元になった歴史書があったと言われており、その歴史書を「帝紀」と「旧辞」と言います。帝紀は歴代天皇の系譜が書かれていたとされ、旧辞は古代日本の各地の氏族に伝承されていた神話や伝説を記録したものとされています。
稗田阿礼と太安万侶の協力で作られた古事記
古事記が稗田阿礼と太安万侶によって作られたことはすでに述べた通りです。以下より、それぞれがどのような人物で、どのような役割を担って古事記を編集していったのかをお伝えしていきます。
「稗田阿礼」とはどんな人物か
名前 | 稗田阿礼 (ひえだのあれ) |
---|---|
生没年 | 不明(7世紀後半から 8世紀初頭の人物) |
生没地 | 不明 |
職業 | 舎人(皇族や貴族に仕え、 警備や雑用などに従事する仕事) |
埋葬場所 | 不明 |
各地の伝承を暗記した稗田阿礼
稗田阿礼に関しては、古事記の編集に携わった事実以外、その人物像はほとんどわかっていません。古事記の序文にその名前が確認でき、古事記作成の段階で28歳だったとされています。抜群の記憶力を有しており、その才能を買われて古事記の編集に携わりました。
稗田阿礼は持ち前の記憶力で、帝紀と旧辞の内容を全て頭に叩き込んだと言われています。そして、記憶した内容を太安万侶に口頭で伝え、太安万侶がその内容を執筆し古事記はまとめられていったのです。
稗田阿礼女性説
そんな稗田阿礼ですが「実は女性だったのではないか?」とも言われています。この説は江戸時代に提唱され、後に柳田國男氏などの著名な学者も同じ説を唱えました。「稗田氏は巫女として朝廷に仕える一族なので、同じ稗田を名乗る稗田阿礼は女性なのではないか」というのがこの説の根拠となっています。
この他にも、稗田阿礼の素性には不明な点が多いことから「稗田阿礼は藤原不比等の別名ではないか?」、「実際は古事記の編集に関わっていないのではないか」、「そもそも架空の人物なのではないか?」など様々な説が唱えられていますが、その真相はわかっていません。
京藤 一葉様、
初めまして、ブラジルからの読者であります。森西カルロス進と申します。古事記の神話について興味がありますので、検索中このページにたどり着きました。色々と読みやすく書かれていますので助かります。古事記については、皇室の始まりとなる最も最古の書物で色々と読みました。谷口雅春先生の「古事記と日本国の世界的使命」、中沢…日本神話物語(川端康成先生が監修として)、竹田恒泰先生の古事記、渡辺昇一先生の「古事記と私」なども含めて、内容を知れば、知るほど日本国の世界で唯一の存在である事が分かってきます。大変ありがたい資料をアップして下さり、誠に有難うございます。
京藤 一葉様、
初めまして、ブラジルからの読者であります。森西カルロス進と申します。古事記の神話について興味がありますので、検索中このページにたどり着きました。色々と読みやすく書かれていますので助かります。古事記については、皇室の始まりとなる最も最古の書物で色々と読みました。谷口雅春先生の「古事記と日本国の世界的使命」、中沢…日本神話物語(川端康成先生が監修として)、竹田恒泰先生の古事記、渡辺昇一先生の「古事記と私」なども含めて、内容を知れば、知るほど日本国の世界で唯一の存在である事が分かってきます。大変ありがたい資料をアップして下さり、誠に有難うございます。