「いかりや長介の死因は?」
「いつ亡くなったの?」
「最期の仕事は?」
いかりや長介さんはザ・ドリフターズのリーダーとしてバラエティ番組「8時だョ!全員集合」で一世を風靡し、お笑いの一時代を築いたコメディアンです。また「踊る大捜査線」シリーズに和久平八郎役として出演し、俳優としても幅広い世代に愛されました。
そんないかりや長介さんは2004年3月20日に72歳でこの世を去っています。お笑い関係者や役者仲間、大勢のファンがいかりやさんの死を悼み葬儀に参列しました。
この記事ではいかりや長介さんの死因や闘病の様子を紹介するとともに、いかりやさんの死後に起こった遺産問題や偽遺書について解説します。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
いかりや長介の死因はなに?
死因は原発不明頚部リンパ節がん
いかりや長介さんの死因は「原発不明頸部リンパ節がん」でした。頸部リンパ節がんとは何か?原発不明とは何か?をまずは解説していきます。
頚部リンパ節がんとは
いかりや長介さんの死因となった「頸部リンパ節がん」とは、口腔がんや咽頭がん、甲状腺がんなどが首のリンパ節に転移した状態を言います。
「頸部リンパ節がん」の主な症状として首の腫れが挙げられます。しかし首が腫れる症状は頸部リンパ節がん以外にも「急性リンパ節炎」や「悪性リンパ腫」にもみられ、素人判断は難しく専門医への早期受診が望まれます。
転移先であるリンパ節の治療はもちろんのこと、転移元となったがんを発見し治療することも必要不可欠です。頸部リンパ節に転移している場合は口腔や咽頭、食道、肺などが転移元の可能性が高く、胃カメラやPET検査で転移元の検索を行います。
発生元がわからない原発不明がん
頸部リンパ節がんの中でもいかりや長介さんが患ったのは「原発不明頸部リンパ節がん」でした。原発不明とは、転移元のがんが見つからない状態のことです。患者数としては全悪性腫瘍患者のうちの3~5%と言われていて、比較的まれな症例のようです。
転移元が見つからないからと言っても存在しないわけではなく、「見つかりにくいところに存在している」、「転移先が多すぎてどれが最初かわからない」、「小さすぎて発見できない」などの理由が挙げられます。
原発不明がんの治療法はまだ確立されていないのが現状です。転移元が判明すればがんの種類に合わせた治療ができますが、そもそも原因が見つからないので多くのがんに使用されている抗がん剤を中心とした治療で対処するしかないのです。
残念ながら原発不明がんの生存率はあまり高くなく、1年生存率は25%未満、5年生存率は10%未満とされています。
食道がんも患っていた
いかりや長介さんは2000年に食道がんも患っていました。発見が初期だったため、この時は内視鏡手術によりがんを摘出できたようです。当時マスコミにも一切公表せず極秘での手術でした。のちにこの事実が発覚してからは、頸部リンパ節がんは食道がんの再発だったのではとも考えられています。
いかりや長介の闘病生活
家族には余命が宣告されていた
いかりやさんの長男である碇矢浩一さんは、2003年7月にいかりやさんが一時退院した際に医師から余命宣告を受けたと明かしています。それは「余命は、もって数ヶ月」という残酷なもので、いかりやさん本人には知らせなかったと言います。
浩一さんは幼いころから父であるいかりやさんに、「嘘をつく人間にはなるな」と育てられたそうです。いかりやさんの葬儀の際に喪主のあいさつに立った浩一さんは、余命を知らせず嘘をついたことを父の遺影に詫びました。
余命宣告は通常家族がいる場合家族に行い、本人に伝えるかはその家族に任されます。本人が余命を知ることにはメリット・デメリットがあると思いますが、どちらが正しいとは中々言い切れないですよね。余命宣告を受けた本人とその家族が、悔いの残らない人生を歩める選択を祈るばかりです。
志村けんの舞台をお忍びで鑑賞
いかりやさんは2003年7月に病院を退院してすぐ、志村けんさんの舞台をお忍びで見に行っていたそうです。
2019年4月5日放送のTBS系バラエティ番組「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」に志村さんがゲスト出演した際、いかりやさんの長男・浩一さんがVTR出演し晩年のいかりやさんのエピソードが紹介されました。
志村さんが出演する番組を録画して毎回チェックしていたことや舞台を鑑賞しに行っていたことなど、志村さんも知らなかった事実を明かしました。志村さんはいかりやさんの思いに触れ、「師匠としては間違いがなかったですね」と語り涙したと言います。