「キリスト教のカトリックとプロテスタントの違いは何?」
「二つの教義はどのように違うの?」
キリスト教はキリストを救世主として信仰している宗教です。キリスト教を信仰している人口は2020年時点で約24億人といい、世界人口の3分の1が信仰している宗教でもあります。そのキリスト教には「カトリック」と「プロテスタント」といった宗派があり、知っている人も多いのではないでしょうか?
しかし「カトリック」と「プロテスタント」の違いを知っている人はそう多くはないようです。そこでこの記事では、カトリックとプロテスタントの違いをわかりやすく解説していきます。
この記事を書いた人
フリーランスライター
フリーランスライター、高田里美(たかださとみ)。大学は日本語・日本文学科を専攻。同時にドイツ史に興味を持ち、語学学校に通いながら研究に励む。ドイツ史研究歴は約20年で、過去に読んだヨーロッパ史の専門書は100冊以上。日本語教師、会社員を経て結婚し、現在は歴史研究を続けながらWebライターとして活躍中。
カトリックとプロテスタントの違いを比較
まずはカトリックとプロテスタントの代表的な違いを表にすると以下のようになります。
カトリック | プロテスタント | |
---|---|---|
重視するもの | 2番目に教会が重要 | 2番目に聖書が重要 |
聖書の解釈 | 解釈は統一 | 解釈は個人の自由 |
歴史 | 1世紀頃~ | 16世紀頃~ |
集会形式 | ミサ | 礼拝 |
聖職者の呼び方 | 神父 | 牧師 |
教職者の結婚 | 不可 | 可 |
サクラメント(儀式) | 7つ | 2つ |
懺悔ルーム | あり | なし |
マリア像 | あり | なし |
十字を切る | する | しない |
多くの違いがあることが分かってきます。教義はもちろんのこと、例えば集会もカトリックは「ミサ」、プロテスタントは「礼拝」と呼び方が違います。カトリックのミサは「キリストの最後の晩餐を伝承した儀式」であり、日曜日だけでなく平日や土曜日も行われているものです。
それに対してプロテスタントの「礼拝」は、週に1度日曜日にあります。日曜日なのはキリストが復活したのが、日曜日の朝だったことに因んでいるためです。そして聖書を大切にしているために、牧師の説教が中心です。
1.神の次に重要なもの
カトリックとプロテスタントで一番大切なものは「神」と共通しています。しかし神の次に大事なものに違いがあり、カトリックは「教会」を大事にしており、プロテスタントは「聖書」を重んじる点が違うのです。
カトリックはカトリック教会が最大の権限を持ち、頂点はローマ法皇という宗派です。その教会が聖書の解釈をしたので、教会の方を大切にするべきという考えを持っています。それに対してプロテスタントは信仰において「聖書」があれば十分で、信仰の心さえあれば良いといった考えをもっているのです。
2.サクラメント(儀式)の違い
キリスト教には「サクラメント」と呼ばれる神の恵みを目に見える形で表した儀式があります。サクラメントはカトリックは7つと多く、救いの条件に含むほど大事にしているものです。詳細は以下になります。
- 洗礼:キリスト教入信の儀式
- 賢信:洗礼後に精霊の恵みや力を受ける儀式
- 聖体:パンと葡萄酒を食する儀式
- ゆるしの秘跡:神との和解の儀式
- 叙階:聖職者を任命する儀式
- 婚姻の秘跡:信徒同士の結婚の時に行われる儀式
- 病者の塗油:病人の癒しのために聖なる油を塗る儀式
これに対してプロテスタントのサクラメントは2つで、「洗礼」と「聖餐式(パンと葡萄酒を与える儀式)」しかありません。この2つは聖書に書かれているために、執り行われているのです。形式よりも信仰を重んじるといった考えのため、サクラメントも少ない傾向があります。
プロテスタント自体が「これ」っていう定義のない宗派の寄せ集めのことじゃないの?